~休止中~ ラブライブ!出会いが全てを変えた世界で 女神達の夢の囁き 作:文才皆無。
嬉しくて泣きそうです。
では、最初に注意として一つだけ。穂乃果のお母さんの名前をオリジナルで考えるために遅くなったのですが、花梛穂としました!
では、メリークリスマス!!
私は二十分近く歩いている。
家はとっくに過ぎていてそれでも立ち寄る気になれず、ウロウロとしてしまっていた。やるって決めたのに、鑪を踏んで前に出れないでいて今もこうしてる。
「はぁー、私ってこんなに優柔不断だったんだ…」
「あら…穂乃果じゃない。こんな所でどうしたの?」
黒いコートに白いマフラー、金色の髪を束ねた青い瞳の女性。先輩の絢瀬 絵里ちゃんだった。
「絵里ちゃんこそ、まだ集合時間まで凄い時間あるよ?」
「何を言ってるの?もうそろそろ3時になるわよ?」
「うぇ!?」
そう言われてポケットに入れっぱなしにしていたケータイを取りだして開いてみると、14:40と表記されていた。皆と待ち合わせしてるしてる時間が3時で此処から行けば待ち合わせ場所には十分前に着くぐらいの時間帯でそんな時間に私がここで屯していたのを気になって話しかけてくれたみたいだった。
「あ、本当だ…気付かなかった。」
「全く…穂乃果はいつもそうね。一度家に帰っても間に合うわよ、どうする?」
「…このまま行く。」
「はぁ…」
絵里ちゃんはその答えに呆れていたのか、大きな溜め息を吐いていた。えぇー、でも間に合わない訳じゃないんだから良いじゃん!なんで呆れられなきゃいけないの?
「皆で昨日話し合ったの。最初は確か海未からだったわね…それで穂乃果。」
「ん、何?」
「本当は話さないでいるつもりだったけど言うわね。私達は貴女の事を雪穂ちゃんやお母様からある程度の事情は窺ってる。
その時に貴女の事を心配して探そうってことにもなったの。でもその時に貴女お母様はその時に何て言ったと思う?」
質問の意味が分からなかった…。お母さん?それに雪穂って…そう言えばあの時直ぐに走って言っちゃったから勝手に居なくなったような状態になっちゃったんだ…。
悪いことしっちゃったなぁ…。
「お母様は私達に追いかけないでって言われたの。別に酷い意味でそう言ったんじゃないわ。貴女のことをよく見てるからこそそんなことを言ったのよ。
"あの子に今必要なのは自分の気持ちを整える時間よ。落ち着けば全部まるっと解決してくれる。…だから今はあの子の好きにさせてあげたいの…。それが母であり、私個人としての意見よ。
だから今はあの子を放っておいて穂乃果の力になってあげてほしい。…お願いします。"
そう、言って皆に頭を下げてたのよ?」
…お母さん。
私まだちょっと落ち着けてなかったのかもしれない。だってそんな考えてくれてたのにも気付けなかったんだもん…。
一回家に帰ってちゃんと謝んなきゃ!それでちゃんと頭下げてありがとうって言わなきゃ!!
「ねぇ、絵里ちゃん。」
「分かってるわ。皆に言っておくわね?ちゃんと親孝行してきなさい。
頑張ってね!」
「うん!!」
もう、ウジウジ何てしない。夢斗くんへの私の気持ちに嘘、偽りなんかなかったから悲しかったけどでも回りに迷惑かけてまでずっといるなんて違うよね!私は私。高坂 穂乃果なんだ!
夢斗くんに初めて会った時に教えてもらった本当の私はこう元気じゃなきゃだね!
それにまだまだ諦められるモンじゃない!本気だもん。この気持ちに嘘はつかないし、妥協なんてしないもん。
ごめんって言われたけど、だったら振り向かせればいいんだもん!絶対に諦めるもんか!
よぉし!張り切っちゃうぞぉ!
…海未ちゃんっぽくなっちゃった…。
「もう大丈夫そうだし私は行くわね?またあとで」
「ありがと、絵里ちゃん♪頼れるお姉ちゃんって感じでいつも助けてくれて!
大好きだよ!」
「も、もぅ…そういうこと言わないの///」
照れてる絵里ちゃんにもう一度だけ心のなかで感謝の言葉をいって走り出した。
絶対、ぜぇったい!!諦めないからね、夢斗くん♪
覚悟しててね、私って諦めが悪いんだから!
力一杯踏み出した足の裏に雪があって、シャクシャクって音がなっている。冷たい空気も今は温かく感じて嬉しくて楽しくて雪なんだなぁって思った。えへへ、ちょっと何言ってるのか分かんなくなっちゃったね。
私は急いで家に帰ってとりあえず部屋にもどって着替えた。
それで、お店の方に顔を出したんだ。それで謝った。でも…お母さんは怒るでもなく励ましてくれたの。
笑顔で、優しそうな目でそれでもやっぱり力になるって言ってくれたんだぁ
「ありがと、お母さん!」
「ふふ、私の子供ですもの。それぐらい元気がちょうどいいのよ。…運命って数奇なものでね、簡単に途切れちゃうの。でも、逆にくっつき易いものでもあるのよ。…まぁ只の大人の経験談だったわね。頑張ってきなさい!」
「……?うん、なんか分かんないけど分かった!頑張ってくる!」
「お姉ちゃん!!」
「あ、雪穂…。」
雪穂は心配そうな顔で見てくる。でも、決心したのか私にいってくれたんだ。それで私も思ったの…あぁ、私ってホントに皆があっての穂乃果なんだって。
海未ちゃんとことりちゃんがいたからアイドルをやれる。
真姫ちゃんがいたからfirstライブでも、今までもずっと曲が出来て、踊れる。
花陽ちゃんがいたからどれだけキツくても頑張れるように決心することが出来た。
凛ちゃんがいたから花陽ちゃんが踏み出す力がでて、元気をもらってる。
ニコちゃんにはたまに何言ってるのか分かんなくなっちゃう事もあるけどでも、前の分からない私達に道を記してくれた。
絵里ちゃんと希ちゃんには支えられてばかりだもん。感謝の気持ちで一杯だよ~
μ'sは一人でも足りなかったら出来なかったよね…。あの時の…告白する前に言った言葉って軽かったんだ…。
中身のない空虚な言葉で取り繕って、全然分かってなかったのは私だったんだ!
それに最初からずっと私を見ててくれた夢斗くんも。
誰も教えてくれなかった事も教えてくれた。誰も出来なかったことをしてくれた。
背中を押して、支えて…だから好きになったんだ。
ねぇ、私はまだそこでうずくまってるの?
静に響き渡るように聞こえた声は昔、夢斗くんを怒らせた時の声で、私は「この声、あの時の…!?」って思ったんだ。気付いたら随分と久し振りだなって思ったんだよ。
うん、そう。私は穂乃果、貴女と同じ。
でも二重人格じゃないよ?貴女が貴女である為に生まれた夢斗くんに出会ったあの時に仕事を終えた筈だった私よ。
その言葉を噛み砕いてその意味をよく考えた。で、気付いた私は目を見開いた。
だってそれってつまり…!?
うん、そうだよ。私は消える筈だったの。でも何故かこうして貴方の前に現れた。それがどういう事なのか分かってる?成長した筈の貴方がまた戻ってきてるってこと。
だから今の貴女は嫌い。言葉だけで立ち止まってるだけ。
ねぇ、穂乃果はそんなんで良いの?また自分を認められない穂乃果に戻っちゃうの?そんなの嫌だよ。
………。
返せなかった。言葉が出ない。戻ったっていうのも分かってたよ。でも、それでも怖いんだよ。
意を決して進んで、それでも受け入れられないのって…分かってる。分かってるよ!こんな自分私だって嫌いだもん!でも、だって…
そうだよ…。うん。もう、理解してるってこと私は知ってるよ?だから、ね?あと少しだけ、ほんの少しだけ勇気を出してみよう?
私は穂乃果に優しく抱き付かれる。ううん、違う抱き付かれたんじゃなくて包み込んでるんだ。きっと、少しの勇気をくれるっていう思いとおまじない。けど、ここまでされたんだ…ここで立たなかったら私は私じゃないってことだよね…。
うん!!
もう大丈夫かな♪じゃあ、いくね?
…それはダメ。
え!?
ふふ、もうきめたんだよ。私は私。私は穂乃果なんだよ!ね?
だから一緒だよ。ずっと!
…うん。私だもんね。ふふ、ありがと。受け入れてくれて。
溶け合うように体が、ううん。心が一緒になった私達穂乃果はひとつになったんだ。
もう、一人じゃない。全てを引っくるめて私だもんね!私、ファイトだよ!
「頑張ってね、お姉ちゃん!お兄ちゃんが出来るの楽しみにしてるね!」
「うん?お兄ちゃん?…うぇ!?でも、うん!頑張る!!」
「いってらっしゃい!!」
「うん、行ってくるね!それで夢斗くんにも会ってもう一回ちゃんと伝えてくる!この気持ちを、想いを!!」
立ち止まらないし迷わない。後悔だけはしないもん。
諦めるとかしない。納得するまでずっと続けるからね!!
それで走って走って…、前に進んでいこう。
「…え?」
お店を出て、すぐのことでした。何故か待ち合わせ場所にいるはずの皆が目の前にいた。
それって…そんなに時間が遅くなったってこと!?
「違うよ、穂乃果ちゃん♪ことり達は穂乃果ちゃんのトナカイになろうって思っただけだよ。」
「…ナニソレ、トナカイって!どちらかと言えばキューピットじゃないの?」
「ま、まぁクリスマスだしトナカイっていうその表現の方がいいにゃ!!」
「うん、りんちゃんと同じでそう思うな。サンタさんを運ぶんじゃなくてサンタさんに運ぶんだけど…」
「運ぶのは気持ちってなんか良いわね。うん、そういう考え好きだわ!ハラショー!!」
「エリチ…テンション上がってるんやね。…でもスピリチュアルやし、ウチもそ。お表現が好きや。」
「ふん、このにこにーが前に引っ張ってあげるんだからせめてがんばってきなさいよね」
「ええ、私達はトナカイです。貴方にプレゼントをあげる人が待ってます。待ち合わせの場所にいますよ。
…行ってきなさい。きっと、貴方の想いは届きますよ。」
「ことりちゃん、海未ちゃん…それに皆も!
うん!!この思いも全て伝えてくる!いってきます!」
皆に見送られて走り出した!
だって、もう止まりたくないから。
皆がくれた勇気があるからつよくなれるんだ。
穂乃果は穂乃果だし、私ならきっとそうする。
進むよ、私!
走って走って…息も上がって、でも昨日とは違う。
確かにやってることは同じなのにこんなに違うものなんだね…。足が軽い。
一歩一歩着実に進んでるもん!
ここを曲がれば!
見えた!
駅の前に黒い長袖のシャツ上に赤いパーカーで布の端に白いモコモコを付けた服装の人物を直ぐに見付けた。駅前にはそれこそ凄い人だかりが出来てた。けど、直ぐにそれが夢斗くんって分かったんだ。
「はぁ…はぁ、ゆ、夢斗くん!」
「あぁ、穂乃果か…」
「うん…。今日はしっかりお話しようかと思ったの…。だから聞いて」
夢斗くんは驚いた顔をしてたけどなんとなくヤツレてたような気がした。
だって目の下に隈が出来てたし、いつも以上に髪の毛がボサボサになってたみたいだし…。
でも、なんで?
その疑問は私を捕らえる。それ以外に考えられなくする。…その人の事がどうしても気になってしまう。この恋心には気の迷いとかそんなんじゃないって気付かせてくれる。
でも、フラれたのは私で気にする必要なんてないのに…。じゃあ、同情?
違う。夢斗くんは同情するより励ます人だよね…。じゃあ、傷付けた負い目を感じてる?
これっぽい。優しいからな…。
フッた私にここまで考えてくれるって凄いね…私じゃ無理、だよ。
そこまで思ってくれてたのにフラれたんだ、穂乃果。
「俺も言わなくちゃいけないことがいっぱいあった。それで一晩ずっと謝りたくて探してたんだがみつからなんくて、穂乃果のお母さんの花梛穂さんや雪穂に心配させて引き留められて泊めてもらったんだ。
それでも帰ってこなくてまた朝探してた時に亜理沙ちゃんに言われたんだ。ここにいれば会えるって言われた…で、待ってたんだ」
「なんで?私、夢斗くんに告白して謝られて…」
「………。あは、はは…。バカみたいだな。そういう事だったんだ…」
嬉しそうにしてる夢斗くんは何か分かったようだ。
でも、何が?フラれたんだよね?なんで嬉しそうなの?それにいい顔してる。
いつだかなの無邪気な顔だし…私に言ったの?バカみたいだなって失礼じゃないかな!
「なぁ、俺は謝りたくて探したって言っただろ?先に謝ってもいいか?」
「うぇ!?い、良いけど~…?」
分からない。なんでそんなに嬉しそうなの?なんでそんなに楽しそうないたずらっ子みたいな笑顔をしてるんだろう…。それに生き生きしてるっていうか…
「じゃあ言うな?ごめん。
俺が間違ってたんだ。告白されたのが嬉しくて抱き付いちまった。それで怖い思いさせっちゃったみたいだな…ってさ、穂乃果を抱いたときに目に涙を溜めてるのを見たとき頭が冷やされて…やっちゃった。女の子を泣かせちゃったって思ったらさ、何もかもが崩れ去ったような気がして謝らなくちゃって…分からなくなっちゃって…」
「…え!?」
「俺、さ。あの時走って行っちゃったとき凄い罪悪感と嫌われたって怖くなったんだ…。
それで情けないんだが尻込みしちゃってな。男なら彼処で追いかけられればカッコ良かったのかもしれないんだけどでもその勇気が無かったんだ。…俺からもう一つだけ言わせてほしい。」
「う、うん…。」
謝られた時に何かの間違いに気付いたような気がしたけど、真剣な顔の夢斗くんを見てどうでも良くなっちゃった。今まで何度も見てきたカッコいいあの顔に魅せられたんだ。それで胸の鼓動が速くなったのが分かる。そして胸を締め付けるような痛みがあったんだ。
もし…もし夢斗くんと恋人になれたらあの顔を、いろんな顔を見せてくれるかな?
…夢斗くん。
「俺…牟兎 夢斗は夢人で夢のなかで生きてる。でも、もし俺の気持ちを優先しても良いと言ってくれるなら聞いて欲しいんだ。
…俺は明るくて、一生懸命で、一つ一つの事で一喜一憂して…一緒にいると楽しい君の…高坂 穂乃果さんと一緒にいることが好きです。その想いに嘘も偽りも存在しない。
そして、きっと俺は貴方を傷付ける。会いたいときに会えない思いをさせる…それでも、それでも俺を好いてくれるというのなら俺と…俺と付き合ってほしいんだ!これが俺の本当の気持ちで俺の想いだよ、穂乃果」
何を言われたか分からなかった。今、夢斗くんが好きって言った。
私に…穂乃果に言ってくれた。好きって思いを私に行ってくれたんだよね…?
アレ、おかしいな…これ涙だ。もう昨日と今日で流し尽くしたと思ったのにな…。嬉しいのに、嬉しい筈なのにな…。溢れてくるよ…。うぁ、あ…あ、うわぁぁーーーーん!
「グスッ、うん。うん!あり、がとう。私も…私も好き!!」もっと…もっと言おうと思ったことがあった筈、なのに…他の言葉が見付からないや。おかしいな。うん、うん…。」
ムグッ!?
「…俺は穂乃果が好きって言っただろ?好きな子の泣き顔なんて見たくないんだよ。
笑顔がみたい。そのためだったら俺は恥ずかしくてもどんなこともするぞ?」
笑いながら言う夢斗くんは顔が真っ赤だった。そして私もきっと真っ赤だ。
いま、夢斗くんは私の…唇を奪ったんだ!
キスだよね、これ?
ボフンッ!!
そんな音を耳にしたような気がするし、凄い顔が熱いよぅ…。
「うれ、あの、その…え!?あれ!!?えっと?ううぇぇぇーーーー!?」
「落ち着きなよ?それで、返事を聞かせてくれないかな?」
これは私の口から言わなきゃいけないことだからね。うん、なんか知らないけど落ち着いたような気がする。
「うん!お願い。私も夢斗くんが好きで、だから付き合いたい!これから宜しく、私の…穂乃果の恋人になって下さい!!」
言えた…。言えたよ!
昨日からずっと言いたかった事が言えたんだ!えへ、えへへ♪
「ありがとう、穂乃果。俺嬉しいな。
よろしく、俺の可愛い恋人。」
「可愛いって…うぅー!!恥ずかしい事言わないで!もう、もう!!顔真っ赤になっちゃうじゃん!」
「えっと?すまん?」
「…ううん。えっと、これは照れ隠しだから…嬉しかったから、言ってほしいな?」
慈愛に満ちた優しい顔で見てくる。
うわーい!!なんか嬉しいな!なんでだろうね?何でもないのに嬉しくて楽しくて…うん!
「あはは、うん分かった。笑顔が綺麗で、一生懸命な姿が格好よくて、普段の天真爛漫な所も可愛くて…そんな全力な穂乃果が好きだよ。」
「ありがとう、夢斗くん!私も夢斗くんの事が好きだよ♪真剣な時の顔も、普段あんまり顔の表情が動かないクールなのに時々無邪気に喜ぶ所も、優しくしてくれた事も。私をしっかり見てくれる事も今までの全部を引っくるめて大好き!」
嬉しくて抱き付くと夢斗くんが抱き止めてくれた。顔が近くて少し照れ臭くなったけどでも、抱き付いて良かったって思えた。なんか幸せって思えたんだと思うな♪
あったかい。気持ちいい。ずっとこうしてたいな…。
でも、クリスマスが終わっちゃったらこの温もりが無くなっちゃうんだよね…?それは嫌だけど告白して良かったよ!それはきっと変わらない思いかな?
「で、お前らはいつまでそうしてるつもりだ?」
「え!?」
夢斗くんが睨み付ける方向に視線をむけると駅の前だったのを気付いた…。忘れてた!!え、じゃああの告白って全部…?は、恥ずかしい!うぁぁぁーーーーー衆人環視のなかやっちゃった。
「ほぉ…まだ出てこないってことは疚しいことしたっていう自覚が有るんだな?じゃぁ罰の1つや2つは受ける覚悟があるんだよな♪」
「夢斗くん?スッゴい悪い顔してるよ。」
でも、その顔を続けてたらさっきの曲がり角の所から八人がゾロゾロといつだかの変装?した姿で出てきた。あの怪しい奴だよ?にこちゃんのだよね、アレ。ってことはあの八人って、皆だよね?なんで態々変装までして?
それに直ぐ隣から底冷えするぐらい怖い顔をする夢斗くん。怒ってるよね?
「その姿ってことは主犯は矢澤か…。」
「ち、違うニコ。私は只皆にコートとサングラス貸しただけニコー…だから悪いのは真姫にこ!」
「っな、にこ先輩ズルいわよ!たしかに貸してって言ったのは私だけどにこ先輩だってノリノリだったじゃない!それにそれを言ったら凛だって!」
「うぇ!?凛かにゃ!!違うにゃ!だからにらまないでください!!お願いします!私は小さい声で言ってたカヨちゃんの代わりに大声だしただけです!」
「…矢澤、西木野、星空は後で罰を与える。…で、その小泉の言い訳はどうなんだ?言ってみろよ♪」
あ、スッゴい笑顔だ。
花陽ちゃんも青くなっちゃってるし…。でも名字呼びされた三人も世界の終わりみたいな顔してるし…これ、このままで良いのかな?
「え、あの…その…誰かタスケテー!!」
「ふふ、お前も後で罰を与えるからな♪」
「終わった…。もう何もかもが終わった…。」
「花陽…」
「おいおい、心配してる場合かな?絢瀬と園田もいたのに誰も止めなかったっていうのも変な話だよなぁ?」
「えーっと、サヨナラ!」
「…ふふ、逃がすと思った?私は素直に怒られてるのに貴方だけなんて逃がさないわよ♪」
「…はい。スイマセンデシタ…。」
「黙って見逃した二人も同罪だこの戯け者が!」
「「はい…。」」
「で、お前は?」
「あはは、手加減は?」
「相談に乗れる分けねぇだろ♪こんな中で告白させた上に当の本人は隠れて見てたんだ、全力だ。」
「堪忍や!殺生はアカンよ?」
「殺しやしねえから安心だな?」
膝から崩れ落ちる希ちゃん。
あー、これで私を除いた全員が罰を受けるんだよね?あー、御愁傷様です。
「…なに手を合わせて合掌してるんだよ?
穂乃果も例外じゃないぞ?一晩中走らせた上それが只の勘違いでしたってバカか!お前も罰を受けさせる。」
「えぇぇーーーーーー!?何で!?恋人でしょ!?」
「関係ないね。」
一言でバッサリいい去った夢斗くんは心底楽しそうにしてた。夢斗くんって絶対サディストだよ…。手綱を握ってないと落ち着かないタイプだよ!?
理不尽なこと言われたんだもん。じゃあ私だって言わせてもらう!もうじっとなんかしないから!!
「ふ、ふふ…ふふふ。じゃあ、夢斗くんも勘違いさせた原因なんだから罰ゲームだよ!!逃がさないもん!」
「もっちろん。俺もちゃんとその事について考えてたさ。罰は既に決めてる。」
「「「ゴクッ」」」
「そんなに身構えなくても…良いんじゃない?」
「で、でも…夢斗さんが怒ってたんだよ?きっと怖い事だよぉ…」
「死にたくありません!すいません、殺さないでくださいぃー!!」
「う、海未ちゃん?怖いこと言わないでよぉ…」
「何もそこまでしぃひんよ…。あ、ウチも心配になってきた…。」
「えっと、夢斗?先進みましょ?それとエリーチカってよんで欲しいなぁって…?」
「ふふ、慈悲などやらんさ。全員に課す罰は今日1日を以て出来る事全てやりきることだ!!
全力で遊び尽くす!」
無邪気な様子で言った言葉は想像してた言葉じゃなかったから唖然としちゃった。だって、あんな言い方されたら打ち首になるって考えちゃうじゃん!酷いよ!!
それならそうって言ってくれればよかったのに!
「だって、その方が楽しいだろ?俺も穂乃果も、皆も楽しい方が良いだろ♪」
「…焦っちゃったじゃない。」
「良かった…死ななくていいんだ。」
「海未ちゃん…泣いてる?はい、これハンカチだよ?」
「に…ににににににこが怖がる訳ないじゃない!!」
「声、震えてますけど?にこちゃんの足も小鹿みたいに震えてるし…」
「うぅ…良かったよぉー!」
「かよちゃんきっとお米一週間禁止とか考えてたにゃ?」
「この結果だけは流石にカードでもウチに告げてくれなかったんやねー」
「流石、夢斗くん!皆で遊び倒せばいいんだよね♪よく分かってる~」
「これがμ'sと俺の初めての共同活動なんだなぁ。ってな。よし、じゃあ行くか!Let's go!」
「妙に発音がいいにゃ!…かよちゃん、あれってどういう意味かにゃ?」
「りんちゃん…」
「バカね…」
「あー、かよちゃんも真姫ちゃんもバカにしたにゃ!ひどいにゃ!」
「さぁ、行こう!っていう意味よ?わかったかしら?」
「あはは…流石にこれはなぁ~。ウチも予想外やね…。」
「にこにーは勿論分かってたにこよ?」
「にこちゃん…」
「なんで皆してそんな残念そうな顔するのよ!!」
「ははっまあ、いいか。んじゃ、いっくぜー!!」
『おぉー!!』
これが私たちだって気がする。全力で、目一杯頑張って、がむしゃらに進んでく。これがμ'sだって気がする!
それでしんみりしてたら、皆が行っちゃった。
「あー、まってよー皆!!」
「穂乃果。」
夢斗くんに呼び止められた。皆は前しか見てなくて行っちゃう。でも、そんなこと今はどうでも良いような気がした。
バレないように短くチュッっておでこにキスを落として、皆の所に駆けていってしまった。
あたたかい温もりが額に残ってる。
何も言わなかったけど全て伝わった。
あぁ、私って愛されてるなって♪
「ふふ、ありがと。夢斗くん!
穂乃果に楽しい夢を見せてくれて…」
もうクリスマスは終わりますね…。
完全燃焼です…。
まだ気になる所を残して終わらせたんですけど皆さんは知りたいですか?
その場所としてはことり、にこ、花陽、真姫が見たサンタさんとは?です。
コメントに一言くれれば作ろうと思ってます!
そうすると短く、夢斗目線になりますかね?
では!
追記
って、そういえば何時だかした絵についてですけど携帯をスマホにしたのであげられるかも?とポチポチしてみましょう‼6ヶ月遅れのクリスマスプレゼントですね…。
【挿絵表示】