「どうしたのマックス?」
私はレーベを引っ張って執務室の前。
「レーべ、あなたどうやって彼とあんな仲良く話してるの?」
「へ?」
「あんなに親しげに話してるじゃない。どうやったの?」
「や、どうもなにも普通に話してるだけなんだけど…」
「嘘ね」
「なんで?」
「だ、だって…あんなに楽しそうにしてるじゃない…あの人も、あなたも…」
「だからなんもしてないって。逆になんであんなにトゲトゲするのかなぁ…」
「私が悪いって言うの?」
「うーん、悪いってわけじゃないんだけど…もっとラフになった方がいいんじゃないかなぁ…」
「ラフに…」
「そうだよ。もっと友達感覚?っていうの?うちの提督はただでさえテキトーな人なんだから」
そういうものなのかしら…でも、緊張しちゃって上手く話せないしぃ…。
「とにかく、その素っ気なさをどうにかしないと!じゃないと仲良く出来ないよ?」
「……分かった」
「じゃ、いってらっしゃい!」
その言葉と共に背中を私の背中を押すレーベ。
「ちょっ、レーベ…きゃあっ!」
そのまま執務室に入ってしまった。不思議なものを見る目で見てくる提督。ど、どうしよう…。
「な、なにかしら?」
「や、なんでもないです…」
「そう、ならあまりジロジロ見ないでもらえるかしら?」
「ご、ごめんなさい…」
「では仕事に戻りましょう」
なにしてるのよ私は…どうしてわざわざ悪態つく必要が…。も、もうちょっとキチンと普通にお話したいのに…。も、もっと大胆に行った方がいいのかしら…。
「で、なんで俺の膝の上に乗ってるわけ?」
「べ、別にいいでしょう。あなたが座ってほしそうな顔してたからよ」
「どんな顔だよそれ。自分の顔を鏡で見て見たくなるわ」
「いいから仕事しましょう」
「や、お前駆逐艦でも大人な方だろ?邪魔な上に重…」
「ふぅん?」
ギロっと睨んでやった。その先は言わせないわよ。
「…いと思ったら気のせいだったぁー!さぁ仕事仕事!」
全力で誤魔化しに来たわね…まぁそれでもいいわ。でもこの人の膝の上は落ち着くのね…なんか心地いいわ…。
「ふあぁ…」
「眠い?」
「そ、そんなことないわ」
「眠かったら言って。眠い」
「あなたが眠くなってどうするのよ…」
まったく呆れるわね…。でも、あなたらしいわ…。少しくらいなら、仮眠とっても、いい、かな……。
「寝るのはえーな……」
今は俺の胸の上に頭を置いて寝息を立てている。てかまだ昼過ぎだぞ…子供どころか幼稚園児のお昼寝の時間か。
仕方ないので抱き上げて、ソファーの上で寝かせた。が、俺の指を掴んだまま離さない。
「やー……」
「………」
ま、少しくらいならいいか。俺もソファーの前に腰を降ろす。やべっ…俺まで眠くなってきた…てかそもそも昨日の夜中にあんな恐ろしいことがあったから眠れなかったんだよな…寝るか…。
この30分後くらい、目を覚ましたマックスに砲撃された。
今はソファーの上。酒匂と共に戻ってきた加賀に膝枕されてる。断ったのに「ここは譲れません」とかわけわかんないこと抜かしやがって…。そんな俺の前で膝を抱えてる酒匂に頬を突つかれる。
「だいじょーぶ?司令」
「というか、なんでゼロ距離で撃たれてお腹痛くて立てないで済むんですか…」
加賀さんに呆れられたように言われる。知らねぇよ俺に言われても。
「ごめんなさいあなた…つい気が動転しちゃって…」
「動転し過ぎだろ…お前これ俺じゃなかったら死んでるぞ」
「「「まったくその通りね(だね)」」」
声を揃えて言われてしまった…本当に丈夫なんだよ俺。
「今日は私とマックスが仕事を変わりますから、提督は休んでて下さい。酒匂、秘書艦として提督と一緒にいてあげなさい」
てなわけで、私室に運ばれた。
「あー…マジ腹いてぇ…」
「なにかして欲しいことある?」
「PSP取って」
「ぴゃん!ゲームはダメッ!」
「二つあるけど、協力プレイできるけど?」
「どこにあるのー?」
ふっ、チョロい。
「ぴゃあぁぁっ!司令、ヤバイ死んじゃうー!」
「撃たせないっ!」
「ぴゃあぁ〜…あ、危なかったぁ…」
「ふはははっ!当たらなければどうということはない!」
「司令なんか怖い…」
ほっとけ、楽しいんだからいいだろ。
「っと、そろそろ飯にするか」
「それなら酒匂ちゃんにお任せ!」
この後、メチャクチャあーんされた。