もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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番外編2-1

 

 

 

「はいじゃーテストも近くなってきたので、今日は自習にしまーす。質問は受け付けないからな。遊んでてもいいぞ。ただし、加賀先生がここに来るような事態だけは避けるよーに」

 

てなわけで、俺はジャンプを取り出す。ちなみに生徒が取り出してるのはやはりおれの青○ラブコメは間違っている一巻。今回の教材である。職員会議でふざけ半分でこれがいい!って言ったら採用された。大丈夫かこの学校。

 

「先生ーそれは授業って言うんですかー」

 

「うるせーよ。質問は受け付けねぇって言ってんだろハゲ。大体、お前らが勉強するかしないかなんて俺関係ねぇだろ。給料に影響するわけでもあるまいし」

 

我ながら最低な教師だと思うが、まぁいいでしょ。生徒だって自習のが喜ぶし、俺は楽できるし、お互いに利潤はある。そんなこと考えながらジャンプ流し読み。と、思ったら俺のオデコになにかがクリティカルヒット。ペットボトルのキャップだ。気付いてない振りしてジャンプを読みながら今飛ばした奴は俺が無反応だとつまらないから必ずもっかい飛ばしてくるはずた。

俺の狙い通り、飛んできた。その方向には教科書で顔を隠した鈴谷。よろしい、戦争だ。

俺は当てられたペットボトルのキャップを弾いて飛ばす。高校時代に、投げるよりもデコピンの中指と親指の間に挟んで投射した方が早く正確さが上がることを知った。変化球も可能だ。上手くファンネルのように回り込みながら二つのキャップは鈴谷にクリティカルヒット。

 

「ったぁっ!やったなぁっ!」

 

「フハハハハッ!貴様ごときがこの俺に戦争を挑むなど100年早いはぁっ!」

 

「こんのぉっ!」

 

気が付けば、クラス全員を巻き込んで戦争開始。荒れ狂うペットボトルのキャップ、空き缶、消しゴム、画鋲。おい、最後のは誰か死ぬからやめろ。中にはわざわざ購買に飲み物を買いに行くやつもいた。

 

「っておいバカ!外はマズイだろ!他の先生にバレる!」

 

「隙アリぃっ!」

 

「っぶね!」

 

右から飛んでくる秋雲のキャップを間一髪キャッチする。

 

「嘘っ!」

 

「この俺に死角はないっ!」

 

そのまま反撃。秋雲の眉間に上手くクリティカルヒット。

 

「なんで今の取れるの!?」

 

「文化祭の時もそうだけど、先生何者なの!?」

 

強者だ!そして、前転しながらかわしてキャップを拾い、元の体制に戻りながら放った。

 

「ひゃっ!」

 

「もうひとつ!」

 

さらに放つ。飛んで行く二つのキャップ。だが、それをかわす北上。その後ろにいる人物に当たった。その人物は加賀先生だった。

 

「ははっ!ザマァ、ない…ぜ……」

 

「なにかしらこの惨状は」

 

『………』

 

思わず全員で黙り込む。ヤバイ…怒られる……と、思ったら、

 

「ぐずっ」

 

「へ?」

 

加賀先生は泣き出した。

 

「い、痛いよぅ……」

 

ちょっ!あなた全然キャラ違うでしょ!それなら怒られた方がマシなんだけど!

 

「どうしました加賀先生!?」

 

その後に来る赤城先生。そして、教室を見るなり俺を見てニッコリ笑った。

 

「提督先生?どういうことですか?」

 

この後、メチャクチャ怒られた。余談だが、赤とか関係なしで、加賀先生の3倍は怖かった。

 

 

 

 

 

 


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