オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
オレが掃除当番で、総二がピンチとなり、愛香ちゃんがトゥアールさんからもう1つのテイルギアを
「なによこれぇぇぇぇぇえええええっ!!」
今日の朝はオレや総二の叫び声ではなく、愛香ちゃんの絶叫から始まった。
昨日はオレが不在だったがために総二をピンチにしてしまったために、そのオレの尻拭いをさせる形で愛香ちゃんまで巻き込んでしまった。
そのことを危険視したオレは二度とこのようなことが起こらないようにトゥアールさんに通信アイテムの作成を依頼し、それを2つ返事で了解してくれた。
今日の絶叫が愛香ちゃんになっているのにはちゃんとした理由がある。
まぁ、実際見てもらった方が早いのだろうが、まとめていうと
テイルレッドがピンチ!
↓
テイルジョーカーは来ないのか!
↓
代わりに青い戦士が登場!
↓
横からレッドそっくりの人形を一瞬の逡巡もなく破壊
↓
そしてエレメリアンを打破!
↓
『ツインテイルズ』であると名乗る
↓
なのに今日のテレビだと敵か味方か分からない
↓
暴力的な目をした蛮族である←イマココ
というわけなのである。
それなのに、昨日のテイルレッドのかわいらしい姿や、あまつさえ姿を現さなかったテイルジョーカーの事を心配する内容がほとんどなのだ。
そりゃあ、愛香ちゃんもブチ切れるわけだ。良かれと思ってやったことが、世間では正当に評価されず、しかも危険人物であるとまで言われたのだ。その心のダメージは計り知れないだろう………まぁ、人気が出過ぎるのにもいいことがないが。
「はぁ……」
「ああ……」
総二と2人頭を抱えてへたり込む。
しかし、オレ達の行動が愛香ちゃんにはひどく癇に障ったのだろう。噴火するように怒りを露わにした。
「頭痛いのはこっちよ!あっちでもこっちでもレッドやジョーカーのことばっかり、どうしてよ!同じ正義の味方なのに、どうしてあたしの評判こんなに悪いのよ!!テレビでもネットでもブルーは爪弾きにされてるのよ!!」
「……ネットまで確認してたのかよ、お前」
「愛香ちゃん、勇気あるなぁ」
匿名性の強いネットではテレビ以上のバッシングや誹謗中傷、欲望が渦巻いている。オレだって怖くてネットには触れていないというのに、彼女は触れているのだという……勇者がここにいらっしゃるぞ!!
「ネットってさ、悪口の方が多いじゃない。だからテレビでは、って思ってたのにこれなのよ!」
「テレビでも結構言われてた気がするけど…」
「ひどいものなのよ!掲示板でブルーを絶賛する書き込みすれば『自演乙』とか書かれてるし!『本人さん、ちーす』とか言われたり…‥」
「事実じゃないかよ」
「間違っちゃいないけど、なんでわかったんだろうな……」
そういってる間に若干肩が笑ってるのが見えるトゥアールさん…………関わってるな、彼女。
「仕舞には動画サイトのあたしのIDがNG推奨にされるし!!」
一体何をやったらそうなったんだろうか…?
「別に無理に人気者にならなくったっていいじゃないか。人気者になりたくてそうなったわけでもないんだし」
「アンタ達はいいわよ!人気者なんだから!あたしなんて蛮族なのよ!こんなのってないわよ!」
まぁ、確かに、自身があんまりな扱いだとモチベーションにも関わるよなぁ…………やっぱりある程度は人気者でいたいよなぁ。
「愛香さん、愛香さん、ブルーも大人気には違いありませんよ?」
そういって彼女が見せてきたのは、まぁ、愛香ちゃんの胸部装甲についての事がほとんどであった。
なんだよ、その勇気を評価するって……。
でもだ、よーく見ると、これ、全部IDが一緒なんだよな………まさか……?
愛香ちゃんもそれに気づいたのであろう。即座にPCを奪って確認すると、そこにはしっかりとそれらのテキストが残されていたのだった。
「おのれがやっとんじゃないかーっ!!」
「そんばぶ!!」
「トゥアール――――っ!?」
昇竜拳だと!?
愛香ちゃん、いつの間にそんな技能を身に着けたんだろうか……
こうしてトゥアールさんをフルボッコにするという、ここ最近の日常が流れている中オレは朝食を食べ、日直なので先に学校に行くのだった。
これ以上関わってたら、色々と面白いんだろうけど、いつ飛び火してくるかわからないから逃げるが勝ちだろう。
さて、そんなこんなで、オレ1人での登校ではあるが、総二達が中学生の頃だって、1人で行っていたのだし、寂しくはないのだが、ここのところ騒がしすぎたのがあるのだろう。なんだか1人だと物足りない気分になるな。
まだ、アイツらと一緒に登校し始めたのだって2日くらいしかたっていないのに……。
しかし、今日はツインテールの娘たちが多い気がする。オレや総二の影響なのであろうか?
それにしたって早すぎるだろう、流行するのが……。これはウチの学園だけなのか、それとも全国に広がっているのか、気になるところである。
と、オレが1人そんなことを考えていると、見知った声に挨拶をされた。
「おはよう!よい朝ですわね!」
総二好みの綺麗なツインテールの持ち主、神堂であった。もちろん周辺にはSPのようにメイドさん達を従えている。
「おう、神堂おはよう。なんだかテンション高いな?」
「はい!なんといってもまた新たなヒーローが現れたんですもの!」
「あー……ブルーが増えてたな。ニュースで見たけど、散々な言われ方だったな」
それを見て本人がかなり荒ぶってたとは口が裂けても言えないが。
「レッド、ブラック、ときてブルーが仲間になるだなんて、すごいですわ!ツインテイルズ!何でももうテイルレッド、テイルジョーカーなりきりセットが出てるそうなんですよ?」
「仕事早すぎだろう!おもちゃ会社!!?」
まだ3日しか経ってないんだぞ!?
「確かにすごいですよね。でもそれだけ注目されているってことなんでしょう」
まぁ、並の注目じゃないからなぁ……。
「それに、ジョーカーやレッドに仲間がいて良かったと思いますし」
「ん?どうしてだ?」
「確かに2人いるとはいえ、やっぱり心細くなることがあると思うんです。でも仲間がいてくれる。それだけで力が湧くとは思いません?」
……そうだな。
「きっと、そうだな。仲間ってのはいいものだ」
確かに巻き込んでしまったのかもしれない。それでも彼女は自ら進んでこっちに来たのだ。まだまだ頼りないかもしれないけれどアイツらを支えてやることはできるかもしれない。それにオレも支えれてるのかもしれないしな。
「………」
と、そんなことを考えていると、神堂にじーっと見られていることに気付く。
「どうした?オレの顔に何かついてるか?」
「……いいえ。気のせいでした。それでは、観束くん、また教室で会いましょう。日直頑張ってくださいね?」
なんだったんだ?一体……。まぁ、気のせいならいいか。
「おーう。神堂も会長頑張れよー」
「はい!」
そういって離れていく神堂。きっと生徒会長としての仕事があるのだろう。
そうして、オレは学園に向かっていく……。
「テイルジョーカーさんのプロマイド用意したぜ!」
「甘すぎるな!もうすでにオレは財布を作ったぜ!」
「……スマホカバーを作ってやったぜ!」
「それじゃあね。また後でかけるから。テイルジョーカーさん」(なんかスマホを耳に当ててる)
………………
愛香ちゃん、人気がありすぎるのって、精神力ガリガリ削られてキツイもんがあるぞ…………。
結局1日中こんな調子だったので、精神力を削られたオレはその晩、総二の部屋でなにか起きていたが、行く気力も起きなかったのでずっとベットに
更に追記しておくと、一樹を送った神は今の様子を見て大爆笑していたらしいが、どうでもいいことである。
書き貯めが無くなりました。