ルドガーinD×D (改)   作:トマトルテ

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投稿先を間違えてしまっていた……何て馬鹿なんだろうか。
取りあえず本文です。どうぞ




六話:オカルト研究部?

「やあ、リアス・グレモリー先輩の使いで来たんだ」

「出来れば違う奴がよかったよ……」

「野郎が来てんじゃねえよ!」

 

今日、俺はリアス・グレモリー先輩と話があるという約束をしていたので同じく

話があるので迎えを寄越すと言われていたイッセーと一緒に教室で待っている最中だ。

まあ、イッセーの方はレイナーレに殺されていたので何で俺まで呼ばれているのかを

分かっていない状態だけどな。

 

さて、どうして俺が迎えに来た人物―――木場祐斗にそんなことを言っているのかと

いうとだ、何もイッセーの様に世界中のイケメンを恨んでいるからではない。

この学園の一部の女子の間で流れている厄介な噂のせいだ。

その噂というのは―――

 

 

「キャー! ルドガー君と木場きゅんよ!」

「『ルドガー君×木場きゅん』? それとも『木場きゅん×ルドガー君』!?」

「どうして兵藤まで―――はっ! まさかの3P!?」

 

 

「「「………………………」」」

 

 

キコエナイ、オレニハ、ナニモキコエナイ。

 

「と、取りあえず着いてきてくれるかな?」

 

物凄く気まずそうな顔をしながら提案してくる木場に無言で頷く俺とイッセー。

いつものイッセーならこれで『木場の人気が落ちる!』ぐらいは言いそうだが

今回は自分もターゲットに含まれていると知ってか大人しくしている。

というかなんでこんな噂がまことしやかに広がってるんだ?

俺と木場って大して接点ないはずなんだけどな……え?妄想に限界なんてない?

……もし、一部の女子が分史世界を作ったとしたら……か、考えたくもないな。

 

「それじゃあ、部長は部室に居るからそこに行くよ」

 

そうして俺達は一部の女子からの黄色い悲鳴とまともな女子からの

これは主にイッセーに向けられたものだと思われる悲鳴を浴びながらも

俺達は進んで行った。

そして行き着いた先は旧校舎のある一角。

 

「ここに部長がいるよ」

「オカルト研究部……」

 

イッセーが何やら上を見つめて呟いているので俺も見てみると確かに

戸にかけられたプレートにはオカルト研究部の文字があった……

うん、事情を知らなければまず関わり合いたいと思うことはないな。

ほら、流石のイッセーも引いて―――

 

「ここが二大お姉様や美女が集まるオカルト研究部……俺にも運が回ってきたぜ!」

 

ああ……そう言えばこいつ救いようもないような変態だったな……

信じた俺が馬鹿だったよ……。

まあ、気にしても仕方がないか……今はリアス・グレモリー先輩と話す方が先だよな。

 

「それじゃあ、ようこそオカルト研究部へ」

 

爽やかな笑顔を浮かべた木場に案内されて部室の中に入る、その時イッセーの舌打ちが

聞こえて来たような気がしたがまあ、気にしなくてもいいだろ。

取りあえず、部室の内装を確認するために辺りを見まわして見る。

様々な文字や魔法陣らしきものが所狭しとある様子は何と言うか……圧巻だな。

まあ、いい趣味かどうかは俺には分からないけどな。

そんなことを考えながらさらに見回していくと一人の小柄な女の子が

ソファーに座りながらパクパクと羊羹を食べている様が目に入った。

 

「こちら、兵藤一誠君とルドガー・ウィル・クルスニク君」

「あ、どうも」

「ルドガー・ウィル・クルスニクだ。ルドガーって呼んでくれ」

「……塔城小猫です」

 

木場の紹介にぺこりと頭を下げる俺とイッセー、そしてそれに応える様に

ぺこりと頭を下げる塔城……なぜだろうか? 少し首を傾げて考える。

どことなく黒歌と似ているような気が………まあ、いいか。

 

「……?」

 

そんな俺の様子に気づいたのか、コテンと首を傾げる塔城……可愛いな。

今の仕草はエルと並び立つぐらいの可愛さだったかもしれないな。

ロリコン?いいえ、エルコンです。

 

それにしても羊羹か………『トマト羊羹』……新たな境地が開けそうだ。

『少しはトマトから離れるにゃ……』どこかからか黒歌の疲れたような声が聞こえて来た

気がするが当然のことながら気のせいだろう。

 

それと何だろうか。近くからシャワーの音が聞こえてくるような気が……え?

何で部室にシャワーが付いているんだよ!

しかも絶賛使用中とか……この学校お嬢様学校だとは思っていたけど

やっぱり金があるんだな。………学費、サーゼクス様が負担していてくれてよかった。

俺じゃあ払いきれないような気がするからな。

 

「……いやらしい顔」

 

塔城の言葉につられてイッセーを見てみると確かにこれ以上無いほどいやらしい顔を

していた……この変態はどうせ、シャワーカーテン越しの女性の影を見て妄想を

膨らませているんだろうな。

 

「痛てっ!」

「鼻の下が伸びてるぞ」

 

軽くイッセーの頭を小突いて注意を促す。

まあ……見えそうで見えないという、隠されているロマンを

追う気持ちは良く分かるけどな。

いや、俺だって男だし、隠された神秘を覗きたいと言う気持ちは良く分かる。

でも、隠されているから意味があるんだ。

だからこそ、俺は覗こうなどという事はしないんだ。

ロマンはロマンでなければならないからな!

 

「……どうしてそんなに覚悟を決めたような顔をしているんですか?」

「男としての覚悟の確認をしていただけだ」

「……やらしいです」

「なっ!?」

 

どうしてだ!

どうして塔城は俺がロマンについて考えていたことを見破れたんだ。

て、おい、イッセー俺はお前とは違うんだ!

だから、我が同志よと言った視線で語り掛けてくるな。

いや、本当にやめろよな!?

 

「部長、これを」

 

そう言ってカーテンの向こう側の人物、多分、リアス・グレモリー先輩にタオルを渡す

ここ駒王学園で二大お姉様と言われて有名な

いかにも大和撫子といった感じの姫島朱乃先輩。

 

「待たせてごめんなさいね。昨夜はイッセーの家に泊まっていたからシャワーが浴びれなかったから、今汗を流していたの」

 

リアス・グレモリー先輩の言葉に反応してイッセーがこちらにどうだ羨ましいか

とばかりに自慢げな視線を送ってくる……ふ、甘いなイッセー。

俺は朝起きたら謎の美女とベッドインしていたなんて一年前に既に経験しているぞ。

それにそんなことよりも雷が怖くて眠れないエルと一緒に寝てあげる方が何倍もいいぞ。

エル、マジで天使。何度でも言うぞ、俺はロリコンではなくエルコンだ!

 

「案内ご苦労様、祐斗。それじゃあ、始めましょうか、兵藤一誠君にルドガー・ウィル・クルスニク君」

「は、はい」

「ああ」

「私達、オカルト研究部はあなた達を歓迎するわ―――悪魔としてね」

 

 

 

 

 

 

「で、どうして俺は話し合いに来ただけなのに戦うはめになってるんだ?」

「あはは……ごめんね、ルドガー君。部長がどうしても君の力を見たいって言うから」

 

人目に付かない校舎裏で向かい合う木場と俺、

そしてその様子を見守るリアス・グレモリー先輩他、オカルト研究部の面々。

そしてついさっきからオカルト研究部に入ることになったイッセー。

………どうしてこんなことになったんだ?

 

ついさっきまでの事を思い返してみる。

俺とイッセーはと言うか俺は事情を知っているから殆どイッセーに対して何だが

一昨日のイッセー殺害事件についての説明がなされた。

 

イッセーは当初は悪魔や堕天使について信じようとはしていなかったが

天野夕麻―――レイナーレについての真実を教えられたり、悪魔の羽などを

見せつけられたりしているうちに信じるにいたり、さらに赤い籠手のような神器(セイクリッドギア)

を出現させたりなどをしていた。

 

ん、俺はその間何をしていたかだって?

俺は姫島先輩が入れてくれたお茶をのんびりと飲みながら持参した『トマトクッキー』

を食べてた。途中、塔城と『トマトクッキー』と『羊羹』のトレードもしたりして

中々有意義な時間を過ごせたと思う。

それにしても……やっぱり日本茶には和菓子だな。

これは早急に『トマト羊羹』を作らないといけないな。

 

まあ、イッセーへの説明が終わった後は俺が話せば終わるはずだった……

そう“だった”だ。

どうしてなのかは全く分からないけど何故か俺がレイナーレを追い払った事を言うと

まだ信じられないので木場と戦って実力を見せてくれと言われたのだ。

うん、意味不明だよな。『少しは俺の事を信用してくれよな』

俺はそう言ったが誰も耳を貸してくれずに速やかに校舎裏に移動。

 

塔城に至ってはまるで自分の物の様にナチュラルに俺の『トマトクッキー』を

袋ごと強奪してモグモグと食べながらでの移動だった。

行儀が悪いから座って食べなさい!!!

そう思ったが何だか可愛かったので許してしまった……俺は…無力だ。

 

「ルドガー、何をうちひしがれているかは知らないけど、早く構えなさい」

 

元はと言えばあなたのせいです。リアス・グレモリー先輩!

少し怒ったように心の中で言い返す。

口には出さないのかだって?俺は言わないぞ、だって怒ったら怖そうだし。

 

「部長もああ言っているし、そろそろ始めようか。ルドガー君」

「ええい、もうこうなったらやけくそだ!」

「あははは、お手柔らかにね」

 

武器創造(ウェポンシフト)』を使いすぐさま双剣を創り出す。

今日の俺は本気だぞ。すぐに終わらして『トマト羊羹』を作らないといけないからな!

 

「それが君の神器(セイクリッドギア)かい? 僕のと似ているね」

「ああ」

 

俺と同じように剣を創りだす木場にそう返す、あれは俺のと同じやつか。

いや、でもあれはただの剣じゃないな……剣自体に力を感じる。

まあ、だからと言って俺が劣っているという事にはならないけどな。

 

「それじゃあ……始めようか!」

「っ!」

 

宣言と同時に斬りかかってきた木場の剣を防ぐ。

動きが速いな……でも―――それだけだ!

 

「はあっ!」

「えっ!?」

 

木場の剣を一気に押し返しそのまま木場を後退させる。

そしてそのまま隙を与えずに斬りこむ。

それを何とか受け止める木場だったが筋力の違いからか俺の方が押している。

 

「くっ…強い…っ!」

「足元が留守になっているぞ」

「あっ!?」

 

俺の攻撃に防戦一方なって意識が上にだけいっている所で足払いをかけて

木場を転げさす。そして倒れた頭のすぐ横に剣を突き立てる。

これで勝負ありだな。

 

「これで満足したか」

「祐斗を瞬殺するなんて……あなた一体何者なの。というか本当に人間?」

 

なぜだろうか……言われた通りにやっただけなのに疑いの視線を向けられる俺。

これ俺、泣いてもいいよな?余りにも不憫すぎるよな?

というか何なんだ、この理不尽と身勝手。

それに少し覚えがある俺は多分自分の不幸を呪ってもいいと思う。

 

「あなたが何者かはっきりさせてもらうわ」

 

そのまましっかりと周りに取り囲まれる俺。

うわー……これは俗に言う絶体絶命ってやつじゃないのか。

まあ、本気で戦えば特に苦労することもなく逃げられるだろうけどなあ……

ここで逃げても後々付け回されるだけだしな……仕方ない、こういう時は権力に頼ろう。

携帯を取り出してサ行を探す……えーと……あった!

 

「一体この状況で誰に電話をかけてるのかしら」

『あ、お久しぶりですサーゼクス様』

「お、お兄様!?」

『やあ、ルドガー君、久しぶりだね、どうしたんだい?』

 

俺は驚いて固まっているリアス・グレモリー先輩に携帯を押し付ける。

これはあれだ、決して、自分で話すのが面倒だからとかじゃないぞ。

 

『本当にお兄様なんですか?』

『ん、この声はリーアかい? もしかしてルドガー君を眷属にしたのかい』

『確かにお兄様だわ……えっと……お兄様、ルドガーとはどういった関係で?』

『ああ、私はルドガー君の身元保証人だよ』

『えっ!』

 

まあ、俺には当然のことながらこちらの世界の戸籍などはないのでサーゼクス様に

身元保証人になってもらったり、身分証明書を作ってもらっていたりしているからな。

本当にサーゼクス様には感謝してもしきれないな。権力万歳!

 

『ルドガー君には恩があってね、その恩返しのほんの一部としてこういったことをしているんだよ』

『恩返し? 一体何があったのですか、お兄様』

『ああ、あれはミリキャスがグレイフィアの目を離れて遊んでいた時だった―――――』

 

 

 

 

 

「疑ってごめんなさい、ルドガー。まさかあなたがミリキャスの恩人だったなんて……」

「いや、気にしなくてもいいからさ」

 

どうやらサーゼクス様は俺にかけられたあらぬ疑いを解いてくれたみたいだな。

これでもう変な誤解を受けるようなことにはないだろうな―――

 

「それにしてもあなたが神器(セイクリッドギア)を持っていたことで迫害を受けて帰る家もなくなって、さらに拒絶され続けて人間不信に陥りそうになっても必死に自分を奮い立たせて誰からも感謝されることもなく人を助け続けて来た子だったなんて……」

 

……………………は?

 

「……ルドガー先輩、これあげます」

 

どこかからか取り出した飴玉を俺に手渡して来る、塔城。

うん、美味い。

て―――

 

「いや、違うからな! 俺はそんなことしてきてないからな!?」

 

サーゼクス様なに適当なこと言ってるんだよ!

だから、そんなに同情の籠った眼で見ないでくれよな!

俺にはそんな過去とかないから!

と言うか誰だよそれ!?

え、ルドガーさん(笑)なのか。

第一、俺には二千万の借金を負ったり『オリジンの審判』を越えたりしたとかいう

凄くまともな……まともな?

あれ、可笑しいな目から汗が………。

 

「ルドガー、お前そんな辛いことを背負って……くそっ。今までお前が男好きだと言う噂を流してきた自分が恥ずかしいぜ!」

「おい、ちょっと待て、イッセー、今聞き捨てならない言葉が聞こえてきた気がするぞ?」

 

なんであんな噂が広まっているのかと思ったらお前の仕業かよ。

今度絶対に『絶拳』を叩きこんでやるからな、覚悟しておけよな。

え、出来るのかって? そんなものノリで何とかなるだろ。

認めたくはないけど父親の技だしな。

 

「とにかく、今日からは私達がついてるから安心して頂戴。私の眷属になった以上は誰にも手を出させないわ」

 

いや、まだ一言たりとも眷属になるなんて言ってないだろ。

どうしてさも当然のように俺が眷属になるように風に

言っているんだリアス・グレモリー先輩は。

俺は悪魔になる気は今のところはないからな? というわけでだ。

 

「俺は眷属にはならないぞ?」

「「「「え?」」」」

「え?」

 

何でだ?何で全員が揃いも揃って何言ってんのこいつ?みたいな目で俺を見てくるんだ?

逆に聞くけどいつどこで俺が眷属になりたそうにしてるように見えたんだ。

え、俺の意見は関係ない。俺に選択機会はないのかよ!

 

「あら、どうしてか聞いてもいいかしら」

「俺は今の生活に満足しているからな。イッセーみたいに死んだわけじゃないんだし、どうしてもならないといけないわけでもないんだから、今はまだ人間のままでいるさ」

「そう……あなたがそう言うなら仕方がないわね。私も無理やりは好きじゃないもの。でも私の眷属にはならなくてもいいからオカルト研究部には入ってくれないかしら?」

 

そう言われて少し考える、俺はさっきも言ったように悪魔になる気はない。

でも、俺自身としては何らかの形でサーゼクス様に恩返しをしていきたいという

気持ちもある。気にしなくてもいいとは言われているが住む所から学校まで全て世話に

なっているからな……やっぱり何もしないというのは心苦しいよな。

それなら、せめて出来る範囲でサーゼクス様が喜びそうなことをした方がいいか……

 

「……来れる時に来るだけなら何とか」

「それでもいいわ。私達を見てあなたが悪魔になりたいと思えばいつでも私が眷属にしてあげるわ」

 

そう言って微笑むリアス・グレモリー先輩いや……部長になるのか?

まあ、とにかくだ、二度目の人生で初の部活だ。

青春を謳歌するぞ!

 




前作に続いて一部の女子に人気があるルドガーさん(笑)

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