Rebellion Fight of traitors 作:A.K
イベントなどで投稿が遅れて申し訳ありません。ですがやれる限り早く投稿しますのでこれからもよろしくお願いします。
IS学園は地獄と化した。アリーナからは巨大な鯨のバケモノが鋼鉄の咆哮をあげ爆炎と共に飛び出した。
同時期、他のエリアでは無人ISゴーレムIII改が数万単位で空間を埋め尽くし海は今のIS学園は不要と考えた女性至上主義国家群……通称IF反統合同盟軍が様々な軍備を整えて攻撃を開始している。
被害は周辺の街にも広がりつつあった……。
周辺地域でも反統合同盟軍による攻撃の手が伸びている中に、何体かの抵抗者の姿が見られていた
「気づいたかウィンディー?奴ら無差別攻撃しか頭にないぜ……しかも安全なところにいるのが女……危険な所にいるのが男って構図だぜ?奴さんたちは高みの見物らしい」
「何処までも見果てた下衆だ……!避難民はどうだ?」
「無事本社まで続く避難ゲートに転送出来たそうだ……だけどこの街は……!」
地域の避難シェルター付近で攻撃する2体のIFACの姿があった。一体はリンクスのロイ・ザーランドのマイブリス。もう一体は同じくリンクスのウィン・D・ファンションのレイテルパラッシュだ。
2人も本社から派遣された支援隊員である。だが来た早々に民間人まで攻撃する統合軍に激怒したウィンディーと共に見てられなくなったロイも民間人を守る為にほか数名のメンバーと共に囮になった。
最近開発されたISの技術を取り入れて作られた新型の艦船や戦闘機や無人人形兵器などで構成された戦力は、数や性能バランスに優れているのか長期戦となっていた。
結果的にIS学園付近の街並みは軒並み潰滅した。この街に生まれた者達の全てが奪われたのだ……リンクスとなっても人としての感性を忘れなかった2人は憤慨していた。
「分かっている……だから繰り返さないためにも戦う必要があるのだろう?」
頭上から接近する爆撃機や戦闘機を視認すると同時に2人はその場を離脱する。パルスキャノンで主翼を砲撃し、コックピットは近づき手刀で剥がして脱出装置を強制起動させ無力化。無人機はデュアルハイレーザーライフルでメイン回路を消し飛ばし爆散させた。
「分かってるさ……お前にもこれ以上そんな顔はさせたくないからな」
戦闘機の群れをロイが抑えている間にウィンディーは部隊の中核である爆撃機を狩りに行った。この爆撃機はISの量子空間機能を搭載して迎撃用のミサイルや爆撃用の投下弾を大量に内蔵したものだ。更に機銃は発達してきたレーザー技術を使ったパルス機銃へと変えていた。
だがネクストACでもあるレイテルパラッシュからは小型化したアームズフォートにしか見えてない……凄まじい破壊力を持とうが攻略法はあるとリンクス達は考えるのだ。全身に設置された武装はほぼ全方位を攻撃範囲に捉えているが後方の丁度正面だけは攻撃できない設計であることに気づき即座に動き出した。
ミサイルが来たがクイックブーストで回避しつつレールガンでまとめて消し飛ばし迎撃、パルスキャノンで機銃を爆砕しそのまま爆撃機の背後を取った瞬間にデュアルハイレーザーキャノンを構えた。
『まっ、待って!降参よ!』
「……前にもあったなこんな事」
構えた途端に降参の通信……前世の不明ネクスト+ノーカウント撃破の依頼での目標の1人パッチ・ザ・グッドラックも同じようなタイミングで降参したのを思い出す。
「だが死ね」
前世では降参したので見逃したが、今は許さん。キャノンとレールガンとパルスキャノンを斉射、空いた穴から内部を無理やりぶち破り一番前のパイロット室に突撃しすぐ様レーザーブレードでパイロットの女ごとコックピットに居合切りをした。
安全な場所にひきこもり無力な民間人まで攻撃する外道にはまだ甘いが……まあ。
「こんな奴を殺した所で……彼等への慰めにもならんか」
爆散する爆撃機から飛び出したウィンディーは地上に降り立ち周辺にある生体反応がないか探していた。かすかな反応と共に接近しているものが見えたので確認をすると自分達の先代にあたる伝説のネクストの姿が子供の姿と共にあった。
「貴方は……お久しぶりですジョシュア・オブライエン」
「貴女はウィン・D・ファンションか、このエリアは全滅したのか……?」
ジョシュア・オブライエン……嘗て世界を破滅に導いた災厄のリンクス戦争を終焉に導き、大量虐殺自走コジマ砲ソルディオスによる大虐殺を止めるために立ち上がった伝説のリンクスの1人だ。今では幻想郷で隠遁生活を送っていたが織斑一夏の師となり戦いの基本を叩き込んだ男だ。乗機であるホワイト・グリントは軽量級でありながら本人の力もあり桁外れのスペックを誇る。
「そうだ。だがその子供は……」
「今は待機形態だが持っていたのはIS……機体データの名前は黒鍵で”例の子”と言えばわかるな?」
「まさか……この子が!?「この子を……クロエ・クロニクルを頼む」ッ了解……ご武運を」
ジョシュアは子供を預けた瞬間にオーバードブースターを起動させIS学園へと飛んでいった。
────────IS学園アリーナ跡地────────
「ガハッ……!」
G.T……グレートシングの攻撃の瞬間、咄嗟に咲夜を庇ったベジータはゼフィランスが解除され完全に破壊されたが何とか生きていた。とっさに機体後方にゼフィランスから放出したエネルギーにより、ベジータはダメージは免れないものの腕の中の咲夜だけは何とか無事だった。
「これがシーマの中枢戦闘艦の力か……!体へのダメージが大きすぎるが何とか動ける……。そういえば学園は!?学園はどうなった!?」
ベジータが周りを見渡すと同じく立ち上がってきたブロリーやフランたちの姿も見えていた。だがアリーナは完全に崩壊し学園も大規模なダメージによって崩壊している部分も多かった。
「お前ら……なんとか生きてたか!」
「ベジータか、しかし見事に破壊されたが…まだいけるな?」
「無論だ、IFが無くとも俺たちは戦える。咲夜……いけるか?」
「勿論、問題なくいけます。妹様もよろしいですか?」
「いいよ!私もやられっ放しというのも我慢出来ないから!」
それを認識した瞬間、ベジータは懐に隠していた一枚の紙を取り出し破り捨てた。
誓約の紙……非常事態があった場合に普段から抑えていた力を解除するという呪印を刻んだ物であり、コウマがこの世界に来る際に誓約した物だ。何故なら自分たちの力は抑えても危険なものであるには変わりないから、いざという時まで貯めておこうという訳である。ベジータが持っていたのはベジータ、咲夜、フラン、ブロリーの4人の制限を解除するものである……封印していた能力もこれで使用が可能となった。
「ここからは命を懸けた戦争だ。見せてやろう……この世界が捨てた覚悟ってヤツをな!」
誓約を破棄したことにより、ベジータの気が本来あるべきものへと戻っていく……この世界で生きる為に貯蔵していたエネルギーを解放しているのだ。これにより常にスーパーサイヤ人の状態へと変化できる。
空を見ればガイガーと破黒がグレートシングを抑えてこんでいる。主砲からはなたれるエネルギーをジェネシッククローで消し去り、破黒が何処からか持ち出したクアッドファランクスの砲身を纏めた物を両手に装備して反撃を行っている。
「凱、お前達はラウラの元へいけ!今一番危ないのはアイツだ!」
腕に取り付けて微かに残っていた学園通信ファイルデータを確認した中には”ラウラが誘拐された”の文字が残っていた。これを見た瞬間、どことも無く警告が頭蓋の奥から響いた。理由はわからないが何かがやばいと。
それ故に叫んだ。そんなベジータの叫びを聞いてガイガーが移動していく。それを逃がさないと言わんばかりに進路を変えたグレートシングに向けてベジータはギャリック砲を放つ。
続けて咲夜がナイフ型ビット『バグ』を数機展開しながら炸裂性火薬を内蔵したナイフを高速で投げ込み、ブロリーがビームライフルで攻撃を仕掛け砲台を狙う傍ら、フランは『破壊を操る程度の能力』で大型ミサイルを破壊しながら専用ビームソード『レーヴァテイン』を振るい張られる弾幕を消しながら本体に傷を与えていく。
「フラン、本体は能力で破壊できないか!?」
「駄目、破壊できる証が掠れて見えなくなってる!それにできても凄い力を持ってるから無理に破壊すると、学園そのものが消し飛んじゃうよ!」
ブロリーからの問いにフランが答える。フランの能力は物体に存在する『破壊の目』を握り潰す事で対象を破壊するが、グレートシング等の規格外には効かないようであり更に出来て破壊したとしても包容するエネルギーが桁違いに多いために自分たちも含めて学園そのものが完全消滅する恐れがあったのだ。
そんな時に轟音を響かせながら黒い流星が塊となって落ちてきた。
「潰れて失せろぉぉおおおおお!!!」
上空から複数の無人機を巻き込みながら両腕を構えて落ちて来る一夏がグレートシングの頭部頭脳パーツを装甲ごと凹ませながら太平洋側に弾き飛ばした。
「凱、此処は俺たちが抑える。お前はラウラの元へ急ぐんだ!」
「みんな……済まない!」
ガイガーが流星の如く空を駆けていく。無人機の両手から放たれるビームも避けつつ、ジェネシッククローで無人機の胴体を切り裂き爆炎を空に浮かべながら学園内部へと突入していく。
それを見届け、既に限界に達していたISと共通の非固定ユニットを格納して一夏は水中へと潜った。
呼吸機能停止、心臓機関を超螺旋機関へと変更……AMS接続クリア……各行程クリア。
「……さて始めての鯨狩りだ。あの糞野郎に呼び出されたなら尚更生きて返さねぇ……!」
この織斑一夏は呼吸は必要ではない。更にサイボーグ化による恩恵を得られているために生身の肉体の限界はない。故に加減をする必要がなくなったのだ。
だが……それ故に背後から突っ込んでくる巨大な『戦闘機』に気づくことが出来なかった。
紅白カラーの地球圏外の文明であることは間違いない。三つの翼を持ったその機体はビームやミサイル等の他に垂直翼から斬撃の様なものを飛ばしながら、その猛禽類の様な機首を破黒にぶつけ海中で跳ね飛ばして行った。
「マザーホーク!?」
マザーホーク……それは並列世界の一つに存在する惑星ダライアスの伝説の戦闘機シルバーホークをモデルにしたものである巨大兵器。高性能化の為にあらゆるスペックを強化されたが巨大化してしまったが通常の戦艦を遥かに超える力を手にした。そんな見た目は戦闘機の戦艦の怪物の体当たりを食らったとなればISより高度な技術で防御するIFでも危険であるのには変わりはない。
回転する視界の中、マザーホークのコックピットの中に映る人物に一夏は目に恐怖を浮かべ体が強ばった。
「箒……!」
篠ノ之箒───主をミケーネから織斑秋人へと変えた機械寄生生命体ケドラ───が明らかな殺意を込めてこちらを睨んでいた。
数分後……グレートシングとマザーホークは海中から飛び立って行ったが、海中には地上に手を伸ばしながら半壊した機体が静かに沈んでいった。
静かになった海は少しだけ赤く染まった。
グレートシングが強襲し地下へと避難が開始され避難民を安全な場所へと転送していたが、遂に統合軍が地下へと侵入した。そんな中行方不明となったメンバーの捜索の為に凱も行動するが……その果てに意識を無くした一夏によって無限の巨神が目覚める事により事態は加速する
次回「巨神再誕」
この世界に続く価値はあるのだろうか?