もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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海外艦

 

 

風呂から上がってようやく仕事開始。酒匂が意外にも軽巡並の働きをしてくれたおかげですんなり進んでいる。

 

「ぴゃあ〜もう疲れたぁ〜」

 

「じゃ、休憩にしていいぞ。阿賀野達の所行って来たらどうだ?」

 

「やー。しれーといたいー」

 

「じゃ、そろそろ休憩にすっか。なんだかんだで昼飯の時間帯だしな」

 

「じゃあ食堂行こうよー!」

 

「や」

 

「言うと思った。だからねぇ…」

 

携帯を取り出して無邪気な笑顔と共にいじくる。その数秒後、阿賀野型集合。

 

「行くよ!」

 

「え?」

 

四人に強制連行された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂。毎度ながら駆逐艦に囲まれてきゃあきゃあ騒がれた。で、やっと解放されると、5人で一つの机に集まる。が、またまた加賀さんとすれ違った。

 

「あー…」

 

「………」

 

なにも言わない方がいいか。で、立ち去ろうとする加賀さん。すると、酒匂が立ち上がった。や

 

「ぴゃん!加賀さん!Twitter、フォローしとくね!」

 

「」

 

「」

 

 

 

 

 

空気が、凍った。

 

 

 

 

 

凍ったなんてもんじゃない。俺なんて呼吸が出来ない。そんな空気の中、阿賀野まで言う。

 

「あー!あのかがっちゃんだお☆ってすっごく可愛い奴!?」

 

「そうだよ阿賀野ちゃーん!」

 

その瞬間、能代が二人の頭をゴチンと殴る。

 

「いったいなー!お姉ちゃんに手をあげるなー!」

 

「ぴゃん!なにするの!?」

 

「黙れバカ姉妹!」

 

「だってもうTwitterやってる人はみんな知っ…」

 

能代、二発目の制裁。加賀さんを恐る恐る見ると、真顔に涙が浮かんでいた。しかも顔を真っ赤にして膝から崩れ落ちた。あー…これヤベェな…。ギャグパートで終わらないやつだ。俺は赤城さんと二航戦にLINEで「加賀さんのフォローよろ」と送ると、さっきの馬鹿野型二人を執務室に強制連行した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前らなんで呼ばれたか分かる?」

 

言うと二人とも首を傾げる。だよねー。はぁ…と久々にため息が出た。ん…扉の前に誰かいるな。能代と矢矧かな?まぁいいや。

 

「別に面倒臭ぇから説教じみたこと言うつもりはないけどさ、加賀さん泣かしたのお前らだからな?」

 

「「えっ!?」」

 

「事実ならなに言ってもいいわけじゃない。事実だからって人の消しゴムゴミ箱にダンクしたり、男の髪の毛結んで『可愛いって言ってる自分可愛いアピール』したり、人のゴルフのクラブ折ったりして言い訳じゃないんだ」

 

扉の向こう側から「なんでディティールがあんなに細かいんだろ…」「実体験なのかな…今度から優しくしよ…」なんて声がするが無視。無視しないと俺の心が持たない。

 

「人には知られたくない一面もあるんだ。だから、まぁ…加賀さんに謝ってきな」

 

「ぴゃあ…」

 

「はーい…」

 

すると、二人とも執務室を出た。あー疲れた…やっぱ馴れないことはするもんじゃないわ。と、思ったら今度は能代と矢矧が入ってくる。

 

「て、提督…その、今度からは一緒にいてあげるから」

 

「私達でよければいつでも呼んで下さい」

 

「同情すんな。余計惨めだろうが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁあのあと加賀さんに会ったわけじゃないから丸く収まったから知らないけど、とりあえず食堂ではなく外で一人で飯食った。で、再び仕事に戻る。さて、やるかー。

 

「酒匂が戻ってこねぇ…」

 

なんなんだよあいつ…秘書艦だろうが。もしかして、加賀さんに狩られた?まさかね。まぁ元々一人でやる仕事だしいいんだけどさ。さて、逃げるか。何時ものように窓から逃走、って雨降ってんじゃーん…なんて思ったら開くドア。

 

「まったく…なんで私がこんなこと……あなた、阿賀野達は加賀さんとの仲直りとかで遊びに行…」

 

「え?」

 

窓から身を乗り出してるところでZ3に見られた。

 

「だ、ダメよあなた!は、は、早まらないで!」

 

「ちがうから!自殺じゃないから!落ち着いて!」

 

「へ?あ、も、勿論分かってたわよ?」

 

いや無理があるだろ。

 

「まぁいいや。報告サンキューなホワイトユニコーン」

 

「だからZガンダム3号機はやめてって言ってるでしょ!?」

 

結構、カッコイイと思うんだけどなぁ…。まぁいいや、出てったらゲームやろ。最近フルブやってねぇや。だが、なぜかマックスが帰らない。

 

「あの、どうした?」

 

「その…あなたさえ良ければ…秘書艦の代理、やってあげても…いいけれど…」

 

なん、だと……?決して悪気がないのは分かってんだけど、タイミングが…。

 

「いや、そんな無理することないよ。俺これからゲー…食休みするとこだし」

 

「そ、そう…いやその、いいじゃない!やらせなさいよ!」

 

「逆ギレ!?」

 

「どうするの!?」

 

「是非お願いします!」

 

び、ビックリした…まさかホワイトユニ…マックスからそんな大声が出るとは…。そんなわけで仕事が始まったわけだが、

 

「…………」

 

「…………」

 

き、気まずい!なんで無言なんだ!自分から秘書艦(代理)になっといて!なにを考えてるか無表情でまったく分からんし…、今すぐ逃げたい…全速力で光の粒子となって消え去りたい。

 

「あなた、手が止まってるわ」

 

「え?あ、すいません…」

 

「………」

 

「………」

 

だから気まずい!なんだこれ!誰だこういう悪ふざけする奴ぁっ!いや誰もふざけてないけど。

 

「あなた、手が止まってるわ」

 

「へ?あ、すいません……え?また?」

 

「………」

 

「………」

 

な、なんだこれ…なんで同じことを…しかもちゃんと手は動かしてたぞ(ペン回しとは言えない)。やたら注意してくるし、さっきからチラチラこっち見てくるし…。

 

「あなた、お腹空いたわ」

 

「え?あ、すいません……え?」

 

「お腹空いたわ」

 

「え?さっき飯食ったばかりじゃ…」

 

「お腹空いたわ」

 

「え?あー…カップ麺ならあるけど…」

 

「………」

 

「………」

 

なんか言えよ!なんなんださっきから…俺になにを望んでいるのかさっっっぱり分からん!帰りたい…。いや今はここが家だけど。

 

「失礼するね」

 

「あ、ゼータじゃん。カミーユは?」

 

「だからそのネタやめてってばぁ!僕、ガンダムそこまで興味あるわけじゃないし…」

 

「で、どうした?バイオセンサーでも付ける?」

 

「だからやめてって!次言ったら怒るよ!」

 

で、ようやく本題。

 

「マックス…」

 

「コーヒー?」

 

「違うよ!マックスシュルツだよ!僕はマックスのお手伝いで来たんだ。多分、日本語の書類ばかりで苦戦してるんじゃないかなって思って」

 

「そりゃ助かる(主に空気的な意味で)。じゃ、マックスとあの辺とその辺とこれやって」

 

「それ全部じゃん!提督も手伝ってよ!」

 

てなわけで仕事開始。かと、思ったらマックスがレーベの手を引っ張って外へ出てった。

 

「へ?マック…」

 

「ごめんなさいすぐ戻るわ」

 

 

 


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