魔法少女まどか☆マギカ ~ミサトとユウコはマドカの敵~ 作:Mr.モノクマ
9月23日 現在時刻:14時09分
「では皆さん。9月と言ってもまだ暑いので熱中症にはくれぐれも気を付けてくださいね」
早乙女先生のHRが終わると生徒はそれぞれ自分の帰路に帰っていく。
部活に行くもの、図書室に行くもの、それは様々だ。
まどか&さやか&仁美は部活に入っていなかったのでこのまま帰る予定だ。
「終わった~ねぇ、これからどこに行く?」
仁美は時計を確認する。
「ごめんなさい、今日は失礼しますわ」
「今日は何?ピアノ、日本舞踊、それとも塾?」
仁美のスケジュールはおそらく見滝原市で1,2を争うほど忙しい中学生だろう。
家がお金持ちなのですべての習い事を家でやっているがその分、数も多い。
「お茶のお稽古ですの。あと一年少しで受験だというのにいつまで続けさせられるのやら」
そういうが顔に疲れは一切感じさせない。
「ひえ~さすがお嬢様。小市民に生まれてよかったよ」
「じゃあ私たちは何処に行こうか?」
「まどか、帰りにサトーココノカドーCDショップに寄ろう」
「いいよ。また上条君の?」
「まあね」
学校から少し行ったところにV字路で仁美と別れる。
数十分歩いた先にある巨大ショッピングモール『サトーココノカドー』
じゃあ、各自で自分の好きなCDを探すと言う事で」
「分かったよ。じゃあ何かあったら呼んでね」
「まどかもね」
「うん」
その二人をじっと見つめる少女。黒髪の少女だった。
一方同時刻、ナイトメアの三人もこのサトーココノカドーに足を踏み入れた。
「見滝原市にもサトーココノカドーってあったんだ」
「春日部市にもあったんじゃないですか?」
「あそこのサトーココノカドーは小っちゃかったしバーゲンしかやってなかったの」
「そういえばいつみてもバーゲンエリアしかなかったからな」
「ここはインターネットによると日本でも有数の巨大地らしいですよ」
「そうなの。ショッピングモールからゲームセンター、フードコートまで何でもあるの」
「じゃあまずはそこでショッピングと行きますか」
「違うでしょ。ここに魔女の結界があって、魔法少女がいるかもしれないっていうから」
「そうなの。魔女の結界があるのは間違えないの」
「だからと言って魔法少女現れるとは限らないんじゃない?」
「おそらく現れるでしょう」
「根拠はないけどユウコの意見が正しいと思うの」
「まあ、信用するしないはともかくとしてじっとするしかないもんな」
「ではまずは・・・」
「魔女と魔法少女が現れるまでそこらへんでブラブラするの」
「えっ!さっきと言ってたことがちが・・・」
その時、地下の駐車場で何かの気配を感じた。
「ねえユウコ」
「なんですか?」
「ちょっと地下の駐車場に行ってみない?」
「えっ?もしかして魔女が現れた、とかですか?」
「とにかく行ってみよう」
3人は駐車場に行ってみることにした。
そこで何が起こっているかはまだわからない・・・
地下駐車場の奥にある、サトーココノカドー改装中フロア。
11月には完成して別館として駐車場とつながるのだがまだ関係者以外は立ち入り禁止だ。
そこに必死で走っている動物らしきもの。
白い体に黄色いリングのようなものが耳から出て、尻尾も長い。
「逃げないと・・・」
その後ろを銃弾のようなものが襲ってくる。
必死で避けるが銃弾は尽きることなくどんどん襲ってくる。
そしてついに一発が体を貫通する。
「キュゥ・・・」
白い動物らしきものは倒れこむ。
「今度こそ逃がさないわ、覚悟して。キュゥべえ」
追っていたのは暁美ほむらだった。
その時、どこからか足音がする。
ほむらは舌打ちをしていったんどこかに走り去った。
「今のうちに逃げないと」
キュゥべえという白い動物らしきものは動こうとしたが体が思うように動けない。
どんどん足音が近づいてくる・・・・
まどか&さやかはサトーココノカドー内にあるCDショップ『MONOKUMA』にいた。
ここは新作から昔ながらの中古まで比較的何でもそろっているので二人は重宝している。
「今日はどれがいいかな」
まどかが選んだのは今はやりの『コネクト』という歌だ。
2011年の1月に放送したドラマの主題歌。
かなり衝撃的な内容で最終回視聴率は30%を超えてかなりのブームになった。
(じゃあこれをまず試聴して)
ヘッドフォンを取り出し耳に当て、コネクトの部分のスイッチを押す。
(フフフ、やっぱりいい歌はいつ聞いてもいいね)
リズムをとりながら楽しそうに聞くまどか。
『タスケテ』
そのヘッドフォンの奥の向こうから声が聞こえる。
ビックリして耳から外して周りを見渡してみるが誰も自分に向けて声はかけていない。
ましてや助けを求めている人などどこにもいない。
(気のせい?)
『タスケテ!まどか!』
こんどはしっかりと聞こえた。
『僕をタスケテ!』
まどかは不思議の思いながらもその声のする方に向かっていった・・・