オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
ツインテールな弟とヒーローなオレ―1
春も麗らかな入学式の放課後。俺と同じ学校に弟と幼馴染みな女の子が無事に入学したその日。
我が実家である喫茶『
「なんであんなこと書いちまったんだろう…」
「ツインテール部はないわよねぇ」
「というよりもオレはいつかお前がそんなことをやっちまうんじゃないかと思ってたんだけど、とうとうやっちまったな、総二」
オレは凹む弟こと総二…
「焦ってたんだって、兄さん…。無意識だったんだ」
「いや、無意識だったら余計にダメだろう、なぁ愛香ちゃん?」
「いや全くその通りですよね、一樹さん」
ふうやれやれといった感じで頭を振って自慢のツインテールを少し振っているのはお隣さんの幼馴染みの妹の方の
なおツインテールにしてるのは総二がその髪型…ツインテールが大好きでいつか振り向いてもらうためにしている健気な女の子だったりする。
まぁ、総二もツインテールが絡まらなけりゃいい奴だし、顔だって悪くはないからこう、お隣同士の幼馴染みという鉄板な設定だったりするのだが、いかんせん総二がツインテールバカすぎて愛香ちゃんの気持ちを一切気付いてないのが泣けてくるという……お隣の幼馴染みの姉の方、
なお、愛香ちゃんの恋心は総二以外にはバレバレだったりする。
いや気づけないほうがおかしい位にラブい視線を送っているのに気付かない
と、長々と愛香ちゃんの実るのか分からない(ちなみにオレは実らない方にかけてたりする。母さんは面白がって愛香ちゃんをからかってるみたいだけれど)恋の軌跡を辿っているうちに総二が「ああああああああああ……」とかいって崩れ落ちてる。
どうやら最悪な
これで絶望してたら希望の魔法使いはかなりの数出撃しないといけなくなるのであろうから、まぁ頑張って立ち直らせるように一言言ってやるか。
「総二」
「なんだよ、兄さん」
「諦めろ、今日からお前はツインテール部のツインテール馬鹿決定だ」
「うわぁぁぁああっ!」
「……あれ?」
「一樹さん、それフォローじゃなくてトドメになっちゃってます」
愛香ちゃん、なんでそんなに残念なものを見る目で俺を見てるのかな?
お兄さん、若干ショックなんだけど。
やっぱりアレかな、前世から空気読めないとか言われてたのが致命的なのかな?
「けどまぁ、一樹さんの言う通りよ。どうあがいたってあれじゃあ、一樹さんの言った認識は覆らないわよ」
「くそう…やっぱりもう無理なのか…」
そりゃまぁ、クラスメイト全員の前でだしなぁ。
「時間はまき戻らないんだからやりなおすのなんて夢のまた夢だろ」
時の列車があったとしても歴史は変えられないしな。
「まぁいいじゃない。どのみちアンタのツインテール馬鹿っぷりはそのうち明らかにされてたでしょうし早いか遅いかの違いでしょうに。いいじゃない、早い方が」
とか言ってる間に
「お前は幼馴染みが人生の岐路だってのによくそんだけ食えるな!?」
しっかりと咀嚼をしたうえで飲むように平らげていくその行為、脅威に値するな…っ!
なぁんて楽しく喚いてるとき、オレ達は視線を向けられていることに気づきもしなかった。
鍛錬が足りてなかったんだろうなぁ……。