オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
「……よかった。これで、奴らがいつ現れても安心です」
心底安堵したような表情でそう呟くトゥアールさん。総二に腕輪を付けさせることがそれ程まで重要な事柄であることがうかがえる。
ただ、それよりも気になるのは総二と密着してしまっていることから、その豊満な胸部装甲が存分に総二に押し当てられていることであろう。
ほら、お前のすぐ横で憤怒のオーラを立ち昇らせてる幼馴染み殿が乙女として致命的な顔で睨んでらっしゃるぞー(超々他人事)。
「早く外して!捨てちゃいなさい!」
と、総二の首根っこを掴まえて引っ張り出すという人外の荒業をもってして強制的に引き離しにかかったぁーっ!(実況風)
そこから流れるように腕輪に手をかけ引っこ抜こうとしているだとぉおっ!しかし一向に外れない。ここは見ていることが楽しすぎて一切喋ってないが、いいか。
「ちょ、愛香、俺の手が抜けるうぅぅぅっ!兄さんも楽しそうにしてないで愛香を止めてくれぇぇえっ!」
む、助けを求められたか。仕方ない、助けるとするか。
「愛香ちゃん、そろそろやめてやらないと総二が死ぬぞー」
と言いながら人外の力を掛けられてる手首をするっと愛香ちゃんの手から外してやる。
「ちょっ、一樹さん!」
「外すのはいいけど、無理にやっちゃ総二が痛い目に合うからさ。それに嵌めてきた本人に外してもらうの1番じゃないか」
あ……と今更ながら気付いた2人は若干馬鹿なんじゃないかな、と思ってしまう。
「はぁはぁ……なぁ、これ悪いんだけれど外してくれ……」
総二の言葉はそこから先は聞けなかった。何故なら、トゥアールさんが懐から取り出した何かが光り、俺たちを包み込んだから……。
そして次に目を開けたらそこは………。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「突然失礼しました。ですが、説明するよりもこちらの方が早いと思いまして」
トゥアールさんの声が聞こえる。
「なんで、外に……って、なんでここに!?」
総二の慌てふためく声も聞こえてきた。
光に焼かれた目が慣れた時、周りを見るとさっきまでいた実家などではなく、外で、しかも20分以上は離れてるコンベンションセンター、『マクシーム
「どういうことだよ、おい」
さすがにこれには度肝を抜かれたオレは知らず知らずの内に頬をつねっていた。そらそうだ。睡眠薬で寝てる間に連れてこられたとかじゃない。文字通り
何やらトゥアールさんと総二達が言い合っているが、とりあえず離れなければいいらしい、ということはわかった。
この時オレは思った。まさかトゥアールさんもオレと同じなのではないかと…。
だからこそ、不思議な力が使えたのではないか、と……。
オレと同じだと仮定するのなら彼女が使ったのは《ZONE》の可能性が高い。でも決めつけるのは早計過ぎる。そうだとするのなら、あの腕輪とそれまでの行動が不明すぎる。
そうオレが思考の海に埋没していたら、オレは総二の叫びで現実に引き戻された。
「――――――なあああああ!?」
「え、嘘、何あれ!?」
「え、どうし……な!?」
トゥアールさんの指した総二達の視線の先にはトカゲ人間がいた。それも着ぐるみなんかではない。確かな生物的な力強さと生きているということを感じさせる、生物として反応を感じ取った。確かにそこにいるという存在感が特撮の撮影なんていうものではないことが伺える。
「まさか…ドーパント…?」
俺の知りうる可能性を上げてみたが、周りの面子はその声に気付いてない様子だった。
リザードドーパント(仮称)は手近にあった車を弾き飛ばすと声を発した!
「者ども集まれぃ!!」
そう流ちょうな日本語で、こう続けた。
「ふはははは!!この世界の生きとし生ける全てのツインテールを、我らの手中に収めるのだ―――――!!」
「……は?」
え?今なんて言ったの?
「ちょっと、そーじ、何着ぐるみ被って何やってんのよ」
「俺はここにいるだろうが!」
うん、皆混乱してるな。
更に更にリザードドーパント(仮称)の周囲に黒づくめの戦闘員的なのが集まってきた。
「モケェー!!」
うん、鳴き声も戦闘員ですね。(混乱気味)
これが
戦闘にいけそうにない…orz