オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
楽しみにされていた方、申し訳ありませんでした。
神堂が変身してからはそれはもう大変だった。愛香ちゃんは恥も外聞もなく神堂に縋り付き、交換してもらうように泣きすがり、しかし神堂が好感してくれないのなら、その交換条件としてトゥアールちゃんのおっぱいを引きちぎって渡すとまで言い出したのだ。勿論、総二がそんな暴動を許すはずもなく、ツッコんでいたのだが、その際に言ったトゥアールのおっぱいという一言をトゥアールちゃんが録音してしまい、それをトゥアルフォン―――トゥアールちゃん作成の通信アイテムの事だ。これにはアルティメギルが現れた際に使用するアイテムで、連絡が入った際に周囲に聞こえる声と実際に言ってる言葉が変わるという優れものなのだが、総二は何故かツインテールを連呼し、トゥアールちゃんは痴女で、愛香ちゃんは蛮族そのものだった。しかしながらオレだけは普通の言葉だったので、良かったのであるが……何故か英語になるということ以外は。
そのトゥアルフォンに妙な音声を録音したり、愛香ちゃんに至ってはギアを纏ってまで神堂から奪おうとまでしてしまっていたので、流石に見過ごせずハリセンで叩いて正気に戻したのだが。
それから間を置かずにエレメリアンが現れるアラートが鳴り響いたのだが、それが何故か『トゥアールのおっぱい』という、総二の声に変更されており、総二がまたツッコんだところで部室にあるテレポートシステムを使用してエレメリアンの現れた中学校の前に跳んだのだった。
「うむ。やはり女子中学生こそ至高だな」
まぁ、跳んだ先にいたのはまごうことなき変態が居たのだが。なんだよ、第一声が女子中学生が至高って‥‥‥‥変態だ!!
そんな変態エレメリアンは牛のような外見をしており、またその肩にはクラーケギルディと同じマントを羽織っており関係していることを窺わせるには十分な材料であった。
どうやら奴はクラーケギルディの部隊のエレメリアンのようであった。
「モケー!」
「モケケー!!」
またその周囲には複数の戦闘員がおり、モケモケとうるさいことこの上なかった。
そのうえカサカサと台所によく出るGのような動きをしている戦闘員に逃げ惑う女子中学生たち。どっからどう見ても変態から逃げる
「走って揺れる醜い乳などに存在価値はない。貧乳こそ始まりにして終わりの乳なのだ!」
案の定、貧乳属性のエレメリアンであったようだ。
「なかなかいいこと言ってるけど、乳にこだわっている以上、アイツも倒すしかないわね」
「いいこと、なのか……?」
「さ、さぁ?」
早速目の据わっているブルーにターゲットロックオンされたエレメリアン。心の中で合掌しておこう。お前の出番は一瞬で終わることが決定したぞ。理由?キレてるブルーに狙われたからに決まっているじゃないですかー。
「現れたか、ツインテイルズ!我が名はブルギルディ!首領様、そしてクラーケギルディ隊長の栄光のため、この命燃え尽きるまで戦おう!!」
「そのクラーケギルディが子供の貧乳はダメって言ってたぞ!なんで子供を狙うんだ!」
お前ら、この間オレとリヴァイアギルディが真面目に戦ってる間にそんなことを言ってたのかよ……。
「………そんなもの、私がこの年のころの少女が好きだからに決まっておろう!!」
「清々しいまでの変態宣言だなぁ、おい!!」
ギルティ、決定じゃいないかよ!イエスロリータ、ノータッチの法則を知らんのか、コイツは!!
(若干怒りの観点がずれていることに気付いてはいません)
「イエロー、見せてもらうわよ。貴女の正義の心が生み出す力とやらがどれほどのモノなのかを。もし口先だけだと感じたのなら容赦なくブレスを奪う。そのおっぱいはあたしのものとなるのよ」
「おーい、欲望がだだもれだぞー?」
グリードに狙われそうなほどに欲望が暴走してやがる。そこまで気にするものなんだね、ブルー。胸って、そこまで大事なのかなぁ……?
そんなとんでもない台詞に対して、神堂――イエローは「よくってよ」と返す。
「必ず仲間として認めていただきますわ!だってわたくし……あなたたちの戦いを、ずっと見てきたんですもの!」
なんともまぁ、嬉しいことを言ってくれるものじゃないか。その言葉にブルーもむむむ、と唸っているしレッドも嬉しそうにしている。
「何!?新たなツインテイルズだと!」
ブルギルディは大仰に驚き、イエローを指さしている。
その様子に満足したのだろう、イエローは高らかに名乗りを上げたのだった。
「わたくしはテイルイエロー!第五のツインテイルズですわ!!」
トゥアールちゃんもしっかりカウントされていた。そのせいか通信機越しに嬉しそうな声が聞こえてきていたが、段々とおかしな方向に向かいそうなのでカットしておくことにする。
「えと、使用法は……なるほど!こんな風に頭に思い浮かぶんですわね!」
そうだったのか、こっちにはそんな機能なんぞついてないからなぁ。まぁついてなくてもしっかりと分かるんだけどな!
そうしてイエローはツインテールを結ぶフォースリボンを髪をかき上げるようにして触れたのだった。そうして黄色い雷が迸った後に彼女の手には山吹色の銃が握られていたのだった。
母さんのリクエスト通り銃ですよー。
「ヴォルティックブラスター!!」
流石に特撮好きなだけはありその出し方はカッコいいものだった。
いいなぁ、オレもかっこよく武器出したいなぁ……。
「モケェ!!」
光る銃口を戦闘員に向ける神堂。やはり初陣は雑魚を薙ぎ払うことがかっこいいと感じているのだろう。まぁ、その気持ちは分からなくもない。デカマスターが初めて出てきたときのあれは憧れたものだしなぁ。
「さぁ、これまで多くの人々を危険に晒した罪、
無機質に走り寄ってくる戦闘員達に向けてイエローは引き金を引いた。引いたのだが………
「も、モケ?」
「あ、あら?」
「は?」
その弾道はオレ達が想像したような迸るものなどではなく、夜店のコルク銃のような威力だった。当然、当たったところでダメージがあるわけではなく、戦闘員も不思議そうに、そしてどうしたらいいの?と言っているかのようにこっちに視線を向けてきたのだった。
お、オレ達のほうに向くんじゃないよ!こっちだってわけわかんないんだから!
「い、一撃で倒れないとは、やりますね……」
いや、神堂、凄んだところで、どうしようもない気が……。
そこからは正直見ているのが辛いものだった。全身から武器を現していくのはいいのだが、その全てが、おもちゃレベルの威力しかなく、戦闘員もどうすればいいのか、ここは倒れてあげたほうがいいんじゃないのか、とか思っていたようで実際に倒れられてしまったのだ。それはまさしく休日のお父さんが子供のごっこ遊びに付き合ってやられたかのようなものだった。
最終的にはそうなってしまったがためにイエローはがっくりと崩れ落ち、結局はオレとレッドが戦闘員を片付けたのだった。
ブルギルディ?既にブルーによって