私室。俺は木刀を握ると、頭の上でグルングルン回し、足を大きく内股に開いて木刀を構えた。
「なんで、こんなことを…また戦争がしたいのか!あんた達は!」
……決まった。かっけーサンライズ立ちかっけー。ソードインパルスかっけー。シンだっせー。しかしあれだ。やっぱ木刀短い。もう少し長いオモチャが欲しいけど売ってないからなぁ…や、でも明石さんなら作ってくれるかも。そんなこと思いながら私室を出ようとした時だ。
「あっやばっ」
青葉がカメラを構えていた。
「………」
「………」
沈黙。俺は足を大きく内股に開き、再び木刀を構えた。
「また戦争がしたいのか!あんた達は!」
「し、しませんよぉー!」
「こんのぉ!裏切り者がぁぁぁっっ!」
殴り掛かるが避ける青葉。逃がすか!
「うおぉぉぉぉぉっっ‼︎‼︎」
「ひやぁぁぁぁっっ!助けてくださぁい!」
めんどくさくなりました。
「逃がすかこのヤロォォォォッッッ!!」
ブロロロッと木刀はフル回転しながら青葉の後頭部を捉えた。「グハッ!」の断末魔と共に青葉はぶっ倒れた。
「はっ。俺がいつまでも追い掛けるだけだと思うなよ。こちとら対青葉用に遠距離攻撃をも修得してんだからよ!」
ふはははっ!と高笑いしながら青葉の近くへ。その周りにはなんか写真がたくさん散らばっていた。
「なにこれ」
「あっ!み、見ないでください!」
飛び掛かってくる青葉を月読で黙らせると、俺は写真を見る。すげぇーなにがかは分からないけどすげぇーなんて考えながら眺めていると、とあることに気が付いた。これ、全部俺の写真だ。
写輪眼を引っ込めて幻術を解いてから聞いた。
「なぁ青葉。これなんで俺ばっか写ってんの?」
「ギクッ!」
うわあ、ギクって口で言う人初めて見た。
「まさか、お前……」
「ち、違うんです司令官!べ、べべべ別に司令官が好きで盗撮してたとかじゃなくて……!」
「監視?それともアリバイ?」
すると、ビキッとなにかがブチ切れた音がした気がした。
「バカアホ朴念仁脳天クルクルパーサンライズ立ちクソしれいかぁーん!」
不名誉極まりない暴言とともに逃げられた。え、なにこれ俺が悪いの?ち、ちょっと!そこの古鷹さん!人のことなにジト目で見てるんですか!
「提督?」
「な、なんですか…」
「青葉を泣かせましたね?」
「ねぇ、あれって俺が悪いの?」
「十中八九。そもそも女の子に木刀を投げつける時点で」
「………」
「私は青葉のフォローに行きますから」
「なんかごめん…」
でもなぁ…そもそも盗撮する方が悪い気がするしなぁ…まぁとりあえず謝ればいいんでしょ?はいはい謝りますよこの世の男と女の問題なんて九分九厘男が悪くなるように出来てんだから。
「さて、古鷹が行ったすぐはやめといた方がいいよな」
とりあえず30分くらい寝かしとくか。青葉は食べ物かよ。なんて考えながら私室へ向かう。私室に到着すると、能代が仁王立ちしていた。
「仕事、しましょうね?」
お前なんで俺の部屋にいんだよ…。