オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
さて、同い年の幼馴染みが戯れていると、急に総二がビクッと震えているではないか。
これはあれか……。
「総二、漏らしたか?」
「んなわけあるかぁっ!」
「え、ちょっと、そーじ……」
「お前も引いてんじゃねぇよ!してないからな!いつもの兄さんの戯言だからな!?」
いや、冗談に決まってるだろうに……まさかマジでしちゃったのか?
「そこもマジでしたとか考えてるんじゃないよ!」
「おま、地の文よむんじゃねぇよ!」
「そんな顔してるからわかりやすいんだよ!」
そう言い切ると、ぜぇぜぇと荒い息を吐く総二……ふむ、さすがにからかい過ぎたか。
「そうじゃなくて、あそこ」
そう言って総二が指さす先には1人のお客さんがいた。
コーヒーカップが置いてあることから母さんが出かける前にいたお客さんなんだろうけど、おかしいな。
俺の鍛錬不足か?またじーちゃんとこに行って鍛えてもらうべきであろうか…。
「ちょっと、そーじ、髪」
「あ、わりぃ」
と、俺が鍛えるべきか悩んでた間にまーたラブコメっぽい空気を醸し出している2人。そんでもって総二の手には愛香ちゃんのツインテールが握られていた。
何か考え事や心配事があると直ぐに愛香ちゃんのツインテを無意識に手でいじくる癖が総二にはある。その度に愛香ちゃんは困ったような嬉しそうな顔で総二に注意するのである。
まぁ、120%の確率で嬉しいってのがまさってるんだろうが……。
命短し恋せよ乙女ってか?
まぁ、総二は困ってるとしか受け取ってないところがまたまた涙を禁じ得ないところなんだけれどなー………。
とまぁ、俺がまたまた愛香ちゃんに対して泣いてたところに、なんか忘れ去れてたお客さんの存在感が増したのが分かった。
なんとゆーか気付いてほしいといった感じに気配が増したのだ。
しかもよく見れば持ってる新聞紙に穴開けてこっちを見ている始末……うん。
「もう、目ぇ合わせないようにしようぜ」
「「異議なし」」
もう完全に不審者ですといった感じではあるがお客さんではあるし、それを無下に追い出すことも出来ないといった答えにたどり着いたのであろう総二の言葉に反対する者は誰もいなかった。
まぁ、それでも横目で気にはなったから見てるんだけれども、綺麗な人であった。年のころは俺よりも少し上くらいであろうか。新聞に隠れて切れていないその顔は、ここら辺で見かけたことはなく、また覗く髪は銀髪で日本人ではないのであろうことは見て取れた。
本当に綺麗な人であっただけにその行動が残念過ぎてもったいないことこの上ない。
そんな残念美人さんは急に新聞をたたむとおもむろに立ち上がり、出ていくのかと思いきや、真っ直ぐにこっちに向かってやってきたではないか!?
いきなりどうしったっていうんだ!?
今晩、余裕があればもう1話あげます