オレ、Jokerになります。[凍結中]   作:fateplanet

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あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

色々とあって中々執筆時間が確保できませんでした。
待っていた方申し訳ありません。
なるべく毎日更新していくつもりではありますが、色々と忙しくなってきたので難しい時もあるかと思うのでご容赦くださいませ。

では本編開始です。




彼女の事情と新たな力の不思議―2

「その愉快な勘違いはさておき、さ。それってつまり、アルティメギルに取り入ったって事なの?」

 

確かに勘違いはどうでもいいが、確かにその通りであることには違いない。

どのような言葉を並べようとも彼女がアルティメギルに属していることには違いなく、そしてそのプレッシャーは幹部クラスだということがその身を以て理解しているオレ達にとって、再びかち合う可能性が大きい事でもあるのだ。

 

「確かなのは、彼女が洗脳されていたり、騙されていない事でしょうか……もしかしたら利用されているのかもしれませんが。それでも結局は自身の意思で与していることには違いはありませんが」

 

やはりか……しかし、利用しているか。

 

「トゥアールちゃん、利用ってのはどういうことだ?」

 

「今。思いついた仮説なのですが、彼女もツインテールをしている戦士には違いありません。だからこそ、彼女を英雄にして、後からばらすことで効率的に回収するのではないかと。そのために人間を使っていて、そのことをキチンと理解できていない……いえ、この仮説は成り立ちませんね」

 

「どうしてよ?それも中々道理に(かな)ってると思うけど?」

 

その愛香ちゃんの言葉にヤレヤレといった体で見下すように視線を向けるトゥアールちゃん。おい、そんなことをしてるとまた……。

 

「なんだか汗かいちゃったなぁ……あ、ここにいいモノがあるじゃない」

 

「みぎゃあああ!!髪が抜け落とされりゅぅぅぅううう!!」

 

ほら、言わんこっちゃない(言ってない)。

 

「でも、さっきのもあってるような気がするけどさ?」

 

総二もどうやら納得し切れていないようである。また慧理那も仲間になって日が浅いからか理解が出来ていない様子だし、仕方ない。トゥアールちゃんがダウンしてるからオレが話すか。

 

「さっきのトゥアールちゃんの仮説だとおかしい点が出てくるんだよ」

 

「おかしい点、ですか?」

 

「そう、おかしい点。それはなそのような方法で集める場合、深く作戦の内容を理解し、尚且つ積極的にやらなければならないからだ」

 

「だったら、中身を嘘のように曲げて伝えればいいんじゃないのか?」

 

「それが出来ないんだよ。それだと彼女のいう守りたいもののために軍門に下ったという言葉の意味がなくなるんだ。彼女の守りたいもの、それはやっぱり自分でも言っていた眼鏡属性なんだと思う。彼女が浸透するということはその眼鏡属性も浸透していくことにはならないか?」

 

「まぁ、オレだってツインテールのために戦ってるし、そのおかげか知らないけどめちゃくちゃ浸透してきてるしなぁ」

 

「だとするならば、自身を英雄視させたとして、その自身の属性が消えていくのを目の当たりにして耐えられるんだろうか?」

 

「耐えられるわけがないだろう!!」

 

実際、目の前のコイツは耐えられないから戦ってるわけだしなぁ。

 

「つまり、いずれ狩られることが分かっているのにそれをすることに意味があると思うか?だからこそ、トゥアールちゃんもこの仮説を否定したんだ」

 

「そ、その通りです……。イースナは病的なストーカーでしたが、決して頭の悪い幼女ではありませんでしたから………」

 

息も絶え絶えに、トゥアールちゃんがそう続けた。

 

「つまり聡い彼女ならば、そうなることが分かっているから、そのことで利用されていることはない、と」

 

「ああ、もしもそれをやるのなら全部知ったうえでやるんじゃないだろうか」

 

「私もそう感じて否定したんです」

 

「だったら初めからそう言いなさいよ」

 

いや、君言う前に攻撃して物理的に黙らせたじゃないか。

 

「まぁ、そこはアイツと対峙した時に改めて確認すればいいじゃない。それで、どうして敵がテイルギアを持ってるわけなの?」

 

確かにそこは疑問だ。トゥアールちゃんが流したとは考えれないし。

 

「どうやらイースナはあの不思議な眼鏡で私のテイルギアを解析したみたいなんですよね、あの口ぶりだと。まぁ、テイルギアシステム自体は私のオリジナルだとしても、属性力の変換機構はエレメリアンの物でありましたから、再現自体はアルティメギルに着いた以上、容易なモノだったでしょう。しかしそう考えると……」

 

「彼女は組織に入ってすぐに頭角を現したってことになるんだよな」

 

「えぇ。私自体負けてから引きこもっていましたが、それだってそこまでの時間は経っていませんから。そう考えると、不思議な眼鏡しかなかったあの娘を幹部クラスに押し上げるほどにあのギア、グラスギアでしたか、それには強大な力があるということに他なりません」

 

「ねぇ、それってつまり」

 

「かなりの強敵になることには違いないな」

 

「でも、彼女は積極的にアルティメギルの属性力収集には参加していないような気がするんだよな。実際、消耗したのが何人かいたのに手を出してこなかったし」

 

総二の言葉にも一理あるにはあるが、しかし……。

 

「まぁそこも後からでいいじゃない。それにトゥアールの元恋人なんでしょ?だったらトゥアールがテキトーに色気ふりまけば戻ってくるんじゃない?」

 

「滅多なこと言わないでください!!私は新品な清くまっさら状態だというのに、総二様が不安に思ったらどうしてくれるんですか!本当にイースナとは何もありませんでしたからね!!」

 

いつも通り漫才をしているが、この先人間と戦うことになっているということに彼女たちは気付いているのだろうか?

今までは曲がりなりにも人外であったから、オレ達のモラルの邪魔にはなりはしなかったが、人となると話は違ってくる。

人を殴るというのは、傷つけるというのは想像以上に怖いものがあるのだから……。

どうやら総二もそんなことを考えているのか暗い顔をしている。どうやらオレ達は似たもの兄弟らしかった。

 

で、途中から黙ってしまっている慧理那の様子を窺うと……

 

「燃えますわ!!」

 

なんだか知らんが燃えていた。

 

「え?」

 

「同じ力を持った敵患部の襲来!しかもかつてヒーローを慕っていた少女……避けられぬ戦い!燃えるシチュエーションですわー!!」

 

どうやら特撮オタ魂に火が付いたようで……。

単純であると羨ましがるべきか、微妙なところである。

 

「か、会長!そんな暢気な問題じゃないよ、人間と戦うんだぞ!?」

 

どうやら総二が一言物申すようであった。

 

「?どんなヒーローだって中盤で人間と戦うことになるのは必須でしてよ?」

 

………確かにその通りではあるんだけど……あれ、これってオレ達がズレているんだろうか?

 

で、助けを求めるように愛香ちゃんに視線を向ける総二であったが。

 

「まぁ、エレメリアンと違って爆散させるわけにはいかないんだけどさ、別になんてことはないじゃない。結局のところトゥアール殴るのよりも強めにぶん殴ればいいんだから」

 

なんという男らしい考え方なんだろうか……。

いや、愛香ちゃん、その回答を聞いたら(あなが)ち蛮族認識も間違っちゃいないとお兄さん思うのはダメなのかなぁ……。

いやだって、どう考えても獣理論だよ、それは。脳筋の考え方そのものだよ。

 

「ありがとうございます、愛香さん、慧理那さん。イースナもきっと心のどこかでは倒してほしいと願っているはずです。手加減せず、余計なことを口走る前に全力ではっ倒して足腰立たなくしてやってください」

 

色々と心の声が漏れ聞こえているけど、気のせいじゃないなぁ……。

 

「そうそう愛香さん、あの子おっぱいあげると言ってましたから、戦利品としておっぱいゲットすればいいと思います」

 

「嫌よ、なんで敵の施しを受けなきゃなんないのよ」

 

「私のおっぱい引き千切ろうとしてたのに!?なんですか!その胸と同じで薄っぺらいプラいぺぎゃ!?」

 

何で彼女は愛香ちゃんの逆鱗に触れる所を全力で触りにいっているのだろうか……。

 

その後もなんだかキャットファイト(愛香ちゃんの蹂躙ともいう)が始まり、直視できない状況が出来上がっているので視線を外すと何やら1人ブツブツ言っている母さんと目があい

 

「頑張るのよ、一ちゃん!父さんや母さんの果たせなかった夢を叶えてね!」

 

「はい?」

 

「その子、トゥアールちゃんにぞっこんみたいだから難しいだろうけど、そこは一ちゃんの無自覚フラグメイカーを駆使するところよ!」

 

「フレグメイカーじゃねぇよ!!」

 

いきなり何を言っておられるんだろうなぁ!うちのご母堂様は!?

 

 




そうそう、WIXOSSのお年玉見事に外れました。
その日のPartyは3位入賞だったんですけどねぇ……。

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