さて、大井に魚雷打たれまくって今、鎮守府に居場所ないし、遊びに行こっと。
「司令、どこに行くんですか?」
「うおっ!なに、どこから出て来たしーらぬい!?」
「不知火です」
ていうかこいつ顔赤くね?
「いや外に遊びに行くだけなんだけど…」
「それなら不知火も一緒に……」
「あー!いた不知火!」
声がして振り返ると陽炎と黒潮。
「あんた風邪引いてるんだから逃げちゃダメでしょー!」
「そうや!体調崩しとるならキチンと治さんと…」
「不知火は元気です。よって落ち度はありません」
「なに言ってんのよ!ふらふらじゃない!司令!その子捕まえて!」
「不知火に落ち度で…」
俺は逃げようとする不知火の襟を掴み持ち上げると、両足を掴んでひっくり返した。いわゆる、マリーダさんである。
「はい」
「し、司令!降ろしてください!」
「いや逃げるじゃん」
「に、逃げませんから!し、不知火の無様な姿は…!」
「ぷっはははー!司令、ナイスー!」
笑いながらトテテと走ってくる二人。で、しゃがんで不知火の頬をつんつんする。
「ほれほれ〜」
「か、陽炎!提督も離してください!」
「ぞーうさんぞーうさんおー鼻が長いのね」
「ゆ、揺らさないで…!」
「はははっ!不知火姉さんをこんな風に出来るの司令だけや!もっと!もっとなんかしてぇな!」
なんてやってると、グスッと音。不知火が泣いていた。
「し、不知火は……」
「…………」
「…………」
「…………」
とりあえず無言で降ろす。よく見ると床ぎ濡れていた。え?まさか…、
「し、不知火…怖かったの?」
「………」
も、漏らした?いやいやいやいや、あのクール過ぎる駆逐艦に限ってそんなことは…しかし心なしかこの辺一帯に異臭が……。
「司令……」
「最低やな……」
「おい、お前らも楽しんでただろ!掌どころか肩ごとフル回転してるぞ」
「いや意味わかんないし」
とりあえず、今回は俺が本気で申し訳なくなるほど俺が悪い。しゃがんで不知火に声かけた。
「ご、ごめん…まさか、漏らすとは…」
「…………グスッ」
「その、出来る範囲でなんでもしてやるから……」
「………なんでも?」
「で、出来る範囲なら……」
「なら、看病してください」
「………は?」
「看病してください!不知火のこと!」
「わ、分かった!」
てなわけで、俺の休日は潰れた。
陽炎型の部屋。
「バカ!アホ!マヌケ!」
「そうじゃぞ提督さん!不知火姉を泣かすなんぞ!」
初風と浦風に怒られてます。
「悪かったって……ババァ……」
「「あぁっ!?」」
しまった。聞こえてたか……まぁなんでもいい。
「とにかく、不知火直々の命令で俺が面倒見るから。お前ら、遠征」
「今日は妹提督か提督でしょ!?あんたの言うことなんて聞かないわよ!」
「あーはいはい。もうなんでもいいや。とにかく、俺が世話するから」
陽炎型って何人かホントに面倒臭いよな。