オレ、Jokerになります。[凍結中]   作:fateplanet

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決戦!ツインテイルズなオレ達―3

ドラグギルディが話そうとしたことをオレが推理し、話し、絶望から立ち上がったオレ達が啖呵をきろうとしたその時、珍妙な仮面を被ったトゥアールさんにさえぎられてしまった。

 

「何者だ!名を名乗れ!」

 

ドラグギルディの視線の先には大きな目立つ木の枝に立つ珍妙な仮面を被ったトゥアールさんがいた。

 

「私の名は世界を渡る復讐者!仮面ツインテール!」

 

「「「ぶぅう~~~~~~~っ!!」」」

 

あの人は何をやっとるんだ!?

 

「ようやく姿を現しましたね、ドラグギルディ……。この時を待っていました」

 

「むむう仮面ツインテールとな!?」

 

大仰に驚くドラグギルディ。

大仰に返す必要性があるのかどうかは分からないが、なぜそんな所に現れたというんだ、トゥアールさん。戦闘能力のない上に、今はギャグパートじゃないから、攻撃受けたら死んでしまうぞ……!

 

はっきり言って珍妙な仮面を被ったこと以外はいつものまんまな彼女では戦力だとは言えないし、言いたくもない。だって、あの仮面、すごくダサいんだもの……。

しかし、そんなオレ達は放置され、話しは続いていく。

 

「だが貴様、気迫とは裏腹に際立った属性力も感じぬが……もしやテイルジョーカーと同じタイプだからこそ加勢に来たというのか!!」

 

まさかトゥアールさんもメモリを!?

 

「加勢?そんなわけありません。私には戦闘能力がありませんし、今ここに来たのは誤解を解くために来たこと、そして、絶望を打ち砕くためにやってきたのです!」

 

「何?……貴様、どういうつもりなのだ?」

 

ホントにね。

 

「ですが、絶望を打ち砕く必要性はなかったようですね」

 

いや、そんな苦笑されても……今のタイミングは来ちゃいけないタイミングだったろう…。

 

「テイルジョーカーとドラグギルディが語った通り、本当は侵略の最中、私は既にテイルギアを開発し、自ら装着して戦っていました。テイルギアの原型となる属性力変換のテクノロジーは、アルティメギルが意図的に流出させたものでした」

 

「意図的に!?」

 

流石にそこまでは推理できなかったな……。でも、そうか。そう考えると納得も行くか。流石に科学力が進んでいたとしても独力で属性力の発見や変換を扱えるようになるのには莫大な時間が必要だろう。まだ年若い彼女だけでそれらを作り上げるのはいくら天才でも不可能であろうことは想像に難くない。

 

「おそらく幹部クラスのエレメリアンしか知らないでしょうが、レッドとジョーカーが初めて戦ったあの日、究極のツインテールを探していたのは、属性を奪取するのが目的ではありません。この世界で最強のツインテール属性を持つ者にテイルギアの原型で属性力変換の技術を与え、自分たちの敵として仕立て上げるためだった。それは私の世界を滅ぼした時と同じ手口……。まんまと敵の策略に利用されていたんですよ、私は……」

 

「「!」」

 

「………」

 

やっぱりなのか。しかし、これじゃあまるで藤宮のようじゃないか…!

 

「あの日私と出会わなくても、アルティメギルの手によって別の戦士として祭り上げられる対象となっていたのです」

 

つまり、総二はどう足掻いても戦いに巻き込まれる宿命だったということか……!

 

「そうか!貴様……かつて我らと死闘を繰り広げた、最強のツインテール!世界を渡ってきたか!しかしどういうことだ?貴様からはあの強く弾けんばかりにあったツインテール属性を一切感じられぬぞ!」

 

「それは……託したからです」

 

「なに!?」

 

仮面ツインテールはレッドの方を向いた。その時笑っているようにオレには感じられた。

 

「ドラグギルディ、私はあの時途中で気付いていたのです。何故こんなにも敵が弱いのか、なぜ死活問題である属性力奪取に、さほど精力的ではないのか。世界がツインテール一色に染まっていく中……今のレッドと同じ想いを抱くようになっていました」

 

きっとオレよりも頭のいいトゥアールさんのことだ。もっとしっかりと確信をもっていたのだろう。

オレだってガイアで同じような状況があったからこそ気付けたことなのだ。なんの助けもない状態で気付けた彼女はやはり天才なのであろう。

 

「だからきっと……止める術はあったはずなんです。なんでもいい、私が世界の人たちがツインテールから興味を失うように振る舞えばよかった」

 

………そんなことできるわけがない。大事なものが世界中に広がっていく。それ程嬉しいものはないだろうから。

 

「でも、私にはできなかった。世界に芽吹いたツインテール属性をむざむざ消すに忍びなかったから。私に憧れ、ツインテールにした可愛い幼女たちが、また元の髪型に戻っていくのが怖かったんです‥‥」

 

………ん?今妙な単語が入ったような…?

しかし、そこをツッコめる雰囲気ではないし、レッドもブルーも黙っていることから、話さないことにしておく。

 

「その心の隙を突かれ、私はドラグギルディに負けた。基地にこもって策を練っている間に侵略は進められ――世界からツインテール属性は消えた。二度とツインテールを愛することの出来ない灰色の世界になってしまった…」

 

確かに自身の好きなものが消えゆくのはつらいものがある。オレだって特撮がなくなったなら首を括りかねない。

 

「様々な属性を奪われ尽くし、覇気を失った世界で……私1人だけが、ツインテール属性と幼女属性を残していた。私が道行く幼女のスカートをめくっても(ろく)に注意もされない冷たい世界でした」

 

「誰1人ツインテールに出来ないなんて……地獄だ!!」

 

……いや、レッド。それよりも聞き捨てられない単語と行為があったんだけど。サラッと変態行為について言ってたんだけど、そこはスルーなのか?ほらブルーを見てごらんなさい、なんとも言えない顔をしてるから。

 

「そして復讐を決意した私は、テイルギアと、戦いのデータを元に徹底的に与えられたテクノロジーを分析しました。幼女のちっぱいを後ろから揉んでもリアクションのされない虚しさを糧に、認識攪乱装置(イマジンチャフ)を完成させ……元気な幼女達を求め、世界間航行の技術を解析しました」

 

「ひどい、ひどすぎる!」

 

とうとう耐え切れなくなったのであろう、ブルーの叫びを聞き、オレも叫びたい気分であった。

なんだよ、なんでそんなすごい技術を手に入れるのがそこまで不純すぎる動機に(いろど)られてるんだよ……。アルティメギルよりもこっちの方が危険人物じゃねーかよ……。

 

「そして、けじめとして……私の持つツインテール属性を(コア)に、もう1つのテイルギアを完成させました。それが……テイルレッド、あなたのテイルギアなのです」

 

「俺のテイルギアが……じゃあトゥアールは自分からツインテール属性を手放したのか!?」

 

……それってつまり、半身を引き裂かれることと同じことだろう!流石に動機とかには同意をしかねるが、しかし自身を構成する属性力を失うことはどれほどの恐怖だったのであろうか……。灰色の世界を見ているがゆえにその恐ろしさはオレ達が想像するよりも遥かに覚悟のいることであったろう事はなんとなくだが、わかることなのかもしれない。

 

「そして装着できなくなった私のテイルギアを、ブルーに託した。これが全てです。疑いを持たれるような言い方をしてすみませんでした」

 

「へー、あたしのコレ、アイツのお下がりなんだ……はは、ははは」

 

あぁ!?愛香ちゃんの瞳から光が失せてしまっている!そこまでショックか!………ショックだよな!変態のお下がりとかショックを感じて当たり前だよな!!

 

「執念か…先代テイルブルー、いや仮面ツインテールよ!此度はしてやられたのは我らだったようだ!お主の、ツインテールへの深き愛を侮った!」

 

……………ツインテール以外への愛が多数を占めていたと感じるのはオレだけだろうか…?

 

「疑って悪かったわよ。テイルレッドが幼女なのもツインテール属性の他に幼女属性も広めるためだったんでしょう?」

 

「いえ、そこは私の趣味です。恐らく残っている幼女属性が色濃く反映されたのでしよう……ふへへへ」

 

そこからは、いつものごときVT(バイオレンスツッコみ)であったが、それができるほどに信頼は回復したと思っておこう。決して不純な動機にイライラしていたのをぶつけたのではないのであろうと思っておこう………すみません、お願いですからそう思わせて下さい。

 

そうこうしている間にも、ドラグギルディはオレ達を認め、戦う気満々でいる上に、戦闘員たちも大勢現れてきていた。

 

「これまでと同じよ!1人が3人に増えたところで何も変わらぬ!ツインテールが世界を支配するのが短くなっただけよ!!」

 

「3人?違うな、ドラグギルディ!」

 

そう言って、VT(バイオレンスツッコみ)を受けて倒れていた仮面ツインテールの手を取るレッド。

 

「ツインテールは、結うものと、左右の髪を支える頭があって初めてツインテールだ……」

 

そうして仮面ツインテールを加えて並んだオレ達は――――

 

「オレ達は4人でツインテイルズだ!!」

 

本当のチームに初めてなれた気がしたんだ。

 

ただ、仮面からおかしい放水がされているのと、1人著しくテンションが低いが………あれ?さっきのってやっぱり気のせいだったのか……?


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