目を覚ますと、能代はいなくなっていた。野分はなぜか俺の布団の中で一緒に寝てたが、まぁ無視で。
「ん……」
やー肩がダルいけどだいぶ体調は戻って来たな。さて、見張りもいないし、ゲームやるか。とりあえずDSでJアルでもやるか。個人的にはツナかリナリーが最強だと思います。
なんて考えながら暇潰しにデスマッチランキングをやる。さぁて、リナリー単機で行きますか!と、思ったらガチャッと開かれるドア。
「提督、起きちゃったかな……」
能代だった。おいタイミング完璧過ぎだろ。
「提督?何してるんですか?」
「じゃ、Jアル…」
「そっちじゃなくて!布団の中です!」
「なんもしてな…あー野分のことか。いつの間にか布団の中に入ってたんだよ」
「能代がトイレに行ってる間に……!」
「おっと起こすなよ。グッスリ寝てるのに可哀想じゃん。俺が気持ちよく寝てる最中に無理矢理起こされたらそいつのこと虹の彼方へぶっとばすし」
「……わかりました。膝枕はどうします?」
「やめろ言うなトラウマだ」
「はいはい…とりあえずゲームは没収です」
手から取られた。さて、起き上がるかと思ったのに野分が俺の腕にしがみついている。
「………」
無理矢理、というか知恵の輪のようにくねくね捻らせて取ろうとするが、
「やー…」
と、尚更ギューっとされてしまった。
「どうしよう…」
「なら、ここからは野分さんに任せましょう。能代はそろそろ妹さんの世話もしないといけませんから」
「そうかい。じゃーね」
「はい」
そのまま出て行ってしまった。さて、ゲームやるか。甘いぞ能代。俺の部屋にはDSもPSPもSPも3DSも全部合わせて30個以上ある。ちなみにVITAは持ってない。買いたいけど今月と来月はトライエイジに全部吹っ飛ぶからな!
「しかし、会った時はあんなに嫌われてたのになぁ…」
野分を眺めながらついそんなことを思ってしまった。改めて見るとペットみたいだ。ドッグフードあげたら怒られるかな。
「ヤッホー提督ー」
また舞風。
「って、何してんの…」
「助けてくれ。こいつ、寝ながら離してくれない」
「……ロリコン」
「本気で言ってんの?」
「最低」
「や、違うからね?俺が寝てたらいつの間にか野分が…」
「そんな事だろうと思ってたよ」
「テメェ……」
「まぁ怒んないでよ。暗い雰囲気は嫌いだよ?」
「暗いどころか漆黒に染めてやろうか」
「厨二、乙」
灯代かお前は。
「で、なんか用か?」
「うぅん。野分のところに遊びに来ただけ」
そうですか……。
「ならこいつとっとと連れて行って。俺もっかい寝たいんだけど……」
と、言いかけた俺の布団に舞風はのそのそと入ってくる。
「何してんの」
「おやすみなさーい!」
いやおやすみじゃなくて。
「野分だけズルイし……」
「あ?なんか言った?」
「うぅん。なんでもない」
そのままこいつまで寝やがった。その後、能代が部屋に入って来て砲撃された。