もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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休日の提督

 

 

 

 

今日は提督は妹がやっている。だから一日工事で終わりだ。え?工事?もちろんサボってますよ?で、面倒臭ぇーと思いながらコーヒーを淹れる。差し入れでも入れてやろうかなぁ。いや工事してんの俺なんだからむしろこっちにコーヒー欲しいくらいなんだが。なんて考えながら結局、自分でコーヒーを飲む。

 

「提督、失礼します」

 

あら鳳翔さん。なんて俺の部屋に…。マズイ!工事のさぼりが……!

 

「昨日の夕食のことなんですが…」

 

「へ?」

 

あー…昨日はオムライスだったか。卵嫌いなので残した。てか助かった。

 

「昨日、赤城さんに食べてもらってましたよね?妹さんと」

 

ギクッ。って音が肩から鳴った。

 

「な、なんのことでせう?」

 

「とぼけてはいけませんよ?私はみなさんの栄養バランスを考えて料理を作ってるんです。キチンと食べないと体に…」

 

「じゃあ逆に聞きますけど熊とかあれ雑食だけど栄養バランスとか考えてるように見えます?」

 

「そ、それは…」

 

「あいつら絶対気分でしょ。でも体はバカみたいに元気だし。これって栄養バランス考える必要ありませんよね?」

 

「人間と熊を同じ秤に乗せて考える辺りが流石ですね…そんなことどうでもいいのでキチンと食べてください」

 

「いや待って!そもそもみんなが同じもの食べなきゃいけないってのが間違いなんですよ!嫌いな物我慢して食べたってお互い不幸なだけでしょ!?」

 

「はぁ……小学生みたいなことで一々怒られないで下さい。とにかく、好き嫌いはダメ」

 

「や、それは無理。俺は人とか嫌いだし」

 

「食べ物の話です!とにかく、今日は残さないでくださいね。作る側だってショックなんですから……」

 

最後の方はよく聞こえなかったが、まぁ一応承諾しておこう。

 

「分かりましたよ…食べます。卵以外は」

 

「提督?」

 

「う、嘘ですごめんなさい!」

 

そのまま鳳翔さんは出て行った。でもわざわざそんなこと言うためだけに来てくれたのか。ホントにいい人だ。工事サボりを見逃してくれるなんてホントにいい人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あー…退屈だ。プレ3とか全部すっ飛んでPSPくらいしか生きてないしなぁ…。買うか。あ、でも給料日前で金ねぇんだよな。まぁいいや。とりあえずゲーセンでも行くか。そう思って部屋を出たときだ。誰かとぶつかった。寝起きだったのか、俺は後ろに倒れ、ぶつかった奴は俺の上に倒れこんでくる。

 

「うおっ」

 

「すいませ…って、提督!?」

 

大井か。え?大井?俺になんの御用?てかなんで顔を赤らめてんの?

 

「あの、大井さん?」

 

「………」

 

「顔を赤らめるくらいならどいてもらえると…」

 

「手」

 

「握手?AKBじゃねぇぞ俺。CDに握手券付けてねぇし」

 

「そうじゃなくて……手………!」

 

なんだよ…と、思って自分の手を見ると、イッパイオッパイ僕元気だった。こういう鷲掴みってホントにあるんだ…。って、大井ご立腹だな……。なんか言わないと…。

 

「ま、まぁあれだ…見た目通りのサイズ……」

 

「魚雷、撃ちますね!」

 

「バカ!流石に俺でもゼロ距離は……」

 

チュドォォォォォン

 

 

 

 

 

 

 

 

「すいません。少し、いいですか?」

 

「え?うん」

 

言われるがまま付いていく。さっきの出来事は丸々なかったことになりました。ついでに俺の代理の部屋もなかったことになりました。『僕は悪くない。』俺?無傷だよ?で、球磨型ルーム。

 

「で、なにすりゃいいの俺?」

 

「とりあえず、座ってください」

 

座布団を用意してくれたので、ちょこんと座った。

 

「大井以外誰もいないのか?」

 

「北上さんは出撃、球磨姉さんと多摩姉さんは水風呂でダレてます。木曾ちゃんは天龍さんとカブト虫の世話してます」

 

すると、メジャーを持ってくる大井。

 

「絞殺?」

 

「して欲しいんですか?」

 

「……冗談です」

 

すると、なんか頭のサイズを計られた。ていうか目の前に大井の胸が……まぁさっき思いっくそ揉んだからこれくらいどうってことない。でも、ちょっと不健全だな。なにか会話して誤魔化そう。

 

「……なにしてんの?」

 

「いいから黙っててください」

 

言われるがまま、計られる。

 

「………ふぅ。もう大丈夫です。出て行ってください」

 

「へ?もう?」

 

「いいから早く!殺しますよ?」

 

「わ、分かった!」

 

で、出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ、提督の頭のサイズは分かったわ。私(大井)は麦藁を取り出し、作り始めた。最近は熱中症が流行ってるそうなので。すると、突然、後ろから声を掛けられた。

 

「大井っち、なにやってたの提督と」

 

「ふわぁっ!?き、北上さん!?」

 

「遠目から見てたら抱き締めてるようにしか見えなかったクマ」

 

「ホントだにゃー」

 

「大井姉。ちゃんと俺達がいないか確認してからじゃないと……」

 

気が付けば球磨型が八時でもないのに全員集合していた。

 

「ち、ちょっと待って!なんでみんなここに!?出撃とか色々あったんじゃ…」

 

「あーあれ嘘」

 

「いくら夏でも水風呂は寒いクマ」

 

「そもそも部屋にクーラー付いてるから水風呂なんて必要ないにゃ」

 

「俺はカブト虫連れて来たぜ」

 

そういう木曾ちゃんの肩にはカブト虫がちょこんと乗っている。

 

「で、大井っち。さっきの行動はなんだったの?」

 

「や、さっきのは…えっと……」

 

「その麦藁も気になるクマ」

 

「あれ?大井って北上ラブじゃなかったかにゃ?もしかして提督好きをバレないようにするためのカモフラージュだったとか?」

 

「わー!わー!わー!てかなに言ってるんですか…」

 

「で、それなにを作ろうとしてんだ?麦わら海賊団にでもなるつもりか?」

 

「き、木曾ちゃん!ていうかなんで順番に喋ってるんですか!?なにそのコンビネーション!」

 

「で、それなに?」

 

にやにやしながら北上さんが聞いて来る。くっそぉ…普段なら嬉しいのに提督関連の時に北上さんに突っかかれるのはちょっと……、

 

「教えないと提督呼んでくる球磨」

 

「そうだにゃ。ついでに青葉も呼んでくるにゃ」

 

「それだけはやめなさい!殺すわよ!?」

 

「今の大井姉がなに言っても怖くねぇよ」

 

こ、こいつら…調子に乗って……!けどもう全員からかい体制に入ってる。言うしかない。

 

「そうよ!提督に麦わら帽子作って上げてたのよ!悪い!?最近熱中症が流行ってるのにあの人、外で工事してるでしょ!?だから心配になったのよ!」

 

開き直って全部言ってしまった。が、その瞬間、ぶふぉっ!と扉の向こうから吹き出す音が。

 

「!?」

 

全員、私含めて全員が扉を見る。恐る恐る開けると提督が立っていた。

 

「マジか大井…結構優しいとこあんのな……って、あっ」

 

「こんの…クソ提督ゥッ‼︎‼︎」

 

私は魚雷を乱射しながら逃げる提督を追い掛けた。

 

 

 

 


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