真剣で川神弟に恋しなさい!   作:ナマクラ

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第六話 「明日、覗きにいこうぜ!」

 今日は俺達風間ファミリーが二泊三日の箱根旅行に出発する日である。

 

 川神から箱根まで、特急列車“踊り漢”を利用すれば約一時間ほどで到着する。

 ただ、踊り漢ではその座席の都合上四人ずつ座ることになる。隣接する座席に座っても4×2で8人までしか纏まって固まれない。つまり10人いる俺達の内2人はハブられてしまうのだ。

 そこで俺達はくじ引きでハブられる二人を決める事にした。ただずっとハブられっぱなしなのはどうかと思うので、10分という時間を区切ることにした。そして10分後に、他の乗客との相席とかができなかった場合は戻ってきて、もう一度くじを引きなおす。

 キャップは爆睡中なので起きるまでは除外。後、クリスとまゆっちは新メンバー待遇で初回は除外。

 で、皆で引いてみた所、最初に当たり(ハブられるという意味で)くじを引いたのは姉貴とガクトの二人だった。

 当たりくじを引いた二人は「ちょっくら女引っ掛けてくる」的なセリフを吐いて去っていった。……ガクトはともかく姉貴のこの発言に全く違和感を感じないのが不思議だ。

 

「――という事で、そろそろ10分経つけど、戻ってくる気配ある?」

「今のところないわねー」

「姉さんの事だから多分ナンパに成功して他の席に潜り込んでるかもな」

「あ、ガクトさんが戻ってきました」

 

 まゆっちの言葉通り、ガクトが戻ってきた。その姿は堂々としたものである。

 

「ようお前等、俺様の帰還だぜ」

「で、戦果は?」

「あともう少しでいけたんだがなー。アレは完全に脈あったな」

「アー、ソレハオシカッタナー」

「十夜、さすがにそれは棒読みすぎるのでは……」

「モモ先輩は?」

「……モモ先輩なら、女子大生に囲まれてシューマイ食ってた……」

 

 ガクトの涙を流しながらの報告を聞く限り、姉貴はナンパに成功したようだ。

 

「ということは次にハブられるのは一人ってことか……」

「じゃあくじ引くぞ。今度はクリスとまゆっちも参加な」

「いいだろう」

「わ、わかりました」

 

 姉貴が戻ってきていないので当たりくじは一つ。まだキャップは爆睡中。つまり確率としては1/8。さっきの2/7よりも当たりを引く確率が低い。

 大丈夫、大丈夫だ。俺が当たるわけがない。

 一斉に自分の引いたくじを確認する。

 

「な……んだと……!?」

 

 俺が引いたくじの先は赤く塗られていた。つまり、当たりくじ。

 

「おー、今回は十夜か」

「が、頑張ってくださいね」

「トーやんにそれができるのかは疑問だけどなー」

 

 まさかの当たりに思わず力が入って割り箸製のくじがボキッと折れてしまった。松風が何か失礼な事を言ってるが、しかし俺はそんな言葉が耳に入らないほどに精神的に追い詰められていた。

 

「あ、焦るな。まだ俺がハブられると決まったわけじゃ……いやそれは決まったんだから違う。まだ俺が相席を獲得できないとは限らないんだ」

「とりあえず練習がてら頭の中でシュミレートしてみたら?」

「そ、そうだな」

 

 京の言う通りだ。まずはシュミレートしてみよう。

 

「まず空いてる席を探して……」

 

 ……いや待て、もしかしたらこの時点で俺は不審者に見られる可能性はないのか?キョロキョロしながら席を見回る男。怪しいと思われて通報されて警備員に捕縛されるんじゃ……!?

 

「いやいやないから!おおっぴらにナンパしてたガクトでも通報なんてされてないからね!」

「そ、そうだよな。考えすぎか」

「テメェら俺様を何だと思ってやがる……!」

「じゃあ空いてる席を見つけた後に話しかけ……」

 

 ……待てよ、俺が見知らぬ他人に声をかける?俺にそんな事できるわけがないだろう!

 

「断定すんなよ!?」

「人に話しかけるのってそんなに難しい事かしら?」

「俺にとっては厳しい事なんだよ」

「そこは気合で何とかしろ!」

「う……と、とりあえず気合やらで何とか話しかけたとして、その後は……」

 

 ……断られるビジョンしか浮かばない……そしてそのまま通報されて……

 

「何故そうなる!?」

「なんでコイツこんなにネガティブ思考なんだよ」

「普通にいけば大丈夫だろうに……」

 

 ダメだ……どうしても出来そうにない。こうなったら……

 

「車両のトイレに立て篭もってゲームしてやるー!」

「おいバカやめろ!」

 

 

 捨て台詞を吐きながら座席から逃げ出す。さて、実際どうしたものか……

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 さて、くじ引きでハブにされたトーやんがいない間に、その川神十夜という人間について深く調べていきたいと思うんだぜー。

 え?何でいない時に調べるかって?本人がいない所でしか聞けない話もあるかもだろ?そういう気配りが出来る所もオラのいいところなんだぜ。

 じゃ、まずは風間ファミリーから当たっていってみようと思う。

 個人情報保護的な観点から情報提供者の名前はイニシャルでお送りするけど気にすんなよなー。

 

 じゃ、まずはG・Sさんに聞いてみるぜ。

 

「十夜? アイツは意外とエロい。いや真剣だって! もう少し付き合い長くなったらわかると思うけどアイツ結構なオープンスケベだからな! というか俺様としてはアイツが地味になってくれてありがたいんだよな。何でかって? そりゃなアイツあれでもモモ先輩の弟なだけあって美形だったんだぜ? あの時のまま今も来たら絶対アイツはモテてた。ただでさえモモ先輩に女が寄っていくのに男の中でも競争率高くなったらさすがの俺様でも厳しいからな」

 

 成程、トーやんはモテる可能性あり、と。まあオラほどではないだろうけどなー

 

 次はT・Mさんの話いってみよー!

 

「十夜といえば? んー……やっぱり『ガリ』かな?まあ由来は色んなことからあるんだけど、例えば寿司屋でガリを食べ尽くしたとか、『おれはしょうきにもどった』とか。まあ一時期あだ名にもなってたからね。僕としてはその印象が大きいかな。あ、あと確かに十夜はゲーマーなんだけど、ギャルゲーとかよりも格ゲーとかRPGとか戦闘があるゲームの方が好きみたいなんだよね」

 

 ガリって……あーそういえばこの前の金曜集会の時も寿司についてたガリ全部食ってたなぁ。つかゲームの違いとか言われてもまゆっちとかはわかんねーだろ。オラ? そりゃお前、オラくらいになればわかるよ? ヨユーヨユー。え? STGって何かって? え、えーっとそりゃあれだよ、ほら。えーっと……そ、そんな事より今はトーやんの話だ!

 気を取り直してY・Nさんのお話いってみよー!

 

「元々は活発なヤツだったんだけど……まあ、昨日話したし今はそこら辺の話は置いておこう。でも今も意外と体動かすのはまだ好きみたいだぞ。スポーツも好きみたいだし、引き篭もりになった後でも普通に俺よりも動けるからな。鍛えてないのになんでキャップとかガクト並みに動けるのか謎だ」

 

 そりゃ、あれじゃね? モモ先輩にも流れてる川神の血統って奴じゃね? さすがのオラでもそれ以外で説明できねーよ。

 

 次は身内でもあるK・Kさんの話、いくぜ。

 

「十夜は何というか、手のかかる弟って感じかな?昔は違ったんだけど、引き篭もってからは色々変わっちゃったし。でも今でも時々頼れる所もあるのよ。おかしくれたりとか」

「あのー、それは頼りになるって言えるのでしょうか……?」

「あとはアタシが読んでる格闘技系の雑誌とかも結構読んでるみたい。アタシからはそれくらいかな? ……ところで、いにしゃるって何? 国の名前?」

 

 ……説明するのも面倒なのでスルーでいくけど文句はねぇよな?

 

 んじゃ、次はM・Sさんのお話だ。

 

「十夜は凄い内弁慶だよね。見知らぬ人相手には結構下手に出たりキョドッたりするけど、慣れてくると一気に態度が変わるの。実際まゆっちとかクリスへの態度は短い間に劇的に変わってたでしょ? あれは十夜なりに慣れてきた合図だと考えていいと思うよ。あ、あと私のイニシャル表記間違ってるよ。後ろはSじゃなくてNにしといてね」

「いや、Sで合ってるから。お前のイニシャルNじゃないからな」

 

 こんな時でも嫁アピールを忘れないとは……この執念はまゆっちも見習うべきかもな。

 

 最後にT・Kさんのお話いってみよー!

 

「え? 何の話? …………え? それ俺にも聞くの? んー……まあ一言でいえば引き篭もりだな。何か特筆するものも無ければ友達もファミリー外にはいない。人付き合いも悪いし何を話せばいいのかもわからない。他人が怖い。ゲーマー。外では暗い。メガネ……」

「まさか本人にも直接聞くとは……」

「まゆっちレベル高いなぁ」

「というか自分の事を平然と酷評してる十夜も十夜だけどな」

「……あー……鬱だ、死のう」

「どうしてそうなるんだ!?」

「どうやら自分自身の発言でダメージを受けた模様」

「はわわわわわ! どうしましょう!?」

 

 お、オラはさー、ほら、アレだよ、あくまで善意のために動いただけだからさ。オラに責任があるわけじゃ……

 

「松風…………!」

 

 オラは悪くねぇ! オラは悪くねぇ! オラはただよかれと思ってやったんだけなんだ! だからオラは悪くねぇ!!

 

「松風、人のせいにしてはいけませんよ!」

「お前が言うなぁ! まゆっちィィィッ!」

「はぅあ!?」

 

 おぉう……まさかトーやんに怒られるとは思っても見なかったぜ……

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 その後、無事に箱根に到着。そこからワン子とクリス以外はバスに乗り込み山を登って宿へ直行。二人は走ってくるそうだ。

 宿に着いた後はそれぞれ自由行動。俺は姉貴とモロとともに部屋に備え付けてあるゲームをして時間を潰した。タイトルは『拳で語れ! ケンタくん』。聞いたこともないタイトルだった。

 ゲームが一段落した所で二人が宿に到着したので皆で晩飯を食べた。ここまで特に何かあったわけでないので割愛させてもらう。

 

 夜になり晩飯も食べたとなると、する事といえば限られてくる。そして宿泊先が箱根の温泉宿であるのだから、果たして温泉に入らないことがあるだろうか? いや、ない(反語)

 

「ふぅ……いい湯だね。温泉いいなぁ」

「ああ。たまにはこういうのもいいな」

 

 ということで俺達は温泉に浸かりながらまったりとしている。当然ながら男湯と女湯で別れているので、今頃女性陣も温泉に浸かっているのだろう。こうしてまったりしていると心が安らぐ。

 

「見ろ、貴様ら! この俺様の筋肉美を!」

 

 そしてガクトのせいで心に芽生えた安らぎが消え去ってしまった。

 

「少しは隠してよ!」

「言葉を少し濁して言えば、グロい」

「それちっとも濁してねーじゃねーか!」

 

 それくらいグロイって事だ。悟れ。

 

「だが、俺様のジュニアは銃で言う所のバズーカ。所詮は貧弱共の僻みだ」

「まだ1度も対象に向けて発砲してないけどな」

「砲身は磨いてるんだが……って何言わせんじゃいコラ!」

「ああもう。やめてよその手の話は~」

 

 モロはこういう下ネタ話が苦手だからな。理想の恋愛シチュエーションとかは苦手じゃなさそうなのに。

 

「つか男同士でいちいち隠す必要もないだろ」

「そうだぜ。隠すのは自分に自信のない証拠だぜ」

「それでもお前らは堂々としすぎだろ」

 

 そう見せ付けるようにするのはどうかと思う。

 

「いや、十夜も人の事言えないからな」

「えっ? 俺も?」

 

 ガクトみたいに見せびらかしてないんだからいいと思うんだがなぁ……

 

「で、十夜のは……なるほどな」

「リボルバーって所か」

 

 確かに今の俺の状態を例えればそうなるかもしれん。しかし世の中には膨張率と言うものがあってだな……

 

「……キャップは銃でいうとマシンガンか」

「そういうてめぇの愚息はどうなんだよ大和」

「俺のはマグナムだね。重い一撃をズドンと」

 

 マグナム。火薬の量が通常の弾よりも多く、拳銃の部類では強力な威力を誇る。口径によってはグリズリーも一発で仕留められるという。……大和め、大きく出たな。

 

「ハッ、バズーカには遠く及ばないな」

「いざという時に暴発しそうだなガクトは」

「てめぇは弾詰まりしそうだがな」

 

 暴発はともかくコレで弾詰まりって、それ病気じゃね?

 

「下品! げーひーん!」

「お前あだなモロなんだから隠してないでモロに出せばいいじゃん」

「そーいう意味のモロじゃないでしょ!」

「もしそういう意味でモロなんだったらイジメ以外の何物でもないと思う」

「まあモロの水鉄砲は皮のホルスターに入ってるからなー」

「……僕だって好きでそうなってるわけじゃ…」

 

 皮のホルスター……なるほど。察した。これは言わないのが優しさだな。

 

「ん? つまりそれって……」

「遠まわしに言うんだ、キャップ。それがやさしさだ」

「言うなよ。絶対に言うなよ! 絶対だぞ!」

 

 俺が念には念を入れて注意しておいたから流石のキャップも直接的に言わないだろう。キャップもこっちに向かって親指を立ててこちらに合図をしてきたのでおそらくこちらの意図を把握したという事だろう。……フリ? 何の事だかわからんな。

 

「むけてないのか」

「うわぁぁぁぁ!!」

「それ遠回しどころか最短距離だろ!」

「頭をなでるように優しく言ったじゃねーか」

「優しくってそういう意味じゃねぇだろ」

「言葉のチョイスが殺しにいってるとしか思えねー」

「俺があれだけ念を押したのに……」

「いやお前アレ確実にフリだっただろ」

 

 えー? ぼく、なんのことだがわかんなーい。

 

「そういや、モロのって見てないなー。ちょっと俺に見せてみ? モロの大事な部分」

「ちょ!? 何でそういう展開になるのさ!?」

「いや、気にしてるんだろ? だったら俺がむいてやる。上手くいくかもしれん」

「嫌だよ! そんなイベント誰が幸せになるのさ!?」

 

 少なくともこのイベントで幸せになるヤツはこの場にはいないな。女湯にはいるかもしれないけど。

 

「照れるか? 5年6年の付き合いじゃないんだぜ」

「うん。まぁ照れると思うよ、普通」

 

 むしろ照れなかったらおかしいと思うレベル。

 

「もっと風のように自由にいこうぜ」

「フリーダムすぎる」

「自由の意味を調べ直したくなるな」

「いやでもリーダーとして心配なんだよ」

 

 他人のジュニアの心配までしないといけないなんて、リーダーとは一体……

 

「いらない心配だって!」

「だって大和なんてかなり昔だけど夏休みに……っと、そうだった。なんでもね!」

 

 ……? 夏休み? 昔の大和に一体何が……?

 

「まあモロの下事情は放っておくとしてだな……」

「ガクトから話ふっといてこの扱いはおかしいよね!?」

「それより俺様からもっと重大な話がある!」

「ほう……そのモロの貞操の危機よりも重大な話とは何か聞かせてもらおうか」

「何か危機の度合いが上がってる!?」

「端的に言うとだな……」

 

 気分的にゴクリと唾を飲み込む音が聞こえそうな雰囲気だが、俺はそんなに期待せずにガクトの言葉を待つ。というかここで溜める必要あんのか?まあ話の内容が何であれ犯罪関係じゃなければ特に問題はないと思うが……

 

 

 

 

「明日、覗きにいこうぜ!」

 

 

 

 

 はい、アウトー。

 

「自殺志願者を発見しました」

「さすがに俺も姉さんを筆頭とした武闘派女子陣の入浴シーンを覗くのは命知らずすぎると思うぞ」

「違ぇよ! さすがにモモ先輩たちを覗くつもりはねぇって!」

 

 まあそうだと思った。もし姉貴のいる風呂を覗こうとしたら一見ハイリスクハイリターンの賭けに見えるけど、気配とかで覗く前にほぼ100パーばれるから実質ハイリスクノーリターンの自殺行為なんだし、それを知らないガクトではないはずだ。

 

「実は下の旅館に明日に女子大学生のラクロスサークルが泊まりにくるんだよ。それを明日覗きに行こうってわけだ」

「つか何で知ってんだよそんな事?」

 

 女子大生達がいつどこに泊まりにくるかなんて明らかに個人情報だろ。

 

「モロに頼んで調べてもらった。ルートは今日着いた後明るい内に下見もしてきた。特に警報とかも反応しなかったぜ」

「何気にモロが協力してる件。モロもそんなに見たいのか」

「違うよ! ガクトを放ってもし暴走でもして捕まったらアレだし」

「もしこれで捕まったらモロも共犯だぜ」

「うっ! そうなんだよねぇ……」

「そんな馬鹿なことで楽しい旅行を潰すんじゃない……とは言わん! 覗きたいんなら覗いて来い! ただし、ばれないようにな!」

「流石軍師! お前ならそう言ってくれると思ったぜ!」

 

 さて、俺はこの話に乗るべきか……俺だって健全な男子高校生だから女性の裸は見たい。だがしかしガクトは確認したって言ってたけど見落としがないとは限らない。どうするべきか……。

 

「よくわかんねーなぁ。女の裸見て何が面白いんだ?」

「キャップはお子様だなー」

「いいかキャップ、面白いとか面白くないとか、そういうものじゃねぇんだよ」

 

 とりあえずまだ性に目覚めていないキャップに女体の素晴らしさと言うものを教えておこう。

 

「女の裸に男が興味を持つのは自然な事だ。むしろ世界の真理といっていいだろう」

 

 キャップには女体と冒険を関連付けるのが一番わかりやすいだろう。ということでそっち方面で説明してみる。

 

「女の裸には男を惹きつける何かがある。それは、女体の神秘とも言われる未知なるものだ。言ってみれば、俺達男はその神秘を追い求める冒険者なんだ」

「おお! 何かカッケーな!」

「女の裸には神秘とも言われるほどの魅力があるんだ。むしろ興味を持たない方がどうかしてる。これでキャップにも多少は女体の魅力がわかっただろう?」

「だがやっぱり俺は女の裸より冒険の方に心惹かれるぜ! 正直よくわかんなかったし!」

「おい……おい!」

 

 キャップに女体の魅力を伝えるには伝達力が足りないというのか……!

 

「諦めろ十夜、キャップはまだ性に目覚めてないんだから仕方ないさ」

 

 ぬう……まあとりあえずは諦めるとしよう。

 

 

 

 ……しかしいつかキャップが性に目覚めることなんてあるんだろうか?

 

 


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