もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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代理の私室。妹とゴッドイーターやりながら鳳翔さんとのお出掛けを思い出していた。

あー今日の鳳翔さん、年齢に似合わずはしゃいでたなー。ジェットコースターとかおばあちゃん発音なのに13回乗ってたし。俺は元々乗れないので1回でダウン。あとお化け屋敷で抱き着かれた時はこの人着痩せするんだって思っちゃったし。俺も怖いの無理なのにあの人がヤケに抱き付いて来るもんだから冷静さを装うのに苦労したわ。終盤は殺意剥き出しにしてお化けを出させなかった。

まぁ、楽しんでもらえたし、良かった良かった。

………トイレ行きてぇな。

 

「悪い、トイレ行って来る」

 

「はーい。早く戻って来てよね。シユウって割と強くて面倒なんだから」

 

「んー」

 

なんてテキトーな会話しながらトイレへ。あーしかし今日は疲れたぁ…。シユウ倒したらさっさと寝よう。

トイレから戻って代理の私室に入ると、妹が瑞鳳の胸を直で揉んでいた。

 

「………うわあ」

 

「あ……ん………って、提督!?」

 

「………………………うわあ」

 

「あら、おかえりー」

 

「ふ、普通に挨拶してないで離して妹さん!」

 

「えーあんたが揉めってわざわざ来たんじゃん」

 

「ちょっ!妹さん!」

 

「……………………………………うへえ」

 

「なんか違ったよ今の!?」

 

「いや瑞鳳にそっちの趣味があったと思うと……」

 

「ご、誤解だってばぁ!」

 

「いや正解でしょ」

 

俺の冷たいリアクションを大きく手を振りながら顔を真っ赤にして訂正させようとする瑞鳳。妹が冷たく言った。

 

「どうでもいいけど、ずほは服着ないの?」

 

「……へ?ひゃあっ!み、見るなぁっ!」

 

「……………………………………あぁ」

 

「なにを納得したの今!?」

 

「いや露出癖もあったんだナって。お前さっきの遠目から見たら全力で周りにちっこいオッパイ見せ付けてるだけだったぞ」

 

「う、うるさぁーい!うわあぁーん!」

 

泣きながら部屋を出て行ってしまった。俺と妹は顔を見合わせる。

 

「シユウ、倒そうぜ」

 

「もう倒したわよ」

 

ちなみに瑞鳳はなにがしたかったんだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日。昨日、鳳翔さんと遊園地行ってる時は妹が提督だったので今日は俺。秘書艦を待ちながら大分前に作ったFAZZのプラモに墨入れをする。これ買った時、墨入れのインク切れてて出来なかったんだよな。にしてもこいつ、頭部のハイ・メガ・キャノンはハリボテで撃てないんだよね。しかもよく覚えてないけど三機実戦投入されて全滅したし。ホントにガンダムはパイロットの腕次第だよな。

なんて誰かに聞かれたら、「じゃあお前はどうなんだ」と突っ込まれそうな事を考えながら墨入れしてると、控えめなノックが聞こえた。

 

「どんぞ」

 

FAZZにハイパーメガ・カノンを構えさせて机に起きながら返事をした。ガチャっと扉が開かれ、そこにいたのは瑞鳳。

 

「……………」

 

「お、おう……」

 

ホントにOH……kimazui……。俺が挨拶と呼べるか分からん挨拶しても、瑞鳳は真っ赤な顔をして、キッと俺を睨んでいる。

 

「あの……」

 

「仕事」

 

「は?」

 

「仕事、して」

 

「は、はぁ……」

 

そのまま黙々と仕事を始めて三時間。会話がない。途中で、FAZZに瑞鳳に向かってハイパーメガ・カノンを撃たせたりしてみたがまったくの無反応である。

 

「………」

 

あれってやっぱ俺が悪いのかなぁ……。でも瑞鳳が自分の部屋にいれば起こらなかった事態だし。ダメだ。とにかくいずらい。誰かに助けを求めよう。とりあえず瑞鳳と仲良さそうなやつ…大鳳でいいや。最近、よく一緒にいるところ見るし。

 

「ちょっと失礼」

 

執務室を出て装甲空母の部屋へ。ドアノブに手を掛け…危ない。多分これフラグだな。ノックをしよう。

 

「大鳳?ちょっといい?」

 

「ふぇっ!?て、提督!?ち、ちょっと待ってください!」

 

「またあいつか〜」

 

なんて声がする。どうやら大正解のようだ。と、思った矢先、ドアが開いた。

 

「ひゃっ!」

 

で、倒れ込んでくる大鳳(上半身裸)。あーあ…これも俺が悪いのかね。

 

「あ………」

 

一人で顔を赤くし、拳を振りかぶる大鳳。

 

「え!?殴られるの!?ちょっと待っ…それは理不尽だろ……」

 

ゴガッと、およそ人から出る音とは思えない音とともに俺は外のザクに頭をぶつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後。ようやく大鳳の部屋に到着。もっかいノック。

 

「ど、どうぞ〜」

 

入ると、顔を赤くしてる大鳳と苦笑いの妹。

 

「あの、提督…ごめんなさい……」

 

「大丈夫、今回は、うん…誰も悪くない」

 

「で、でも…やり過ぎたというか…」

 

「平気だから。見た目より痛くないし」

 

「そ、そうですか…」

 

「それよりなんかようあるんじゃないの?」

 

妹に聞かれ、あぁそうだったと切り出す。

 

「なんか瑞鳳が構ってくれないんだよ。昨日のことでちょっと…」

 

「あーあれね…」

 

「それで、大鳳なら瑞鳳と仲良いじゃん?だからなんとかして欲しいと思って」

 

「っていうかなにがあったか教えてくれませんか?じゃないとなんとも…」

 

「だってよ妹」

 

「自分で説明しなさいよ…」

 

で、掻い摘んで説明。

 

「それは…なんとも……」

 

「だよねー」

 

三人でうーん…みたいな空気が流れる。

 

「分かりました。とにかく、私が一度話してみますね」

 

「頼むわ。俺ここにいるから」

 

「一緒に来てください」

 

「えぇー…」

 

「いってらっしゃーい…あ、今日の夜にミラルーツ手伝ってくれるならあたしも一緒に行って上げてもいいわよ」

 

「モンハンかよ…まぁそれくらいやってもいいよ。行こうぜ」

 

三人で執務室へ。

 

 

 


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