魔法少女まどか☆マギカ ~ミサトとユウコはマドカの敵~   作:Mr.モノクマ

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第12話 「黒い魔法少女の存在」

あの時自分たちを襲ってきたナイトメアと名乗る三人組。

どうして彼女たちはそのソウルジェムを狙っているのだろうか。

そしてほむらがキュゥべえを殺そうとした理由も知りたい。

 

「マミさんのほかに魔法少女はいるんですか?」

 

まどかの言葉でさやかもナイトメアとほむらのことを思い出す。

あの恰好からしてあいつらも魔法少女なのだろう。

 

「ほむらも魔法少女なのかな」

 

さやかが呟いた言葉に、キュゥべえはぴくりと反応する。

 

「ほむら?」

 

マミはまだほむらという少女のことは知らないのだ。

でもすぐに理解する。おそらくは最後に出てきたあの黒い髪の少女のことだろう。

冷徹な目をしていた。

あの目はおそらく一度見たら忘れないだろう。

 

「ええ、私も見かけたけれど。彼女も魔法少女でしょうね」

 

やっぱりとさやかは残念そうにする。

あの不思議ちゃんの正体は魔法少女だったのかと予想通りだったから。

 

「かなり強い魔力を持っているみたい」

「じゃあ、あのナイトメアとかいうやつらは」

 

「それに関しては私も」

 

マミもほむらに関しては名前こそ知らずにも噂などは何度か聞いたことがある。

とても強く、すべての私生活のベールが謎に包まれていること。

自身も彼女に出会ったのは実質初めてであった。

 

「それに関しては僕が説明するよ」

 

キュゥべえがさやかとまどかの間に割って入ってくる。

 

「彼女たちが何者かあなたは知ってるの?」

「うん」

 

「じゃあ教えて、あいつらはいったい何者なの?」

「彼女たちはナイトメアは暁美ほむらと同じ魔法少女さ」

 

手の平から氷を作り出したところからおそらくとおもってはいたがやはりそうだ。

 

「キュゥべえはどうしてあいつらを知っての?」

「それは・・・僕が昔契約をしたからさ」

 

さやかとまどかは驚きのあまり「え~」と声をあげてしまう。

まさかナイトメアもここにいるキュゥべえと契約をしていたのか。

まあ魔法少女になるにはここにいるキュゥべえがいないとダメだから当然と言えば当然だが。

 

「それっていつ?」

「ずいぶん昔のことさ。おそらく3年ぐらい前かな?」

 

その言葉を聞いてさらに驚きの色を隠せない二人。

3年と言う事はかなりのベテランかもしれない。

 

「じゃあなんでマミさんはナイトメアのことを知らなかったんですか?」

「理由は簡単さ。彼女たちが3年前突如この見滝原市から失踪したから」

 

「えっ?ナイトメアってもともとこの町に住んでたの?」

「うん。だから彼女たちも僕のことをよく知ってたんだ」

 

「じゃあキュゥべえの尻尾が少し凍傷してたのって」

「ああ。相生ミサトの攻撃にあったからさ」

 

あの黒髪ロングヘアーの少女の名前は相生ミサトというのか。

 

「じゃあもう一人のは?」

「あの茶髪でセミロングの彼女の名前は古谷ユウコ」

 

もう一人は長門ユウコ。

二人ともあの妙な名乗りの時に名前は聞いていたが本名は初めてだ。

 

「じゃ、じゃああの変なウサギみたいのはたしかキューピだっけ?あれは魔女じゃ・・・ないの?」

 

まどかが戸惑いながら質問する。

さやかもマミもそのことに関しては気になっていた。

魔女だとしたらどうして彼女たちと一緒にいるのか。

 

「その通り、彼女は正真正銘の魔女さ」

 

キュゥべえもわかっていた。

そしたらなお謎が生まれる。

ナイトメアの連中はなぜ魔女を近くにいさせて無事なのか?

普通ならば魔法少女は魔女を倒す存在。

そして一番気になるのは魔女が言葉を喋ることができるその訳。

 

「僕もキューピに関してはまったくもってわからない。でも確かにあれは魔女だ、間違えない」

「もうわけわかんない」

 

情報がいっぱい過ぎてさやかの頭はパンク寸前だった。

 

「能力も性質もそしてナイトメアと一緒にいる理由もすべてが謎に包まれてるよ」

 

さすがのキュゥべえにもわからないことがあるのか。

 

「でもさ、魔法少女って魔女を倒す正義の味方なんでしょ?なんでまどかやマミさんを襲ったわけ?」

 

さやかにとってそれが一番の疑問。

魔法少女=正義の味方でみんなが助け合い悪を倒すというのが今までの当然だ。

 

「まず暁美ほむらだけど、彼女の狙いは僕さ。新しい魔法少女が生まれてくるのを阻止するつもりなんだろう」

 

頭の上に?マークが浮かぶ二人。

仲間は多いほうが先頭には有利なのにどうして。

 

「魔女を倒すとそれなりの見返りがあってね、手柄の取り合いで衝突することが多いのよ」

「魔法少女は必ずしも味方ってわけじゃないんですか?」

 

「そういう事ね」

「じゃあ、まどかがキュゥべえに声をかけられるって目星をつけてて、自分に都合の悪い敵を増やさないために絡んできたってことか?」

 

「じゃあナイトメアってやつらが言っていたことは?」

 

ナイトメアはまどかではなくてマミのソウルジェムを狙っていた。

 

「ソウルジェムに関してよくわからないんだけど僕はこう考えてるんだ」

 

キュゥべえは今自分が考えているある仮説を話す。

 

「彼女たちは魔法少女そのものについて何か企んでいる。その重要な部分がソウルジェムなんだ。

どうして3年前に突如失踪して今になって戻ってきたのは僕にもわからない。

でも3年間の間に何かを見つけてその集大成のために戻ってきたのかも」

 

集大成・・・さやかとまどかはますます魔法少女について悩んでしまう。

 

「全然わかんない。も~ほむらはまどかを狙い、ナイトメアはソウルジェムを狙い・・・さやかちゃんの頭はもうパンク寸前だ」

 

頭を使い過ぎたせいかバタッと机のクッションの上に倒れこむさやか。

まどかが起きなさいと体をゆする。

するとさやかはすぐに起きてまどかの体に抱きつき始める。

 

「心配してくれたのか~さすが私の嫁だ!」

「もうさやかちゃん。やめてよ」

 

イチャイチャしていると何かを思いついたようにマミが手を叩く。

 

「そうだ。しばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」

「ええっ!!!」

 

「魔女との戦いがどういうものかその目で確かめてみるといいわ」

 

マミが言うのはその上で危険をおかしてまでかなえてもいい願いがあるのかどうかをじっくり考えてみればいいというのだ。

 

「分かりました」

「まあ魔女はいつ現れるかわからないし、じっくりやっていきましょう」

 

気付くと窓の外はすっかり日が暮れてしまっていた。

今日はマミが夕飯を作ってくれることにした。

美味しい料理をごちそうしてもらい、お腹いっぱいの状態でマミの家を出た時のは6時30分を過ぎた。

 

「マミさんありがとうございました」

「とってもおいしかったすよ」

「どういたしまして。私はあなた達と同じ学校にいるからいつでも声かけてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「畜生!あの巴マミって女はただものじゃないわよ」

「ただより高いものはないって言いますよね」

「まさかミサトの氷が砕かれるとは思ってなかったの」

 

サトーココノカドーからでて見滝原市まで電車を使うはずの道を歩いている三人。

寝過ごしてしまったので仕方がないので歩いているのだ。

 

「瞬間移動使えばいいんじゃないの?」

「そのためには魔法少女姿に変身しなくてはならないんですよ」

「恥ずかしくてとてもできないの」

 

「ていうかまさか電車を三駅も飛ばすなんて」

「一生の不覚ですよね」

「仕方ないから道を覚えるついでに歩いているけれど迷ったの」

 

「あと少しだから頑張って」

「私はいいですけど」

「それにしても巴マミと暁美ほむらのソウルジェム。アレは結構いいの」

 

「でしょ?私も思ってたのよ。それに鹿目まどかと美樹さやかも魔法少女候補でしょ?」

「確かにあの二人をうまくキュゥべえが契約させて何も知らないうちにソウルジェムを奪えば」

「ナノたちの完全勝利が決定なの」

 

「でもおそらくもう話してるだろうね」

「はい。そう簡単にはいかないのが人生」

「まあ元気を出して頑張るの」

 

三人はソウルジェムの強奪を目標に歩き出した。

引っ越し先の家が見つかるまで当分はホテル暮らしを余儀なくされるのだが。

 

「ホテルとか出費がかさむね」

「まあナイトメアなんてそんなもんですよ。」

「頑張るの・・・ハァ・・」


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