Rebellion Fight of traitors 作:A.K
メンバー一同「え?」
その代わりアイツが主役です。
???「わたしです!」
凱「おまえか!それより駆け抜けるってタイトルで書いてるけどあんまり駆け抜けてないけどいいのか?」
まあタイトル通りにならないのはよくあるだろ?
凱「それは言われると厳しいな……まあ始まるぞ!」
フランスデュノア社本社ビル……その最上階では4人の人物と3体の紫と黒と白の三色カラーのロボットが会話をしていた。
「ボルフォッグ……もう行くのかい?我が社がIFとIS関連企業として存続できたのは君のおかげだよ……寂しくなるな」
「はい、そろそろ私も動く時が来ました。ナインボールが中国に革命を引き起こした時に感じたのです」
会話をしていたのはデュノア社社長であるアルベール・デュノアと
アルベールの持つ新聞には『IS学園のロボット教師ナインボール中国解体!巨大腐敗政治国家解体へブチ切れ革命を起こす!』と書かれ、TVでも不当な侵略を受けたチベット等が独立を宣言するなどで今も話題になっている。
ここにいる3体は人間サイズの大きさになっている。勇者ロボ軍団専用の携帯マイクローン装置によって大きさを変えているのだ。
「貴方には世話になったわね」
「貴方がいなかったら私たちは取り返しのつかないことになってたわ、本当にありがとう……!」
「礼には及びません。自分の信じる人々のために戦う……それが私たち《GGG》の理念なのですから」
ボルフォッグに頭を下げたのは社長夫人と嘗ての夫婦の縺れで愛人となった女性だ。名前はまだ伏せておく。
「ガングルー、ガンドーベルも警備員として今日までありがとう」
「何時でも来ていいからね?」
「「・・・」」
無言で握手を互いに交わしたのはボルフォッグと同じ諜報部隊のガングルーとガンドーベルだ。ガンマシンとも呼ばれる2人は普段はバイクであったりヘリであったりするが人質として狙われやすい夫人と愛人とその娘をボルフォッグと共に守ってきたのだ。
「ボルフォッグ、ガングルー、ガンドーベル、本当に行っちゃうの……?」
「シャル、貴女に危機が迫った時私達は駆けつけます」
最後に話したのは、デュノア社次期社長シャルロット・デュノア……現社長の娘だ。カンパニーが本格的に動き出す数年前から外世界活動組として出てその時からの仲である。彼女が小学生の頃から拉致られないように姿を消して警備したり、一緒に出掛けたりもした……事件に巻き込まれてその度に助けに行ったりもした。気づけば天海護と同じ位に親しい関係になっていた。
その為か大切な友達……もはや大切な家族としても見られていたので、ボルフォッグたちも分かれるのは辛かった。ぐずり出すシャルロットの頭を撫でながらボルフォッグはここでできる最後のハグをする。
「絶対だよ……信じてるからね……!」
「勇気を信じて……再開を誓いましょう。さようなら私の大切な義妹」
「さようなら……私の大切な義兄さん……私の大切な親友」
社長室の窓が開きそこから飛び出したボルフォッグ、ガングルー、ガンドーベルの姿は歪んだと思った次には消えていた。ミラーコーティングだ。このデュノア社を守ってきた彼らの技術の一つである。
見えなくなったのを確認してから、アルベールは気持ちを振り切りシャルロットに一枚の紙を渡した。
「シャルロット、お前にはこれからIS学園に行ってもらいたいんだ」
「IS学園に?」
返事と共に窓を閉めて外からの視線を通さないようにして、盗聴器の類がないか確認し、盗撮カメラが無いか確認してから会話を進めた。
「最近、女権団がIFを追放しようと躍起になっているのは知っているな?だから社長にIFの新型機量産機の設計図を送り届けてくれ。此処では奪われかねん。我が社は明日、ラファールの後継機である凡庸型第三世代機を発表する……その間にフランスを脱出して学園に入学するんだ」
「急で無茶なことだけど……私たちは大丈夫だから安心して」
「シャルロット、貴女は強い子よ……くじけそうになっても前を向くのよ」
「うん、わかったよ父さん、叔母さん、母さん……ぼく頑張るよ!」
フランスはIS派とIF派の真っ二つに割れている。その中でフランスの代表的企業のデュノアは、第二世代機《 ラファール・リヴァイヴ》の開発元として有名であったが今年に入りIFのパイロットスーツの一つである『素体』の開発元としてカンパニーの傘下企業に加わり、IS派から狙われているのだ。
そしてシャルロットはカンパニーの依頼で設計をしていた新型機の設計図を社長であるコウマの元に届けるために大役を請け負ったのだ。
同時刻スペインのとある海岸、とあるフェラーリを参考にした変わったパトカーが『海の上で』2機のラファール・リヴァイヴに追われていた。パトカーは素早い動きで攻撃を避けては加速するので徐々に距離を離して行った。
このパトカーが『何故か』特殊な処理をしていたIS運用基地を発見したので、近づいたのも追われる理由であった。
「くそ、あのパトカーなんで海の上を走るのよ!?」
「ねえ、もう辞めようよ……もうSEが尽きるよ?」
「命令に従って捕獲するしかないじゃない、皆がまたあの女に酷い目にあうのよ!?」
「(困りましたね……通信を傍受しましたがこの声は数年前に誘拐され行方不明になった民間人の姉妹。そのバックにいる組織を叩かない限りまた誰かが誘拐されてしまう!)仕方ありませんね……ガングルー!ガンドーベル!」
ミラーコーティングで姿を消していた戦闘ヘリ形態のガングルーと、ホバークラフト形態のガンドーベルを呼び出し、機関銃による牽制を行わせるとパトカーは空中に飛び上がり姿を崩した。
「システム・チェーンジ!ボルフォッグ!」
そう、このパトカーこそボルフォッグのもう一つの姿であり、人型に戻ったその10m級の巨体こそボルフォッグの本来の大きさだ。現在はガンメンの技術が使われ空中戦闘も可能となっている。
「貴女たちの後ろにいる組織を潰させてもらいます!」
「きょ、巨大ロボット!?」
「ふざけんじゃないわよ!」
パイロットの1人がシールドをパージ、バンカーを展開し殴りつけ当てたと確信したがその姿が揺らぎ騙されたと確信したのは衝撃と共に捕獲されるまでにはっきりした。
「う、動けない……!」
「慢心はいけません、それに私は貴女たちを傷つけたくないのです!」
ボルフォッグがその両手に握る手錠型の装備ジェットワイパーを使用して無力化したのだ。
ISのハイパーセンサーすら欺くフォッグガスに擬似的な投影映像を映すプロジェクションビームの2つを的確に使いこなすことによって欺いたのだ。ワザマエ!
「さて、貴女たちの上司とお話させてもらいましょう……数年前の貴女がたを含む誘拐事件に対しての容疑も出ましたので」
「なんで、私たちを倒さないのよ……それに誘拐事件って、私たちは売られたんじゃ……」
ラファールのデータバンクに一つのデータを送信した。それはとある事件についてのことであった。
「それは違います、IS推進派が有力なパイロットを手に入れるために適合ランクが高い子供をスペイン政府軍を使って誘拐させたのです」
「じゃ、じゃあ……売られたのは嘘だったの……?」
「貴方の両親に約束したのです……貴女たち姉妹を絶対に助け出すと」
会話をしながらもその進路はIS基地に向けられている。既にガンマシンが既に強襲を仕掛けてあちこちから火の手が上がっている。
「・・・さっき、変形した時にボルフォッグって言ってたよね?」
「確かに私の名前はボルフォッグです」
「お願い……あの基地を潰して!私たちの他に話があってるなら誘拐された子供が……人体実験されちゃう!」
ちょうどその時ガンドーベルからプリントデータで送られた写真で、実験されかけた子供たちを救助したことを。ガングルーが警備システムを制圧し他の数年前から誘拐されISパイロットされた少女たちを基地から脱出させ近くのカンパニー支社に連絡をした事を報告された。
基地周辺に隠されていた大型対空砲を、ジェットワイパーをぶつけて中の弾薬に衝撃を与えて次々と誘爆させ破壊していった。
「安心してください……すで仲間が突入し子供たちは確保されました!それに主犯格が基地司令のようですから、このまま国際IS委員会に突き出します」
対空砲の残骸を超えると基地のとある1点に近くの支社と地元警察が建てたテントがあったので、そこに抱えていた姉妹を下ろした。
「ボルフォッグ、またお前が巻き込まれたのかよ……これで31回目だぞ?」
テントの中から現れたのは参謀長としてGGGの隊員として活躍していた火麻激だった。
「参謀長、数年前の連続誘拐事件の犯人はこの基地の司令です……さらに複数の暴行行為も彼女達から証言を得ています」
「わかった、ガングルーとガンドーベルは基地周辺で基地司令関係者が逃げないよう警備をするように指示を出してあるから、ポイントD-48の基地司令室であるあの管制塔を制圧してくれ。シルバームーンは持ってるな?」
「用意してあります、では作戦を開始します」
基地内部中心に入ってわかったのだが、最後の防衛システムである司令室の扉は強固なシェルターになっており、更に中から侵入者迎撃システムのレーザー包囲網を展開しているためなかなか取り押さえられなかったようだ。
「ならば、シルバームーン!」
何処からいつも取り出してるのかわからないが、半月状の巨大なブーメランのような装備シルバームーンを2つ投げ、装置が埋め込まれていた壁ごと粉砕しながらシェルターが展開されている扉に突き刺さった。
「なら、これならどうです!シルバークロス!」
刺さってヒビが入った部分に、今度はシルバームーンを合体させて巨大な手裏剣を作り出し投げつけた。
直後、爆発と何かを切ったような音がしたのを確認しシェルターの奥の司令室に突入した。
「基地司令ですね?数年前の連続誘拐事件についてお話があります、ご同行お願いします……って聞こえてませんね」
既に基地司令は先の爆発のショックに加え、連行する為にシェルターを破砕し現れたロボット(ボルフォッグ)を見て 泡を吹いて倒れたのだ。因みにシェルターの境にあった部屋のドアは粉々になり、シルバークロスは壁に刺さっていた。両腕にジェットワイパーをかけて捕獲、同時に基地の中央コントロールを奪取し制圧を完了した。
5時間後、誘拐された人々は家族に迎えられ帰っていった。ボルフォッグと交戦した姉妹も親に泣きながら帰りを報告していた。基地関係の軍人は全て本部から派遣されたナインボール警察隊に連行されていった。
「まったく、ボルフォッグも誘拐事件に相当巻き込まれるな」
「私も心外です……所で彼女達の教育は」
「それなら既に手を打ってある、カンパニーが経営している支援学校に入学することになった」
「フェンリル教育支援学校ですね?教職員はどうなってますか?」
「このご時世で職を追われた国々の教職員を呼んである、ちゃんと試験に受けてメンタルも考え方もちゃんとしている奴らで良い奴だよ」
「それは良かったです」
パシャリとカメラの音が鳴る。ボルフォッグがカメラで写真を撮っていたのだ、数年ぶりに引き裂かれた家族がまた揃って笑っている光景を。
「ボルフォッグ、お前最近写真を撮っているけど何やってるんだ?」
「この苦しみばかりが広がる世の中でも、希望がある事を示したいのです……それに子供たちの笑顔はいつの時代でも大切な宝。それを差別や偏見、悪意などで破壊してはいけない……そう思っています」
「そっか……なら新しい任務を頼む。ドイツの代表候補で軍属の秘密のIS運用部隊の黒兎隊隊長のラウラ・ボーデヴィッヒと共にIS学園に向かってくれ……対人恐怖症を患ってて1人じゃ行けないんだ。これは別件で動けないルネからの依頼だ『頼む……アイツを救ってくれ』だと」
「ルネさんが?・・・わかりました」
「あと、他の機動部隊も学園に行くからラウラ・ボーデヴィッヒと一緒に向かっている。補給とメンテはどうだ?」
「問題ありません……では失礼します」
こうして、新たな任務についたボルフォッグは偶然なのだがまさかのシャルロットと同じくIS学園に向かうことになった。
だが、ラウラはなぜ対人恐怖症になってしまったのか?それはいつか判明するだろう。
ボルフォッグが再び姿を消した夜から発生し、人質をとって逃げた銀行強盗犯の事件やひったくり犯が次々と捕まるということが発生した。
人質の証言よると、紫色の人物たちが駆け抜けて犯人たちを無力化したという。そしてその人物がロボットだったという事。
そして同時刻ビルの間を飛び交う紫色の3人のニンジャが見られたという事だけだわかっており新聞を騒がせた。
同時刻、某国上空。そこには奇妙な物体が飛んでいた。巨大な顔を中心に巨大なカタパルトを二つ装備して脚と思われる所には自衛用の巨大なミサイルポッドを二つ装備していた。だがこの物体はグレンラガンと同じようにトビダマで飛んでいるのは理解出来た。
「私の計算によりますと、そろそろボルフォッグ、ガングルー、ガンドーベルと合流する予定の空港に到着しますね」
「しかしよく考えたな、ダイガンテンを使って移動するなんてよ!」
「炎竜先輩、ラウラが起きちゃうから静かにしてくれよ……」
「ごめん雷龍、けど本当に静かだよな」
「流石は古代螺旋族の遺産という訳ですね、しかしまたボルフォッグが事件に巻き込まれたようですね……」
「あーあ、早く学園につかないかなぁ……隊長も新しい学園生活を楽しんでるだろうなぁ!」
「風龍、ボルフォッグがトラブルに巻き込まれるのはよくあることだろ。炎竜も凱機動隊長が勉強で四苦八苦してるのは忘れてはいけないぞ」
「あー……そうだった。でも氷竜、ボクたちこっちに来て長いことオーバーホールで缶詰めにされてたんだからやる事もないじゃん?早くなにか仕事してスッキリしたいよ」
「私もはやくみんなに会いたいなぁ……」
「私もです……流石に同じものを食べてばかりだとマンネリ化してしまいますし。それにラウラさんをなんとか出来るのは学園にいますからね」
この物体……ダイガンテンに乗っているのは、GGG機動部隊である勇者ロボ軍団のメンバーである、氷竜、炎竜、風龍、雷龍、光竜、闇竜の6人である。(大きさは人間と同じくらいで、光竜と闇竜はMS少女に似たような姿になっているが詳しくは過去の話で見てもらえばわかる)
このダイガンテンのカタパルトにはカンパニーのロゴマークが入ってるのでこのメンバーはビークルロボ形態で生活できるのだ。何故ならロゴマークはカンパニーメンバーの依頼で各国の代表候補や重要人物を保護し移動させる任務艦だからだ。
今回の目的は闇竜の隣でひどく疲れきった様子で眠っているラウラ・ボーデヴィッヒと共にIS学園に向かうことなのだ。
彼らが学園に到着する時、何が起こるのだろうか……それはまだ誰も知らない。そしてそれを観察している悪意ある『偽兎』が学園襲撃に動いていたのを誰もまだ知らなかった。
クラス代表選も終わりすっかり落ち着いた、これはそんなある日のとあるクラスの日常を観察したものである。
次回「学園の日常」