オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
次回から3巻内容に入っていきます。
この2体が初めからきちんと連携をとっていたと考えるなら、それは物凄い脅威になったのではないかと。
実際、オレもレッドもイエローの参加がなければやられていたかもしれないだけに心配のし過ぎとは、言い切れなかった。
まぁ、勝ちを拾うことが出来たのだからよしとしておこう。
しかし、
この場にいてくれているのなら、話しをすることが出来たのであろうが、あいにくと非戦闘員であるトゥアールちゃんはこの場にはいない。このことは帰ってから考える必要があるだろうな。
「それでは、帰りましょうか。皆さん」
イエローからそう言われて年少組も近づいてくる。
どうやらレッドを拘束していた触手もクラーケギルディが倒れた今、綺麗に消えてしまったようであった。
「結局今回はジョーカーとイエローに助けられたな」
「あたしに至っては何も出来てないしねぇ」
そう言ってはいるが、なぁ。
「言ったろ?たまには年上に任せろって。なぁ、イエロー?」
「そうですわ。それに今回はご主人様との共同作業でしたから……はぁ、はぁ」
………イエローのこれはどうしたらいいんだろうか?実際腹括ったら強かっただけに禁止にすることはできないしなぁ……。
そんな風にオレが頭を抱え、年少組に同情的な視線を向けられているその時、突如、声を掛けられたのだった。
『見事じゃ……素晴らしき闘技。素晴らしき戦いじゃった』
その声と共に周囲がまだ日が落ちるのには早いというのに薄暗くなってきたのだ!
「だ、誰だ!?」
レッドのその声から全員で周囲を警戒するように固まるオレ達。
そして、気付いたのだ!向こうから蜃気楼のように現れた影に!
それはまさしく影そのものだった。
身に纏うもの、すべてが黒に統一された『少女』。
しかし、その身から発するプレッシャーは幹部エレメリアンと
「何よ……何なのよ、アイツは……」
ブルーもどうやら感じ取ったようだ。あの
「アンタは何だ……?」
オレの問いかけに対して、少女は素直に、しかしオレ達にとっては分からない言葉を放った。
「そうか……分からぬか」
その子はオレの言葉にひどく傷ついたように頭を垂れた。
しかし、これほどの力を放つ存在を忘れているなどないのだが、一体全体何故なのだろうか?
「まぁ、しかし無理なからぬこと。以前のわらわは手足の伸びきっておらん小娘だった。これほどにまで美しく成長しておれば、以前の面影とは重ならんであろうことは仕方ない事かもしれんの」
そう少女は言うが、以前の面影も何もオレには記憶にないのである。
「だが………なぜ胸が萎んでおるのだ!貴女の
!今、あの子はなんて言った?属性力を感じている?つまり彼女は人間なのに、エレメリアンと同じように属性力を感じることが出来る術を持っているということなのか?
もしくは人型のエレメリアンなのか?
そうオレが判断に困っていると、彼女は自身の纏う黒衣を脱ぎ捨てる!
「わらわは……ダークグラスパー」
「な、何!?」
「ウソでしょ!」
「なんという事なのでしょう…‥」
そしてそこから現れたのは、まごうことなきテイルギアだった!
黒く彩られたそれは禍々しい光を携えているようにも感じることが出来た。黒なのに光を感じるという矛盾はあるが、しかし実際にそう感じてしまったのだから仕方ない。
「それは――――テイルギア!?」
「否だ、幼女よ!これはグラスギア!頑強装甲グラスギアじゃ!!眼鏡を愛する力、
色々とシャレをきかせているようなネーミングセンスではあるが、それ以上に感じるプレッシャーが恐ろしいものである。
「貴女に憧れて作ったのじゃ、トゥアール。同じツインテール属性で作らなかったのは貴女への
「……へ?トゥアール?」
なんで彼女はオレを見てトゥアールちゃんの事を呼ぶのだろうか?
しかし、彼女は言い間違いではないようにオレの方を見て、はっきりと告げる。
「そして、今のわらわはアルティメギル首領直属の戦士」
今、きっと基地では驚きの声が上がっていることだろう。
しかし彼女は何を持ってオレをトゥアールちゃんだと言っているのであろうか?
だが、そのことばかりを気にしてはいられない。
何故なら彼女はアルティメギル首領の直属の戦士と言ったのだ!
つまり首領の命で動く直接の駒である。そんな存在が来たということは、それだけオレ達の事が危険視されていることに他ならない!
「貴女を迎えに来たのじゃ、トゥアール。わらわと共に戦ってほしい」
彼女はそう、オレの方を見て言ってきたのだった。つまり彼女の狙いはトゥアールちゃんであり、そして彼女を引き込むことを目的としてるってことなのか!?