オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
『この場に集められた戦闘員の数は987体です。ほんの少しでも手間取れば、残りが見る見る内に進行してしまうはずです。ドラグギルディだけに集中はできませんよ!』
安全圏にまで退避した仮面ツインテールことトゥアールさんからの指示がある。しかし、
ここは……
「ブルー、ドラグギルディはオレとレッドが引き受けた。残りをどうにかできるか?」
「なんでだよ、ジョーカー?それだったら俺1人でも……」
「理由は簡単。オレだけでは決定打が与えられるか不安。次にオレには範囲攻撃とでもいうべきものがない。それだったら範囲攻撃可能なものが行くべきだ。そしてブルーとじゃ十分にコンビネーションができるか不安だから、オレとレッドという布陣でいく。それに頭をやられたなら、体ってのは統率が一気にとれなくなるものだ」
ブルーには負担が大きいかもしれないが、これがベストな可能性だと思ったんだ。
「了解しました。でもあたしの方がきっと楽な気がしますよ?」
あれだけの数を相手にそう言えるところは素直にすごいと感じてしまうな。
「でもジョーカー、数が流石に多すぎるぞ?」
「バーロゥ、ブルーがやれるって言ってんだ。オレ達はそれを信じて、頭を叩くだけだ!」
「わかった……信じてるぞ、愛香」
「こっちのセリフよ。お膳立てして勝てませんでした、だったら、ネットで晒してやるんだから」
「わお、そりゃ嫌だな。頑張るしかないか」
全員で拳を突き合わせたのを合図にブルーは後方の戦闘員目掛けて突進していく。
その姿を見てもドラグギルディは無防備な背を狙うような真似をせず、腕組のまま素通りさせた。
「……ほう、1人でその全てを受けて立つというのか。勇ましいな」
「そりゃどーも。あの娘はやるときゃやる娘だよ。そっちこそ作戦タイムをどーも」
「ふん。武人として無防備な姿のところに攻撃して勝っても自慢にもならんからな」
そう言葉を交わしたオレ達は互いに互いが近づいていく。そして見上げる形ではあるが、オレ達は視線を交え交錯した。
「……お前らが、属性力を取り込まないと生きていけないのは聞いている。でも、譲歩はできなかったのか?無差別に奪うのではなく交渉してみるとか、代替手段を作ろうとするとか」
レッドはそれでも同じツインテールを愛する者として、同志ともいうべきエレメリアンの登場に心揺れ動かされていたのであろう。そんな言葉を投げかけた。しかし……
「どちらが上の存在かは言わん。だが、食い食われるの連鎖の中で、話し合うなど所詮不可能なことだ。お主たちとは別の生命体なのだから」
帰ってきたのはそんな拒絶の言葉だった。その中にはそうあればどれほどよかったかという思いも込められているようで……そんな感じもしていた。
「……そうか」
「……」
そしてそれはオレ達と何の気概もなくただ戦えとも言っているようにも感じた。
オレ達は既にいくつもの敵とはいえ、命を奪う罪を犯している。だからこそ、オレは自分の罪を数えるためにも言わなければならない!
「ドラグギルディ……さぁ、お前の罪を数えろ……!」
「――――――行くぜ」
オレ達は
「フ……」
ドラグギルディも大剣を構え
それぞれが踏み出すことで地面を爆裂させ、突き通す!
「「うおおおおおおおおお!!!!」」
「ぬあああああああああああ!!!!」
まずはドラグギルディの壁のような剣劇が放たれるが、オレはわざわざ喰らってやる通りなどなく、即座に地面を蹴り、剣劇をさせることを選択した。
しかし、レッドはまた違ったのだろう。その剣劇を真正面から自身の
そしてオレは相手のがら空きになっている脇に向かって右ストレートを打ち込んでやるが、それは剣の柄を用いることで防がれてしまう。しかしその一瞬の隙を見逃さず、レッドは一気に跳躍することでドラグギルディの背後をとることに成功する!
それと共に回り込んだ際に剣でドラグギルディの背を一閃する!
「ぐぅう!!我の背中に傷を!」
「俺みたいなのにゴシゴシされるのが夢だったんだろう?夢が叶ってラッキーだったじゃないか!!」
「オレを忘れるなよ?!」
そうしてその攻撃を受けた反動で崩れた姿勢のままのドラグギルディに向かってアッパーカットを食らわせてやる!
「ぬぅおおお!?」
よっしゃ!クリティカルヒット!
「なかなかやりおるな!!先ほどまでの力とは比べ物にならん!」
そりゃそうだ!レッドの方はどうかは知らないが、ジョーカーは本来なら弱いものなのかもしれない。しかし、オレの心とガッチリ合わさった時仮面ライダーは最高の力を発揮するんだ!今のオレ達が負ける通りは存在しない!
「ならば……我も命を懸けるしかあるまい!」
そうして剣を地面に突き立て大きく深呼吸をしていくドラグギルディ……何をやる気だ?
「まさか、フォクスギルディのように妄想か!?」
「フォクスギルディか……我も奴の強大な妄想力には一目置いていた」
なんだよ、妄想力って、おい。
「しかし人形に頼るなどまだまだよ!身体1つで愛を表現してこそ!男の本懐よ!!」
そうして力強い瞳の輝きが瞬いた時、その闘気がツインテールの形をとり、その輝きはまさしく生命の輝きであった!
「ジョーカー、あれは……」
「言わんでもわかる。なんだかわからないけど、すごい……」
「これこそが我が最終闘体、その名もツインテールの
そのツインテールを現したドラグギルディは先ほどよりもプレッシャーが強くなっている。しかし、それで臆するようなオレ達じゃない!
「その程度で、俺達が怯むものかよ!うおおおおおおおおおおおお!!!」
そうしてレッドもまた力を大きくしていく……ここで出遅れてちゃ、大見得きった格好がつかねぇよな!
「はぁぁあああああああ!!!」
そうしてオレも叫び高めていく!そうすることでオレ達のツインテールの輝きが高まっていくのだ……でもなぜツインテール?
「テイルレッドのみならずテイルジョーカーもツインテールの輝きが増していくだと!貴様らのツインテールは底なしか!」
「そうだ!俺のツインテールは―――――無限だ!」
「言ったはずだぜ?罪を数えさせるってなぁ、ドラゴンマン!」
「ふん!今更数え切れぬわぁっ!!」
そうしてオレ達はぶつかり合っていく。ここからは防御なんて忘れてしまったかのように殴る斬る、蹴る殴る斬る斬る殴る殴る殴る蹴る斬る斬る斬る斬る蹴る斬る斬る殴る殴る斬る殴る斬る蹴る殴る斬る斬る殴る殴る殴る蹴る斬る斬る斬る斬る蹴る斬る斬る殴る殴る斬る殴る斬る蹴る殴る斬る斬る殴る殴る殴る蹴る斬る斬る斬る斬る蹴る斬る斬る殴る殴る斬る殴る斬る蹴る殴る斬る斬る殴る殴る殴る蹴る斬る斬る斬る斬る蹴る斬る斬る殴る殴る斬る―――――――――――!!
だだがむしゃらに相手を倒す。ただそれだけを胸にただ攻撃を交わしていく!
気付けば周囲はボロボロで、そしてオレ達もボロボロであった。
「はぁはぁはぁ……」
流石に体力の限界が近い。オレ達は片膝をつき、そして肩で息をしていた。しかしそれは相手も同じようで相手の鎧は見るも無残なものになり果てていた。
「ここまで、我を痛めつけるとは……2人がかりとはいえ見事……しかし!戦闘経験の浅さが我とお前たちの差であり、それが勝負の明暗を分けるのだ!」
その言葉のとおり、奴は立ち上がり、こちらに向かって剣を振りかざしてくる!レッドは未だに肩で息をしている!動け!そして力を貸せ!ジョーカーメモリ!!
その思いが通じたのだろう、オレの体は動きそして流れるようにメモリをマキシマムスロットに押し込んでいく!
《Joker!!MaximumDrive!》
「うぉぉぉおおおおおおお!!!ジョーカー……キック!」
そしてオレの脚は見事に奴の向けてくる剣を迎撃し――――――叩き折ることに成功する!
「な、なにぃいぃい!!?」
そしてここからは‥………
「ブレイクッ!レリィィィイズ!!」
「二刀だと!?」
「伊達にツインテールじゃないってなぁ!」
そうして二刀が展開し炎を吹き上げ、ドラグギルディの体を捉える!
「おのれ!ツインテイルズゥゥゥウウウッッ!!」
「グランドッ!!ブレイザァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
×十字に切り裂かれるドラグギルディ……。龍の身を焼くその炎はまるで太陽の輝きのようであった。
「――――――美しい。まさに、神の髪型……神、型…!」
その眼には一体どのように映ったのだろうか…少なくとも美しいものとして映ったのだろう。
「見事、見事であるぞ、ツインテイルズの戦女神たちよ!」
「それはツインテールがか?」
「無論だ!わーっはっはっはっは!!」
雄叫びのような笑い声を挙げ、その命の炎を最後まで燃やし尽くしていくドラグギルディ。
「
「お前がツインテールを愛する限り……そんなこともあるかもな」
その言葉とともに、爆発するドラグギルディ。後に残ったのは、奴の生きた証である、属性玉が残されているだけであった。
こうして、オレ達の、初めての、とても大きな戦いは幕を閉じたのであった。
追記しておくと、987体の戦闘員はきっちりとブルーが全て撃破していたそうだ。ホントに楽だったんだ………。