ようやく長かった出張も終わり、しばらく仕事はしないと決めた。が、もちろんのこと玄関から出れば殺されること間違いないので、窓から逃げる事にする。いい加減この芸も飽きたな…そろそろ新しい逃げ場でも作るか。なんて思いながら空を歩く。
あーすることねー。眠ぃー。そういえばトライエイジ新弾出たんだっけ。シャアのシークレット欲しいし今回、パイロットのPがどれもチート気味てるし、やって来るか。
そんなわけでAEON。えーっと財布財布ーっと………あれ?財布財布……ん?財布財布………。
「木ィィィ原うゥゥゥゥゥゥゥンッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎」
さ、財布落としたァァァァァッッ‼︎‼︎や、やばい!元来た道を辿らないと……!確か、屋上に着地して、そこから空を歩いて……あ、海だ。海に落としたのか……?うおぉぉぉぉッッ‼︎‼︎ブルーウォークッッ‼︎‼︎
カワセミバリの勢いで海に突っ込む。が、海に着水する瞬間、下に艦娘と思われる女の子が現れた。
「あ……」
「ん?」
ものすごい絶叫と共に俺達は海の底へ沈んだ。
海の底。目を覚ますと、檻の中だった。隣にはさっきぶつかったと思われる女の子が気絶している。……見たことないな…うちの子じゃない?服装的に陽炎型か。まぁ寝てるところ起こしちゃ可哀想だからほっとこう。
と、思った矢先、コツコツと歩いてくる音。そうだよ。海に沈んだのになんで檻があるんだよ。その足音に気付かれないようにもう一度気絶のフリ。
「いやぁ、だりぃ……」
「あーわかるわー。人間の見張りなんて無駄だよな。あの勢いで落ちて来たら気絶どころか死んでるって」
人間の見張り、ってことはこいつら人間じゃないのか?薄目を開けて確認して見たところ、なんかモノクロってやつ?白と黒しかない。
「この後、ラーメン食いにいかね?」
「あーいぃね。この前、駅前に美味いラーメン屋あってさ」
「うおっ。マジで?てか今からいかね?もう見張りなんていいだろおい」
「そうだな。じゃ、行きますか」
そのまま見張りは行った。えーっと、俺が見た限りだとまず目が赤くて、白黒で、なんか塩臭かった。これってさ……
「深海棲艦に鹵獲された……」
ヤバイかも……空気がある以上はある程度戦えるが、この駆逐艦の子もいる。逃げ切れるのか?てか携帯使えるかなぁ。あ、水没か。は、ははは……取り敢えずさ。
「たぁすけてくれぇぇぇぇぇぇッッッッ‼︎‼︎‼︎ユニコォォォォォォォンッッッッ‼︎‼︎‼︎‼︎」
俺の叫びは虚しく、ただ響いていた。