宇宙~KITA--~   作:蒼乃翼

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設定やり過ぎここに極まれり・・・
でもどうぞ


宇宙のF/雷とドリルと牙/宇・宙・功・夫

仮面ライダーフォーゼ

仮面ライダーメテオ

仮面ライダーオーズブレイブプトティラコンボ

仮面ライダーバース

仮面ライダーWサイクロンジョーカー

仮面ライダーアクセル

 

Kダイザー

Qダイザー

JKダイザー

 

仮面ライダー達とサポート戦士

 

 

 

それと対峙するのはフェニックスゾディアーツ。そしてフェニックスゾディアーツから生み出された専用ダスタード、フェニックスダスタード。フェニックスダスタードはフェニックスゾディアーツと比べると幾分小柄で羽など身体の部分なども省略されている。しかしフェニックスゾディアーツを構成するのは何の因果か目の前の仮面ライダーたちとほぼ同じ技術

フェニックスゾディアーツの身体を構成する不死鳥座の力を宿したセルメダル、それを核とし、フェニックスゾディアーツ自身のコズミックエナジーを殻としている

 

 

 

 

 

「と、言う所だろう?ジャキ・カンナギ。さらに補足となるが、君の身体はコズミックエナジー、セルメダル、そしてその中心にはエターナルメモリがあるね」

Wの右半身、ソウルサイドの複眼を点滅させながらフィリップは地球の本棚で検索した結果を披露した

「流石、と言っておこうか園崎来人君。だが、検索できたからと言って勝てるとは限らないよ」

フェニックスダスタードはある者はメモリ、ある者はメダル、ある者はスイッチを構えた

「何…」「おいフィリップ…」

「あれは…」

「まさか…」

Wとオーズとフォーゼは、NEVER,ジャキ・カンナギの兄であるレムカンナギ、宇宙鉄人と戦った時のことを思い出した

「財団にはデータが残っているからね。出資対象から外れたといっても、利用できる技術は利用する。それが財団だ。T3ガイアメモリ、人造コアメダルグリード、そして人造ホロスコープススイッチ。出し惜しみはしていられないからね」

 

 

 

強欲の名を冠する、コアメダルを核、大量のセルメダルを細胞として構成された、擬似生命体。財団Xの人造コアメダルのため人格もなく能力もオリジナルと比べると著しく低くなっているが、それでもその存在感はフェニックスダスタードの比ではない

 

紫の身体、ティラノの様な頭部、両肩にプテラの翼、トリケラの角が胸部にある3大恐竜の特徴と力に加え冷気を操るグリード、ギル

 

蒼の身体、シャチの頭部、ウナギが巻きついたような首、タコを模したマントに吸盤状の意匠がある脚部、水流を操り液状にもなれる水棲グリード、メズール

 

灰色の身体、頭部にはサイの角ゾウの鼻と牙、ゴリラの上腕に左前腕には砲門、右前腕にはサイの角、ゾウの脚部、グリード一の怪力を誇る、ガメル

 

黄色の身体、ライオンの鬣と牙、虎の腕、チーターの脚力を持つ猫系グリード、カザリ

 

緑の身体、クワガタの顎の角、カマキリの鎌、バッタの脚力を持ち、電撃、堅い防御に高い戦闘スペックを持つ昆虫系グリード、ウヴァ

 

そして・・・

「…」

オーズの視線の先、タカの頭部、クジャクの羽模様を全身に散りばめ、脚部にはコンドルの爪、炎を操り放ち纏う鳥系グリード

「アンク…」

その姿はかつて映司と共に戦ったアンクよりは、片割れ、ロストアンクに近かった

 

 

 

「ホロスコープスも勢揃いだな」

友子が呼びに行ったフォーゼが一番頼りにしている仲間、メテオがマゼンタのトレーシングアイを向ける先には、フォーゼとメテオが戦ってきた強敵が勢揃いしていた

 

魚座の姿、地面でも潜ることが可能なピスケス

 

双子座の姿、高エネルギーを操りカードや分身を爆発させるジェミニ

 

牡牛座の姿、パワーを活かした近接戦だけでなく誓約による人心コントロールも可能なタウラス

 

水瓶座の姿、両肩の水瓶による再生能力をもつアクエリアス

 

山羊座の姿、音波による攻撃をするカプリコーン

 

牡羊座の姿、人間の生態活動に干渉できるアリエス

 

蟹座の姿、物理攻撃を意に介さない外殻とあらゆる物を切断する鋏という矛盾している武器を持つキャンサー

 

蠍座の姿、毒による格闘を得意とするスコーピオン

 

獅子座の姿、両手の剛爪や咆哮弾などホロスコープス随一の戦闘力をもつレオ

 

天秤座の姿、直接戦闘力は低いが念動力や幻術によって相手を惑わせるリブラ

 

乙女座の姿、空間操作能力を駆使するヴァルゴ

 

そして・・・、

「理事長…」

ホロスコープスのトップ、学園を利用してプレゼンターに会いに行こうとした我望光明が運命(サダメ)、射手座の姿、コズミックエナジーの矢を放つサジタリウス

 

 

「敵ながら中々壮大な光景だね」「つーか、何でこっちはこれだけなんだ」

左右の目を交互に光らせながらWが向けた視線の先には、一角獣の記憶、遺伝子の記憶、偽物の記憶、人形使いの記憶、そして天候の記憶を宿したガイアメモリによって変化したドーパントが揃っていた。たしかにグリー度やホロスコープスに比べると見劣りしてしまう面子だ

「お楽しみはここからさ」

フェニックスゾディアーツが残ったメモリをばら撒くと、それはひとりでに“グリード”と“ホロスコープス”の元に飛んでいった

「まさか…」「おいおい…」

 

ヒート

熱き記憶を宿した熱と炎を操るガイアメモリをロストアンクが

 

ヴァイオレンス

暴力の記憶、腕力を特に強化するメモリをウヴァが

 

サイクロン

疾風の記憶、風を自在に操るメモリをカザリが

 

メタル

闘士の記憶、鋼鉄の身体と怪力のメモリをガメルが

 

オーシャン

大洋の記憶、水弾の発砲、液状化のメモリをメズールが

 

アイスエイジ

氷河期の記憶、あらゆるものを凍結させるメモリをギルが

 

 

 

スカル

骸骨の記憶、身体能力を骨格中心に極限まで引き出す、かつて翔太郎の師匠にしてフィリップの恩人である鳴海壮吉が使用していたガイアメモリをサジタリウスが

 

ゾーン

地帯の記憶、対象を他の場所に転送させるメモリをヴァルゴが

 

イエスタデイ

昨日の記憶、対象の記憶を操るメモリをリブラが

 

ファング

牙の記憶、闘争本能を掻き立てるメモリをレオが

 

ジョーカー

切り札の記憶、格闘技能を向上させるメモリをスコーピオンが

 

ナスカ

ナスカ文明の記憶、高速移動が可能になるメモリをキャンサーが

 

ルナ

幻想の記憶、分身身体の伸縮が可能になるメモリをアリエスが

 

キー

鍵の記憶、解除・索敵能力を与えるメモリをカプリコーンが

 

クイーン

女王の記憶、鉄壁のバリアーを展開するメモリをアクエリアスが

 

トリガー

狙撃手の記憶、射撃能力を与えるメモリをタウラスが

 

バード

始祖鳥の記憶、飛翔能力を与えるメモリをジェミニが

 

ロケット

ロケットの記憶、対象物にロケットを発射するメモリをピスケスが

 

 

アクセル

加速の記憶、加速能力を与えるメモリをすでにユニコーンメモリを発動させているユニコーンドーパントが

 

エクストリーム

すでに取り込んでいるメモリの性能を極限まで引き出すメモリをウェザーが

 

 

 

ガイアメモリは記憶された事象を再現する超常的な能力を手に入れる反面、使用者はメモリの有害毒素に徐々に侵食され、フィルターの役割を持つドライバーが無い限り、感情・精神が次第に歪んでいってしまう。しかしフェニックスダスタードはセルメダルとコズミックエナジーから創られた存在。毒を持って毒を制するではないが、通常人間が使用する場合と異なりリスクを除外してメモリを使用できる

メモリを体内に取り込んだFDゾディアーツとグリード、2つのメモリを体内に取り込んだAユニコーンとXウェザー、ダミー、ジーン、パペティアーは通常態のままだ

それらを前にフェニックスゾディアーツは悠然と佇んでいた

「みんな、それぞれ敵の特性は把握しているだろうが、それにガイアメモリの能力が加わり、元の能力が強化、もしくは新たな能力が加わっている。十分に注意…」「あ、おいこら弦太郎!」

フィリップの説明も聞かず、フォーゼはロケットモジュールで敵陣に突っ込んでいった

「ライダーロケットパ~ンチ!」

ロケットの推進力を加えたフォーゼの得意技。しかし、そのフォーゼ目掛けタウラスはコズミックエナジーのゴルフボールを杖・グアンナで“撃った”。インパクトの瞬間、先端の球状部分の撃鉄が打ち下ろされ凄まじい威力となった打球がしかし飛翔するフォーゼを正確に撃ち落した

「ぐわっ!」

落とされたフォーゼをKダイザーがキャッチする

「この数との戦闘だ。誰か指揮官の役割を担わないと」「おい弦太郎、お前のダチに適任者いないのか?」

「てて…、う~んまさかタウラスにあんな技が…。指揮官…、ならあいつっきゃいねぇな、友子!」

「へ?私?賢吾さんじゃなく?」

「賢吾は分析は出来ても決断に思い切りがないし出すのも遅い。けど、お前なら分析を横で聞きながら直感で指示が出せる、頼りにしてるぜ!」

「うん、やってみる」

「野座間、頼む」

賢吾もバガミールとアストロスイッチカバンのPCを軌道させた

「翔太郎」「何だフィリッ…プ?!」

Wの右手がドライバーを外し変身を解いてしまった。すると賢吾が受け止めて地面に寝かせていたフィリップがおもむろに起き上がった

「分析については検索も必要だ。ということで、戦力の把握が一段楽するまで一人で持ち堪えてくれ」

「…ったく」

翔太郎はぼやきながらロストドライバーを腰に装着し、再びジョーカーメモリを起動させた

 

ジョーカー

 

「変身!」

 

ジョーカー!

 

Jの字に腕で構えドライバーにメモリをセット。漆黒の風が巻き起こり止むと、そこには黒い仮面ライダー、仮面ライダージョーカーが立っていた

「改めて、お前らの罪を数えやがれ!」

相棒の勝手な振る舞いにややキレ気味の翔太郎であった

 

 

「まずは相手の出方を見る、誰か広範囲拡散型の攻撃を」

フィリップの指示にフォーゼとオーズブレイブプトティラコンボが前に出た

 

レ・ー・ダ・ー・オ・ン ラ・ン・チャ・ー・オ・ン

 

「ぶっ放すぜ!」

「はぁぁ!」

フォーゼの全固体ロックオンランチャー一斉掃射とブレイブプテラヘッドからの放電が敵の一団を襲った

 

フィウィウィィィィ!

 

ゴガガがガガッ!

 

しかし放電はキーカプリコーンが弾いた多弦琴ウルクの音により掻き消され、ランチャーはアリエスが展開したバリアーにより防がれてしまった

「何?!アリエスにバリアーなんて能力は・・・」

「雷が消された・・・」

 

 

「フィリップさん、あれは」

「あのアリエスが取り込んだのはクイーンメモリ。絶対防御を謳うバリアーを展開する能力だ。そしてカプリコーンはキーメモリ。あれは相手の能力などを解除する」

「そしてアリエスは再生能力が、カプリコーンは音波を飛ばすことが出来る。あの2体に攻撃を通すのは厄介だぞ」

 

 

「なら、直接攻撃するまでっすよ」

「この私を差し置いてクイーンだなんて、100年早いのよ」

 

JKダイザーとQダイザーがキーカプリコーンとクインアリエスにタックルを喰らわせて一団から引き離した

「カプリコーンは俺が引き受けるっす」

「アリエスは私が」

「おぉ、頼んだぞ、JK、美羽!!」

「ならば俺は・・・」

続いてアクセルがバイクフォームに変形し疾走した。そしてウェザーをそのまま轢き飛ばした

「こいつの相手は俺だ!」

ウェザーを前部に乗せたまま疾走するアクセルバイクフォームを追尾する二つの影があった。それは馬とバイクを合わせた姿に変形したユニコーンドーパントとカザリだった

「何、このスピードに着いてくるだと!?」

 

 

「照井竜、それはアクセルメモリを取り込んだ言うなればアクセルユニコーン、そしてそっちの猫はサイクロンメモリを取り込んでいる。スピード特化の敵だ」

 

 

「ふっ、面白い。振り切ってやる」

そのままアクセルは天高の外まで走って行ってしまった

「アクセルには負けられんな、火野、こいつらは任せろ」

バースは僅かに手元にあったセルメダルをバースロットに投入してグラップアクセラレーターを一気に回した

 

カポーン キャタピラレッグ

 

「はぁぁぁっ!!!」

バースはそのまま進撃しグリード達の中に突っ込んでいった

 

ガシッ

 

怪力自慢のガメルとがっぷり四つに組んだバースはキャタピラレッグを最大限まで唸らせて対抗した

 

 

「バース、その灰色の怪人が取り込んだのはメタルメモリ。肉体が鋼のようになり剛力の持ち主となる」

「くっ…、ただでさえ頑丈で怪力だったガメルが、」

押し返されているバース目掛け、横からメズールが水流で、ガメルが電撃で攻撃してきた

「後藤さん!!」

ガメルの防御力にものを言わせた攻撃にバースが耐えられるとは思えなかった。オーズはブレイブプテラヘッドで飛翔し援護に向かおうとした。しかし、横から・・・

 

ボボボっ!!!

 

炎弾がオーズに直撃した

「アンク…、くっ、後藤さ~ん」

激流と暴雷がバースに直撃しそうになった瞬間・・・

 

シュバッッ!!

 

ダークネヴュラが発生し攻撃を飲み込んだ

ロディアストームシャフトを構えたままメテオヴァルゴエヴォリューションストームはフォーゼに叫んだ

「弦太郎!ヴァルゴとレオとアリエスは俺に任せろ!」

友子はフィリップからメモリの情報を素早く訊くと、メテオに向かって指示を出した

「流星さん、ヴァルゴのメモリはゾーンメモリ、瞬間移動や座標移動を多様してきます!レオはファングメモリ、闘争本能が高められて牙での攻撃に注意して!アリエスはルナメモリ、幻術で惑ませてきます!」

「ありがとう、友子!」

メテオは頷くとその3体ごとネヴュラで転送してしまった

「…ぅおおおおおお~~~~~!!!!」

バースはもう一枚のセルメダルを投入した

 

カッターウィング

 

背中に装備された飛翔ユニットでガメルを抱えたままバースは飛んで行った

それを追ってメズールとウヴァも跳んで行った

 

 

「あ…、まだ残りのメモリの指示を」

「彼は翔太郎以上に猪ライダーだね」

「あ、君たち、これ使って」

オーズは賢吾達に缶を投げて寄越した

「いや、喉は渇いてないんですけど…」

「あ、これもしかして」

女の直感と友子は赤い缶と緑の缶のプルトップを開けた。起動したタカカンドロイドはバッタカンドロイドを掴んでバースが向かった方角に飛んで行った

「で、これを」

もう一つのバッタカンドロイドを起動させてアストロスイッチカバンの横に置いた

「おぉ、これは缶を模したメモリガジェットのようなものだね、興味深い、ぞくぞくするねぇ」

 

 

「弦太郎君、この2人…、2体は俺に任せてもらうよ」

オーズはヒートアンクとアイスエイジギルの前に立ちはだかった

 「うっす、映司さん」

「弦太郎、俺はタウラスを」

「頼むぜ、隼」

Kダイザーはタウラスと向き合った

「さて、弦太郎。俺らは」

「こいつらっすね」

ジョーカーとフォーゼの前にはスコーピオンとキャンサー、サジタリウスとリブラが

「翔太郎さん、スコーピオンは格闘が得意です。しかも両手足から毒を出すのであんま喰らうとライダーでもやられます。キャンサーの殻はどんなパンチもキックもドリルも効きません、そして鋏はどんなものでも切っちまいます」

「OK、フィリップ、あいつらが取り込んだのメモリは?」

「カニの方はナスカ。サソリの方はジョーカーだ。説明は不要だね、翔太郎」

 

 

「あぁ、お前はもう少し後輩たちのサポートを頼む」

ジョーカーは手首を軽く振るって相棒に応えた

 

 

「友子、賢吾、サジタリウスとリブラは」

「サジタリウスはスカルメモリ。肉体を強化して身体能力が極限まで引き上げられています。射撃以外にも気をつけて」

「リブラはイエスタデイだ。ただこれは相手を昨日と同じ行動をさせる策略向けのメモリらしい。どういう戦法を取るかは分からない。注意していけ」

 

 

「よっしゃぁっ!」

フォーゼはスイッチソケットを4基交換した

 

ク・ロ・ー・オ・ン チェ・ー・ン・ソ・ー・オ・ン ス・パ・イ・ク・オ・ン シ・ザ・―・ス・オ・ン

 

リミットブレイク

 

「ライダー超回転スラッ~~~~シュ!!!!」

斬掻殺傷性(ザンソウサッショウセイ)のあるモジュールをフル装備した状態でフォーゼは勢いをつけて側転しながらサジタリウスとリブラに突っ込んでいった

 

ガガガガガガガ、ガッッ

 

スカルサジタリウスの体表に現れた骨の鎧がフォーゼの攻撃を防いで弾いた

「硬ってぇな…。斬撃じゃ駄目か…、なら」

フォーゼはチェーンアレイスイッチとハンマースイッチを構えた。しかし、それはいつの間にか近付いていたイエスタデイリブラの錫杖ディケによって弾かれた

「あ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーズはヒートアンクとアイスエイジギルと激闘を繰り広げていた。ブレイブプトティラコンボは紫メダルの時にあった冷気発生と暴走、それが起因するコアメダルを破壊する『無の力』がない。しかしそれを補って余りある戦闘力があった。ブレイブプテラヘッドには飛翔と放雷能力が。ブレイブトリケラアームの両肩に備わっているワインドリルスティンガーは高速回転をしながら伸縮自在に伸び、炎弾や氷の礫を貫いた。そしてブレイブティラノレッグは軽快なステップを踏みながら全ての攻撃の起点となっている

その圧倒的戦闘スペックを持ってしても、この2体を攻め切ることが出来ない。ヒートとアイスエイジ。それぞれの長所をさらに伸ばすメモリを取り込んだ2体の攻撃、超高熱の火炎放射によって容易には接近できず、出来たとしても手足に炎を纏った打撃を喰らい、かと思えば鋭利な刃物のような鋭い雹混じりの吹雪を喰らい、オーズは攻めあぐねていた

 

ゴゴゴゴゴ

 

そのオーズ目掛け、アイスエイジギルが巨大な氷塊…、氷山を上空から落としてきた

「はぁぁぁぁあ~~~!!!」

ザンダーフィンを羽ばたかせオーズは飛翔した。そして両方のティラノレッグに赤いティラノサウルスの頭部のエフェクトを放ちながら上昇蹴りを繰り出した

「岩裂キッ~~クッ!!!」

ティラノサウルスの牙を彷彿とさせる威力のキックは、氷山を粉々に砕いた

着地したオーズの頭部に、コツンコツンと小さい物体がぶつかった

「スイッチ?」

「あ~!映司さん、それ俺の!」

オーズが視線を向けた先ではフォーゼが錫杖の連続攻撃を躱しながらオーズに手を伸ばしていた

「伸ばした手には応えないと、ねっ!」

オーズはスイッチをしっかりと握りしめてそれをフォーゼ目掛けて投げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ、…と?」

オーズからのパスを受け取ったフォーゼは、スイッチに違和感を覚えた。そしてその違和感は友子の直感を刺激した

 

 

「弦太郎さん!新しいステイツよ!」

友子は立ち上がって叫んだ

「それにスタンパーとジャイアントフットを合わせて!」

 

 

フォーゼは右腕サークルモジュールにチェーンアレイ、右脚クロスモジュールにジャイアントフット、左脚トライモジュールにスタンパー、左腕スクエアモジュールにハンマーを装填した。すると、どこからともなく中国調のメロディが聞えてきた。フォーゼはそれに合わせてカンフーダンスのステップを踏んだ

「変~~身!あっちゃ~~!!!!」

灰色の光に包まれ、それが晴れると新たなステイツとなったフォーゼが立っていた

全身は灰色となり複眼はシアン、額のステラシグナルは黄色となった。カッパー色のチェーンアレイ、エンジ色のジャイアントフットは身体より濃い灰色となり、ハニー色のハンマーとセピア色のスタンパーはシアンとなった

灰色とシアンの半分こカラー、仮面ライダーフォーゼカンフーステイツ。オーズのブレイブに影響されたチェーンアレイとハンマースイッチによって変身した姿だ

「カンフーキタ~~~~!!!!」

フォーゼはスカルサジタリウスに一足飛びで近づき、スタンパーでその胸にフォーゼマークの刻印を押し付けた

「はいぃぃぃ」

メテオを真似た様な怪鳥音を発しながら、反動で後方宙返りをうちながらチェーンアレイでイエスタデイリブラに打撃を喰らわせた。錫杖で防いだが、遠心力を効かせた空中からの重い一撃に膝を着いた

背中のスラストマニューバを上手く使いながら宙空姿勢制御を取って右脚と左腕を大きく振り上げたフォーゼ。するとイエスタデイリブラの上空に巨大な足の幻を現れ、左腕を中心にコズミックエナジーの巨大なハンマーが形成された

「うぉあっっっっちゃ~~~~!!!!」

 膝を着いていたイエスタデイリブラは大気の屈折による巨大な足の幻ごと増大された重力で押し潰され、スカルサジタリウスの胸の刻印にハンマーが直撃すると同時にスタンパーが炸裂した

「宇・宙・功・夫・打・威・激・震(ウチュウカンフーダイゲキシン)!!!!」

 

ドォォォォン!!!!

 

着地したフォーゼはいつものX字状に身体を広げて技名を叫んだ。背後ではスカルサジタリウスとイエスタデイリブラが爆発した。ハンマーの衝撃で地面は深く陥没してスカルサジタリウスの状態は分からないが、イエスタデイリブラは土煙が晴れたら状態が確認でいるはずだ

 

 

「賢吾さん、様子は?」

「待て、攻撃の余波でバガミールでもノイズがひどい」

友子と賢吾はアストロスイッチカバンPCを覗き込んでいた。フィリップは目を瞑った瞑想状態だった。どうやらジョーカーのための対抗策を検索しているようだ 

 

 

「弦太郎!後ろだ」

 

 

賢吾の声にフォーゼが振り返ると、爆発してセルメダル・メモリ・スイッチの残骸となってるはずのイエスタデイリブラが錫杖(シャクジョウ)を振り下ろした

「ぐあっ!」

フォーゼは打ち飛ばされた

「どうなってやがんだ」

 

 

「賢吾さん、今のは…」

「バガミールでは確かにリブラを捕らえた。さっきの攻撃で倒れたのも確かにリブラ本体だ。しかしそのリブラが消えたと思ったら何事も無かったかのようにまたリブラが現れた…、くっ、どうなっているんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆうきの先導で天高にいた生徒達は避難していた。天高から離れたことで携帯が通じ、課外授業で科学未来館にいた一年生たちと連絡を取り、生徒達はそこに待機させ、避難のために空のバスだけこちらに寄越してもらう手筈になっていた

「ゆうきさん」

果たして到着したバスから降りて来たのは仮面ライダー部の黒木蘭だった

「蘭ちゃん?!どうして」

「天高がこんな事態になるってことは、仮面ライダー部の出番ってことですよね。ハルは一年生たちをまとめるために向こうで待機してもらっています。で、私“達”はこっちのお手伝いに」

蘭は友子並の直感とゆうき並の行動力、そして美羽並の統率力を兼ね備えた頼もしい後輩だ

「達?」

ゆうきは蘭の言葉に疑問を持った

「はい、今日から突然教育実習とかで赴任して来た先生で名前は門…」

 

 

 

 

 

「これはちょうど良い」

 

 

 

 

 

ゆうきと蘭が振り返ると、地面から2つの影が飛び出た

フェニックスゾディアーツとロケットピスケスだ

「そんな、天高にいたんじゃ…」

「あれはダミーだ。ダミードーパントが土塊で人型を造り、ジーンドーパントが遺伝子を組替えて私の外見にする。そしてパペティアードーパントによる時限式の限定的な操作によってあたかもそこにいるように装ったのだ。まぁ、よく見れば偽者と気付くが、あれだけ戦況が入り混じって混乱している中で後方にいるダミーに気づけはしないだろうがね」

フェニックスゾディアーツはゆっくりと2人に近付いてきた

「元ホロスコープス、いや、君達は所属していなかったね。ジェミニゾディアーツの城島ゆうき、そしてピスケスゾディアーツの黒木蘭。2人とも、私と一緒に来てもらおうか。そうすれば後ろの連中には用はない」

ゆうきと蘭は動けずにいた。その時・・・

 

 

 

 

 

パチリ

「なるほどな」

 

 

 

 

およそこの場にはふさわしくない玩具のスイッチの様な音とのんびりとした声

「どうやらこの世界での俺の役割が、大体分かった」

二眼レフのトイカメラを首からぶら下げた、スーツを着ているというよりは着られている感が否めないその男はフェニックスゾディアーツの前に立った

「貴様は…、」

「通りすがった教育実習生、門矢士だ」

 

 

 

 

 

 

ゆうきと蘭は呆然と士を見ていた。それに追い討ちをかけるように、蘭の制服のポケットが光出した

「蘭ちゃん、それって?」

「今朝弦太郎さんがお守り代わりに貸してくれた指輪です」

それは、フォーゼの頭部を模した指輪だった。弦太郎曰く、甘ったるい匂いをさせた優男からもらったらしい。それが光を放っていた。蘭は右手中指はめて目の前に翳した

すると目の前に奇妙な円…、魔方陣が現れた。その向こうから

 

 

ころころころ

 

 

可愛らしい包装紙の円形物体が転がって来た

「ドーナツショップ?」

「はんぐり~?」

ゆうきと蘭はその包装紙の文字を見た

 

 

 

 

 

「あ~、待て俺のプレーンシュガー」

 

 

 

 

 

消えかかっていた魔方陣の向こうから男が一人走ってきた

「あれ?」

その男は漂ってくる匂いと同じく甘い顔立ちの細身の男だった

「よぉ、操真晴人」

フェニックスゾディアーツから視線を外した、しかし油断や隙は微塵も無い、門矢士が晴人に声をかけた

「あん?あんた誰?」

「っと、そうか…。門矢士、今はまだ覚えなくていい」

「あっそ、で、これはどういう状況?」

晴人は後ろのゆうきと蘭、その後ろの天高生徒教職員達に視線を向けた

「学校が怪物に襲われ、フォーゼ達が戦っている間に逃げてきたら、親玉が目の前に立ちはだかった、という状況だ。言うなれば、絶望的、だな」

「へぇ」

晴人の目つきが変わった。甘い雰囲気から一転、竜のように猛々しいものとなった

「なら、俺が希望になってやるよ」

 

ドライバーオン

 

右手をベルトに翳すとバックル部分が掌型のベルトが装着された。さらにバックルサイドのシフトレバーを操作し、中央のハンドオーサーが左手の形になるようにした

 

シャバドゥビタッチヘ~ンシ~ン シャバドゥビタッチヘ~ンシ~ン

 

士もそれに合わせるようにカメラのようなバックルを腰に装着し、サイドハンドルを引いて90°回転させた

「全く、次から次へと…、貴様ら一体全体何なんだ!!」

事ここに至り、フェニックスゾディアーツの怒りはマキシマムチャージブレイクしていた

 

 

「通りすがりの…」

カードを顔の高さで構える士

 

 

「絶望を希望に変える…」

紅い宝石の指輪を左中指に嵌めてカバーを下ろし…戦士の頭部を象った指輪を…構える晴人

 

 

 

「「仮面ライダーだ!!」」

 

 

 

KAMEN-RIDE DICADE

 

フレイム ヒーヒーヒーヒーヒー

 

 

 

「さぁ、ショータイムだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

次・回・予・告

 

其々の戦い、追い込まれる戦士達

「バァァァァァァスッッッ!!!」

 

メテオ・・・

「ぐあぁぁっ!!」

 

神宮海蔵・・・

「しまった…!」

 

美羽・・・

「このっこのっこのっ!!!」

 

隼・・・

キュピ~ん

 

アクセル・・・

「はぁぁぁっ!」

 

 

次回第8話

苦・闘・苦・戦




敵が強すぎてどうしよう、と書き終えてから悩む無計画さ

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