Rebellion Fight of traitors 作:A.K
あらすじ
IS学園に大和を筆頭に多数の艦娘や平行世界の織斑千冬・・・チッピーがやってきて賑やかになるも織斑千冬達が戻ってきた。担任として君臨しようとする織斑千冬に対しコウマは事前に決めていた決闘を提案。勝った方が担任として君臨することを決めた。はたしてこのどうなるのだろうか!?
フラン「私達機体整備間に合うかな?」
ブロリー「わからないなぁ・・・」
コウマ「間に合わなかったら失格だからな」
霊夢「かなりシビアね!?」
幽香「どうしようこのままだと間に合わない・・・」
バラバラと世界各地から集まった報道陣のヘリが、昨日発表されたばかりのカンパニー製の1000m級弩級輸送艦型ダイガン《ダイウンガン》の上に納められていく・・・その先にはクラス担任決定戦のために作られた海上アリーナの姿があった
海上アリーナは最新技術によって成り立っている、IS学園のアリーナと違いその範囲は5000×5000(m)とされ、その上空には超大型航空プラットフォーム《ガルダ》が飛び、陸地からは監視用IFガンメンやハイパーセンサー搭載型撮影機がずらりと並んで監視される
今回の戦いはこれほどの空間を確保しないといけないという証でもある
その様子をIS学園の自室のパソコンで確認していた人物がいた。
「大体はこれでいいだろう・・・「お待たせしました!」おお、よく来てくれたな青葉!」
「はい、生身で空を飛ぶ戦闘が見られるのですからね!それに提督の一番弟子である一夏さんの戦闘が見たいと鎮守府の皆さんやいろんな方から頼まれてますからね・・・お陰で懐ががっぽがっぽですよ!」
「そうか・・・なら本気でやらないとな❪あーあー、聞こえてるかな一夏くん?❫なんだ主任か。どうした?❪撮影班の場所が確保できたから青葉に来るように行ってねー❫・・・青葉聞こえていたか?」
「聞こえてますよ、それでは失礼しました!」
青葉も行ったからどうしようかな?と一考えていたけど、他のメンバーは機体の最終確認をしているしとても誘えるような時ではない・・・簪もさっきメールをしたがお空達と一緒に完成した機体の調整をしているそうだ。
「あの人は
コウマはついさっきまで建設作業にいたのだが、先ほど鎮守府の食料が不足していると間宮の連絡で、携帯式ギャレオリアロード(税込19000円)で飛んでいってしまった。
大体が大本営のブラック派閥のせいだろう・・・コウマが目指しているのは人と艦娘と深海棲艦が分かり合い共に生きる世界。殆どの大本営のブラック派閥が望むのは艦娘と深海棲艦を見下して良くて使い捨ての道具か権力争いのための道具としての存在の維持。むしろ陸軍との繋がりを強化しているのが現在のラバウルの立場。その為現在はラバウル鎮守府への支援が止められている。電気もガスも止められた。
という事でそれがどうしたといわんばかりに反骨精神を働いてやった。電気は地下に設置した超螺旋エンジンを使って発電。ガスは・・・仕方ないのでIHを使用することにした。所々をオートメーションに変更するなど逆に快適にさせてもらった。金銭問題は作業用モビルアーマーを使って手に入れたレアメタルを売って解決している。
「さて、そろそろ始まるか・・・あの人の戦いは久しぶりだな」
俺・・・織斑一夏は海上アリーナをモニターから見ていた
始まるのだ・・・かつての姉とかつての悲しき宇宙の守護者の決闘が
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ダイウンガンのブリッジから山田先生がアナウンスを流した
『只今よりIS学園一年一組クラス担任決定戦を開始します!』
その声と共にあちこちから叫び声が響いてきたが、一般人の2割は織斑千冬の応援の為に来た輩で残り8割は普通に見に来た人だ。一方で生徒達は殆どがアンチスパイラルのために来たのだ。
『司会を担当するのは人間でもないAIである俺こと主任と』
『同じくAIであるナインボールことハスラー・ワンが担当する』
一般と生徒達の観客席の間にあるステージの下から2体のロボット・・・もといACが現れた。一体は様々な世界に派遣されているVAC《ハングドマン》達の本体であるAI《主任》を乗せたハングドマン。片方は学園の技術科の教師としてきた《ナインボール》だ。二機の音声は男、その為に一般からの客から罵声が飛んできたり缶ジュースや生ゴミをぶつけられたりした。
男がIS学園にいるな、男は陰に隠れてろ、男と一緒にいる女も同罪だ・・・などと口々に叫んでいる
学園側の生徒達からはやめさせようと動き始めているが、今度は生徒達が標的になってしまった。
更に、その投げられたゴミの中から何個かが止めようか迷っていた生徒にも飛んで、危うく当たるところだったがリング状の光線弾と極太の光線弾が生徒に当たる前にゴミを消し飛ばしていた
『・・・生徒に手を出すなら焼き払ってやろうか?』
『私の生徒達に何をする!』
主任の手には《X000 KARASAWA》(種別はレーザーライフル)が、ナインボールの手には《WG-XP2000》(種別はパルスライフル)が握られていた
「男が神聖なIS学園にいるからでしょ!?」
「男は帰れ!」
「野蛮な男と一緒にいる生徒なんか死んでも────」
直後、主任はその手に握っていたマイクを握りつぶした
『黙れよ。茶番は終わりだ』
主任の雰囲気が打って変わって濃厚な殺意を含めたものに変わった
『男といる女は死んでもいいだったか?ならば聞こう、人でもない俺達の声が男だという理由で、俺達と一緒にいる生徒達が殺されてもいい・・・そう言いたいんだな?』
主任はバックパックとして装備されていた規格外兵装・・・オーバードウェポンの一つ《ヒュージキャノン》を組み立てながら歩いていった
『笑わせるな、俺達は死んでも生き返る・・・AIだからな。だけどな、命は一つしかないんだよ・・・そいつの命の価値をてめえらの勝手なわがままで決めちゃあいけないよねぇ?』
❪不明なユニットが接続されました。直ちに使用を中止してください❫
生徒達を取り囲む一般人に対して、そのすべてを焼き尽くす巨砲の砲口を突き付けた。
『子供たちを返してもらうぜ、あんたらは俺達と一緒にいるんだから死んでも構わんだろう?正に因果応報・・・と言うべきだろうね』
「この映像は世界で流されているのよ!?アンタに従わなければいけな『『『『これ以上迷惑をかけるならば、貴様らを逮捕する』』』』ひぃ!?」
現れたのは世界最強の学園直属警備部隊『レイヴンズネスト』のナインボール軍団。その数98体。しかも色も一機一機で色違いだが赤はいなかった。赤はリーダーの証だからだ。リーダーは最初からいたナインボールのことを指す。
結論を出すと赤は偉い。しかもあと9900機がカンパニーに働いている・・・最近では過疎地域での農業支援や漁業支援もやっているのだ。しかも宣伝目的の為かチラシを入れた籠を装備している
『こいつらをボコボコにすればいいのか?』
『いや、こいつらは暴行罪や恐喝罪とか冤罪を複数回にわたって行う常習犯だから逮捕だな』
黄色いナインボールの手にはかなり書き込まれた「要注意人物ファイル」という名のメモ帳があった。
『ウホッ!いい犯罪者の女!』
頭頂部が髪のごとく黒く塗られ胴体部分は青いツナギを着た男が前のチャックを下ろしたかのような肌色分と青いツナギ部分で色を分けていたナインボールがいた。
人はそれを阿部カラーと呼ぶ。
『おいばかやめろ』
『☆YA☆RA☆NA☆I☆KA☆』
『誰だ阿部カラーを二体も連れてきたバカは?』
『すごく・・・常習犯です・・・』
『三体目・・・だと・・・!?』
ツッコミを入れた緑と紫と青のナインボールを他所に阿部カラーのナインボールが二体現れた。
わらわらと98体のナインボール(うち3体は阿部さんカラー)に囲まれて会場を追い出された女達は騒ぎながら追い出されていった。
『実況席がゴミだらけだな』
すっかりゴミだらけになってしまった・・・匂いが少し目立つ。
『そうだな・・・先にゴミの清掃でもやろう「警備隊長さん!」ん?』
先程まで囲まれていた女子生徒が主任の所に来た
「わ、私達のせいで迷惑をかけてごめんなさい!」
『いやいやあ、君たちは俺とナインの為に動いてくれたんでしょ?だけどさ・・・うん・・・まぁ・・・ありがとな、それと早くここから離れな』
「は、はい!」
生徒達が充分に離れてから主任は空に向かって叫んだ
『さて、今この場で俺達を殺したいと思う奴がいるなら今ここでやってもらってもいいからね〜』
その瞬間ミサイルが飛んできたが主任は避ける気も起こさず食らったが、何の傷もなく出てきた。
『ま、殺せるわけないよね?こんなチンケな火薬と低性能なミサイル如きで殺れると思うかい?』
そういえば ナインボールはどこに行ったのだろう?と学園の生徒は思った。学園内では機動訓練の相手をしてもらった者なら分かるがナインボールは並の生物では勝てない。それは兵器も該当する。
そんなことを考えていた生徒達の目の前に何処からもなく、戦闘機を掴んでいるナインボールが降りてきた。その手に握られていたのは中国の国産戦闘機《J-31》だったがそのコックピットにあるはずの部分には機械だけ埋め込まれている・・・無人機だったのだ。
『この程度で私を殺せると思っていたとは、呆れたものだ』
そもそもナインボールとは、《大破壊》と呼ばれる世界の崩壊が起きた後の地下世界の平和と秩序を維持するために生み出された特殊な機動兵器である。その為の性能は計り知れず、最強の兵器とされているがそのコンセプトはジオン公国のザクIIと同じ量産型兵器なのだ。
その実力は後数百年後でも伝説の力として語られて、 アリーナと呼ばれる施設での頂点に立つ者を ナインボールを破った者として『ナインブレイカー』と呼ばれる程であり、さらに時間が経って新世代型ナインボール開発計画が実行される程だ。
そんなナインボールを例えるなら、量産が成功したユニコーンガンダムだと考えてくれればわかりやすいだろう。
それぞれの個体に完全自律性のAIを搭載されている為に、人間と遜色ない行動を可能とする。本来なら管理コードである《レイヴンズネスト》がナインボール達の思考をコントロールしていたが、そのレイヴンズネストも消滅して今や自由に行動している。
そうでなかったら今頃ナインボール達が地上にいる人間を抹殺している。
それ故にたかが無人兵器がナインボールを破壊するなど有り得ないのだ。
『だが、我々に喧嘩を売るというのなら・・・そっちに向かってやろう!!』
そう言いながらナインボールは姿を変えて、鋭角的なフォルムへと姿を変えながら巨大なブースターを内蔵したミサイルユニットを装備した異形の赤き巨人となった。その体には無駄な武装はいらない・・・腕が胴体が背中が・・・全身が武器なのだから
その名はナインボール・セラフ。
セラフは体を戦闘機のような形態に変えて、一瞬で中国方面へと飛んでいってしまった。この姿は高機動巡航形態とでも言うべきであろう。
その光景を見たIS学園とマスコミ以外の一般人は我先に逃げ出した。
が主任が先回りして道を塞いだ
『お客様、本日のメインディッシュをまだご覧になられていないのにお帰りになられるのですか?もしかして自分たちが殺されるとは思っているからかなぁ?だけど残念〜ながらそんな甘っちょろいことはやらないよ、今からやるのは世界最強のクラス担任決定戦。その世紀の決定戦を見ずに帰るのは勿体なくないかなぁ?』
それを聞いて1人の一般人が質問をした
「ほんとに安全なの?」
『まあこれだけの広さを確保しないと安全とはいえないからねぇ・・・』
「・・・」
『わかったわかったわかった。もうわかった。 だからもうわかったって。 もういいからもうわかったから。 お前の言いたい事もわかったからさぁ・・・ここは観客席に戻ってくれないかな?』
それを聞いて一般人は全員観客席に着いた。その途端に海上アリーナから今回の主役が出てきた
『さぁて、片方に控えるのはモンドグロッソ初代王者でブリュンヒルデの織斑千冬!今回はかつての愛機《暮桜》の後継機《白式》を携えての出撃!』
織斑千冬が纏うのは、
『こちらにある資料には・・・まあデータなんだけど、白式は政府が倉持技研に無理やり開発させたポンコツブレオン機体で射撃兵装は全くなし!正気の沙汰を疑うねぇ〜?機動力は高いがエネルギーはバカスカ使う飯ぐらいだね!これとあともう一つの機体のせいでとある代表候補生は専用機の開発を中断されて凍結なんだってさ!・・・まあすぐに新しいチーム組んで組み立てたけどね』
上空のガルダからの空間投影画面に白式の武装データとエネルギー表記とパイロットが記載されていた。そのエネルギー量は800と一般機では多めだった。その姿は既に一次移行を終えていた。織斑千冬は主任を見下した目で見ていた
『(『ふん、秋人の専用機の方が大切だからだ。更識の妹は『出来損ない』と呼ばれているのだから、そんな奴の専用機を作るくらいなら秋人の方を優先した方がいいからな!』とかふざけた事考えてるんだろうね・・・チッピー以外の他の織斑千冬が見たらどんな反応するんだろうね?まあキャロりんもここの織斑千冬には何の興味を示してないけどさ)では・・・続きましては対抗馬である男の入場だ!』
その瞬間アリーナの中心の空間が歪みそこから真っ黒な棒人間にも見える常世の闇を連想させる存在が現れた
識別できるのは四肢と顔だとわかる白い部分のみだ
「やっと来たかブリュンヒルデ・・・いや織斑千冬」
「貴様・・・どうやって出てきた?」
「隔絶宇宙・・・わかりやすく言えば異空間・・・とある世界のグルメ界と呼ばれる場所ではセーフティーゾーンなどと呼ばれる空間に居たのだ。まあ貴様ら一族では織斑一夏しか理解できないだろうがな」
「なぜ奴に肩入れする?」
「織斑一夏は貴様らにはない光がある。だからこそ我等も彼を支えるのだ・・・!」
アンチスパイラルは紫色のドリルを出現させてそれを握りてぶした後から出てきた粒子を身に纏った。
曰くそれは武者の亡骸である。顔に当たる部分が頭と胴体にあるが、胴体部分は絶望に染まり絶叫して死んだ人間の顔を模していた。反面頭は赤紫色のラインが二つ並んだ仮面に覆われていた。
肩には小型のシールド、頭には元々は円だったのだろうが左上の部分が欠けているリングパーツが付いている。全身が黒く赤紫色のラインや赤黒い光が漏れ出していた。
その姿に織斑千冬は絶句している・・・現存するありとあらゆる機体に含まれないその姿に恐怖を感じているのだ。
投影画面には《アンチ・グレンラガン》の名が刻まれていた。SEは950と白式よりも高いがISの飛行ユニットが存在していない・・・トビダマで浮かんでいるのだ
《3》
「さあ始めよう・・・」
《2》
「奈落の螺旋へ堕ちて・・・」
《1》
「絶望に飲まれよ!」
《GO!!》
始まったのと同時にアンチスパイラルは
「何!?」
「ふむ、これくらいはできて当然か」
しかしアンチスパイラルは左人差し指と中指で雪片を受け止めた。更に雪片を引っ張り、隙を突いてアッパーを顎に当ててさらにカカト落としをぶつけた。流れ作業のような早業は神業である。
「何を怯えている?敵は目の前にいるぞ?」
「怯えてなどいるかっ!」
雪片を避けながらもアンチスパイラルも拳を緩めなかった。しかしながらもやはり武器を持つ織斑千冬が攻勢に回っていく。次第に少しずつアンチ・グレンラガンのSEが減らされていくがアンチスパイラルはダメージを必要最低限にする為に肩のアーマーを使って大きなダメージには至らなかった。よく見るとアンチスパイラルの姿がかすかにだが複数に分裂しているような残像が見える。嘗てのムガン艦隊に使用していた『ランダムシュレーディンガーワープ』を使用しているのだ。
「何処を狙っている、私は目の前にいるぞ?」
「小細工をッ!」
胴体を狙った一撃は大ぶり・・・分かりやすい隙を見つけ出し上空へと避けたアンチスパイラルは武装を展開した。
「ドリルだと!?巫山戯ているのかッ!」
「巫山戯ていない、私は常に本気だ」
アンチスパイラルが展開したのは螺旋の象徴であるドリルである。反螺旋力を使っているので紫色のドリルになっているがその戦闘力は本物だ。
現在のアンチ・グレンラガンは全身にドリルを展開するフルドリライズ形態になっている。 アンチ・グレンラガンはその名の通りグレンラガンと同じ地平の力で戦うためにアンチスパイラルが生み出したムガンの1種だ。元はグレンラガンなのでグレンラガンとおなじことができるのだ。
「5分だ・・・5分後に貴様を跪かせてやろう」
「やれるものならやってみろ!」
直後に響くはドリルと雪片が激突する衝撃波と轟音。その衝撃ははるか先の観客席にいる主任にも届いてその圧倒的プレッシャーを感じ取っていた。
「データよりも強いな・・・流石は初代というべきか?」
「人は才能に溺れると努力を怠る・・・それを認識し戒める事でより強い力を得ることが出来る!」
「なら何故一夏を殺そうとした!?」
「秋人の方が優れていたからに決まっている!一番劣っていた奴のことなど知るか!」
即座に危険信号を感じ取ったアンチスパイラルは100m程距離をとった即座に反螺旋ドリルをシールド状に展開するも突如現れた青い斬撃に砕かれそのままSEを大幅に減らされた。
「零落白夜の斬撃か・・・!(原作でも使っていたIS殺しの単一能力か、しかも斬撃にして飛ばすとなるとやはり恐ろしい破壊力だ!)」
零落白夜はエネルギーブレード発生装置を備えた実体剣《雪片弐型》の単一能力であり絶対防御を大幅に削る対IS装備でもあるのだ。しかも織斑千冬の人外じみた戦闘力は現役時代より強化されてるため現役時はSEを減らすだけだったのに今では受け止めるだけで装甲が砕かれる程である。しかも宇宙を一つ創造できるほどの力を持つアンチスパイラルの反螺旋力で作ったドリルシールドを砕く一撃を放つというのは非常に驚異である。
「ハッハハハハ!!やはり口だけか所詮あんな奴に加担する奴などこの程度だったという事だ!」
多段瞬間加速をしながら零落白夜の斬撃を交えた斬撃の弾幕を紙一重で回避している為徐々に海上アリーナが崩壊し始めていた。
それよりもアンチスパイラルが心配していたのは千冬の使っている雪片弐型にあった
「それ以上やるとその刀が砕けるぞ!」
「砕けたらその程度だったという事だ!」
「貴様は・・・!」
アンチスパイラルは激怒した。この暴虐無人の暴君を許してはならないと決めたのだ。人の思いを込めて作った刀を乱暴に扱い刀のことも考えずにゴミのように捨てるという考え方に激怒したのだ。
「その一振りの刀にも魂が宿る・・・八百万の魂が宿っているというのに、それを知らぬというのならその刀を私のものとする!」
アンチスパイラルは多段瞬間加速に認識転移システムを上乗せし超高速で体当たりを仕掛けると見せて当たる直前に全身のドリルを収納しそのドリルがあった穴から赤紫色の極太のビームをハリネズミの如く全方位にぶちまけた。
反螺旋メテオ・ノヴァと呼ばれる回避難易度極高の一撃である。
海が蒸発し空間が歪みすべてを飲み込んだ一撃が特別シールドの中で荒れ狂う。学園アリーナの数倍の硬度を持つが、細かいヒビが大量に入るまで追い込まれるまでなんとか耐えきった。
「終わらせよう・・・この一撃でッ!!」
「最後に勝つのは・・・この私だぁあああッ!!」
その中では最後の一撃を決めるためにアンチスパイラルが加速を始めていた。
アンチ・グレンラガンの装甲は所々が砕け散り、誰が見てもいつ粉々になってもおかしくなかったが主の思いを載せて加速に耐えていた。内臓機械も所々丸出しになっても信念の名の元に耐えているのだ。
メテオ・ノヴァを喰らって制御機械などがスパークし装甲がほとんど砕け散っている白式も残っていたエネルギーの殆どを零落白夜に回して迎撃に向かっていた
零落白夜とアンチスパイラルが激突した瞬間・・・アンチ・グレンラガンの左腕が左腕の根元から切り落とされて空を舞い落ちていく。だが零落白夜は回したエネルギーを使い果たして消滅した。
「なぜだ!?零落白夜が急に消えるなど・・・!?」
織斑千冬の目線の先には手首から展開されている2本のドリルが零落白夜のレーザーを取り込んで纏っている姿、そしてそれを確実に当てる体制に入ったアンチ・グレンラガンの姿である。
「貴様ぁあああッ!!」
「スカルゥゥ・・・ブレイクゥゥウウウウッ!!」
胴体を捉えた右手首根元から飛び出た2本のドリルが直撃し、ドクロの文章をかたどった衝撃は白式の背後へと消え去った瞬間、白式はアリーナのシールドを打ち破り観客席のゴミだらけになったステージへと突っ込んだ。
ここから海上アリーナは5kmある為海上アリーナの端から飛ばされてきたので10kmほどぶん殴られて飛ばされたのだ。その手にある筈の雪片弐型はアンチスパイラルに握られていた。
「私を主として選んだか?ならば私もお前に答えなければならないな・・・そして、ちょうど5分。予定通りに終了したな」
隠していたタイマーを五分きっかりに止めたアンチスパイラルは、傷だらけになった雪片弐型を立派な鞘に収めて語るように叫んだ。
「雪片弐型・・・いや、お前の名は今日から《白百合》だ。これからはよろしく頼むぞ」
喜びを表すように日の光を反射する《白百合》をサイドスカートにマウントした時、白式のSEが0を示した。
同時に《白百合》の使用許可が白式からアンチ・グレンラガンに移行されたのだった。
『IS学園1年1組担任決定戦、勝者はアンチスパイラル〜!まあ結果は読めてたけどねー!!』
直後に響くは世界最強を打ち破ったことに対する賞賛とIS絶対神話と織斑千冬最強神話を覆され悲鳴を上げる者達の声であった。
その日からアンチスパイラルは《白百合》と名付けた元《雪片弐型》を大事にして常に腰に備えていたという
1時間後IS学園ではクラス代表選が始まった。
第一試合『カミナ・ジーハ&シモン・ジーハ』VS『セシリア・オルコット』
同じ両親を持つ 前世の兄後世の妹がぶつかり合う
~IS学園アリーナ~
「カミナ様・・・いや、カミナ御兄様。私の全てを・・・受け止めてくださいませ!」
「セシリア・・・お前のすべてを俺にぶつけて来い!行くぞシモン!」
「今回はアニキが操縦するんだな?なら俺はアニキに任せるよ!」
そして螺旋の意思を継ぐ者が激突する
遂に始まったクラス代表選。前世の兄と後世の妹は互いの思いをぶつけ合う。紅蓮の炎と青い涙が混ざり合う時螺旋の伝説に新たな1ページが刻まれる!
次回「家族の温もり」
伝説の螺旋の炎は一人の少女の傍に何時までも寄り添った