オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
クロスとかしたら楽しいんだろうなぁ……。
まぁ、私には無理な話ではありますがねぇ。
さて、今日はツインテール部に顔を出しに、生徒会が早く終わった慧理那(+桜川先生)と共にやってきたのだが……
「最近、一向にアルティメギルが現れませんわね……」
と、慧理那の言うように全くと言っていいほど、あの
もしかしたらアルティメギルは気付かれないように進行してきているのではないかと考えたが、トゥアールちゃん曰く「まず、私の包囲網から逃れることはできませんよ。アイツらは属性力の怪物です。属性力の反応が現れていないのですから、来てはいませんよ」とのことだった。
――――しかし、オレ達は知らなかった。まさか、その包囲網を抜けられる存在がいたとは―――――。
まぁ、そんなトゥアールちゃんの言葉を信じて今日も座するだけだったのだが、慧理那からすればそれはつまらないと思うようなことであった。この時の言葉に反応したのはオレ、愛香ちゃん、総二の3人で、トゥアールちゃんは何やら一心不乱にパソコンを打ちつづけていた。
何をしているのだろうか?
「いいことじゃない」
愛香ちゃんの言う通りなのであるが、しかし
「そ、それはそうなのですけれど……」
と、慧理那の口調は重い。どうやら変身できるようになり、自在に力を扱えるようになったのに、使えない事に不満を感じているようであった。
……ふむ。どうやら行為が目的になってきてないか?とりあえずここは少し話しておくべきか。
「慧理那、力をふるうことを楽しんじゃダメだぞ?」
「一樹くん?」
「今の慧理那は新しいおもちゃを使って遊びたい子供とおなじだぞ?」
「そんな!わたくしはそんなことを考えていませんわ!」
まぁ、自覚はないか。まぁオレだってちゃんとした変身なら、慧理那とおなじように興奮していたんだろうなぁ……。
残念ながら女の子になったからオレは理性がちゃんと働いているのだろうことは嬉しい誤算ではあるのだけれども。
「確かにそうかもしれない。でもさっきの言葉は力を振るいたくて仕方ないって感じだったろ?」
「……あ」
「気付いたか?それじゃあ守れるものも守れなくなるぞ?あいつ等がいくら人に攻撃を加えないと言っても例外だっているかもしれないんだ。そうなったときに今の気持ちで十分に守れるか?」
「それは……」
「兄さん、会長だって、それくらい気付いているって」
総二が止めてくるが、残念ながらお前にもあるんだよな。
「総二、お前だってそうだぞ?いつも人に囲まれているけど、それだってホントはしない方がいいんだ。お前の意思が介入してるとかはとりあえず置いといて」
「いや、それでも俺にはどうしようもないんだけどさ」
「うん、それは分かるんだけどな?何かの拍子に手を振るってしまったら?そうなった時その人はどうなる?」
「それは……」
「まぁ、そのことは分かってるんだろうよ。だからされるがままなんだろうしな。それでも注意するに越したことはないんだ」
「それは、分かってるよ」
まぁ、総二はツインテール以外は常識的だから問題ないか、な?
で、もう1人問題児がいるんだよなぁ。
「愛香ちゃんもなるべく人を威嚇とか、過剰攻撃は無しな?」
「あたしにもですか!?」
「一番君が危険だとお兄さんは思うんだけどねぇ!?」
毎度毎度、過剰攻撃が過ぎると思うんだ、お兄さんは!
「君の場合は過剰攻撃で周囲に被害が及ぶ可能性があるんだよ。だから注意しなさいってことなんだよ」
「でも、アイツらは変態は死滅させないと」
「それには同意するけど、限度ってものがあるからな?」
真剣な目で説き伏せないと、下手なことで見物人にケガを負わせるなんて以ての外だからなぁ。
「大いなる力には大いなる責任がある。とあるヒーローのおじいさんの言葉だよ」
確か、スパイダーマンだったっけか?どうやらこの言葉を知っている慧理那は息を飲んでいるようだった。
「わたくし、少し勘違いしていたのかもしれません。そうですわね。確かに力はきちんと振るわなければなりません」
「まぁ、一樹さんがそこまで言うのなら、少しは加減しますけど」
「許容範囲を超える奴だったり、強すぎる奴だったらそれは気にしなくてもいいけどな」
流石にその辺の事までは止めることは出来ないからなぁ。
「まぁ、重い話はここまでにして、テレビでも見てようぜ?」
あんまり暗い空気が続くのもよくはないしな。
「それもそうですわね。しかし、この部室はずいぶん大きなテレビを用意したんですのね。部費では足りないでしょう?」
「そこはほら、うちには天才発明家がいるからさ」
「あぁ、トゥアールさんですのね。しかし、いくら自作とはいえこの大きさのものを用意するのは……」
「ダメか?」
「いえ、部費からや実費なら問題ないのですが、流石に出来てすぐの部活がこんなのを持っていると周囲から嫉妬の言葉が投げかけられそうで……」
「あ~、今は慧理那も来てるから、生徒会長が優遇したんじゃないか、って思われるかもしれないからか」
「ええ。流石にそんな人たちがいるとは思いませんけれど、やっぱりいい顔をしないのはなんとなくですけれど分かりますから」
「う~ん、かといって運び出したりするわけにもいかないしなぁ」
「そうなのですよね」
うんうん悩んでいると、愛香ちゃんが
「どうせ、部員なんて増えませんし、あたし達以外に来るやつなんていないでしょうから気にしなくてもいいんじゃないですか?」
と、魔法の言葉を投げてくれたのだった。
‥‥‥‥…そうだな、
それなら、別に部室に豪華なテレビがあろうとも問題はないのか。
「なるほどな。しかし、そう考えると、オレ達って相当変わり者になるよなぁ」
「まぁ、確かにそうなんですけどね」
相当な変人になるよなぁ、オレ達って……。
「あ、この子また出てる。最近よく見るわねぇ」
と、愛香ちゃんが注目したのは今を時めく人気アイドル、
最近、ツインテールから三つ編みに変化しているが、もともと眼鏡押しだった彼女にその髪型はよく
しかし、オレからすると何かが引っかかるのだ。元々アイドルに興味のなかったオレがそんな風に感じるなんておかしいものがあるが、しかし、彼女にはあったことがあるような気がするのだ。それもごく最近……。
と、テレビを凝視して考えていると、急に太ももに痛みが走った。
「つぅ……慧理那、何をしてるんだ?」
「知りません。自分で考えて下さいまし」
なぜか不機嫌になってしまい、どうしようかとオレがおろおろしている間にも、総二と愛香ちゃんはラブコメしつつ、それを阻止しようとトゥアールちゃんがなんか変なことして、また失言して制裁喰らってたのを横目にしながら、オレは慧理那の機嫌をどのようにすれば戻るのか、四苦八苦したのだった。