もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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忍者

 

 

 

 

説教されてる。加賀さんに。ビスマルクも。

 

「なに考えてるのかしら?あなたが本気で物を殴ったら大抵のものが消し飛ぶのは分かってるでしょう?」

 

「すいません…気が動転して……その、つい………」

 

「ビスマルクも。よく説明書きも見ないで人に飲ませないで下さい」

 

「わ、悪かったわよ…」

 

「か、加賀さん…そのくらいにしてあげてください。提督も反省してますし」

 

鳳翔さんが庇ってくれるが、

 

「ダメです。鳳翔さんは甘過ぎます」

 

それで、こっちに向き直る加賀さん。

 

「とにかく、しばらく出撃も演習も遠征も出来ません。直るまであなた達も極力、妖精さんの力になりなさい」

 

はぁ…面倒だ……しかもこのクソ暑い中炎天下の作業ってお前…死んで欲しいのかよ。

 

「返事は!?」

 

「「は、はい!」」

 

野球部並の返事をするとなんとか許してもらえた。すると、さっきまでとは比べ物にならないくらい怖い笑顔で聞いてきた。

 

「それで、夕張はどこに行ったか分かる?」

 

夕張、葬式は開いてやるからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、とりあえず作業には木材が必要だ。だから買いに行くことにした。だが、

 

「やだよ!こんなカッコで行きたくない!」

 

「ダメです!あなたが壊したんでしょ?」

 

俺は今、学園都市レベル5第三位と血盟騎士団≪閃光≫を足して2で割った感じの見た目になっている。で、木材を買いにいけと言われたのだが、男の格好では変だと言われ、仕方なく北上の雷巡じゃなかった時の格好をしている。大井には死刑宣告された。

 

「とにかく行って来なさい。私も一緒に行ってあげるから」

 

「尚更恥ずかしいわ!母親と娘みたいになんだろうが!」

 

「そんな歳ではないのだけれど」

 

「冗談ですごめんなさい!」

 

やだなー行きたくないなー…。だから逃げる。スカイウォーク!

 

「あっ、コラ!」

 

「さよならー」

 

よし、このまま逃げ切ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街。さぁて、遊びに行こ……今の格好、北上スタイルじゃん…。この状態で外に出たくなかったから逃げたのに外に逃げてどうすんだよ…。

とりあえず、鎮守府に戻らねぇと……もっかいスカイウォー……、

 

「来ルナ……」

 

目の前に、水着を選ぶ、空母ヲ級(字余り)。

 

提督心の一句、てか空母ヲ級多過ぎだろ。戦艦タ級とかは出ねぇのかよ。で、目の前のヲ級はヲ級で私服に着替え、なんつーのかな…すげぇ一般人にしか見えない。あえて指摘するならその頭の変なの外そうぜ。

とりあえず、俺が提督だとバレたら殺されるかもしれん。離れよう。

 

「オ前、艦娘ノ艤装ノ匂イガスル。ドッカノ鎮守府ノ提督ダナ」

 

匂い!?なんでわかるの!?警察犬!?提督大ピーンチ☆かと思ったら俺の前に立ち塞がる影。川内と大井だ。なにこの組み合わせ。

 

「ここでは私達もあなたを見逃すのでお引き取り願うわ」

 

大井がビシィッ!と言い放つと、ヲ級は黙って去った。ふぅ……助かった。

 

「大丈夫ですか提督?」

 

「大井っち……」

 

「魚雷、撃ちますよ?」

 

やべっそーいえば死刑宣告受けてた…なんおか誤魔化すか。

 

「てかなんでお前らここにいんの?」

 

「その前に大井さん、これ提督って言った?マジ?」

 

あぁ、川内はこのこと知らなかったな。

 

「本当ですよ。夕張さんが作ったKマンとかいうよく分からん薬です」

 

マンってそっちのマンだったんですよね……。

 

「へぇー!可愛いじゃん!」

 

うりうりーと言わんばかりに頬を突っついて来る川内。

 

「やめろ…恥ずかしいんだから……や、だからお前らなんでこんなところにいんの?てかどういう組み合わせ?」

 

「大井さんが忍者になりたいらしくてね〜。理由は……まぁ察して」

 

「大井、犯罪になるようなことはやめてよ。あとやり過ぎて嫌われないようにな」

 

「そんなこと言われなくても分かってます」

 

ふいっと不機嫌そうにそっぽを向く大井。

 

「提督はどうしてここに?」

 

「この格好で買い物行けって言われてさ…逃げて来ました」

 

「いやここに逃げて来てる時点でそれ意味ないと…」

 

「知ってるから」

 

あーあ…やだなー…。

 

「でもそれって怒られることには変わりないよね?」

 

「あ?まぁそうな。だから今日は鎮守府に帰るのは全員が寝た後にしようと思ってる」

 

「それ明日が怖いよ……」

 

「あ、それなら私の忍者の修行手伝って下さい」

 

「螺旋丸覚えるには水風船買っとけよ」

 

「そうではなくて…こう、気配を、消す…的な?」

 

「自分でも分かってねぇのかよ」

 

そこを指摘しつつ続ける。

 

「とにかく、俺は行かない。この格好を誰かに見られたくないし」

 

「手伝ってくれたら加賀さんから庇って上げます」

 

「さぁ、冒険に出掛けようぜ!」

 

 

 


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