もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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綾波

 

 

 

 

次の日、寝かせたら一日で足が完治したし、今日は妹が提督なので一日ダラダラすることにした。そこで、コンコンとノック。相変わらずダラダラ宣言の瞬間で来客である。

 

「はいはい…」

 

ガチャッと開けるとまた珍しい来客。

 

「こんにちは〜」

 

えーっと…エヴァの零号機のパイロットみたいな……、

 

「綾波か、どうした?」

 

「ふふふ。今、エヴァンゲリヲンのパイロットで思い出してたでしょう?」

 

「え?あー…うん。ごめん」

 

相変わらずこっちはなに考えてるか分からんのに向こうはガンガン表情読み取ってきやがる。そう言う面では一番苦手な子だ。まぁ嫌いなわけじゃないんだけど。

 

「それで、何の用だ?」

 

「まぁ私も綾波レイさんは嫌いじゃないですけどねぇ〜でもこっちとしてはやっぱり普通に名前覚えて欲しいんですよぉ〜」

 

オマケにこのマイペースさだ。ぶっちゃけ相手にするのが辛い。

 

「悪かった。こめんね。で、なんの用?」

 

「そもそも司令官は人に名前を忘れられる痛みとか分かります?」

 

「その前に俺の気持ち、わかって。話しを進めたいんだけど」

 

「一応、綾波改二とかありますしぃ。綾波ってググってみたりすると一応、駆逐艦綾波が先に出てくるんですよぉ」

 

「おい待てなんの話を…それ以上はダメだ。一応、メタ発言は番外編の特権なんだからさ」

 

「確かにぃ、エヴァンゲリヲンの方が古参っていうのは…」

 

「やめろっつってんだろ!待て待て待て本当にそれ以上は…」

 

「うるさぁいっ!仕事中だっつの!」

 

妹に拳骨された。今回は助かったぜ。妹。

 

 

 

 

 

 

 

 

執務室を追い出されて廊下。そこでなにかを思い出したように手を合わせる綾波。

 

「あ、そうそう。なにしに来たのか忘れてました〜」

 

「お前本当におばあちゃんかよ。そろそろ認知しょ…」

 

「司令官、今は綾波がしゃべってるんですよ〜?キチンと人の話を聞きましょうねぇ〜」

 

「それはお前だお前!」

 

「それでぇ、用って言うのは最近暁ちゃんと雷ちゃんの仲が悪いんですよねぇ〜」

 

「ふーん、なんで?」

 

「なんかぁ、ギスギスしてるわけじゃないんですけどぉ〜喧嘩してるところをよく見るっていうかぁ〜」

 

「うん。理由ね理由。howじゃなくてwhyね」

 

「とにかく〜なんとかして喧嘩を止めてあげないと駆逐艦全体の指揮が落ちちゃうかもしれないんですよ〜」

 

もう突っ込むのもめんどくさい。でもあれだ、意外に人のこと考えられる奴みたいだな。

 

「あ、今意外とか思ってたでしょ〜?」

 

訂正、人の気持ちを分かった上での嫌がらせしてきやがるから結局分かってない。でもなんかこのゆるゆるぽわぽわした笑顔見るとなにされても許しちまうんだよなぁ…ていうか俺は元々、そんな怒るタイプの人間じゃないけど。

 

「ま、とりあえず見てみるよ。二人の所に連れてってくれない?」

 

「まったく〜心の中ならなにを思っていいってわけじゃないんですよぉ〜…って、あら〜?司令官?どこですかぁ〜?」

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず食堂に向かった。大抵、間宮さんとか鳳翔さんのところにいそうな気がする。と、思った矢先、ドォォォンと音がした。そっちに駆け寄ってみると、雷と暁が涙目で艤装を撃ち合ってる。

 

「バカバカバカバカツキ!」

 

「アホアホアホアホズチ!」

 

なんだこれ……。

 

 

 

 


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