オレ、Jokerになります。[凍結中]   作:fateplanet

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ツインテールなオレ達

「うっだー…………」

 

あの最大の戦いから翌日、オレは自身の机に垂れていた。

昨日の戦いによる疲れと達成感からか本気で疲れ切ってしまっていたのである。

少なくとも幹部級は倒せたのである。少しの間は侵攻も弱まるだろうことは、想像に難くない。

 

「昨日のツインテイルズ凄かったな!!」

 

「お姉さまたち、素敵だったわ!」

 

「お前の罪を数えろ……言ってみてぇ!!」

 

「ダメージ状態のテイルレッドたんたちの写真あるけど欲しい?」

 

「「「「「「欲しい!!」」」」」」

 

まぁ、学園の連中はいつも通りではあるのだが………

当然、ラビットギルディ戦から居たマスコミの連中はオレと総二の戦いの一部始終を撮影していた。

そのことに後から気付いたオレは大分肝を冷やしたものだ。負ける気はなかったとはいえ、もしも負けてしまったとき、オレ達自身が絶望を振りまく存在になっていたのだから。

そう考えると、間一髪だったようにも思えてならない。

 

まぁ、勝ったからこそ、今も皆はレッドやジョーカーに首ったけであるのだが………なぜかブルーの方はどこのテレビ局も撮影していなかったために、またブルーは叩かれ、そして愛香ちゃんはあらぶっていたようであるが……。

 

「観束くん、お疲れのようですね?」

 

「ん?神堂か……まぁ、ちょっと昨日はいろいろあってな」

 

「大変だったようですね。そこまでお疲れにいなるなんて」

 

「ははは、まぁな」

 

実はテイルジョーカーで最大の戦いに行ってただなんて、言えるわけがない。

 

「昨日といえば、ツインテイルズがまた大活躍でしたね!」

 

…………当然、そこに持っていくよねぇ、神堂は…。

 

「なんだか、朝から報道されてたね。新しい仮面さんもいたみたいだし」

 

「はい!きっと彼女はツインテイルズのブレーンなのですわ!しかも異世界からの使者だなんて!」

 

「確かにすごいよなぁ」

 

変態度でいってもオレらの中でも群を抜いてるしなぁ。

 

「それにしてもアルティメギルの作戦は気持ちのいいものとはとてもじゃないですが言い切れませんね」

 

「確かにな。いくら効率的だからって、仲間を使ってることには違いないからな」

 

「それに……わたくしたちが祭り上げていたことも作戦の内だっただなんて……」

 

そこが、どうやら神堂的には引っかかっているようであった。

 

「馬鹿だなぁ、神堂は」

 

だから、その不安を解消してやないとな。

 

「ば、馬鹿ってなんですか!?」

 

「ヒーローを応援したくなるのは当たり前だろ?そのことを責めてどうするんだよ」

 

「でも、わたくしたちのそれが作戦内容だっただなんて、気持ちのいいものではありませんから……」

 

はぁ、全く考えすぎだろうに。

 

「神堂、ヒーローってのは孤独な存在じゃないんだ。皆の応援があって初めて戦えられるものなんだぞ?誰にも感謝されず、応援もされないのってのは寂しいものなんだから」

 

「観束くん……」

 

実際、愛香ちゃんがそうなりかけたし、オレや総二だって人気が異常なことに辟易(へきえき)してはいたが、それだっていやだとは思っちゃいない。まぁ、流石に自身の貞操の危機的な感じのには拒否反応がすごいのだが。

 

「ヒーローだって人なんだ。だったらバッシングされるより応援された方がいいさ」

 

だからこそ、オレの憧れたヒーローたちは立ち上がれたんだと、オレは思っている。

 

「……ふふ、まるで観束くんがジョーカー達みたいですよ?その言い方だと」

 

!?

 

「いや、そのだな、あくまでテレビで見てたのがそうであっただけで……ほら、『ドンガイラー』でも似たような話があったじゃないか!!」

 

「そんなに慌てなくても、冗談ですよ?」

 

「で、ですよねー……」

 

そうだよな。オレがテイルジョーカーってばれてるわけがないんだよな。焦って損したぁ。

 

「でも、ありがとうございます。なんだか元気が出てきました!」

 

「……そりゃよかった。やっぱり元気な方がいいもんな」

 

「はい!」

 

そうして、神堂は何かを思いだいたように柏手(かしわで)をうった。

 

「そういえば、観束くん。部活の新設の申し込みがあったんですけどね?」

 

「ん?でもそれって生徒会の仕事だろ?一般生徒に見せてもいいものなのか?」

 

普通は生徒会内か、職員会議で通すもんだと思ってたんだけど。

 

「そうなんですけど、その名前と、部長の名前が……」

 

そう言っておずおずとオレにその申請書を見せてくれた神堂……!?

 

そこにはデカデカと『ツインテール部』の文字があり、それに連なるようにして、部長名には『観束総二』部員名に『津辺愛香』『観束トゥアール』とそして『観束一樹』の名前が記されていたのである。

 

「観束くんも部活に参加はされてなかったようですから、問題はないとは思いましたけど、このツインテール部というのは……いえ、規定人数はそろっているようですので同好会からになりますけど、きっちりと通るとは思うんですけど……」

 

「神堂、ありがとう。そんでもって、ちょっと行ってくるわ」

 

「あの、行ってくるとは、どこに…?」

 

「ちょっと、総二()を殴りに♪」

 

「ダメですよ!?弟さんを殴っちゃいけません!」

 

抱き付いて止めに入っただとぉ!

 

「頼む神堂!離してくれ!オレは一回あのバカを殴らないと気が済まない!!」

 

あのバカ、人の名前使うんだったら、一回確認をきちんと取りやがれ!!

 

「ダメです~!学校で兄弟喧嘩を起こそうとしているのを黙ってみているわけにはいきませんわ!!」

 

「これは喧嘩じゃなくて、れっきとした教育だぁぁぁあ!!」

 

「体罰をしちゃいけないと最近よく言われているでしょう!?」

 

つーか、神堂、力つよっ!?

もしくはオレがそれだけ疲れ切ってるということか?

 

「……頼むから、あのバカに説教させてくれぇぇぇぇえええええ!!」

 

でも、この日常を守れたんだったらいいのかもしれないな……。

とりあえず、あのバカは一発小突くことが決定だがな!!

 




これにて1巻分は終了です。

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