宇宙~KITA--~   作:蒼乃翼

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えげつないスイッチコンボコズミック編、どうぞ


激・闘・必・至

 JKと大杉が友子のための血路を開くためにクズヤミ―に突撃して行った時、校庭の方では大きな変化があった

 

 

 「嘘だろ・・・」

 フォーゼの目の前には何事も無かったように立っているジャキの姿があった

 「NEVERというのを知っているかね?」

 「ネバー?」

 「死体を蘇生させる技術でそれによって蘇生された人間達で構成された組織のことだ。世界で傭兵として活動していたという話を聞いたことがある。たしかどこかの都市でその技術諸共滅んだはずだが・・・」

 弦太郎の疑問に賢吾が答えた

 「その技術には我々も関与していてね。本来は死者を蘇らせる技術だが、私はこう考えた。死者蘇生ではなく、不死創造にできるのではないのか、とね」

 ジャキは自分の胸を指差した

 「無論、生身のままでは人間は堪えられない。故に、もう一つの技術を併用した。セルメダルだよ」

 その時、ジャキの身体から何かが落ちた。それは、1枚のセルメダルだった

 「セルメダルを鎧のように身体に張りつけ、定着させることで、本来のネバーの何倍もの、しかも何度でも蘇られる究極の耐性と再生能力を持った身体を手に入れたのだ」

 ジャキは懐からある物を出した

 「それは・・・」

 「ゾディアーツ・・・スイッチ・・・」

 「そう。これはあの我望すら使用がついに叶わなかったスイッチ・・・」

 ジャキは邪悪な笑みを浮かべスイッチを押した

 ジャキの身体が闇に包まれ、鳥の星座が浮かび上がり、そのままジャキの身体に張り付いた

 

次の瞬間、そこにはゾディアーツが立っていた

全身は濁りの混じった気味の悪い金色

鹿の様な細くしなやかな脚部

馬の足のように逞しい腕とそれが繋がった上半身

その背にはカメの甲羅の様な模様が走っていた

肩から首にかけては蛇のような鱗模様が気味が悪いくらい浮かび上がっていた

 

鳳凰

西洋ではフェニックスと称される不死鳥の姿をしたゾディアーツが誕生した瞬間だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「上等だぜ!」

 

コズミック

 

弦太郎はサークルモジュールにコズミックスイッチを挿し込み、スイッチを押した

 

コ~・ズ~・ミ~・ック・オン

 

賢吾の元にあったバガミールも待機状態になり、全てのスイッチがフォーゼに集まった

 

フォーゼコズミックステイツ

全てのスイッチの力を終結させた最強のフォーゼだ

 

「ぶった斬るぜ!」

 

クロー

 

ク・ロ・~・オン

 

フォーゼは胸のスイッチグラングのクロースイッチを押し、クロースイッチを手に取るとバリズンソードの柄頭のスイッチスロットに挿し込んだ

バリズンソードの刀身にコズミックエナジーによるクローが具現化した

「そんでもって!」

 

エレキ

 

ファイヤー

 

 フォーゼはさらにエレキとファイヤーを押した。するとクローの刀身の左右が電気と火炎を纏った状態になった

 「雷炎宇宙斬り~~~!!!」

 フォーゼは背中のスラストマニューバで前方に飛翔しながらバリズンソードを振り下ろした

 

 ズバッ!!!

 

フェニックスゾディアーツの身体に3本の激しい傷がついた

しかし・・・

 

 「ふっふっふっ」

 「なん・・・だと・・・」

 傷口から幾枚ものセルメダルがこぼれたが、すぐにメダルが集まり修復してしまった

 「効かぬよ、その程度の攻撃」

 フェニックスゾディアーツ軽く右腕を振るった

 ゴッ!

 不可視の衝撃波がフォーゼを一気に10m近く弾き飛ばした

 「くっ・・・そっ、」

 今までもゾディアーツ、特にホロスコープスとの戦いでは苦戦もしてきた

しかし、今回のフェニックスゾディアーツには苦戦以前の問題だ

生半可な攻撃では圧倒的耐久力で効かず、攻撃が通ってもすぐに再生してしまう

 先ほどの攻撃も、かつて苦戦したキャンサーの甲羅すら一撃で破壊できる威力はあった。しかし、フェニックスゾディアーツには浅手の傷しか与えられなかった

 「なら!」

 

チェーンソー スパイク

 

フォーゼはクロスモジュールのランチャーをチェーンソー、トライサークルのドリルをスパイクに入れ替えた

 

チェー・ン・ソー・オ・ン ス・パ・イ・ク・オ・ン

 

「これでどうだ!」

 

フリーズ ドリル

 

チェーンソーにフリーズ、スパイクにドリルの効果を付与した

チェーンソーの刃からは冷気が迸り、スパイクの棘は小さなドリルになり唸りを上げていた

「ライダーフリーズキック冷脚撃!!」

フォーゼはスラストマニューバによる推進力を得て、右足を繰り出した。斬られた傷口は果たして冷気により瞬時に凍らされた

 「か~ら~の~・・・、」

 フォーゼは空中で大きく旋回し左足を振り上げた

 「ライダースパイクドリルキック!!」

棘がドリルとなったスパイクを傷口に叩き込んだ。棘のドリルはセルメダルを抉り出しながら蹴撃(シュウゲキ)の勢いのままフェニックスゾディアーツの身体にめり込んでいった

「おらおらおらおら~~~~~」

フォーゼは連続蹴りでフェニックスゾディアーツを追い込んでいった。傷の回復もその箇所が凍ってしまいそこを超攻撃で抉られればそれも叶わない

「止めだ!!」

 

リミットブレイク

 

冷気と駆動音が増した両足を振り上げ、フォーゼは一気に振り下ろした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友子は学園の外で強力な助っ人と出会った

 ずば抜けたカリスマ性と統率力で仮面ライダー部時代から自分たちをひっぱてくれた、会長・風城美羽

 鍛えた身体でパワーダイザ―を乗りこなし、戦いをいつも直接サポートしてくれた大文字隼

 友子は2人に学園の危機を知らせた

 話を聞いた2人は顔を曇らせた

「・・・財団X」

「くっ、今すぐダイザ―を呼んで俺は弦太郎の助太刀に・・・、」

「待ちなさい、隼」

「何故止める美羽!あのカンナギの弟に、かなりの数の敵と今も弦太郎は1人で戦っているんだぞ!」

 「だからこそよ。正直、流星君と隼が加わっても、勝てるかは分からない・・・、いえ、勝てないわ」

 美羽はきっぱりと言い切った

 「なら・・・どうするんですか・・・?」

 「友子、貴女はそのまま昴星に流星君を呼びに行って」

 「美羽、何か策があるのか?」

 「隼、貴方と私は別々の所に向かって助っ人を呼ぶわよ」

 「助っ人?」

 「敵は財団X。そして敵の中にはおそらくドーパントやヤミ―、クズヤミーと呼ばれる雑兵もいるはずよ。なら、その専門家を呼ぶのよ」

 「専門家?」

 隼は首を傾げたが、友子は気づいたようだ

 「そうか、なでしこさんの時に出会った、あの人達を・・・」

 「そうよ。隼、貴方はダイザ―に乗って、風都に」

 「美羽はどこに?」

 「ちょうど、パパのお供で行ったパーティーで顔をあわせたから、そのコネで会って話をつける。私は、コウガミファウンデーションに向かうわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「今の攻撃は中々だね。しかし、この私には無意味だよ。セルメダルはすでに私の一部。つまり傷の回復はセルメダル一枚ずつにもある能力なんだよ。まぁ君の必殺技で木っ端微塵にされれば流石に再生は無理だろうが、そもそも一枚一枚に一々必殺技を使うのかい?私の身体を構成するセルメダルの数は、軽く兆はあるんだがね」

 フェニックスゾディアーツ/ジャキは首を竦めながら続けた 

目の前には、変身の解かれた弦太郎がリーゼントも短ランもぼろぼろになった状態で倒れていた

「いい加減、あきらめたらどうだい?そもそも君はたしかに兄を倒したが私は敵討ちなど毛頭ないし、数を連れてきたのも対抗心を削ぐためさ。第一の目的はゾディアーツスイッチの研究成果。戦うことが目的ではない。これでも、私は平和主義者なのだがね」

 フェニックスゾディアーツは両手を広げて自分の主張をアピールした

 「くっそ・・・」

 戦いを見守っていた賢吾の脳裏にこのままスイッチのデータを引き渡したほうがいいかもしれない考えがよぎった

 財団Xは表立った活動は控えている。学園まるごと1つを壊滅するような暴挙には出ないはずだ

 「そちらの元コアチャイルド君は聡明だね」

 「何っ?!」

 「あぁ、安心したまえ。君は既に対象外だ。ただの人間になった“君”にはね」

 「・・・ジャキ・カンナギ、1つ聞かせろ」

 「何かな?全面降伏の条件の相談かな?」

 「お前の言うゾディアーツスイッチの研究成果とは、“一体何なんだ”?」

 賢吾の射るような視線を外し、フェニックスゾディアーツは笑い出した

 「ははは、何だそのことか。無論、まだそちらが管理しているだろうゾディアーツスイッチにその研究成果をまとめたメモリ、それと“スイッチャ―たち”だよ」

 今度こそ、弦太郎と賢吾は戦慄した

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

諦めない弦太郎

「ざけんな、あいつらには手はださせねぇ!」

キュピーン

「鳴海探偵事務所はどこだ!」

悲痛な賢吾

「よせ、それ以上はフォーゼドライバー以前にお前の身体が、」

揺るがぬ美羽

「単刀直入に言うわ」

限界を超える弦太郎

「うぉぉぉぉぉぉぉ」

 

 

第4話 風・欲・王・姫

 

 

 

「俺に質問するな!!」

「ハッピッバァッ~~~~スデェ~~~~~~~」

 




敵も強くし過ぎたかな、と書き終わってから思いました

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