もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

89 / 156
ビデオ

 

 

 

青葉に受け取ったビデオをつけた。

 

「なんか、変に緊張しますね…」

 

私(瑞鶴)が言っても誰も返事をしない。どんだけ緊張してんのよこの人タチ……いや私もしてるんだけどさ。

 

『司令官!少し取材させていただいてもよろしいですか!?」

 

『4000円あげるから帰れ』

 

『それ割と本気で帰れって言ってますか!?』

 

そのオープニングを見るなり私達はゲンナリする。

 

『じゃ、逆に取材を受けてくれたら青葉が4000円あげます!』

 

『で、なにを聞きたいの?』

 

ちょ、チョロい…なんだうちの提督。

 

『実はですね。正規空母の方々いるじゃないですか。あの方達って艦娘の中でもかなり大人びてるでしょ?だからその人達と一緒にいて、こう…ドキドキしたりとかないですか?的なコメントをもらいに来ました』

 

『正規空母だけじゃなく艦娘全員と話す時は緊張するよ俺』

 

その台詞が出た瞬間、私達は少し前かがみになった。マジか!この人がそんな……、

 

『下手なことしゃべって嫌われないように調節したりするのが割と大変なんだよなぁ…人によって性格とかも違うから対応する態度も変わるし。そもそも人と話すだけで緊張するのにこんな女の子達と話すなんて言ったら尚更だろ』

 

で、今度は私達から「あぁ〜…」と落胆するようなため息が出た。そうだよね…それがうちの提督さんだもんね。

 

『そういうことではなくてですね…まぁいいや。では正規空母の方達について一言!』

 

『なんでそんな正規空母ばっか押すんだよ』

 

『だってなんだかんだ言って提督と一緒にいる時間が長いのって加賀さんか榛名さんでしょ?だから今回は正規空母の方にしようかなぁって』

 

『今回はってことは次もあるの……』

 

「前置きが長いわ。少し飛ばすわね」

 

加賀さんがビデオを弄った。まぁそれは私も思ったし、誰も文句は言わない。

 

『……では、早速。赤城さんから』

 

さっきまでお菓子を貪っていた赤城さんがテレビに集中する。

 

『赤城さんかぁ…あの人はめちゃくちゃいい…なんつーの、まとめ役っていうか面倒見がいい人だと思ってたんだけど……』

 

『なにかあったんですか?』

 

『この前、夜中に目が覚めて眠れそうになかっ…あ、いや別に怖かったわけじゃないけど眠れそうになかったのよ。で、少し鎮守府の中を見て回ろうと思って、食堂に行ったらさ……あの人が冷蔵庫漁ってて………』

 

「えぇっ!?見られてたの!?」

 

気まずい空気がビデオの中でも私達にも流れる。

 

『見る目が変わったよね。なんつーか…カービィが擬人化っつーか、いや違うな…とりあえず寄生虫なの?ってレベルでちょっと…アレだったわ。うん』

 

『………』

 

流石の青葉もなんて言っていいのかわからなくなっていた。

 

『まぁ、今回は初犯…いや初めてじゃないんだろうけど、俺が見たのが初めてだったから許すけど次見掛けたら3/4殺しかな』

 

『次、行きましょうか……』

 

そこでピッと加賀さんがビデオを止めた。で、全員で赤城さんを呆れ切った目で見る。

 

「な、なんですか……?」

 

「いえ、で、初犯なのかしら?」

 

加賀さんに聞かれて首を横に振る赤城さん。

 

「もう382回くらい…」

 

「それ赤城さんがこの鎮守府に来てからずっとやってるってことですか?」

 

「ぎ、ぎくっ!」

 

「あとで提督に報告ね」

 

「そんな加賀さ…」

 

「次行きましょうか」

 

ピッ

 

『次は加賀さん、かぁ…。今から言うこと、絶対に加賀さんには見せるなよ』

 

『分かってますよ。で、加賀さんは?』

 

そう言われてピクッと眉が動く加賀さん。

 

『銀魂で言うヘドロポジションって言うのかなぁ…』

 

その瞬間、ビデオにそのヘドロとやらの画像が映る。どうやら青葉が編集したビデオらしい。そのヘドロを見て加賀さんが凍り付いた。

 

『いや外見は似てないんだけど…姿を見ただけで土下座したくなるっていうか…』

 

『…………』

 

また流れる沈黙。あ、加賀さん涙目。

 

『いやいい人だし俺のためっていうのもわかるんだけどさぁ…白ひげだって目の前にいたら怖いし』

 

『次!次の飛龍さん!』

 

『なんだよ急に』

 

『いいから早…』

 

ピッとまたビデオが止まる。止めたのは飛龍さんだ。

 

「グズっ…あかぎさぁん……」

 

「よしよし」

 

赤城さんに抱き付き、割と本気で号泣する加賀さん。これは提督が悪いかなぁ……。

 

「次、行きましょうか…」

 

蒼龍さんがビデオをつけた。

 

『…く次行けってんですよ!』

 

『分かった。分かったから。次は飛龍か。うん、ぶっちゃけ最初に見た時この人、めちゃくちゃ美人だなとは思ったよ』

 

『おぉ!初めて青葉が望んだ返事が来ましたね!』

 

『え?こういうの望んでたの?じゃあ赤城さんも加賀さんも美人だよ?うん超美人愛してるラブライブ』

 

『その二人はいいって言ってんでしょうがぁっ!』

 

『さっきからなに怒ってんだよ。怖ぇーな。で、飛龍だっけ?あいつはいい奴だしぶっちゃけこいつと結婚したら俺が専業主婦になれる気がする』

 

「ぶふっ!け、結婚!?」

 

飛龍さん可愛い。驚きながらもガッツポーズしてる。

 

『でもたまに話すあの多聞丸。あの話、ウザい』

 

『あー悪口はいいんで次、蒼龍さん行きましょう』

 

次は後半戦かな?

 

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。