もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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時系列無視します。





辞職願3

 

 

 

 

結局、止められてしまい、俺は辞職しなかった。うーん…でもなんか「辞めるよ?辞めるからね?」って言っておきながら辞めない脅すだけ脅してチキッてなにも出来ない中学生みたいになってしまった。なんか、こう、そういうのやだなぁ……。なんてアホなこと考えながらカレンダーを見て思い付いた。なんでこんな風習あるんだろうな。思わず楽しくなってきたまったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、俺はどっかの病院にいる。そこで鎮守府中に仕掛けた盗撮用カメラを覗く。

 

「ねぇ提督、こんなことして平気なの?」

 

今日の秘書艦だった時雨に聞かれた。

 

「さぁね」

 

さて、楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府。榛名が執務室に入った。

 

「失礼します。おはようございます。提督。って、あら?またお寝坊ですか?」

 

そう言いながら榛名は提督の自室へ向かった。が、その途中で机の上に見慣れない紙があるのに気付いた。なんだろうと思いながら見ると、そこには「辞職願」と書かれていた。

 

「えっ!?」

 

慌てて読んでみると内容は持病があるので提督を続けられなくなった、今は病院で療養中という内容。

 

「そんな……っ!」

 

すぐに榛名はこれを加賀に報告。その噂は簡単に広がった。

 

「そんな…」

 

「うわぁーん!提督…グスッ」

 

「どうしましょうか……」

 

「じ、じれいがーん!うぁーん!」

 

と、泣く子もいれば落胆する子もいた。みんなが騒ぐ中、赤城が「ん?」とカレンダーを見ながらなにかに気付いた。そして、ふふっと微笑む。

 

「? どうしました赤城さん」

 

加賀が怪訝な顔で聞いた。

 

「いえ、心配ですしみんなで提督のお見舞い行きましょうか」

 

にこって微笑む赤城さん。すると、善は急げというかのように全員が鎮守府を走って出る。その後ろを微笑みながら歩いて追い掛ける赤城。そんな赤城を不思議そうに、そして提督を心配しているような顔をする加賀だった。

 

「あれ?そういえば時雨がいないっぽい」

 

「あ、ほんとだ」

 

「ほら行くよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、病院。俺は冷や汗を滝……それもナイアガラの滝のように流して盗撮カメラを見ていた。ギギギと音を立てながら時雨を見る。

 

「なぁ、これ俺殺されないかな……」

 

「へ?覚悟の上じゃないの?」

 

うほほーい、時雨さん辛辣ー。と、とにかくなんとかして殺されることだけは避けないと………いや無理だろ。

 

「言っとくけど、僕は関係ないからね。本当に死なないように気を付けてね」

 

「言ってる場合か!とにかく逃げないと……」

 

『提督!大丈夫!?』

 

ガララッ!勢い良く景気良く開く病室のドア。あぁ……詰んだ。ネタバレすると、誰も口を聞いてくれなかった。これって、殴られるよりも辛いよね。本当に退職したい。

 

 

 


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