オレ、Jokerになります。[凍結中]   作:fateplanet

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仲良くなるには?

さて、慧理那の機嫌をなんとか直すことに成功したオレではあったが、代償として今度買い物に付き合うことになった。

しかしその程度の事でいいのだろうか?なんとなくもっと大きいものの方がいいのではないかと感じたのはオレだけだろうか?

 

そんな慧理那ではあるが、何やら総二と愛香ちゃんの方を見ていた。どした?

 

「やっぱり、総二君と津辺さんは、幼馴染みなんですわね。多くを語らなくても通じ合っているようで、羨ましいですわ……」

 

そう言ってチラリとオレの方を見る慧理那。なんだろうか?まさかオレと以心伝心したいのだろうか?だとしたら無理だぞ?オレって結構ズレた感性をしているらしくて常人にはいまいち伝わらないそうだから。

 

「そ、そうかな?」

 

と、なにやら照れている様子の愛香ちゃん。どうやら総二と以心伝心というのが嬉しいようだった。乙女だねぇ………普段の行動さえなけりゃ、お兄さん、きっと応援し続けてられたんだろうなぁ……、と涙してみたり。

 

で、なにやらそれに納得できていない様子のトゥアールちゃんが机を大きく叩きぶっちゃけ出した。

 

「慧理那さん!正気ですか!幼馴染みなんて噛ませ犬ナンバーワンの立ち位置じゃないですか!普段から目の前につるされている餌に食いつこうともせず『後腐れなくフれる』ナンバーワンでもある上に、愛香さんなんて暴力原始人なんていうカス以下な存在に憧れるなんて今すぐ辞めてください!!」

 

あぁ、またそんなことを言うから……。

 

「なんとなく殴っても気にしないナンバーワンのトゥアールさん、こっちにいらっしゃ~い♪」

 

「ちょ、まって!まだリカバーが追いついて…‥・にぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああっ!」

 

ほら、怒れる武人の餌食になるんだよ。その後先考えないで話す姿勢は見習っちゃいけないものなんだろうけど、そこまで行くと尊敬に値するよ、トゥアールちゃん。

 

と、まぁ、いつもの風景が流れているわけではあるのだが、どうやら慧理那にはなにか思う所があったようで、急に手をメガホンのようにすると……

 

「津辺さんって胸小さいですわよね!」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

突然の言葉にオレや制裁してた愛香ちゃん、および制裁されてたトゥアールちゃんが固まり、そして目を丸くして慧理那の方を凝視してしまった。

い、いきなり何を言ってるのだろうか、この子は?

 

「あの……津辺さん、怒らないんですの?」

 

と、いつまで経ってもリアクションしないオレ達、特に愛香ちゃんに向けて不思議そうな表情で問うた。

 

「いや、だって、ねぇ……?」

 

「えぇ、私達の場合はある意味お約束化してますけど、急に慧理那さんから言われると、ねぇ……?」

 

こんな時はえらく気が合う2人なのだから、本質は仲は悪くないのだろう。ただ、ツッコみが過激すぎるだけであって。

 

「それに……」

 

と、愛香ちゃんは慧理那の胸を見てかすかにほほ笑んだのだった‥…なんて小さい自尊心なのだろうか。トゥアールちゃんも気付いたようだが、流石に連続でダメージを受け過ぎたのか、自重していたのだった。もう耐えられないか、トゥアールちゃん。

 

「わたくしも津辺さんに叩いてほしいのですわ!」

 

「ぅええ!?」

 

流石に攻撃なんてできるはずもない。だって、普段の攻撃力って、初期の頃の毛利蘭レベルなんだもんなぁ、愛香ちゃん。

 

「津辺さんとトゥアールさんは仲がとても良いように見えます。わたくしも仲間として、そんなやりとりができるようになりたいのですわ!!」

 

どうやら、なんかおかしな方向性に思考が行ってしまっているようであった。仕方ない。軌道修正するか。総二も愛香ちゃんもトゥアールちゃんもどうしたらいいのかよくわかっていないようだし。

 

「慧理那、そういうのはまだ早いって」

 

「なぜですの?」

 

わお、本気で疑問顔だよ、この子。

 

「あのな、愛香ちゃんとトゥアールちゃんは初対面でこうだったけど、それだって、大丈夫だというのが分かってたからなんだよ。同い年だったみたいだしさ。まぁ、他の事情も絡むんだけどさ」

 

そこは愛香ちゃんがトゥアールちゃんを信用し切れていなかった点だな。今でこそツッコみだけど、どこか排除しようとしていた気持ちがあったのかもしれない。

 

「でしたら、わたくしも大丈夫だと思うのですが?」

 

「大きく違う。慧理那の第一印象は学校の先輩で生徒会長だ。そんな人間とまだ少ししか関わっていないんだ、攻撃みたいなツッコみなんてまだ、出来ないぞ、こいつ等には」

 

そう言うと3人がブンブンと頭を縦に振っていた。まぁ、そのうちの1人はロリは愛でるものとか変なことを考えてるんだろうけど。

 

「もしも慧理那がその立場、つまり目上の人にそういうことできるか?」

 

「……出来ませんわね。ですけど仲間なのですし……」

 

「仲間だからって同じように接してるわけじゃないだろう?ヒーローだってそうじゃないか」

 

「むぅ、それを言われるとそうなのですけれど……」

 

「まぁ、今回は諦めることだな、な?」

 

そう言って慧理那の頭を撫でてやる。

 

「あ‥……うふふ」

 

と、まぁどうにか軌道修正することが出来たわけだが、今度は慧理那はトゥアールちゃんのしていることが気になったようであった。

 

「ところでトゥアールさんは何をしてらっしゃるのですか?まさか!新たな武器か何かの設計ですの!?」

 

「エロゲ―です!!」

 

……………え?

 

「………えろ()?食べ物でそのようなものが……?」

 

どうやら純真な慧理那には分からなかったようであったのだが、わりと耳年増な愛香ちゃんはそうではなかったようで

 

「あ、あんた、なんてもの作ってるのよ!!」

 

と、引っ手繰ったパソコンを見て顔を真っ赤にしていた。それは横から覗いていた慧理那も同じなようで、唯一普通な顔をしていたのは桜川先生だけだった。まぁ曲がりなりにも大人だし、その位で赤面するようなタマではないか。

 

まぁ、そのあと女子力がどうのこうの言っていたが、結局いつも通りVT(ヴァイオレンスツッコみ)がさく裂して、宙を舞っていたが。

 

で、まぁ、なんでこんなもんを制作していたのかというと、曰く、総二のためらしい。

なんでも総二は平均的な男子学生と比べて性欲が薄いようで、その殆どの情熱をツインテールに回してしまっているのだそうだ。

だからこそ、意識してもらうためにこんなもんを作ったのだそうだ。

まぁ、慧理那には女の体に慣れるための特訓であるとかなんとか言い含めていたが、後から愛香ちゃんにこっそりとそんなことをのたまっていたのだった。

 

まぁ、途中でエロ本を総二に渡してやれば手伝えるとかアホな事を言って、それを信じてしまった慧理那がいたわけで……。

この時はまたオレが説得する形でやめるように言い含めたのだが、何やら不満そうな顔であったから、なにやら嫌な予感しかしないのだが……。

なんか言い含めたあと、桜川先生とコソコソと話していたから、その予感は多分正しいものなのだろうけども………。

 

どうしよう、慧理那がある意味でズレ過ぎててオレの胃が痛くなってきたんだけど……こ、これは胃薬を常備したほうがいいのだろうか、ただでさえ総二のツインテール馬鹿具合に2人のVTがあるので結構いっぱいいっぱいだったのに………。

 

この時もっとしっかりと言い含めておくべきだったと後悔したのは後の祭りであったことは言うまでもない事実だろう。

まぁ、この時点では分かってもいなかったのだが………。

 

 




まさか、クロス願いが来るとは……

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