宇宙~KITA--~   作:蒼乃翼

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さぁ、くすぐりタイムだ


最・終・陣・形

天高から避難する生徒を乗せたバスを襲撃したフェニックスゾディアーツとロケットピスケスの前に立ちはだかった、旅する破壊者とラストホープライダー。

「さて、どっちとやる?」

「そっちの不死鳥は任せてもらおう。不死鳥とは相性がいいんだ。」

ウィザードフレイムスタイルはウィザーソードガンを構え、フェニックスゾディアーツと向き合った。

「相性?不死の私と?仮面ライダーはまったく言う事が滑稽だね。」

「滑稽かどうかは、これから見せてやるよ」

黒いウィザードローブを翻し、仮面ライダーウィザードのショータイムの幕が上がった。

 

 

 

「さて、なら俺は魚でもさばくとするか」

ディケイドはライドブッカーソーソードモードの刀身を左手で撫でた。ロケットピスケスは爆発推進力でディケイドに突進した。

 

バォンッ! ザシュッ!

 

ディケイドのライドブッカーは、その刀身ブッカーソードは未知の鉱石・ディバインオレで形成され厚さ10cmの鋼鉄を簡単に切断可能な程の鋭い切れ味を誇り、何回切り付けても刃こぼれを起こさない。しかし、ロケットピスケスの圧倒的速度による突進は表面をかすっただけで、ダメージらしいダメージは与えられなかった。

ロケットピスケスはその勢いのまま壁に激突すると思われたが、なんとそのまま壁に溶け込むように潜り込んでしまった。

「何っ…!」

ディケイドはあたりを見回した。次の瞬間、

 

バッ ガゴンッ

 

「ぐわぁ!」

背後の壁から突進してきたロケットピスケスの直撃を受けたディケイドは反対側まで吹っ飛んだ。

「くそ、あの魚野郎の特殊能力か…」

ディケイドは立て続けに突進してくるロケットピスケスをなんとか躱しながら周囲の壁からなるべく離れた位置に陣取った。

「いくら速くてもこれだけ離れていたら十分迎撃には余裕が…」

 

ザバッ!

 

「なッ…」

足元の地面から飛び出してきたロケットピスケスの突進が直撃した、かに見えたが、ディケイドは辛うじてライドブッカーのバインダー部分で防いだ。

「地面も移動できるのか…。まずは奴を壁や地面から引っ張り出して動きを止めないとな…」

ディケイドは敵の能力と攻撃を分析、それに一番相性のいい仮面ライダーとそのフォームを検索し、ライドブッカーのバインダーからライダーカードを一枚取り出した。

「相手が魚なら、こいつだ!」

ディケイドライバーのサイドハンドルを引いて装填口を露出させ、そこにライダーカードを装填、再びサイドハンドルを押した

 

KAMEN RIDE DEN‐O ROD

 

海亀のような仮面、オレンジの複眼、ヒレのようなアンテナ、亀甲模様の装甲を持つ

青い仮面ライダー。仮面ライダー電王ロッドフォームだ。

「そして…」

ディケイド電王Rはもう一枚ライダーカードを装填した。

 

ATTACK RIDE OMAE,BOKUNI TURARETEMIRU?

 

「お前、僕に釣られてみる?」

 

 

 

「ねぇ蘭ちゃん、あの教育実習の先生大丈夫?」

「えぇ…と、今朝の挨拶の時から上から目線だし写真撮ってばっかりで授業らしい授業もしないし…、でも、弦太郎先輩と同じ仮面ライダーだから大丈夫…だと思います…」

生徒達をバスに乗せて避難させたゆうきと蘭は物陰から戦いを見守っていた。

 

 

 

ATTACK RIDE DENGASSYA-ROD

 

「そらっ!」

ディケイドR電王はライドブッカーをデンガッシャーロッドモードに変化させ、先端のロッドヘッドからオーララインを伸ばし、ロケットピスケスの潜った壁に潜り込ませた

「ヒット!」

すぐに手ごたえを感じたディケイドR電王は持ち手部分のデンリールを巻き取った。

 

ザバッ

 

壁からオーララインに絡め獲られたロケットピスケスが飛び出してきた。間髪入れず、最後のライダーカードをディケイドR電王は装填した。

「とどめだ!」

 

FINAL ATTACK RIDE DE,DE,DE,DEN‐O

 

「はぁぁ!」

ディケイドR電王が槍の様に投げたデンガッシャーロッドモードはロケットピスケスに刺さると同時に捕縛の網オーラキャストになってロケットピスケスの動きを封じた。電王ロッドフォームの必殺技、ソリッドアタックが決まった。

「たぁぁ!」

そこにディケイドR電王のデンライダーキックも決まり、ロケットピスケスは核となっていたホロスコープスススイッチとロケットメモリが破壊され、セルメダルの山と化した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォーゼコズミックステイツ、オーズブレイブプトティラコンボ、Wサイクロンジョーカーエクストリームは天高校庭の中央に集まった。

「オッス、先輩方!」

「どうやらみんな其々の敵は倒したみたいだね。」

「けっこうギリギリだったけどね」「いや、あんな敵俺にかかればちょろいもんだったぜ。」

フォーゼ達は敵陣奥に悠然と立っているフェニックスゾディアーツと対峙した。しかし…

 

サラサラサラ

 

「何!?」

驚く弦太郎たちの目の前でフェニックスゾディアーツは土塊となって崩れた。

「どうやらダミーでフェニックスゾディアーツの姿形を創り、ジーンで見た目や組成遺伝子を操作、パペティアーで維持していたらしいね」「あいつら~」

「じゃあ本物のフェニックスゾディアーツは…」

Wとオーズが首を傾げる中、賢吾だけは気付いた。

「そうか、ゆうき達を追っていったんだ!」

叫んだ賢吾の背後から、突如魔の手が…

「うっ」

「賢吾!」

「あれはダミー、ジーン、パペティアー!」「存在薄すぎてすっかり忘れてたぜ!」

賢吾はダミーに首を捕まれ身動きが取れない。強さ自体は弱いが、それでも人間相手には十分な力だ。

「てめぇ、賢吾を放せ!」

「駄目だ弦太郎君、迂闊に近付いちゃ!」

飛び出そうとしたフォーゼをオーズが止める。

「くそ…」

3体は賢吾を人質に校舎の外へ逃げて行った。

その時、突如3体に飛び掛る影が…!

「ま、まさか…」

緑の仮面、赤い複眼、白いマフラー、賢吾の前に立ったのは…

 

ガッッ ドッッ ゴッッ

 

仮面の戦士は一瞬で間合いをつめると拳、キック、投げであっという間に3体を吹っ飛ばした。そして、一瞬力を溜めると跳躍、凄まじい破壊力が視認できるキックによって3体を屠った。

「お~い、賢吾!」

フォーゼ達が追いかけて来た。

「弦太郎…」

「歌星賢吾、ダミー、ジーン、パペティアーは?」「ぶっ飛ばしてやるぜ」

「それが…」

「あれは…!」

オーズが指差した先には、メモリブレイクされたD、G、Pのメモリとセルメダルの屑山があった。

「実はさっき…」

賢吾が辺りを見回すと、先ほどの仮面の戦士は消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~~!」

ウィザードFはバランスの取れた戦闘スタイルでフェニックスゾディアーツと渡り合っていた。フェニックスゾディアーツの再生能力は確かに機能している。しかし、ウィザードの攻撃に対しては十分な効力を発揮していなかった。

「なんだと…、こいつの攻撃は…」

フェニックスゾディアーツはガイアメモリ、セルメダル、ゾディアーツスイッチが構成されている。今までの戦歴から対抗戦力となり得る仮面ライダーのデータを取り込んでいた。しかし…このウィザードという仮面ライダーのデータは無かった。

「言ったろ、不死鳥との相性はいいんだ。」

ウィザードはウィザーソードガンのハンドオーサーを操作し、左手の指輪を翳した。

 

キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ!

フレイム!スラッシュストライク ヒーヒーヒー

 

ザクリッ!

 

「ぐわぁっ!」

炎を纏ったウィザーソードガンの刃がフェニックスゾディアーツの身体に深く入った。

「まだまだ、ハイライトはここからだ」

ウィザードは先ほどより紅く装飾が多くなった指輪を左中指にはめた。

 

フレイィム ドラァゴン ボ~ゥボ~ゥボゥボゥボ~ウ

 

黒いウィザードローブは紅くなり、頭部に2本のエクスドラゴロッド、両肩に封印石グランマジェスティが追加された強化スタイル、フレイムドラゴンと変身したウィザードはさらに右手の魔法リングを嵌め替えた。

 

スペシャル

 

胸部にウィザードラゴンの頭部、ドラゴンスカルが出現し、そこから超高熱の火炎放射が放たれた。

「ぐあぁぁぁぁ~~~~~!!!!」

フェニックスゾディアーツは劫火に包まれたままもがき苦しんだ。なまじ再生能力があるがために完全に倒すには至らず、だからといって再起できるわけでもない。

「ふぃ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、これは…」

ゆうき達のバスを追ってきたフォーゼと賢吾、オーズ、Wは唖然とした。フェニックスゾディアーツが巨大な炎の塊となっていた。その傍らには紅い仮面ライダーが立っていた。

「あれも仮面ライダー?」

「見たことのないライダーだ」

「僕の知識にもない仮面ライダーだ。興味深い、ぞくぞくするねぇ」「一体誰なんだ…?」

 

「奴は仮面ライダーウィザード、魔法使いだ。」

 

「キミは、」「ディケイド!」

突如Wの隣にディケイドが現れた

「よぉW、それに、仮面ライダーオーズにフォーゼだな。」

「貴方も仮面ライダー?」

「おぉ、なんかピンクの縞々ライダーキタ~~~~!!!!」

「喧しい、縞々じゃなくてバーコード、それにマゼンタだ、決してピンクじゃない!」

そんな問答をしていると、ウィザードがフォーゼに声をかけてきた

「よぉフォーゼ。未来ぶり」

「は?」

ウィザードの言葉にフォーゼが首を傾げると、炎に包まれていたフェニックスゾディアーツに異変が起こった。

 

 

 

「GGGGGGGGGGAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!」

 

 

 

「あ、あれはラストワン!まずいぞ、弦太郎」

賢吾の言葉にライダー達はすぐに戦闘体勢を取った。

フェニックスゾディアーツは見る見るうちに巨大で禍々しい鳥の姿へと変貌していった。

「でっけぇ…」

「これは、こっちの戦力的にキツイかもね」

「戦闘力を数値化できる片眼鏡型の測定器はないが、奴の戦闘力は一気に10倍近く跳ね上がったと推察される。」「こっちは俺らに映司、弦太郎、ディケイドにあのウィザードって奴だけか…、照井達の増援を期待はしたいが、それまで保つかどうか…」

 

 

「だいたい分かった。要は数を増やせばいいんだな?」

 

 

ディケイドはブックモードのライドブッカーから1枚のカードを取り出した。

「オーズ、」

「え?俺?」

「ちょっとくすぐったいぞ」

 

FINAL FORM RIDE O,O,O,OOO

 

ディケイドがオーズブレイブプトティラコンボの背中に両手を差し込んで開くと、背中にブラックホールが現れた。

「えええ~~~!?」

そこから、赤・緑・黄・灰・青・橙・紫のメダルが3枚ずつ計21枚飛び出した。

「これは…、うん、いける!!!」

オーズはブレイブメダルを抜いて、緑のメダルを装填した。

「変身!!!」

 

クワガタ!カマキリ!バッタ!ガ~タガタガタキリバ ガタキリバ!!!

 

クワガタの顎を燃した角、カマキリの鎌を装備した腕、バッタの強靭な脚部を持つ緑の昆虫系コンボ、仮面ライダーオーズガタキリバコンボ。その固有能力は…

「はぁぁぁ~~~………、あぁ!!!」

「うぉぉぉぉ!?オーズが増えたぁ!?!?!?!?」

分身オーズがメダルを交換した。

 

タカ!クジャク!コンドル!タ~ジャ~ドル~~!

 

ライオン!トラ!チーター!ラタラタ~ラトラ~タ~!

 

サイ!ゴリラ!ゾウ!サゴッーゾ…サゴーゾ!

 

シャチ!ウナギ!タコ!シャ・シャ・シャウ~タ~ シャ・シャ・シャウ~タ~!

 

コブラ!カメ!ワニ!ブラカ~ワニ!

 

プテラ!トリケラ!ティラノ!プ・ト・ティラ~ノザウル~ス!

 

「オーズ戦隊、キタ~~~~!!!!」

驚くフォーゼの隣、Wにもくすぐりの魔の手が…

「次はWだ」

 

FINAL FORM RIDE DA,DA,DA,W

 

「むずむずするねぇ」「またこれか!」

真ん中から左右真っ二つにされたW。前回の時と違い、今回はエクストリームの状態でのFFR、つまり…

 

サイクロン エクストリーム

 

ジョーカー エクストリーム

 

輝く緑と銀のボディになった仮面ライダーWサイクロンエクストリーム

輝く白銀と漆黒のボディとなった仮面ライダーWエクストリームジョーカー

 

新たなFFRにディケイド自身驚いていた。

「おぉ、こうなったか。さて、ラストはフォーゼだ」

 

FINAL FORM RIDE FO,FO,FO,FOURZE

 

「うぉぉぉぉ~~~~!!!!なんかキタ~~~~!!!!」

背中をぱっくり割られたフォーゼはその大きさのまま、バリズンソードとなってディケイドの手に納まった。仮面ライダーフォーゼのFFR、バリフォーズンソードだ。

「なら俺も、」

 

コネクト

 

ウィザードFDはコネクトリングの魔法陣に右手を差し込んで、ブレス型のドラゴタイマーを装備し、中央のドラゴダイアルを反時計回りに回し、起動レバーサムズエンカウンターを押した。

 

セットアップ スタート

 

「さぁ、ショーもクライマックスだ」

「やはりFFRはぞくぞくするねぇ」「フィリップお前…」

「「「「「「「決着をつけよう!!!」」」」」」」

「オーズ、その状態で喋るな、耳が変になる」

 

 

「決戦、キタ~~~~!!!!」

 

 

 

 

「人の手の中で暴れるな!お前は剣だ、背筋を伸ばせ!」

「はい……」

 

 

 

 

 

 

次回13話

不・死・鳥・死




あと1話で決着、その後後日談1話入れて、この作品は終了予定です

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