もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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映画

 

 

 

 

 

 

「お願いします榛名さん!」

 

俺は全力で土下座していた。

 

「どうしても観たい映画があるんです!だからここ最近は地味に真面目に仕事してたんです!」

 

「まぁ、確かに真面目ではありましたね。仕事する態度も」

 

「お、れ、が!真面目に仕事してたんだよ⁉︎これ明日、嵐どころか天変地異が起こってもおかしくないレベルだろ!」

 

「まぁ、休憩と仕事の時間がほとんど同じだったとはいえ、執務室から出なかったですね」

 

「だからお願い!明日はサボらせて!」

 

「………………」

 

ふぅ……と、榛名はため息をつく。

 

「分かりました。その代わり、条件があります」

 

え、何要求されんの?

 

「これからもこれまでの態度でお仕事すること」

 

なんだ、そんな事か。

 

「うっす」

 

「それともう一つ」

 

「えっ」

 

二つもあんの?ナニソレ聞イテナイ。

 

「そ、その……明日、榛名と一緒に…その、映画観に行ってもいいです、か?」

 

「………………は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日。俺は鎮守府の前で待機。集合までに5分オーバー。余りにも暇なので、俺はかめはめ波の練習をすることにした。

 

「かぁ〜めぇ〜はぁ〜めぇ〜……波ァァァァッッッ‼︎‼︎」

 

「何やってんですか提督」

 

「」

 

ビシューム、シュゴゴゴゴゴ、チュドォォォォォン。

 

うん。一応出るみたいね。さて、やったな数秒前の俺。新たなトラウマの仲間入りだゾ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画館前。

 

「それで、なんの映画を観るんですか?」

 

「あ?お前知らずに付いてきたのかよ」

 

榛名は割とワクワクしていた。と、共に昨日の夜に金剛からもらったアドヴァイスを活かせるチャンスをうかがっていた。

 

『ラヴシーンになったら、そっと手を握るネ!』

 

榛名、頑張ります!

 

「おーい、買ってきたぞチケット」

 

「は、はい!」

 

提督に手渡されたチケットは、

 

『ドラゴンボールZ〜復活のF〜』

 

作戦は諦めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画が終わり、俺と榛名は外に出た。

 

「いやー面白かった。いやマジで面白かった」

 

いやまさか初っ端から超サイヤ人ゴッドSSになると思わなかったわ。それにゴールデンフリーザもマジで途中まで良かったし。まぁ結局、フリーザはフリーザだったけど。

 

「良かったですね提督……」

 

「あ?榛名はつまんなかったん?」

 

「いえ………。ただドラゴンボールは余り見たことなかったので。面白いのですか?」

 

「そりゃつまんなかったら完結してんのにここまで続かないでしょう」

 

「へぇ〜……。機会があれば榛名も観てみますね!」

 

うーん……それ「見ない奴の法則」の筆頭の返事なんですけどねぇ……。まぁ榛名は純粋だからそんな事もないと信じたいけど。

 

「この後、どうします?」

 

「帰る」

 

「えぇっ⁉︎せっかく二人で来たのに⁉︎」

 

「えっ、いやだってもう用ないし……」

 

「せ、せっかくだからもう少しどこか行きませんか?」

 

「任せる」

 

「なら決定です!行きますよ!」

 

そのまま俺の手を引いてトタトタと走る榛名。なぁんか疲れそうだなぁ。

 

 

 

 

 


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