嘆かわしい。
まったく。ああ、まったく、いつからなのははあんなに生意気になっちまったんだろうなぁ。
昔は……といってもまだ数ヶ月前だけど、会ったばっかの頃はフェイトやアリシアに負けず劣らず可愛かったのになぁ。ガキらしくない面もあるにはあったが、それを踏まえても、だ。
それが今じゃアレだよ。人がいないところで陰口のようなもんを叩くなんて……ああ、お兄さんショックだよ。
いや、まあ?それでも理やフランに比べたら大分マシだけどよ。言えばきちんと聞いてくれるんだし。その辺はまだ救いがある。変に遠慮しなくなったのも○。でもな、無礼なのは頂けないだろ。
だから今回ちょっと強めに心と身体に言い聞かせてあげたんだよ。そしたらすぐに元の素直で元気な可愛いなのはに戻ってくれたよ。
うんうん、ハヤさん満足。
「隼、あんたが満足げなのはいいけど、それに反比例するようななのはの状態はなにさ?」
お話を終え、なのはを担いでお隣さんへと戻った俺を迎えたのはアルフのそんな言葉だった。
「ん、いや、ちょっとばかし教育をな」
担いでいたなのはを床に降ろす。……ぴくりともしない。口は固く結ばれ、目に光はなく、肌に生気がない。まるで人形のようだ。
「うわぁ……あんた、私の友だちに何してくれてんのよ?加減ってもんを知りなさいよ。ぱっと見死体みたいで怖いわよ」
「見捨てた奴がよく言うぜ。まあ心配すんな、アリサ。きちんと加減はしてやったぜ?かろうじて生きてるよ」
「まだゾンビの方が元気があるような状態のコレが?」
「今はきっと話し疲れてんだよ。すぐにリビングデッドしてくるさ」
「あの、隼さん……それってやっぱり死んでるってことじゃ」
あまりない貴重なすずかのツッコミは華麗にスルー。
というかアリサもすずかもなのはの親友のはずなのに反応がえらい淡白だな。まあ、あれだな、慣れだろうな。俺となのはたち3人が集まって遊んだりする時も、俺はとりわけなのはを弄るし。アリサはともかく、すずかも今じゃ慌てる事もなくなった。
(……それはそれでちょっとばかし責任を感じるな)
いつだったか忍ちゃんに「すずか、最近たくましくなったのよね~。精神的に」なんて言葉と共に呆れ笑いを向けられた事思い出す。
まっ、変わる事はいいことだろ。特にすずかなんてちょっと後ろ向きなとこあったからな。多少、図太くなったほうがいいさ。
しかし、中にはやっぱり変わらない稀有で純粋なやつもいる。
「な、なのは、しっかり!?傷は浅いよ!」
首や手首の脈を測っている、稀有で純粋筆頭のフェイトを見て思う。俺と接するようになった奴で唯一変わらない子なんじゃないだろうか、と。
コイツだけはホント、どこまでも優しくて、そしてド天然だ。変わる事はいい事だけど、しかし変わらない事もまたいい事だ。その代表例のような奴。
テスタロッサ姉妹、一番の癒しっ娘。
ちなみに他の姉妹はというと。
「う~ん、これは隼地獄スペシャルかなぁ?」
「いや、これはきっと隼地獄スペシャルMAXエディションだね!ボクも1回やられたから分かる!」
ツンツンとなのはの頬を突いて反応を見るアリシアと、自身の経験を省みて分析しているライト。
うん、ライトは変わってないがアリシアはちょっと図太くなったかな……いや、最初からこんな感じだったか?なんというかこう、抜け目がないというか、強かさのようなものは姉妹の中で一番だったからな。将来、人をおちょくる小悪魔になりそうで不安だ。
「隼さん、あんまなのはちゃん苛めたらあかんよ?」
「ですよ~、隼。愛のない弄りは苛めです」
車椅子をカラカラと転がして俺の腕にしがみついてくるはやてと、フヨフヨと浮いてもう片方の腕に抱きついてくるユーリ。
なんだよ、お前ら。あんま引っ付くなよ。
「おいおい、なに言ってんだよ。苛めじゃねーよ。人聞きの悪い。きちんと愛あるっつうの。というか相思相愛?なー、なのはー」
「ウン、ワタシ、ハヤサン、ダイスキ」
俺の呼びかけに意思と力のない返答がなのはの口から紡ぎ出された。その顔を見れば、貼り付けられたかのような笑顔。
うんうん、ハヤさんも嬉しいよ。
「むぅ!私の方がなのはより相思相愛なんですー!」
「わ、私だってそうや!ほら、隼さん、私を弄り倒しぃ!めちゃめちゃにしぃ!カマン!」
何が気に入らなかったのか、ユーリとはやてが一層力を込めてしがみ付いてくる。
だから、なによ?
「あー!ずるい!ボクも主とくっつきもっつきしたい!よし、いくぞフェイト!」
「う、うん、分かったからライト、いつも言ってるけど引っ張らないで!?」
「ほら、すずか、あんたも我慢してないで行きなさいよ?」
「え、べ、別に私は我慢なんて……ア、アリサちゃん、押さないで!?」
はやてとユーリに触発されたライトがフェイトを無理やり伴い、俺の身体に飛びついてきた。さらにはすずかもアリサに押されて俺の方へにじり寄り。
ああ、なんだろうな、ここ数ヶ月でこういう状態を何度体験しただろうな。クリスマスツリーならぬロリツリーてか?犯罪臭過ぎて笑ねえよ。てか、いくら俺がガキ好きとはいえ流石に鬱陶しいわ。まぁ、ここに理とフランが加わっていないだけマシか。あの二人が加わると犯罪臭じゃなく完全完璧な犯罪に走り出すし。
「モテモテですね、隼?ハァ、これじゃまたプレシアが嫉妬してご機嫌ナナメになっちゃいますね」
ガキにモテても1ミリも嬉しくないからね?リニスちゃんも一緒に隼ツリーの飾りになってくれるなら嬉しいけどさ。マジ、ジングルベルだけどさ。
「どうでもいいけど、いやよくはないけど。なのはをそろそろ復活させてあげない?流石にあれは不憫すぎだよ」
アルフの視線の先には未だ死体のように転がっているなのは。
とはいってもなぁ、もう俺にやってやれる事はない。というかやりたい事はやり終えてる。教育は完了しているのだ。これ以上は詰め込み教育になっちまう。
「大丈夫だ、アルフ。人間の治癒力はハンパないから」
「うわぁ、やるだけやってポイ捨てとか最低だね」
言い方酷くね?
「それに理にも呼ばれてるしな」
さっきこっち来る時、『局との交渉が終わったので、ソレを隣に遺棄してきたらすぐに戻ってきてください』とか言ってた。
交渉。
さてさて、平穏無事終わったのかどうか。あいつの表情から察するに万事上手くいったという感じじゃなかったな。どこか不満顔だった。それも欲求不満のそれ。
「というわけで、オラお前ら、いい加減離れろ」
「「「ぶぅ~、ぶぅ~!」」」
「「ぶ、ぶぅ~……」」
はやて、ユーリ、ライトからブーイングが飛ぶ。フェイトもすずかも恥ずかしいなら無理にノらなくていいからな。
ともあれ、本当にいつまでもこのままでいると痺れを切らした黒ロリが隣から乗り込んできそうなので、俺はガキ共を引っぺがして玄関に向かったのだった。
(……ハァ。ったく、今日一日で一体何往復させるつもりだっつうの)
胸中でボヤき、先ほどのロリツリーのお陰で凝った肩やら首やらを揉みながらすぐ隣の自宅におかえりなさい。
(忙しいったらありゃしねえ。いっそ壁ぶち抜いて直通にしてやろうか)
というかこの際、隣もう一部屋買って三部屋ぶち抜きの家にしちまったほうがいいんじゃね?人数も多くなったし、それに比例して客も多くなるだろうし。今でさえ手狭感ハンパねえもんな。
(プレシアの奴に言ってみるか。勿論、掛かる費用は全額あいつ持ちで)
そんな事を考えながら自宅の扉を開け、玄関でため息を吐きながら靴を脱ぎ捨てて上がろうとすると──────ピンポ~ン。
「あん?」
不意に来訪を知らせるチャイムの音が響き、それに対し俺は首を傾げる。
(誰だ?隣の奴の誰かか?)
しかし、それはないかと即座に否定。
ウチとテスタロッサ家はお互いがお互いの家の鍵を全員が持っている。だからチャイムなんて鳴らさずに普通に出入り出来るのだ。とすれば考えられるのは、ただの来訪者。お客。
「ちっ、このクソ忙しい時にどこのボケだ。はいはい、ちょっと待ってろ。今開ける」
悪態を吐きながら俺は玄関を開けた。
果たして、そこにいた人物は………。
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃ~ん!あなたのドゥーエさん、ただいま参じ──────」
────俺はゆっくりと扉を閉めて鍵を掛け、踵をかえして部屋へと向かう。
今、俺は何も見なかった。何も聞かなかった。いいね。
「ちょっと隼!閉めないでよ!コラ、鍵掛けるなあ!開けなさいよー!」
さて、そろそろおふざけは終わりにして最終決戦へ向けた心の準備しなければならないだろう。
理から報告を聞いて、晩飯食いながらプレシアの考えた段取りを皆で聞いて、そして正念場へと突入だ。
「聞いてるんでしょ!まだそこにいるのは分かってるのよ!開けない気!?ああそう!そっちがその気ならいいもん!だったら実力行使してやろうじゃない!こんな扉なんて私にかかれば一発で粉々なんだから!とりゃー……ってイッタ!?カッタっ!?なにこの扉、堅っ!?ホント何コレ!?いったいどうなって……へ?ゴ、ゴーレム?なんでゴーレムが出て来て……ちょっ、まっ、きゃあ!?」
ああ、でもその前にアリシアを寝かしつけなきゃな。ガキ組の中でも一番ガキなあいつにバイオレンスな場面は見せない方がいいだろ。まあ、普段俺たちの喧嘩を見てるから今更な感じもするが。それでも一応ね。
「うわっ、ま、待って!?くっ!こ、こいつ、よく見れば庭園にあるのと同じ、迎撃用のゴーレムじゃない!何でただのマンションにこんな物が……プレシアさんね!あの人、自分とこだけじゃなくこっちにもこんな防犯を!?というかやりすぎでしょ!?ちっ、こんのぉ……戦闘機人舐めるなこなくそおおおお!!」
まっ、アリシアの面倒はアルフかリニスあたりに任せとけばいいだろ。というかガキども全員だな。実を言うとぶっちゃけ、なのはたちを戦わせる気ないし。
「はぁ、はぁ、ど、どんなもんよ!戦闘機人にその人アリといわれたドゥーエ様にかかればこんなものね!さて、それじゃあ改めて扉を………………Oh…………………あの~、隼~、ちょっとマジでここ開けてくれない?流石の私もさ、あんなデカいのは相手に出来ないっていうか、むしろアレ撃たれたらこの建物自体半壊必至だと思うんだけど」
……………ハァ。現実逃避も限界か。
「……お前、マジ何しに来たんだよ」
がちゃりと扉を開けると、そこにはOL風のスーツを身にまとった満身創痍のドゥーエ。あたりの通路には壊れた歩兵型のゴーレムの残骸がチラホラ。そしてマンションの外に浮かぶ、今にもデカいのをぶちかまそうとしている特大サイズの砲撃型ゴーレム。
「お邪魔しますっ!」
今だと言わんばかりに開いた扉に身体を滑り込ませてウチに入ってくるドゥーエ。
俺はまた一度ため息を吐いて扉を閉めた。
「本当に邪魔だよ。マジなんなの?」
肩で息をしているドゥーエの体には焦げた跡や擦り傷がちらほら。歩兵型のゴーレムにやられたんだろう。本来のこいつの実力ならあんくらいの相手は苦もないはずだが、いつかの姉妹大喧嘩のせいで本調子じゃないらしいからな。なんでも有り合わせで身体を急造したらしいというのを前の宴会の時聞いた。
「大丈夫か?」
心の込めていない心配の声を掛けると、赤子なら大泣きするであろう目をギョロリと向けられた。
「はぁ、はぁ……だ、大丈夫じゃないわよ!ねえ、ちょっとなんなの!?どうして一般家庭のマンションにゴーレムなんて設置してるのよ!」
「プレシア曰く、防犯だと」
「行き過ぎでしょ!?過剰防衛でしょ!?一体どんな凶悪犯を想定してるわけ!?」
「さあ?自分くらい強いやつ?」
「マンションに入るようなコソ泥程度でプレシアさん並みに強い奴なんてそうそういないわよ!」
ああ、俺もその意見には賛成なんだけどな。フェイトやアリシアの安全の為、あれでも最低限なんだとよ。過保護なやつ。
「それに人に見られたらどうするのよ!?というかあのデカいゴーレムは絶対見られてるでしょ!?」
「ああ、それも問題ねえらしい。理屈は知らんがゴーレム共は外から見えないようにしてるらしいぜ」
「ふ~ん……あれ?でもそれって中からは見えるって事?」
「まーな。でもこのマンションの管理人と住人全員、俺んちやプレシアんちが魔導師一家だって事知ってるから問題はねえ」
「……はい?」
ここに越して来た時、その辺りはきちんと説明しておいた。無用なトラブルは避けたいからな。隠して探られ広められるより、こっちから先んじて言っときゃ大事にはならんだろ。
もちろん最初は大なり小なり驚かれたが、それも少しして落ち着いた。むしろ適応力の高い住民から、後にゴーレムを見て「そのゴーレム?というやつ、ウチにも防犯用で1台譲ってくれない?」とお願いされたほどだ。もちろん、俺は今後のよりよい関係を見据えて了承。さらに後には管理人が「どうせならマンション全部にその防犯用ゴーレム置けない?」という話しを持ち出し……そして何やかんやあって現在、このマンションの売買情報に《1家に1台ゴーレム完備(2台目からは応相談)》という世にも珍しい謳い文句が掲載されている。
遠見市民、たくましいね。
「あんたねぇ……よくプレシアさんたちが許可したわね」
「ん、ああ、そりゃ事後承諾だからな。俺の独断で住民にぶっちゃけた」
そん時は皆に盛大なため息を吐かれたもんだ。
「ハァ……」
そうそう、そんな風。
「……隼ってさ、魔導師としての常識とか暗黙のルールとかホント無視するわよね~」
「あ?魔導師の常識やルールなぞ知るか。俺の常識がルールだ」
「ぷっ、意味分かんないけど隼らしい~」
カラカラと笑いながら俺に持っていたカバンを押しつけ、履いているヒールを脱ぎ捨てる。
って、おい。
「こら、待てや。誰が上がっていいっつった?帰れや。しっしっ。回れ右」
「やっだよ~。ほらほら、堅い事言わず、お邪魔させてよね~。柔らかくいこうよー」
「うるせえよ。こちとら忙しいんだよ。テメエに構ってる暇はねえんだよ」
「あ、ところで知ってる?ヒール履くとお尻の突出率って履いてない時の25%増しなんだってー」
「今、何故その情報を教えてきたのかは定かではないが、取り合えずもう一度ヒール履いて3分程横向こうか。帰るのはその後でいい」
「見るのはいいけどぉ……ふふ、隼はこっちの方がいいんじゃない?」
可愛さと美しさ、それに僅かばかりの嗜虐を乗せた笑顔で腕を組んでくるドゥーエ。ついでとばかりにもう片方の手で俺の頬を「うりうり~」言いながらぷにぷに。さらにトドメに耳元に顔を近づけ、ささやく様に「おねがぁい、(家の)中にイ・れ・て」との魅惑ボイス。
(あざとい。なんてあざとい奴だ)
アルフも気安くボディタッチしてくるがあっちは天然。しかし、こいつはこれを狙ってやっている。これが男心を擽ると分かってやっている。しかもワザとらしいセリフつき。すこぶるタチの悪い女だ。
そんな顔を向けられて断れる男が果たしてこの世に何人いるだろう?そんな豊満で柔らかなモノを腕に押し付けられて振り払える男が何人いるだろう?至近距離でウィスパーされて蕩けない男が何人いるだろうか?
少なくとも、俺の知る限りではいない。
(しかし、舐めてもらっては困る……俺はノーと言える日本男児だ!)
俺はドゥーエにキメ顔をつくって言う。
「いいか、ドゥーエ。いつもいつもこの俺がそんな誘惑に負けるとでも思うなよ!さあ、さっさと出て行け!」
言ってやったぜ!
「ぷっ、くくっ……あ、あのさ、隼~?思うに自分じゃキメ顔して言ってやったぜ的な感じなんだろうけど、私から見るとトロ顔でイっちゃってるぜ的に見えるんだけど?」
ノーと言える。しかし、言えるだけである。ちくしょう。
「……ハァ、おっけ。分かった。どうぞお好きにお邪魔してくださいな」
帰る気ゼロなドゥーエに俺は折れる。
意地の張り合いは俺も得意だが、それが事こいつ相手だと強くなれない。最初は攻勢に出られんだけど、最後は絶対こいつの言いようにされる。
(俺ともあろうものが、情けなさ過ぎるのは分かっちゃいるが……)
チラリと横を見るとガッチリと、それでいてヤワヤワとホールドされている腕。そこから伝わる暖かい体温。目と鼻の先という距離に美女がいるというなんたる視覚効果。高揚感。
くそ、これだから男ってやつは!
「この悪女め。男誑しめ。てめえ、碌な死に方しねえぞ」
「ちょっとちょっと人聞き悪いなぁ~。この私がそんじょそこらの男にベタつくわけないじゃない。隼・だ・け・よ♪」
「リップサービスありがとよ」
「素直じゃないな~」
例えお世辞でもそれにニヤついちまう自分がムカつくぜちくしょおおおお!
「まぁまぁ。今度有名女優に変身して一緒に写真撮ってあげるから」
「……水着?」
「んふっ、際どいのはNGよ?」
くそ、これだから男ってやつは!(2回目)
「……で、マジ何しに来たわけ?お前は知らんだろうけど、正直、今マジで忙しいんだよ」
いつまでも玄関でコントしてるわけにもいかんので、話を進めよう。
「今晩、闇の書とカタ付けるんでしょ?知ってるわよ?だから私も来たんじゃない。あとからウーノも来るし」
え?何で知ってんの?というか姐さんも来んの?え、なに、助っ人的な?
「いや、別にお前らまでいらんだろ。うちとプレシアだけで十分だっつうの。寧ろ過剰戦力だろ」
「ん?何言ってんの?私もウーノも別に戦いに来たわけじゃないわよ?ただ手伝いに来ただけ。プレシアさんもシャマルさんも戦いに行くってなったら忙しいだろうし、疲れもするだろうしねぇ。なによりお呼ばれされるだけされて何もしないってのもアレだし?ならちょっとは出来る私とウーノが今日のうちから手伝おうって話になって……って、なに、もしかして何も聞いてないの?」
ああ、なっんも聞いてないな。なんの手伝い?
「明日のクリスマスパーティの下準備」
「………」
確かにクリパするとは言ったがよぉ……ノリノリか!?あいつらも楽しみにしてたのか!?段取り良すぎだろ。
自分で言うのもあれだが、ウチはどんな時でも平常運転を心がけるらしい。
「もうお好きにどうぞ……」
反論する気も失せた俺は、腕にぶら下がったドゥーエを連れてリビングに戻るのだった。
ドゥーエも原作の面影が消し飛びました。イノセント版寄りのようで寄ってない、ただのノリのいいエロ姉さんです汗
次回、夕食での雑談シーンを挟んでからの最終決戦予定。