Rebellion Fight of traitors   作:A.K

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ジャンヌ「今回は前編なので短いですが、これからも当作品をよろしくお願いします!」

ジャック・O「それでは始まるぞ」


勇者王転生!!
chapter13「その名はシャルロット」前編


 ふと夢の中で思い出す。それは数年前極東支部に来る前にいた世界の記憶だ。

 

 ああ、懐かしい……アカメ、タツミ、エスデス、アイツらはどうなったんだ?・・・あ、そうか……アカメとナジェンダ以外は死んじまったか。

 

 アカメは1人になったのか、さて……俺が死ぬまであと3年以内だったが、やっと『 結果』が見えた。

 

 

 俺が死ぬまであと……3年。それまでに……『貴女』を絶対に連れ戻します……『ラケル先生』。

 

 

 やはりブラッドには貴女がいないとダメですよ……って、そういえばそろそろ授業か起きよっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「兄さん、寝てるの?もう授業始まるわよ?」

 

「すまん、つい寝ちまった」

 

「珍しいな、お前が居眠りするなんてな」

 

 

 ターレスが珍しいものを見るように言う。

 

 実際コウマが居眠りをするのはあまり見ない光景なのは極東支部での語種だ。

 

 

「俺だって偶には居眠りするさ」

 

「そうか、無理はするなよ?「席についてくださーい!」先生が来たな」

 

 

 席についているのを確認しながら山田先生、リーロン、ブロリーに襲われてボロ雑巾になった悟空が入ってきた。因みにブロリーに襲われたのは他に、ベジータ、咲夜、一夏、勇儀、お空、お燐、シモン、カミナだった。

 

 

「ブロリーくんとフランさんに早苗さんは今日は本社の方で機体テスト調整の完了証を届けるので遅刻ですね?本日は転校生が来ます!」

 

「「失礼します!(するぜ!)」」

 

 その一言で扉が開き、一人の少女と赤いロボット……ナインボールとは違うロボットが入ってきてちょうど起きた一夏と凱がそろって声を上げた。

 

 

「「シャル!?炎竜!?なんでここに!?」」

 

「えへへ!初めまして獅子王凱さん、そして久しぶり一夏!あ、ボクはシャルロット・デュノア。ご存知フランスのデュノア社次期社長ですが一生徒としてよろしくお願いします!」

 

「久しぶりだなみんな!それに、隊長も元気そうだな!おっと、ボクの名前は炎竜。ロボットだけどよろしく!」

 

 現れたのはデュノア社次期社長として名を馳せたシャルロット・デュノアと、最強勇者ロボ軍団の一員である竜シリーズの次男の炎竜である。

 

「デュノア、例のものは?」

 

「はい、このメモ帳です」

 

 

 シャルロットが渡したのはメモ帳一つである。この中にはIFの新型機と新型パイロットスーツの設計図が納められていたのだ。データではハッキングの恐れもある、故に本当に重要な物はローテクでやりくりするのが一番なのだ。

 

 

「よし、これでデュノアは安泰だな。家族仲もしっかりしてるし、職場環境も整ってるのも良いな」

 

「またまた、そんなこと言わないでください。貴社の職場の方が優れているとお聞きしますよ?あと、ロボットと人間の結婚はどうしたら出来ます?」

 

「……人間の体を手に入れたら出来るだろ。若しくはロボットに生殖機能を持たせるか、法律を作るかだな」

 

「「ハハハッ!!」」

「久しぶりに見たなこの会話……」

 

「えぇっと一夏、この会話って?」

 

「ああ、霊夢は会うのは初めてだなこれ。シャルロットの社長としての素質を育てる為の作法みたいなもんだ」

 

 

 コウマの癖みたいなもんだと一夏の呟きに霊夢や空気になっていた幽香も苦笑した。

 

 

 

「なる程ね、コウマならやりそうだわ。所で……炎竜はなんでここに?」

 

「ああ、それなんだけど……って来たな」

 

 

 ドアが再び開いて入ってきたのは、小柄な少女 ───せいぜい中学生より小さく、腰まで届くほどの長い白髪を垂らしその左目の眼帯がある方を除く右目にはひどいクマができている───だった。

 

 

「ら、らう……ラウラ……ボーデヴィッヒです……う、生まれてきて……ご、ごめんなさい……!」

 

「ラウラ、此処にはお前をいじめるようなやつはいないからね?大丈夫だからね?」

 

 

 ぐずりだしたラウラを励ましているが炎竜の表情は暗く、首に注射型睡眠剤を投与して眠らせた。

 

 

「ごめん、ラウラ……!」

 

「その子、もしかしてPTSD?」

 

 PTSD……心理的外傷の事であり、過去に悲惨な事件などに巻き込まれ発症してしまうケースも多い。リーロンの指摘を受けて炎竜は顔に影を落としながらも頷いた。

 

 

「この子……ラウラは過去にとても酷い目に遭わされ、最早人の存在にすら怯えてしまっている。だけどラウラは幸せになって欲しい、一人の女の子として……だから彼女のことを受け入れてくれないか……お願いだ!あと、隊長……ラウラを救って上げてください……!彼女と同じ『進化した存在』として……!」

 

「わかった……ラウラは任せてくれ!他のみんなも頼む!」

 

「当たり前だろ?急なことは昔から慣れっこだ!」

 

「それがグレン団だからな……!」

 

「私たちも出来ることがあるなら、協力するよ!」

 

 

 クラスの空気が完全に一つになっていた……とある人間はこれを望んでいたのだろう。

 

 

「なあ、勇儀さん……イオリア博士もこういうのを望んでいたのかな?」

 

「はっ、さぁね、だけどどこかでそう望んでいたのは確かだけどね」

 

 

 一夏と勇儀は冥界で出会った天才科学者のことを思い出していた。

 

 

「さあさあ、みんなー!今からISとIFの実技練習をやるからみんな着替えてくれー!あ、オラたちは着替え室でな?」

 

「私も機材の準備してくるから山田先生はみんなが着替えたのを確認してからアリーナに行ってね?あと3分ぐらいでアドヴェントが来るから」

 

 

 悟空を皮切りに山田先生への指示を伝えたリーロンの言葉が終わると同時に、一夏とコウマを残した男性陣は一人残らず消えていた。仕方ないので早歩きで移動を開始した。

 

 

「はぁ……絶対に誰か転びましたね。まあカミナさんですねこのゲタの跡」

 

「そう言うな一夏。これも青春というものだろ?」

 

「まあ血と泥と硝煙に塗れた青春ですがね……」

 

 

 まあ普通に考えれば殺戮を行うわけでもないし、人類の天敵を狩りまくるわけでも無いし、だけどそんな体験をしても、こうして異性だらけの学園にいるのも悪くは無いと思う。

 

 

こいつ(制服)の肩は赤く塗らねぇのかい?」

 

「貴様塗りたいのか!」

 

「へっ、冗談だよって……なんでむせる事になるんですか?」

 

「硝煙と舞い上がる埃だけに」

 

「なるほど。そんな事を話しているうちに囲まれましたね」

 

 

 気が付けば他学年の生徒達に囲まれていた……何処からか法螺貝の音までする。

 

 

「へへへ、恐いかクソッタレ……!」

 

「全力でprprしましょう…うひ」

 

「フィーヒヒヒ!!!」

 

 

 明らかにネタに走ろうとする生徒までもがいる……コウマは無意識に背筋が凍る感覚を覚えた。

 

 

「さて、一夏に問題だ……アンモニアに特殊なことをすると手に入る物質は?」

 

「高濃度水素だろ?それがどうしたんです?」

 

「いやなに、聞いただけさ……しかし怪我をさせるわけにもいかんし、どう突破するかなぁ?あと蚊柱みたいな発言をしたの誰だろ?」

 

 

 もう見た所、自ら亀甲縛りする奴、なにやら変な機械を持つ生徒やらもはや変態しかいないのは気のせいでありたいな……と一夏は考えた。

 

 

「コウマさん……俺にいい考えがあるんですがねぇ?」

 

「その発言で嫌な予感しかしないな……」

 

 

 超ロボット生命体の司令官を真似た発言を聞いて嫌な予感を感じるも一つの考えを切り出した。

 

 

「一夏よ、それって……青い扉『コウマを群れの中に放り込んでその好きに突破する』、赤い扉『IFスーツで脱出する』のどちらかだな?だとするならば、折角だから俺は赤の扉を選ぶぜ……!」

 

「なら……赤の扉を開けましょうか!」

 

 

 その瞬間二人の姿は粒子と共に消え、再び姿を現した時には窓の外から落下していた。

 

 その姿は、人を模していた……より精密に、より激しく、より躍動感を感じさせ、よりパイロットの安全と運動性を求めた完成系の一つだった。

 

 これこそIFシリーズのパイロットスーツ……《 素体》である。ISパイロットスーツの問題点を解決するためにパワードスーツ型に改めて、量子化技術で展開する為に持ち運びも簡単なのに、お値段19800円と少しお金を貯めれば買えるリーズナブルさも得られた。

 

 

「ISにも使える《 素体》はざっと19800円となっておりますので、お申し込みは織斑一夏までにご連絡下さい!」

 

「え?コレってISにも使えたのかよ!?それよりなんで連絡先が俺なんだよ!?」

 

「なんとなく」

 

「ザッケンナゴラーッ!!」

 

 

 数分後……

 

 

「で、あの二人は鬼ごっこをしてるんだ……アリーナが穴だらけじゃないかリーロン」

 

 

 最初は2人だけだったのだが次第にナインボールやら他の生徒までも参加し始めてすっかり超次元鬼ごっこに早変わりし、アリーナの地面は衝撃波等によって穴だらけになるわ地面が裂けているなどもはや収集不可能になった。

 

 終いにはIFやISまで持ち出されて教師3人とバナージの4人はアリーナの隅で小さく座り込んでいた。

 

 

「やれやれね……アドヴェントも参加してきたら?クラスメイトの殆どが参加してるし……あ、チッピーが跳ねられた」

 

 

なんで艦娘や平行世界の同一人物まで乱入するのかはこの際気にしないほうがいい。

 

 

「なんで普通の生徒まであんなに頑丈になったのかな?」

「慣れって怖いですねー」

 

 

 すっかりその目からハイライトが消えた山田先生の隣には同じくハイライトが消えたバナージの姿があった。

 

 

「山田先生……ハンカチどうぞ」

 

「うぅ……バナージ君が私の癒しですよぉ!」

 

 

 一番自重するバナージの存在に改めて3人は常識人のありがたみを思い知った。




 次回予告

 アリーナを元に戻してから授業が始まった。

 実技訓練として模擬戦闘をすることになったメンバーは、完成したばかりの機体をついに起動させる!

次回「その名はシャルロット」後編

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