魔法少女まどか☆マギカ ~ミサトとユウコはマドカの敵~ 作:Mr.モノクマ
9月23日 現在時刻:14時30分
巴マミが使い魔を一掃して安心したのもつかの間、まだこの異様な空間から抜け出せていない。
だが先ほどの一切いないので身の安全は100%確保できる。
とはいっても現実世界に戻ったわけではないので予断は許せなかった。
「あのマミさん?まだ私たち戻ったわけではないんですよね」
まどかが心配そうに変身姿のマミに尋ねる。
さやかも不安だがまどかのためと肩を抱いている。
「ええ。でも大丈夫わ、あたしが守ってあげる」
こんな状況下におかれた以上、二人はマミに絶大なる信頼を寄せるしかなかった。
彼女たちはまだ気づいていなかった。
真上からじっと見つめる三人の魔法少女の存在に。
「あれが巴マミか。ずいぶんとあれだよな」
「あれ?」
「あれといったらあれだろ」
ミサトは自分の胸をつかみ揉む。
「なるほど。そういう事ですか、でもあなたもかなり大きい方では・・・」
服の上からでもわかる巴マミに負けず劣らずの大きな胸。
スマートな体型のユウコと、スタイル抜群のミサト。
「まあ、それはどうでもいいんだけどな」
「彼女の実力。さすがと言いたいところですが、失礼極まりない発言には憤慨ですね」
「ユウコは何に怒ってるの?」
「魔法少女狩り・・・嘘もいい所ですよ」
「確かに、魔女を放出してるなんて適当な発言もいい所よね」
「そう。我らの名前はナイトメア」
「その恐ろしさ、思い知らせてやる」
「やるの!この町でうまくいけば、ついになのたちの目的は達成するの」
ユウコは真下にいる自分たちの存在に気付いていないまどかたちを指をさす。
「言われなくても了解よ」
「でもまずはお手並み拝見!」
ミサトが手の平をかざすと巨大な氷が一瞬で出来上がりマミに向けて放り投げる。
「マミさん、上を見て!」
さやかがいち早く氷が落ちてくるのを察したのでマミが二人を抱えてとっさに避ける。
ガラスの破片のように氷のかけらが空間一面に広がる。
「なんなのこれは!」
マミが言うと、破片が宙に舞う中に三人の自分と同じような恰好の姿の人がいた。
ミサト「何だかんだと聞かれたら」
ユウコ「答えてあげるが世の情けです」
ミサト「魔女の破壊を防ぐため」
ユウコ「世界の秩序を守るため」
ミサト「愛と真実の正義を貫く」
ユウコ「クールでシリアスな魔法少女」
ミサト「ミサト!」
ユウコ「ユウコ!」
ミサト「銀河を駆けるナイトメアの二人には」
ユウコ「ブラックホール絶望の未来が待っています」
キューピー「そうなの!」
名乗りを上げたナイトメアと名乗る三人にマミは驚きの表情で立っていた。
「ナイトメアって・・・なんだよ!?」
さやかが急に現れた訳の分からない三人に突っかかる。
睨み合っているさやかの肩をどけてマミがナイトメアの前に出る。
「そこの小さいウサギみたいなのはもしかして、魔女じゃないの?」
マミが言っているのはミサトとユウコの間に羽ばたいている黒い羽をもったウサギだった。
「ナノはウサギじゃないの」
「だれもそんなこと言ってないでしょ」
飛んでいるうえに言葉を話すことができることにまどかの目が丸くなる。
「ご名答。こいつの名前はキューピー」
「お前の言うとおり、なのは列記とした魔女なの」
魔女と聞くとマミはさっきのマスケット銃を出してキューピーに狙いを定める。
「なっ、なにするの」
急に銃を向けられたのかさすがのキューピーも慌てる。
「あなた達もどきなさい。聞いたでしょ、そいつは魔女なのよ」
「ええ。わかってるわ」
「でもここでキューピを殺させはしませんよ」
ユウコがキューピを持ち上げて肩の上に乗せる。
その間は翼をたたんでチョコンと普通のウサギのように座っていた。
「こいつはあたしたちの・・・う~ん、いわば仲間みたいなものね」
「そういうことナイトメアとして、キューピーは家族同等のものです」
「家族?仲間?でもこいつは」
マミの様子が慌てたその瞬間、右腕に氷の槍がかすった。
「マミさ~~~~~ん!!!!!」
さやかが叫ぶが奇跡的にかすっただけだったので血が数滴垂れ堕ちただけだった。
「おい!なにすんだ」
さやかは駆け寄って三人に非難の言葉を浴びせる。
「大丈夫よ。気にしないで」
「でも・・・」
先手を打たれたのが悔しいのか、顔が多少ひきつっている。
こいつらもおそらく自分と同じ魔法少女だろう。だがかなり危険な人物だ。
恐らく今、氷の槍を作り出したのはあの黒髪ロングヘアーの女だ。
一瞬で粉々に砕け散ってしまっているが威力はかなり高いものと見た。
「分かったでしょ。私たちの実力」
「痛い目にあいたくなければ、我々の言う事を聞くことですね」
ココは彼女たちの言う事をおとなしく聞くか、でもまともな要求をするはずがない。
理不尽極まりないことを言ってくるだろう。
しかしここでまどかやさやかに危害を加えさせるわけにもいかない。
「何かしら?あなたたちの言う事って」
「簡単なことだ。巴マミ、あなたのソウルジェムを私達に渡してくれるか?」
「なんですって!?」
驚いた。
自分の想像とははるかに違うこの要求。
てっきりグリーフシードだと思ったのだが、まったく理解ができない。
「理解ができないのは分かるわ」
「でもおとなしく渡してくれれば何もしませんわ・・・何も・・・」
不敵な微笑みを浮かべるユウコにまどかは一種の恐怖心を覚える。
この茶髪でセミロングの彼女はいったいどんなことをしてくるのだろうか?
「はやく渡せばいいの。ナノの言う事は聞いた方が身のためなの」
「なんであんたは偉そうなのよ!」
「いいじゃないの。一発目はなめられないようにする、コレ基本なの」
「魔女のくせに世間の目気にしてんじゃないよ」
「なにを~。こいつらに朝のファミレスのことを話してもいいの?」
「こ、こいつ、私を脅迫するつもりか」
敵が目の前で幼稚な喧嘩を始めてしまミサトとキューピ。
まどかは心の中でかわいいと思ってしまう。
「はいはい、言い争いはしないでください。で、どうするんですか?」
見てみるとマミの周りには先ほどと同じ大量のマスケット銃があった。
二人に気をとられてまったく気付かなかったのだ。
「あなたたちの要求なんか飲むわけないわ」
「なにっ?こうなったら・・・って、アレ?」
ミサトが攻撃の構えをとるがもう目線のすぐ先に大量の銃口がありいつ命中してもおかしくない状況だった。
「これってやばいの?」
ユウコに合図を送ると静かにうなずいた。
「あまり無駄な魔力は使いたくないんだけど」
余裕の笑みを浮かべるマミ。
ちょっとの油断で形勢逆転されてしまった。
「ユウコ!ちょっと何とかしてよ」
「いいえ。今日のところは諦めましょう」
「えっ?どうして」
目を向けた先には暁美ほむらがたっていた。
上から下を見下ろしながらじっとナイトメアの三人を見つめている。
「彼女・・・何かを知っています」
「知っている?何を」
「今日はいったん引き揚げましょう。私たちの目的と存在だけでも伝えられましたし」
ユウコはパチッと指を鳴らす。
すると、たちまち炎があたりを包み込む。
「なんだこれ、火事?」
さやかとまどかが驚いて恐怖にうずくまっていると炎の見えない部分から声が聞こえる。
「またすぐに、会うことになるでしょう」
「さらばなの」
そう言い残すと三人は消えていった。
そしてあたりはついに普段と変わらない世界へと元に戻る。
あの炎も消えている。
「やっと戻った」
瓦礫の上に立ってじっとまどかを見つめるほむら。
「魔女とあのナイトメアという魔法少女は去ったわ。仕留めたいならすぐに追いかけなさい」
確かに今すぐに追いかければナイトメアの三人はともかくとしても魔女には会える。
「ほむらちゃん。なんで」
「転校生!あんたまさか」
ほむらはなにか思いつめると振り返りその場を後にした。
この緊張感にさやかは一息つく。
「転校生の奴、やっぱり」
場所を移して改装フロアの出口前。
今度は迷わずにたどり着けたようであった。
マミの手からでる光にキュゥべえが包まれるとハッと目を覚ました。
「ありがとうマミ」
「お礼はこの子たちに。私は通りかかっただけだから」
「どうもありがとう。僕の名前はキュゥべえ」
自己紹介をするとキュゥべえはペコリと頭をさげる。
「あなたが私を呼んだの?」
「そうだよ。鹿目まどか、それに美樹さやか」
キュゥべえはこの二人の名前をすでに知っていたようだ。
「どうして私の名前を」
「僕、君たちにお願いがあってきたんだ」
「お願い?」
「ぼくと契約して魔法少女になってほしいんだ!」
ニコッと笑うキュゥべえ。