もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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番外編1-A

 

 

 

 

神通は夜の買い物に来ていた。間宮さんが昼間に買い忘れた物を買うためである。が、頼まれたのは神通ではない。川内と那珂に任されたお使いだった。が、明らかに不安過ぎる人選なので、長女より明らかに長女っぽい神通がお目付役として頼まれたのだ。

 

「なんか、三人だけでお出掛けって初めてですね」

 

とりあえず、思ったことを口にする神通。だが、

 

「夜だぁぁぁっっ‼︎」

 

「夜間ライブだぁぁぁっっ‼︎」

 

と、わけの分からんシャウトをしていてまったく聞いてない二人である。どうでもいいけど「夜だぁぁぁっっ‼︎」と「ヨルダァァァンッッ‼︎」って聞き間違える恐れ有りだから注意な。

まぁ、そんなことはさておき、スーパーに到着すると神通がカゴを持つ。バカ二人に持たせると、気が付いたら余計な物まで買ってましたなんてことになりかねない。

 

「えーっと…お醤油を三本と牛乳を五本だったかしら…」

 

いや多過ぎじゃね?なんて思ってはいけない。鎮守府にはたくさんの艦娘がいるのだ。これだけじゃ足りないレベルでもある。と、真面目に神通が買い物していると、途中でカゴがヤケに重たいことに気づく。

 

「ってコラ姉さん!勝手にカップラーメンを入れないでください!」

 

「いーじゃん。夜食用だよー」

 

「あ、じゃあ那珂ちゃんはこれ買うー!」

 

「あ、こら那珂ちゃん!ていうかこのプラスチックのマイクなんてなにに使うつもり!?幼稚園に通ってる子が欲しがる物よ」

 

まぁ精神的には幼稚園児並の二人だが。そんな感じで、三人集まれば文殊の知恵って言うけど、これ絶対一人の方が良かったよね?的な買い物が続いた。その後も試食コーナーは食い荒らすわ、ガチャガチャコーナーには飛び付くわと色々苦労した神通。それでもなんとか買い物は済ませることが出来た。

その帰り道、結局二人の欲しいものを買ってしまった神通。どうやって言い訳しようか考えていると、鎮守府に着いてしまった。

 

「夜戦から帰還しましたー!」

 

「たっだいまー!」

 

神通の不安の元凶である二人は元気良く鎮守府に入って行った。神通は入る前にふと海を見た。

 

(今までは感じなかったけど、夜の浜辺って怖いなぁ…波の音とかすごいし…)

 

「なにしてんの神通ー!間宮さん待ってるよー!」

 

「あ、はーい」

 

と、返事をして鎮守府の中へ入ろうとした時だ。鎮守府の浜辺にあるテトラポッドの方でなにか物音がした。テトラポッドにはよくいる変な虫が気持ち悪いという理由で、艦娘や提督はここには来ない。つまり、この鎮守府の人間じゃない何かがいる可能性があるのだ。

少しビビりながらも神通はそっちへ向かった。

 

そして、神通の口の形が段々と、悲鳴の形へ変わっていく。

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

 

海に絶叫が響いた。

 

 

続くっぽい

 

 


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