ログ・ホライズン ~高笑いするおーるらうんだーな神祇官~   作:となりのせとろ

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 アカツキちゃんの誕生日ということで家に帰ってきてから頑張って書きました。
 アカツキちゃん誕生日おめでとう!


 Milky Way

 七月七日

 日本ではそれは言わずとしれた七夕の日。

 天の川を隔てて離ればなれへとなってしまった織姫と彦星が年に一度だけ会うことが許された約束の日。短冊に一人ひとつの願い星にを捧げるロマンチックな日だ。

 

 そして<記録の地平線>(ログ・ホライズン)の一人の少女アカツキの()()()でもある

 

 

「クエストか?」

「そ、クエスト。しかも結構難関のね。ちょっとその日は<三日月同盟>(ウチ)の人手がちょうど出払っててさ、協力要請なんだけどどうかな?」

 

 七夕の前日、<記録の地平線>(ログ・ホライズン)のギルドホールのリビングホールには来客がいた。その来客の男はこの世界ではさして珍しくない程度の漆のように艶やかな黒い長髪を首元の後ろで一本にまとめ、切れ長の目で対面に座る依頼主がアカツキの瞳を覗き込むような形で尋ねた。

 

「それは構わないが…、わたしやバカ直継はともかく、主君や老師は厳しいかもしれない」

 

 アキバの街は落ち着いてきたとはいえまだ<円卓会議>が成立してからそう時間が経っているわけではなく、<円卓会議>の議員であり同時に創設者という肩書きを持つ<記録の地平線>(ログ・ホライズン)のギルドマスターであるシロエはまだまだ<円卓会議>の仕事が日々突発的に舞い込んできているはずだ。クエストの内容を聞いてみればクエストは夜限定という期間制限付きのものらしく、いつ仕事が飛び込んでくるかもわからない現状、休める時に休めるようにできればシロエもしたいはずなのである。

 そして、にゃん太はそれとは別の理由がある。彼は<記録の地平線>(ログ・ホライズン)唯一の<料理人>、<記録の地平線>(ログ・ホライズン)は確かに人数も一桁しかいない零細ギルドではあるが、全員が依頼者から聞かされたクエストに参加できるだけのレベルマージンを超えた人材で構成されているわけではないのだ。その年少組をほっぽらかして全員がクエストに参加するわけにはいかない。ご飯もない中留守番させるなどあまりにも酷すぎる。

 

「ああ、それは大丈夫。二人にはもうきちんと話を通してあるから。

 トウヤとミノリについても問題なし。<三日月同盟>で預かるよ。別に全員が全員出払うわけじゃないしね」

 

 というわけで明日の夜、夜の午後八時にギルド会館前に集合ね。明日はよろしく、アカツキちゃん。

 来客は湯呑に入ったほうじ茶をあおって飲み干し、椅子から立ち上がりながら言ってニコリと笑いながらアカツキに手を差し出した。

 それにアカツキも

 

「ああ、こちらこそよろしく頼む、奏」

 

 

 ◇◆◇◆

 

「はーい!それじゃあ全員集まったところで始めさせてもらうよ」

 

 夏とはいえ太陽はさすがに沈みきり鈴虫の声がどこからともなく聞こえてくる中大きな声で声を上げたのは今回のクエストの発案者<三日月同盟>の奏だった。集まったのは奏、シロエ、直継、アカツキ、にゃん太、クインの六人だった。

 

「主君、主君、今回のクエストの概要は詳しく知っているのか?」

「うん?あぁ、実はそこまで僕も詳しくは知ってるわけじゃないんだよね。話だけだったら聞いたことはあるんだけど。クインさんだったら知ってるんじゃないかな?一応情報屋ギルドの人だし」

 

 アカツキがシロエの長いローブの袖を後ろから引っ張りながら上目つかいにシロエを見上げながら尋ねる。それにシロエも正直なところを話して自分も詳しくは知らないことを伝えた。それでも今回のクエストには珍しい顔があるのでその人なら知っているかもしれないと件の人の方へと目を向けた。

 

「確かに知ってはいるが別にそう難しい内容ではないぞ。よくあるモンスターがポップする道を駆け抜けていくタイプのクエストだ。ゴールへの到達タイムで報酬が変わるから難易度はまちまちといったところだな。狙っている報酬でピンからキリだ」

 

 視線を向けられたことに気づき察しよく返事を返すのは目を引くほどに真っ赤なスプリングコートを羽織った黒髪の少女。流石情報屋ギルドのサブマスということもあってかいつまんでクエストの内容()()を説明していく

 

「はい、そこの主従コンビと赤面探偵。クエスト内容は今からちゃんと説明するからちゃんと聞いとけよ。

 クエスト名は<天を駆けるための大橋>。

 まぁ言うところの期間限定クエストってやつだな、しかも公表されずに追加された隠しクエ。人数規制は6人のワンパーティー規制。敵mobのレベル帯は平均78。こっちの世界で戦うにしてははわりと高めだが、このパーティーならなんとかなるでしょう。

 戦場としては空へと昇る長い階段。階段で戦闘を行うわけだから階段にもある程度の幅はあるけれども階段から落ちた人間は死にはしないが、バフが付けられて入口に戻される(テレポート)から気をつけろ。なにより入口に戻されるのが痛い。昇る距離がそこそこあるから終盤で離されると、最悪合流するまでは一人で敵と戦闘することになる。加えて戦力が落ちれば最悪パーティー全体が戻らざるおえなくなるからできるだけ落ちないように。

 特に<付与術師>(エンチャンター)二人、お前らは気をつけろよ、単体戦闘能力はどうしても他より低いんだから」

 

「おい奏、質問があるんだけどいいか?」

「なんだねおパンツ騎士くん」

 

「お前そんなこと言ったらちみっこに…、なんで蹴られないんだ?おパ、ビベシットッッ!!」

 

 鮮やかな膝蹴りが”あるワード”を言いかけていた戦士然とした鈍色の光を反射する重厚な鎧を着込んだガタイのいい青年へと突き刺さる。

 

「主君、あの変態に膝蹴りを入れてもいいだろうか?」

「事後承諾するなよっ!てゆーか、ちみっこ!奏も言ってたじゃないか!不公平だ!!異議を申し立てるぞ!」

 

「ハハッ、直継、安心しろ。これは信頼の差というんだ。不公平でもなんでもない」

「そうだな、だからお前が信頼するわたしが直々に折檻すれば不公平でもなんでもないな」

 

 カチャリ、と金具が引かれる音が奏の背後からした次にはパァンッ、と乾いた発砲音が響く。突然の後頭部の衝撃に両手で後頭部を抑えてうずくまる奏

 

「痛い!頭の中が痺れるように痛い!しかも継続ダメージ入ってる!?おい、衛兵はなにしてる!仕事しろよ、コイツよりにもよって魔法(<マインドボルト>)使いやがった」

 

「ああ、衛兵さんたちならさっき月見団子買って屯所にワープしていくところを見かけたよ」

 

「金返せ!あの税金泥棒!」

 

 別に<衛兵システム>を管理する供贄一族は<冒険者>から徴収された税金で働いてるわけはないし、むしろ<冒険者>は税金など払ってはいなかった。ただ働きをさせられているのだから七夕の夜くらいは月見団子くらいは食べてもバチはあたらないだろう。

 衛兵さんいつもご苦労さまです。

 

「奏ち、こうやって鈴虫の声に耳を傾けながら雑談というのも悪くはありませんが、はやくしないと時間だけが過ぎていきますにゃ」

「そうだっ!おい直継、質問ってなんだ!はやくしないと時間(有効期限)ぎれになる」

 

 うずくまっていた体勢からガバリと勢いよく立ち上がって直継と呼ばれた青年へと問いかける奏。

 

「ああ、いやな。そんな一直線な階段を昇るならなんで千菜を連れてこなかったのかと思って」

「あいつ高所恐怖症なんだよ。昔高い高いしすぎて天井に頭ぶつけて床にまで落ちたもんだからそれ以来高いところダメなんだ」

 

「ああ…、そうなの」

 

 高い高いのしすぎでなぜ天井に頭をぶつけてそのうえ床にまで落ちるのだろう?そしてそれでなぜ高所恐怖症になるのだろう?その疑問を直継は苦笑いしている友人へ問いかけることはしなかった。

 ただ身の丈を超える大薙刀を振り回す友人の妹につくづく同情した。

 

「それじゃ、これ以上質問がないなら行こうか」

 

 奏が腰の後ろに下げた魔法の鞄(マジックバック)へ左手を突っ込み探り当てるような動作をする。そして目当てのものを探し当てたらしく一気にその左手を引き抜く。その手に握られていたのは小さな小瓶。小瓶の中にはきらめく青い砂のようなものが入っていた。

 奏はその小瓶の蓋を開け、ギルド会館の屋上にも届きそうなほどに、天高く小瓶を放り投げた。もちろんそんなことをすれば小瓶の中身はばらまかれるわけで中から溢れだした青の砂は月の淡い光を反射しながら舞い散っていく。降ってくる青のカーテンに触れた奏たちワンパーティーは転移のわずかな浮遊感に襲われた。

 

 

「なるほど、専用ゾーンってわけね

 ゲームの頃と違ってリアルな階段で戦うわけになるから、高低差とかには気をつけないとね。奏の言う通り階段の幅には縦も横も結構余裕があるけど足を踏み外したら目もあてられない」

 

 シロエは目の前に広がる真っ暗な星のまたたきだけが光源となる星空の空間とその中で存在感を放つ幅の広い階段と階段を前にしながらすでにゾーンの考察に入っていた。そこは伝説の<放蕩者の茶会>(デボーチェリ・ティーパーティー)の参謀担当であっただけあって慣れたものだった。

 

「奏は今日はいつもの刀じゃなくて杖なのか」

 

「ん、ああ。まあね、このパーティー回復職<神祇官>(カンナギ)の俺しかいないし、今日の()()は俺じゃないからね。全力でサポートさせてもらうから安心して駆け回っていいよアカツキちゃん」

 

「?よろしく頼む」

 

 普段使っている夜の空のように黒い黒刀を魔法の鞄(マジックバック)へとしまい込み代わりにシロエの持つ杖と同じくらいに長い純白の上に金の装飾が施されたそれでいて決して煩わしさを感じられない杖を引っ張り出す奏。

 

「みんな、準備はいい?このスタート地点を出ればすぐにモンスターがポップし始めるそうなればもう立ち止まってる時間はないからね。それじゃあ、行こう!」

 

「おおぉ!!」

 

パーティーの指揮を執るシロエの号令と共に<守護戦士>(ガーディアン)である直継を先頭にしていっきに駆け上がる。十メートルと進まないウチにポップした鳥型のモンスターたちの第一陣と接触した。

 

「しゃあっ!飛ばしていくぜ!<アンカー・ハウル>!!」

 

 直継が接触そうそうにモンスターたちのタゲをとるために剣と盾をぶつけ合い唸り声をあげて挑発する。

 それと同時に後方で待機していた奏がカン、と杖を階段へと強く突きたてて杖の能力を発動させる。杖の効果により本来よりは幾分か性能は落ちながらも奏のMPを消費することなくパーティーの全員に<ダメージ遮断魔法>が投射され、それと同時にアタッカーであるアカツキとにゃん太が前へと飛び出した。

 

「<パラライズブロウ>」

「<クイックアサルト>」

 

 アタッカー二人が前へ飛び出せば二人の邪魔をしないようにクインが<マインドボルト>を振りまき死角から迫るように飛びかかってくるモブをひるませ散らしていった。その隙にシロエは前衛三人にそれぞれパフを振りまいていき攻撃力や速度を底上げしていく。底上げされた能力値にレベル90のパーティーのアタッカー二人にかかればいとも簡単に鳥型モブの嘴を切り裂き、翼を貫いて絶命に追いやっていった。

 クインが散らし切らずに攻撃が通ってしまうことがあっても奏が張る<ダメージ遮断魔法>がダメージを抑え、障壁が壊れた瞬間にはすでに次の障壁が貼り直されていく。

 

 その理想的なパーティー戦闘は順調に進み、星空の中宙へと浮く白銀の階段を半分以上を登り詰めてなお、パーティー全員のHPが八割を切ることは一度たりともなかった。そしてそのまま奏たちは階段を駆け抜けていく。

 

「かー!もう、鳥どもたんたんと沸きすぎだろ。だんだんうざったくなってきた」

 

「発案者のくせに一番にめんどくさくなってどうするのだ、ば奏」

 

「こいつらもう俺焼き鳥と唐揚げにしか見えなくなってきた。焼き鳥と唐揚げが飛んでるよ、超うまそ」

 

「何匹か捕まえて帰ったら調理しますかにゃー。甘酢だれとマヨネーズをつけてチキン南蛮というのもいいですにゃー」

 

「師匠マジさいこー。アカツキちゃん何匹か<パラライズブロウ>で麻痺させてこっちによこしてよお!」

 

「心得た。老師、私は唐揚げにレモンの付け合せも所望する」

「わかりましたにゃー」

 

「僕はチキンカレーがいいな!」

「シロエち、流石に夜にそれは重すぎますにゃ」

 

 戦いながらもそんな風に雑談をするくらいには全員に余裕があった。これでも全員が武器を振るいながら話しているのだから手に負えない。

 

<絶命の一閃>(アサシネイト)!」

 

 アカツキが宙を跳ぶ鳥めがけてさらにその遥か上をとり<暗殺者>(アサシン)の最効火力を誇る一撃を叩き込むことでまた一羽祝勝会のおかずが増えたところで直継が声を上げた。

 

「おい、あれってゴールじゃね!?」

 

 見上げる先には階段の終着点と見える大きな空間が存在しその中央にはワープゲートと思われる光の門が見えていた。

 これを見た奏はニヤリといい笑みでニヤけてみせた。ゴールが見えたことによる歓喜の笑みではない。それはイタズラを考えている子供のような笑みだ。

 準備は整ったと言わんばかりに奏は<四方拝>を使い直継とにゃん太、クインに目配せをおくる。三人とも合図にアイコンタクトで返事を返すとすぐに行動へと移った。

 

「アカツキちゃん、ちょっとごめんよ」

 

 悪びれもしない声でそんな風に声をかけられたアカツキがなんのことかと奏の方を振り向こうとした時にはもう遅かった。アカツキの小柄な身体がその一回り以上大きな奏に抱き抱えられる。いわゆるお姫様抱っこというやつだ。

 

「ほわっ!奏なにをする!?」

「はいはい後で膝蹴りでも<絶命の一閃>(アサシネイト)でも喰らうから~。今は口閉じてたほうがいいよ、舌噛むからねえ。じゃ、師匠先行お願いします。」

 

「心得ていますにゃ」

「老師!これはどういうことか!?主君!?主君!?」

 

 アカツキが最後の砦である主に助けを求めようと奏に抱き抱えられた大勢で首だけを必死に動かしてシロエを探した。そしてアカツキが見たのはクインの拘束系呪文によって縛り上げられ直継によって抱えられるシロエの姿だった。

 アカツキとシロエの目がバッチリと合う。お互いがアイコンタクトで伝えあった。

 

((助けて!アカツキ!/主君!))

 

 双方無理な話である。

 

「それじゃあ、いきますにゃあ」

「ごめんねアカツキちゃん。流石に女の子を()()()()()には運べないからさ」

 

 にゃん太が<エンドオブアクト>を使いいっきに階段をゴールへと走り抜け、目の前に現れる敵を片っ端から切り裂いていき、その後ろをアカツキを抱えたまま<天足法の秘技>とクインの<フォースステップ>の併用でなんとかにゃん太の後ろを追走していく。

 そしてその後ろから、奏の<ダメージ遮断魔法>だけを頼りにシロエがその身体を飛ばされた。

 

「<シールドスマッシュ>!」

「ああああぁぁぁぁ!!」

 

「しゅくううぅぅん!!」

 

 直継に特技の力を使って投げ飛ばされF1カーさながらに奏たちを空中で追い抜いていったシロエは目標通りにゴール地点のワープゲートへと吸い込まれるように飛んでいきフッとその姿を消した。無事に転移できたらしい。着地についてはきっと<ダメージ遮断魔法>がなんとかしてくれるだろう、たぶん。

 

「ってことでアカツキちゃん、誕生日おめでとう。ささやかながら俺たちからのプレゼントだよ。さながら織姫と彦星のようにたっぷりといちゃついてくるといい」

 

 ぶっ飛んでいったシロエとは対照的に安全にそして速やかにワープゲートの前まで運ばれたアカツキは奏からそんな風に言われて光の門へとゆっくりと放り投げられた。

 

 転移する前に最後にアカツキが見た奏の顔はぶん殴りたいほどにとてもいい笑顔だった。

 

「さてとふたりがゆっくりできるように二十分くらいは持ちこたえて見せようか。

 クイン、そのために連れてきたんだからしっかり働けよ赤面探偵(赤面症)

 

「誰にものを言っている。ここから先の甘い空気にわたしが耐えれるわけがないだろう。ぜったい持たせてみせる」

 

 

 このクエストはパーティーメンバー全員がゴールしなければクリアにはならない。そのうえゴールゾーンから階段の方へと戻ってくることはできない仕様になっている。

 つまり、階段で四人が居続ければそれだけふたりを綺麗な星空のもと二人きりにできるわけである。

 

 これがささやかではあるがアカツキへのバースデープレゼント

 

 ◇◆◇◆

 

「大変な目にあっちゃったね」

「そうだな、主君」

 

 天の川。

 まさにその例えが一番適当な表現になる場所だった。三百六十度見渡す限りに煌く星たちについ目を奪われそうになりつつも、シロエは目の前にいる自分の後から追うようにして入ってきた黒曜石のようになめらかな綺麗な目を持つ少女へと視線を向ける。

 

 少女は見つめられていると気づくと目をそらすことはせず、そのまま真っ直ぐにシロエの目を見つめ返してきた。

 その動作にシロエはドキリとしてしまう反面で奏たちからきっちり祝ってこいと丸め込まれたことを思い出し、自分の魔法の鞄(マジックバック)へと手を差し込む。

 ヘンリエッタに引っ張られて入った女性が好んで使うような店で周囲の視線に耐えながら必死の思いで購入してきたかんざしを取り出した。

 

「誕生日おめでとう

 ――アカツキ」

 

「~~ッ!!」

 

 アカツキの頬が嬉しさか気恥ずかしさか赤く染まる。

 礼を伝える声はどうしても小さくなってしまい顔も俯いてしまう。嬉しいと気持ちを伝えたいのに、ちゃんと目を見て話したいのに。どうしても恥ずかしさに耐え切れない。

 そんな風にして顔を見上げることができないアカツキの頭の上にポンと大きくて暖かな感触が乗っかった。

 

「はっごめん!ついっ…」

 

 見るに見かねたのか、本当についやってしまったのか、たぶん後者なのだろう。この朴念仁はそんな器用な気の利いたことができる人間じゃないから。アカツキは知っている。知っていてそういうところも好きだから。

 

 少し前なら怒っていただろう。年下に扱われるようなそんな扱いに、でも、それでも、こんなふれあいも最近では悪くないと思うようになった。

 

 アカツキのどうしようもない恥ずかしさはもうどこかに消えていた。残ったのはあったかい嬉しさだけ

 

「ありがとう、主君。主君からのプレゼントとても嬉しい」

 

 少女の素直な気持ち。

 空に浮かぶは天の川。織姫と彦星が微笑むように瞬いた。




 シロエが直継にぶん投げられたのはアニメ最終回でアカツキちゃんとやっていた合体技みたいな感じだと思ってくれたらいいです。縛られてるのにどうやってまっすぐ飛ばしたんだときうツッコミはナシな?きっとダメージ遮断魔法でクリンヒットしても耐えられたんだよ、あれ痛みも遮断してくれるらしいし
 正直ラブコメはあまり得意じゃないんだけれども頑張って書いたので感想とか書いてくれると嬉しいです


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