オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
Another SIDE
ここは次元空間に座するアルティメギルの移動基地。そのホールでエレメリアン達が集まり、会議が開かれていた。
「……以上、この20日間あまりで撃破された同胞は、隊員9名、
「ふぅ~む」
「これほどのものか、ツインテイルズ……!」
ペースを落とすことなくアルティメギルのエレメリアンは宣戦布告通りに地球の至る所にエレメリアン達を進行させた。
しかし、ツインテイルズもアルティメギルには分からないことであるが、トゥアールというオーバーテクノロジーを操るバックアップが存在する。
そのため、転移マシーンとでもいうべき装置でエレメリアンの現れた場所にすぐさま現れるということが起き、世界中でツインテイルズの活躍が見られていたのである。
また、これも知りえないことではあるが、神堂慧理那の言葉を一樹伝手から聞いた愛香も吹っ切れ、戦闘に慣れてきた総二達によっていとも簡単に倒されてしまっているのである。もともと、道場で戦う術を学んでいたということも手伝っているのであろうが、これも正体を知らぬアルティメギルには知りえぬ情報であろう。
「一方、こちら側が確保できた属性力は皆無。一度は手に入れたそれらもその全てをツインテイルズによって奪還されています」
「ならば、属性力の持ち主だけを連れて帰ればいいのでは?」
「それでは尻尾を巻いて逃げたも同然であろう!」
「しかし、いつまでも手をこまねいている場合ではないだろう」
「わかっている。しかしこの3人は厄介極まりないぞ」
そういったエレメリアンの言葉に反応したように大スクリーンには3人のツインテイルズが映し出されていた。
「まず、この中で最も素晴らしきツインテール属性を持つテイルレッドであるが……まこと素晴らしきツインテールよ」
「確かに、惚れ惚れするほどに美しい。しかも自身も可愛らしい幼女である。しかしこの世界最強であるのも頷ける強さでありますな」
そう口々にテイルレッドとそのツインテールを褒め称えるエレメリアン達。屈強な怪物たちであるこいつ等がツインテールと幼女を褒め称えるその姿は変態性が凄まじいものがあると感じてしまう。
「次にテイルブルーですが………」
「こやつも素晴らしいツインテールを持っているがそれ以上に冷酷な戦士である以上、無視はできん。できんが‥‥……」
「「「「「「「「どうでもよいな」」」」」」」」
満場一致でスルーが決められた。
どうやら、冷酷な戦士として名が通っているからこそ、エレメリアンの間では十分に取り出されているわけではなく、人間たちと似たような反応であった。
こんなところで人間との共通点の発見などしたくはなかったし、みたくもなかったかもしれない。
「そして最後に、こちらの少女、テイルジョーカーでありますが」
「こやつも不思議な存在よな」
「見事なツインテールであるのに、その属性力の強さはテイルブルー以下。下手をすれば常人程度しかないというのに」
「しかし、こやつに絶対領域の使い手であるゲコゥギルディは敗れ去ったのであるぞ!」
「確かに奴の絶対領域には欠点はあったが、十分すぎるほどに強い能力であった」
「しかし、アレには運の要素も強いのではないでしょうか?」
「というと?」
「アレは途中に横やりを入れてきた人間たちのおかげでゲコゥギルディの弱点に気付いたようでした。つまり人間の力を借りなければ倒していたとも考えられます」
その言葉に中央で沈黙を守っていた隊長格―――――ドラグギルディが言葉を発した。
「だが、それもまた強さの1つである。運を味方につける。それは強者にしか無しえぬ偉業の1つでもある」
「ドラグギルディ隊長殿……」
「確かに
その言葉にぐうの音も出ない様子の隊員のエレメリアン達。
「奴らの力は本物であることには違いない。ならば、生半可な強さの者が向かったとしても返り討ちに合うだけであろう。これ以上の戦力の低下もあってはならぬ」
その言葉に若い声が反応した。
「では次の出撃は私めにおまかせいただけないでしょうか!」
そう声を発したのは白鳥の姿を模したエレメリアン、スワンギルディであった。
「おお!
そうして漏れ出すのは安堵の声。それすなわち、彼は相当の実力を持った戦士であるということに他ならない。
事実彼はその力を持っていくつもの世界を壊滅に追いやってきたのであろう。
しかし
「……よかろう。しかしその前に試験を行う。お前がツインテイルズと戦うにふさわしいかをな」
そう言って行われたのは地獄の苦行であった。
皆の前でスワンギルディは自身のPCを起動させられ、ドラグギルディ自ら最近使用したエロゲのセーブデータの解説を行われるのである!
これが苦行と言わずしてなんというのか!
その精神的苦痛は自身の身を麻酔もなく切り開かれていくのと同等であろうことは想像に
もしも自分も同じことをされたと仮定するならば、とてもではないが耐えられるものではないだろう。
そうしてその苦行にさらされたスワンギルディは最後には意識を失い、戦闘員に連れていかれてしまう事態にまで追い込まれてしまったのである。
「フッ、情けない。これしきのことで―――ツインテイルズと戦うとは笑止」
そう言っているが、その瞳には部下を慈しむ光が確かに存在した。
そして、一度瞳を閉じ、次に瞳を開けた時、言い放つ。
「我が行く」
その一言により、ホール中が騒めき出す。
「ドラグギルディ様自らが!?」
「偉大なる首領より我が隊の全権を委ねられているあなた様自ら出撃されるなど!」
「くどい!」
その一言で一瞬にしてホールに静けさが戻る。
そのことに満足したようにドラグギルディはマントを翻し、歩き去っていく。
一樹たち、ツインテイルズと最後の一戦を交えるために。そしてあの素晴らしきツインテールを手に入れるために………
Another SIDE Out
リクエストがあったので応えてみました
少し加筆修正しました。