もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

81 / 156
風邪

 

 

 

さて、大井に魚雷打たれまくって今、鎮守府に居場所ないし、遊びに行こっと。

 

「司令、どこに行くんですか?」

 

「うおっ!なに、どこから出て来たしーらぬい!?」

 

「不知火です」

 

ていうかこいつ顔赤くね?

 

「いや外に遊びに行くだけなんだけど…」

 

「それなら不知火も一緒に……」

 

「あー!いた不知火!」

 

声がして振り返ると陽炎と黒潮。

 

「あんた風邪引いてるんだから逃げちゃダメでしょー!」

 

「そうや!体調崩しとるならキチンと治さんと…」

 

「不知火は元気です。よって落ち度はありません」

 

「なに言ってんのよ!ふらふらじゃない!司令!その子捕まえて!」

 

「不知火に落ち度で…」

 

俺は逃げようとする不知火の襟を掴み持ち上げると、両足を掴んでひっくり返した。いわゆる、マリーダさんである。

 

「はい」

 

「し、司令!降ろしてください!」

 

「いや逃げるじゃん」

 

「に、逃げませんから!し、不知火の無様な姿は…!」

 

「ぷっはははー!司令、ナイスー!」

 

笑いながらトテテと走ってくる二人。で、しゃがんで不知火の頬をつんつんする。

 

「ほれほれ〜」

 

「か、陽炎!提督も離してください!」

 

「ぞーうさんぞーうさんおー鼻が長いのね」

 

「ゆ、揺らさないで…!」

 

「はははっ!不知火姉さんをこんな風に出来るの司令だけや!もっと!もっとなんかしてぇな!」

 

なんてやってると、グスッと音。不知火が泣いていた。

 

「し、不知火は……」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

とりあえず無言で降ろす。よく見ると床ぎ濡れていた。え?まさか…、

 

「し、不知火…怖かったの?」

 

「………」

 

も、漏らした?いやいやいやいや、あのクール過ぎる駆逐艦に限ってそんなことは…しかし心なしかこの辺一帯に異臭が……。

 

「司令……」

 

「最低やな……」

 

「おい、お前らも楽しんでただろ!掌どころか肩ごとフル回転してるぞ」

 

「いや意味わかんないし」

 

とりあえず、今回は俺が本気で申し訳なくなるほど俺が悪い。しゃがんで不知火に声かけた。

 

「ご、ごめん…まさか、漏らすとは…」

 

「…………グスッ」

 

「その、出来る範囲でなんでもしてやるから……」

 

「………なんでも?」

 

「で、出来る範囲なら……」

 

「なら、看病してください」

 

「………は?」

 

「看病してください!不知火のこと!」

 

「わ、分かった!」

 

てなわけで、俺の休日は潰れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

陽炎型の部屋。

 

「バカ!アホ!マヌケ!」

 

「そうじゃぞ提督さん!不知火姉を泣かすなんぞ!」

 

初風と浦風に怒られてます。

 

「悪かったって……ババァ……」

 

「「あぁっ!?」」

 

しまった。聞こえてたか……まぁなんでもいい。

 

「とにかく、不知火直々の命令で俺が面倒見るから。お前ら、遠征」

 

「今日は妹提督か提督でしょ!?あんたの言うことなんて聞かないわよ!」

 

「あーはいはい。もうなんでもいいや。とにかく、俺が世話するから」

 

陽炎型って何人かホントに面倒臭いよな。

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。