もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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阿武隈

 

 

シャンブロが完成し、もはや鎮守府より等身大MSの方が面積取ってるんじゃないの?って思うような季節になった。

俺は鎮守府の中を見回りという大義名分の元、音楽を聞きながらサボり歩いていた。すると、なんかヤケに重い足取りで歩く阿武隈をみつけた。

 

「づ、か、れ、た……」

 

なんか呪いをブチまけてる気がするんだが…そういえばあいつの姉妹はゴリゴリの体育会系だったな。つまり、肉体的な疲れかぁ…肉体的な疲れてってあれ、精神的にも疲れるからなぁ。気持ちはよく分かる。俺だって小学生の頃の野球でコーチに嫌われてたから肉体的、精神的に持ってかれてた。こういう時は俺もほっといて欲しかった覚えがあるのでそっとしておくことにした。が、バタンッとその場で阿武隈が倒れ込んだ。

 

「あれ?阿武隈さーん?そこはベッドじゃ…あれ?目が開いてな…あれれぇぇ!?あ、阿武隈すわはぁぁぁぁん!?」

 

よく見ると寝てるだけみたいだったのでたまたま近くにあった俺の部屋に連れてった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから六時間。妹が俺の横で寝息を立てている中、俺は阿武隈を眺めながら思った。め、目を覚まさないんだが…え、なにこれ死んでないよね?

 

「あ、阿武隈ー……?」

 

「…………」

 

念のため、脈があるか確かめようと手首を握った時だ。阿武隈の目が開く。

 

「いやあぁぁぁぁぁっっ‼︎‼︎‼︎」

 

「ええええええええっっ⁉︎⁉︎」

 

「あ、提督か…び、ビックリした……」

 

「ビックリしたのは俺の方だよ!幽霊見てもあんな悲鳴は出ねぇぞ!」

 

「……って、どうして私、提督の部屋で寝て…へっ!?ま、まさか!」

 

顔を真っ赤にし、キッ!と睨んで自分の胸を庇うように俺を睨む阿武隈。え?なに?

 

「提督のえっち」

 

「は?なんで?」

 

「なにしたの?」

 

「や…なんかお疲れの様子だったから抱っこして寝かせただけだけど?」

 

「だ、抱いた!?」

 

「なんなのお前、廊下でお前がぶっ倒れたからわざわざ運んで来てやったんだよ」

 

「へ?……あ、そ、そうね…知ってた、うん」

 

なぜか顔を赤くして俯く。なんだこいつ。いやマジでなんだこいつ。

 

「とにかく、さっさと風呂入って来いよ。ぶっちゃけ汗臭い。剣道やった後みたいな匂いがする」

 

「う、うるさい!お風呂入ってくる!」

 

「あ、待った。今もう消灯時間過ぎてるし艦娘の風呂も開いてないから。なにより今、下手に外出て見廻りの奴に出会したら憲兵に公開処刑される」

 

「いやそこまではされないと思うけど……じゃあどうすればいいの?」

 

「俺の部屋の使えよ。着替えはデカイかもしんないけど俺の私服でも使っていいよ」

 

「わ、分かった……」

 

「俺先に寝てるからーおやすみー」

 

そのまま俺は布団に篭った。

 

 

 

 

 

 

 

 

風呂場。私(阿武隈)は汗だくの洋服を全部脱いでシャワーを浴びる。まさかこんなことになるなんてなぁ…。ていうか覗かれないよね…大丈夫だよね?

私はなんとなく蓋によって閉ざされている湯船を見た。………あのお風呂に提督が入ってたんだよね……。

 

「って、なに考えてんのあたしぃぃぃっっ‼︎‼︎」

 

「おいうるせーよ」

 

「て、提督!?い、今お風呂場の前にいるの!?てか起きてたの!?」

 

「俺のだけど着替え持って来たから。じゃ、おやすみー」

 

「う、うんおやすみ…」

 

よ、良かった…見られたわけじゃなかった。で、きゅっとシャワーを止めて湯船の蓋を開けた。なんでキンチョーしてんのあたし……。ちゃぷっと足を入れる。

 

「つ、冷たぁいぃぃぃっっ‼︎‼︎」

 

沸かしといてくれなかったのかよアホ提督!仕方ないのでお風呂から出て着替える。体を拭いてパンツを……あ、あれ?パンツは?パンツパンツパンツ……下着がねぇぇぇっっ‼︎‼︎ダメだ!流石にノーパンだけはない!で、でも汗だくのパンツは履きたくないし…だからと言ってノーパンは…。

あたしはチラッとお風呂場に置いてある提督のパンツを見た。だからなに考えてんのあたし!流石にダメ‼︎ノーパンでいいや!

提督が用意してくれた着替えを着る。上半身だけ着たところでワンピースみたいになってしまい、これならズボンはいらないかな?って思って下は履いてない。なんか深夜だから冷静な判断が出来なくなってるのかな…。

 

 

 

 


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