オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
《~♪》
朝、オレは設定してある目覚まし音ではなく、携帯に登録してある特撮ソングによって目が覚めた。
この音楽はオレが電話の着信音にしている音楽で、ちなみにレスキューフォースのやつだったりする。
と、そんなことはいいんだ。こんな朝っぱらから連絡してくるなんて、どこの誰だろうか……?
そう思い寝ぼけ
慧理那が迷惑であろう、こんな時間から連絡してくるなんて珍しいことである。なにか厄介事なのであろうか?
まぁ、そんなことは後から考えればいいか。そう思いとりあえず電話をとることにしたオレは、通話ボタンを押し、耳に当てる。
あ、ちなみにだが、オレはガラケーを使っている。なんかスマホのあの感じが好きになれなかったのと、その、なんだ、機能を十全に扱えそうにないと感じたからだ。こう見えて機械系統は苦手なので、パソコンも持っていなかったりする。
『お、おはようございます、一樹くん」
受話器から聞こえてきたのは、案の定慧理那だった。
「おはようさん、慧理那」
『すみません。まだ寝ていらしたと思ったんですが……』
「いや、それはいーよ。なにかしら厄介な事でもあったんだろう?」
『よくわかりましたわね?』
「お前がこんな朝っぱらから迷惑考えずに連絡してくるんだったらそれくらいしかねーだろう?」
『……まぁ、たしかに普段のわたくしらしくはありませんでしたね。相談もあるのですが、一樹くんと2人で話したかったのもあったりするのですわ』
「別に、2人で話すなら学園でも大丈夫だろう?」
『そこだと尊がいるじゃないですか。わたくしは2人きりで話したかったんですわ』
「物好きな奴だな。オレと2人きりで話したいだなんて」
『……本当に無自覚フラグメイカーですわね(ぼそり』
「なんか言ったか?」
『いえ、なにも言ってませんわ』
いや、確かに何か言ったと思うんだけども……。
「まぁ、いいや。それで相談って?」
『……全く、女心に疎いですわね。いえ、一樹くんらしいですが』
「慧理那?」
『気にしないでくださいまし、独り言ですわ』
「受話器おいて言うもんじゃないのかな、それは」
どっか抜けてるよなぁ、慧理那は。
『それで、相談なのですが』
「おう、どうした?」
やっと本題か。
『実はわたくしのお母様なのですが、昨日……』
そうやって続けようとしたところで……
「ずおりゃー――――――――――!!!」
なんか物凄い音が聞こえてきているがスルーしよう。
「で、相談てなんだ?」
『それよりも気にすべきモノがあるんじゃなくて!?』
「いや、いつもの光景だからスルーでいいぞ。総二を取り合ってる女の子の戦いが始まってるだけだから」
『それであんな大声が出ますの!?』
「出るんだよ。まぁそこら辺はスルーでいいぞ。いつものことだから」
『いつもこんな騒音を聴いていてよく寝ていられますわね!?』
「スルー耐性って結構大事でな?気付けば身についてたんだよ」
『それは色々と突き抜けすぎてやしませんか?!』
「まぁ、こんな些細なことはいいじゃないか」
『些細なことってどれだけこの状態に遭遇してますの……?』
「トゥアールちゃんが来た翌日からだな」
『トゥアールさんが殆どの原因ですの?!』
「おう。もう日常の1部だから問題なんて全くないぞ」
『わたくしがついていけそうもないのですが……』
「大丈夫、慧理那もその内慣れるさ」
『慣れていいモノなのでしょうか……?』
疑問みたいだが、まぁその辺はおいおいでいいだろう。で、だ。
「相談っていったい何なんだ?」
『あ、すっかり忘れてしまっていました』
「忘れちゃダメだろうが」
『それだけ衝撃的だったと思ってくださいまし……それで相談なのですが、昨日、お母様から、見合いを申付けられてしまいまして……』
「は?見合いって、あの見合いか?」
『どの見合いを指しているのかはわかりませんが、世間一般でいうところの見合いですわ』
「なんだって、急にそんな……?」
今までそんなそぶりなんて見せてなかったというのに、って昨日って言ってたな、さっき。
『急ではないのです。実はわたくしの家系には代々と続く掟がありまして……』
「確か、ツインテールにするだったっけ?」
『それもありますけど、今回は違う掟なのですわ』
「違う掟?」
『はい。実は神堂家の女は16歳で結婚相手を探し、17歳には見つけて同棲し、18歳には結婚するという掟があるのです!』
「なんじゃそら」
『本来ならわたくしもそうやっておかなければならないのですが、お母様に生徒会長を頑張ることと学業に専念することでどうにかお許しを得ていたのですが……』
「もしかして生活バランスとか、そういったことが疎かになってるっていわれたんじゃないだろうな?」
『…………その通りですわ』
大分間があったな、おい。
『それで怒ったお母様がわたくしに掟を守るように、と言い始めまして……』
「だったら今まで通り頑張ればいいんじゃ?」
『それですと、ツインテイルズの活動に支障が……』
「あー、それで崩れたのか……」
『なる前からツインテイルズを追っかけていたのでそれもあったのだと思います』
ある意味自業自得じゃねーかよ。
「それで、どういう風に助けりゃいいんだ?」
『え……?』
「なんだ?助けてほしくて連絡したんじゃないのかよ?」
『いえ、助けてほしくて連絡はしましたけれど……そんなにあっさりとでいいんですの?』
「なんだ、不満か?」
『いえ、不満というよりも疑問ですわ。助けてくれるだろうことは分かっていましたけど、小言の1つ2つはあると思っていましたから』
「そんなもん、ちゃんと原因わかってる奴に言っても、いらん労力だろうに。ちゃんとやる気なんだろう、生徒会」
『もちろんですわ!わたくし、あの学園が大好きですもの。よくする為なら努力を惜しみません!』
「そう言えるってことは問題ないだろう」
そう言えるのなら改善できることだろう。それに……。
それに他の理由としては、なんか慧理那が他の男と見合いするのってなんかムカムカするしなぁ。
「で、オレは具体的に何をすればいいんだ?」
『えっと、その、ですね……』
「おう」
『今度、わたくしと一緒にお母様と話してほしいのですわ』
「それだけ?」
『それだけですわ。ちょっと一樹くんに負担が大きいかもしれませんが、それでもちょっとしたきっかけをわたくしが作りますので、後からわたくし達の話の中に入ってくれれば』
「な~んか、それだけで終わりそうにないと感じているのはオレだけか?」
『きっと、その勘は正しいものでしょうね。どうします、下りますか?』
はん!
「一回乗ったんだ。今更下りはしないさ。わかった。お前さんが何かしらのアクション起こしたら、話に突撃すればいいんだな?」
『はい。あとは貴方の思うままにしゃべってくださって構いませんわ』
「そんなんで、大丈夫か?」
『大丈夫ですわ。だって、あなたですから』
「はい?」
『きっと、大丈夫ってことですわ。それではまた学園で!』
その言葉を最後に通話は切れてしまった。しかし何をどうすればいいんだろうかな?慧理那は思うままに喋れとか言うし。それで大丈夫なのかと本気で思うってしまうがなぁ……。
まぁ、今はとりあえず、未だに近所迷惑レベルな騒音を出している年下組3人を注意しにいこうか……。
早朝なんだから、周囲の迷惑を考えろっての!!
色々と先の事も考えながら書いていかないとなぁ……。