オレ、Jokerになります。[凍結中]   作:fateplanet

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大きく変わる日常と1人戦闘なオレ―3

変身し、街を駆け抜けていくオレ。

すれ違う人々の注目を浴びてしまっているが、今は気にしている場合ではない。

――――――――――後から、死ぬほど、後悔することは確定だが。

 

走りながらオレはスマホに表示されている場所へと向かう。そこは制服が可愛いことでも有名な学校で、多くの女性のあこがれの的なのだそうだ。(神堂情報)

ということはつまり今度の敵は制服の属性力を核とした存在の可能性が高いといえる、はずだ。

 

人々に注目されながらも無事に現場に到着したオレの耳に入ってきた言葉はこんなものであった。

 

「素晴らしき絶対領域だ!やはり絶対領域とは神が創りたもうた最高の場所だな!!!」

 

「キャーッ!!」

 

「は?」

 

ま、まさか、制服フェチじゃなくて、絶対領域のエレメリアンなのかよ!?

とりあえず、女生徒が襲われていることには違いない。とにかく助けなければ!!

 

「待て待て待て!!」

 

「何やつ?!………貴様は、リザドギルディを倒した者の1人だな、たしか……テイルジョーカー!!」

 

今回の敵は、また、リザドギルディ、なのか?

オレの目の前にいる怪人はどっからどう見ても昨日戦った、リザドギルディの色違いにしか見えない奴だった。

 

「そうだ!……お前はリザドギルディ、なのか?」

 

でもリザドギルティは人形好きだったような……?

 

「否!吾輩はリザドギルディに非ず!吾輩はゲコゥギルディ!絶対領域に魅入られた戦士だ!」

 

ゲコゥ……たしかヤモリだったか。つまり昨日のはトカゲで今度はヤモリってことか。

 

「ゲコゥだか何だか知らないが、罪のない人たちを怖がらせやがって……!」

 

「ふん!吾輩らは隊長殿の演説のように命は獲らん。なのに何故反抗する!」

 

……そんなもの決まってるよ。

 

「人間の自由と尊厳を守るためだ!だからゲコゥギルディ!」

 

今から放つ言葉はオレなんかが軽々しく使っていい言葉じゃないのかもしれない。しかし、この言葉を投げかけるのは自分自身に対してでもある。

自身の罪と向き合い、そして、相手に罪を数えさせるための言葉……。

お借りします、翔太郎さん、フィリップさん、壮吉さん!

右手をスナップさせゲコゥギルディを指差し、放つ!

 

「さぁ、お前の罪を数えろ!!」

 

「愛でることが罪だと申すか!!カァッ!」

 

ゲコゥギルティから放たれた火球がこっちに向かってくる。チラリと後ろを確認すると逃げ遅れた生徒たちがまだ多くいた。だったら!

 

「おらぁっ!」

 

殴って弾き飛ばすのみだ!

 

「カァッ!カカァッ!!」

 

連続で放たれる火球を前進していきながら殴り、蹴り飛ばし、生徒のいないところに進行を変えてやる。

そうして、ゲコゥギルディに十分近づけたのなら、あとは!

 

「おら!」

 

殴る!殴る!!殴って蹴り飛ばす!!!

 

「ぐぉぉおっ!貴様!スパッツなど履きおって!絶対領域はどうしたっ!」

 

相手もただ殴られるだけじゃない。当然格闘で反撃を行おうとするだろう。しかし、強化されているのは運動能力だけじゃない。当然動体視力も強化されている。

ただ苦し紛れの攻撃なんて後ろにバックステップするだけでよけれてしまう。

 

「こっちはアクション重視なんだよ!そんなもんか!?」

 

そして、近づいて殴ったときに異変が起こった!

 

《ギィンッ!》

 

「かてぇっ!?」

 

急に相手の前に、強固なバリアが張られてしまったのだ!

 

「これこそが吾輩の絶対領域への愛が成し得た妙技である!貴様ごときの攻撃力で抜けることはないぞ!」

 

最悪すぎる!ここでジョーカーの欠点に対応した奴が現れるなんて!

 

そこからはジリ貧だった。如何に攻撃を弾き飛ばそうが、肝心の攻撃が当たらないのならこっちの体力の消費が早い。

たとえ、マキシマムを使ったとしてもアレを抜けるという保証は全くない。

こうやって考えてる間にも、体力はどんどん消費していくし、避けたり弾き飛ばすのだって限界だ。

ここは一か八か、マキシマムを使うか…?!

 

そう賭けに出ようとしたその時、ゲコゥギルディの後頭部に石が投げられ、当たったのである!

 

「テイルジョーカーを助けるんだ!」

 

それはさっきまでオレが守っていた生徒たちが投げた石だった。

オレが劣勢になったと知った彼らはどうやら背後から回り込んで石を投げているようだった。

 

「尋常の勝負に水を差すとは何事であるか!貴様らから排除してやる!」

 

そう言って、生徒たちのほうに火球を放とうとしているゲコゥギルディ。

やらせるか!

 

「よそ見してんじゃないよ!」

 

そして、オレの蹴りは見事、ゲコゥギルディの背中に突き刺さり、攻撃をキャンセルさせ、吹き飛ばすことが出来た。

 

「ぐぉぉおぉおおおっ!」

 

「当たった……?」

 

そういえば、さっきも生徒が投げた石が後頭部に当たっていた。

攻撃を無力化するバリア。

効果の持続はかなり長い。

容易に背後からの攻撃は当たる。

 

………推理完了!

アイツの弱点は!

そして対処方法は!

 

「ゲコゥギルディ、そろそろ決めるぜ」

 

こっちも体力の限界が近いんだ。いつまでも構っていられるか!

 

「ぬ、ぬぅうっ!しかし貴様はこの吾輩の絶対領域は抜けられん!」

 

「だったら証明してやるよ!オレの推理が正しいのかをな!」

 

ジョーカーメモリをマキシマムスロットに挿入する。

 

《Joker!MaximumDrive!》

 

「ジョーカーキック!」

 

オレは高く跳びそしてキックを放つ、そう、ゲコゥギルディの背後(・・)に向かって!

 

当然、ジョーカーキックは不発、しかしこれでいい。本命は初めから、こっちだったんだから!

 

「こいつで決めるぜ」

 

もう一度マキシマムスロットを叩く!

 

《Joker!MaximumDrive!》

 

「ジョーカーパンチ!!」

 

紫炎を携えた右拳を振り返りきれていない、ゲコゥギルディの背中に思い切り叩きこむ!

 

「ごおあぁぁああ!!も、もっと絶対領域を愛でたかっ、た……」

 

その言葉を最後にゲコゥギルティは爆発四散した。

 

「ふぅ……やっぱり火力不足、どうにかしないとなぁ」

 

そうやってオレが余韻に浸っていたのが悪かったのであろう。気づけばオレはこの学校の生徒たちに囲まれてしまっていた。

 

「お姉さま!かっこよかったです!」

 

「すごくかっこよかったです!」

 

「かわいいです!付き合ってください!」

 

「抜け駆けは禁止だぞ!お、俺と付き合ってください!」

 

ちょ、まっ!?

 

「だ、だれか助けてー!!」

 

こうして初の1人での戦闘に勝利はしたが、第2ラウンドともいうべき生徒たちからの応援?には対処できず、結局全員と握手するまで帰らせてはもらえなかったと追記しておく。




戦闘シーンって難しいです

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