夢を見てるのはわかってる。っておい、しつけぇぞ。いい加減にしろ。と、言っても覚めないのが夢だ。俺は木の葉の里の門でナルト、シカマル、チョウジ、ネジ、キバ、リーといた。
「フォーメーションは一列で行く」
シカマルがそう言うと、全員頷いた。
「まず先頭はキバ。赤丸もいるし、敵のトラップや待ち伏せには適任だ」
「おう!」
てな感じで順番はキバ、ナルト、シカマル、チョウジ、俺、ネジとなった。
「でもシカマル!俺はやっぱこんな奴が一緒にいるのだけは納得出来ねぇってばよ!」
ナルトが威勢よく俺を指差す。
「仕方ねぇだろナルト。俺達の同期の中で俺と同じく中忍になった奴だ。実力もある。俺が仮に死んだ時の副リーダーとしてはこれ以上の適任者はいない」
「でもさ、でもさ!絶対ぇこいつよりネジのが強ぇって!」
「お前…こいつの試合を見てから言え」
まぁそうだよな。相手が弱過ぎて気が付いたら中忍になってたもんな俺。
「とにかく、ここでは俺が隊長だ。異論は認めない」
シカマルがそう言うと、ナルトも押し黙る。ごめんね、俺がいて。
「ま、ナルトの言うことは気にすんなよ!よろしくな提督!」
キバが元気良く背中を叩いてきた。すっごく痛かったが、まぁその気遣いは嬉しいので良しとしよう。
「それじゃ、行くぜ!」
シカマルの号令で、順番通りに動く。まぁ俺も好きではないがサスケだって仲間だ。絶対に助け出してや
「んぐっ!んぐ〜!」
顔面がなんか柔らかい感覚で押し潰され、呼吸が出来ねぇ!なんだ?術に掛けられたか!?やっとの思いでガバッと脱出すると、目の前に山城の顔。しかも、布団のお陰で上半身しか見えないが、さらし一丁である。
いやいやいやいや、俺は騙されないよ?だってあり得ないもんこんなクソレズ野郎と俺が有り得ないもん。お天道様が有り得ると言っても俺は認めないよ?でも、なんか山城の目に涙の跡あるな…。
いやいやいやいや、俺は騙されないよ?だって俺みたいなチキンラーメンよりチキン野郎があり得ないもん。俺は酒を掛けられようが唾を吐き捨てられようが、大抵のことは笑って見逃してやる。だが!上司と部下でこんな淫らな関係になるのは許さない!
「ん……朝………?」
山城が目を覚ました。辺りを見回すこと3秒、はだけた自分の服装とさらしを直すこと5秒、俺の顔を見ること30秒。おい、ヤケに長ぇぞ。ようやく、今の状況を飲み込んだようだ。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっっっっ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
なんだろう…これからメロウコーラでも取りに行くのかな…。なんて絶賛現実逃避中の俺の胸ぐらを掴んで揺する山城。
「て、提督!あなた!私の貞操になにをしたぁっ!?」
「わ、かーりません!記憶がないんです!ごめんなさい!」
「嘘を付くなぁ!こんのぉ…!」
「ちょっ!艤装は無しですよ!死ぬ!死んでしまう…!」
「あぁ、死ねぇ!」
ヤバイヤバイヤバイ!確実に狩られる!あ、そーだ。
「そうだ!お前自分の股間見てみろよ!処女膜があれば俺は無罪…」
「じ、女性に向かって言うことですかそれはぁっ!てかなんで私が処女である前提なんですか!」
ダメか…もう死を覚悟するしかないな…。と、思ったらガヤガヤと集まってくる艦娘達。
「提督?山城のものすごい悲鳴が聞こえたんですが…」
「「いっ」」
ふ、扶桑だ…!ヤバイ!実の妹を汚した(可能性のある)ことがバレたら打ち首獄門じゃすまねぇ!
「山城逃げるぞ!」
「い、嫌です!扶桑姉様に報告させてもらいます!」
「待てよく考えろ!下手したらお前も同罪になるかもしれないんだぞ!そしたらお前扶桑に淫乱扱…」
「逃げますよ!」
窓から脱出した。
結局、さっきまでのことはとりあえずお互い忘れることにした。そうじゃないとお互いの仕事に集中出来ない。特に俺なんて元々集中力ないのにあんなことがあったんじゃ…いやなにがあったか知らないんだけど。
で、今日の秘書艦が入ってきた。
「失礼します。扶桑です」
「えっと、秘書艦?」
「はい。よろしくお願いします」
どうやら俺は神を殺すしかないようだ…。
「それで、なにかあったんですか山城と?さっき山城に聞いたら顔を真っ赤にして逃げてしまったんですが…」
「なんもねーよ」
俺はこの手の誤魔化しは得意だ。てかあいつの誤魔化し方が下手すぎる。
「それより扶桑さん。この書類やってもらえますか?」
「はい。お任せ下さい」
ふぅ…まぁいいや。とりあえず仕事は扶桑さんに任せて俺はゲームでもやってよう。ゴッドイーター2。武器の買い方分からなくて今だに初期武器なんだよな。どうしよう。
と、思ってたら目の前のPSPが消える。扶桑さんに取られた。なにすんだよ視線を送ると、
「仕事中にゲームはダメです」
と、怒られた。
「へいへい…わーりましたよやればいいんでしょやれば」
「榛名さんや加賀さんに報告してもいいんですよ?」
「さっさと仕事するぞ。40秒で支度しな」
てなわけで執務開始。それからちょくちょく休憩を挟みながらも三時間くらい、昼になっていた。
「そろそろお昼にしましょう。提督、ご一緒にどうですか?」
「え?あー…うん」
中途半端な返事になってしまったが、一応承諾した。で、食堂へ向かう。入ると、毎度お馴染み駆逐艦が集まってくる。
「あー!司令官こんにちは!」
「こんちはー!」
「珍しいな、指令がここに来るなど」
えっと…名前は確か…吹雪は分かるけど…深雪と、長芋?
「長月ちゃんですよ提督」
おい、なんで心読んでんだ扶桑。なんて感じでキャーキャー周りがはしゃいでると、山城とすれ違った。お互い、今朝のこともあり、目を逸らしてしまう。若干、顔も紅潮していたかもしれない。なんだ?両想いなのにお互い伝わらない中学生?俺、その手の漫画大嫌いなんだよね。
まぁ、お互い意識しないようになにも話さない方がいいだろ。周りに勘付かれても面倒だ。てなわけでお互いスルーしようとした時だ。
「コラ山城。提督にキチンと挨拶なさい」
なんで余計なこと言うんだお前はぁぁぁっっ‼︎‼︎ほらお前のおかげで山城また顔赤くしてるよ!てかなんで俺をキッと睨む!なんもしてないって言ってんだろ!多分だけど。
「そ、その…て、提と、く…こ、こんにちはーっ!」
挨拶しながら逃げて行った。その瞬間、俺をジト目で睨む扶桑。あーこれはアレだな。俺も逃げた。