もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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呪いのDVD

 

 

 

 

 

 

「ふぅ〜……」

 

朝。俺はゴミ捨て場にゴミを捨てに行っていた。

 

「ていとくおそーい!」

 

島風と。たまたま出会して付いてきた。

 

「お前こちとらゴミ持ってる上に寝起きなんだよ。ていうかお前は大人しくしてられないの?」

 

「ほらごみ捨て場までもうすぐだよー!」

 

「はいはい……」

 

また、ため息をつく。で、そのゴミ捨場に到着し、俺はドサッとゴミ袋を置く。

 

「ん?」

 

ゴミ捨て場にはDVDのケースが置かれていた。

 

「なんだこれ」

 

無意識に拾い上げる。裏返すと、『呪いのDVD』とかかれていた。

 

「…………………」

 

いやいやいやいや、別に怖くないからね?ただこういうくだらねぇもん作る奴もいるもんだと思っただけだから。俺はそっと、元の場所にDVDを戻す。

 

「あれ?てーとく何してんの?」

 

「なんでもないよ。ほら帰ろう」

 

「? はーい」

 

「コンビニ寄るからな。何か200円以内なら奢ってやる」

 

「ほんと⁉︎ありがとー!」

 

そのまま鎮守府に帰宅した。俺は自分の部屋に行って1年くらい前のジャンプを広げた。が、すぐに飽きる。

 

「あー………………」

 

暇だ。今日は妹の日で仕事もないし。どうしようか迷っていたものの、俺はすぐに立ち上がった。たまには遊戯室に顔出すか……。実際、俺はこの鎮守府に着任してから大きく変わった。いや肉体的にじゃなくてよ?最初は女の子と話すのすら怖かったが、少なくとも艦娘と話すのは問題ない。

 

「よく変われたなぁ……」

 

そんな事を考えながら遊戯室を開けた。中では島風が二航戦の2人に何かを見せていた。

 

「見て見てー!ゴミ捨場でDVD拾ったの!」

 

「へぇー。なんのDVD?」

 

「呪いのDVD!」

 

その瞬間、俺はそのDVDに跳び蹴りを決め込み、粉々にした。

 

「おうっ⁉︎」

 

「あ、提督!何してるんですか⁉︎」

 

飛龍に怒られるが、俺は無視して島風の胸ぐらを掴む。

 

「テメェ!なんでも拾ってくるんじゃねぇ!ホームレスになりてぇのか⁉︎」

 

「ちょっ…提督落ち着いて……」

 

蒼龍がなだめてくるが無視。すると、グスンとしゃくり上げる音がした。見ると、島風が泣いている。

 

「えぐっ………」

 

あっやべっ。

 

「ちょっと提督?」

 

「どういうつもりよ。駆逐艦の女の子を泣かすなんて」

 

「あ、いや…ご、ごめん島風……」

 

「ふんっ!」

 

ふいっとふくれっ面でそっぽを向いてしまう。どうやって言い訳しようか考えていた時だ。

 

「あれー?」

 

蒼龍が声を上げる。見ると、粉々に木っ端微塵になったはずのDVDが復活していた。

 

「直ってる……」

 

…………呪われてる。そう判断した俺は部屋を出ようとする。

 

「そうだ!せっかくだからみんなで見よっか」

 

「そうだね。島風ちゃんはどうする?」

 

「見る!てーとくも!」

 

「はぁ?ふざけんな。お前そんなん見て何するつもり……」

 

「提督?さっき島風ちゃんを泣かしたのは誰?」

 

うぐっ、そう言われると弱い。仕方ないか……俺は腹を括った。

 

 

 

 

 

 


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