もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

96 / 156
疑い

 

 

 

 

夜。なんか騒がしいなと思って起き上がると、なぜか椅子に縛られて拘束されていた。目の前には加賀さん、榛名、鳳翔さんと怒ると怖い団子三兄弟+長良、阿武隈とよく分からない組み合わせ。で、なんで縛られてんの?よく見たら横に妹も縛られてるし。

 

「あの…加賀さん……?」

 

「なんで縛られてるか、おわかりですね?」

 

「や、それが皆目……」

 

「分からないの……?」

 

いやわからねぇよ。まったく身に覚えがないんだが…。

 

「あの…本当に分からな」

 

「分からないじゃすまないよ司令官!」

 

突然、長良に胸ぐらを掴まれた。

 

「人の妹傷物にしといて!」

 

「は?傷物?」

 

「だ、だから長良お姉ちゃんそれは…」

 

「いいの阿武隈、無理しないで」

 

なんだ…?話がまったく見えない。

 

「あの…本当に皆目見当が付かな…」

 

と、思ったら今度は後ろから榛名に首を絞められ、加賀さんのアイアンクロー、鳳翔さんに頬を掴まれタコみたいな口にさせられる。

にっこり笑顔で鳳翔さんが言った。

 

「正直に話してください。昨日の夜、阿武隈ちゃんになにしたんですか?」

 

「なっなんもしてないです!本当に!大体俺のが先に寝たんだっつーの!」

 

「正直に話さないと、榛名が許しませんよ?」

 

「本当だって!そもそも俺にそんな度胸が…」

 

「深海棲艦に一人で喧嘩売れる人がなに言ってるんですか?」

 

「いやそれ度胸のベクトルが…」

 

そこで、ガンッ!と椅子を加賀さんに蹴られた。

 

「とにかく、下半身むき出しの阿武隈と一緒に寝ていた時点で…」

 

「ちょっと待て、下半身むき出しってなに?どういうこと?」

 

「あら、しらばっくれる気?」

 

「いやマジ知らないんだけど…俺はちゃんとジャージの上下を風呂場に用意したはずなんですが…」

 

「嘘つかないで」

 

「ほ、本当です加賀さん!」

 

阿武隈がようやく声を出した。

 

「だからさっきから言ってるじゃないですか!私はなんもされてないって!提督の洋服が大きくてワンピースっぽかったからそのまま寝ちゃっただけです!」

 

その瞬間、「えっ?」って顔になる四人。で、そのまま昨日起こったことを阿武隈が説明してる中、俺は縛られてる紐を引き千切ってさっさと部屋を後にした。なんだこれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、俺は鎮守府を一日空けて(ていうか脱走して)海に出た。いや別にトリコの一巻読み返してガララワニ探しに行ったわけじゃないよ?普通に暇潰しに行ってるだけだからね?さて、バロン諸島はどこだっけな…。

しばらく船を動かしてるとなんか見たことあるスク水が浮かんでんな…でも見たことない。なんだ…うちの艦娘じゃなさそうだな。でもなんか赤い液体が浮いてる気が……えええええっ!し、死んでないあれ!?

急いで拾って鎮守府に引き返す。おかげでガララワニの捕獲は延期となった。

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。