~休止中~ ラブライブ!出会いが全てを変えた世界で 女神達の夢の囁き   作:文才皆無。

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ええ、お疲れ様です!クリスマス編第二話上げちゃいましょうという訳でやってきました!

文才皆無。ですよ?
それで二話目は進みますが、苦いです…。自分でもなんでこんなにしちゃったんだろうって思ってます…。

では、どうぞ!




番外編 クリスマス、気付く想いとすれ違う心

おかしいな…何時もだったら全然気にしないのに今見ると夢斗君の顔が近くにあるって思っただけで胸が張り裂けそうだよ。

顔が暑いし、離れた瞬間に胸がキューってなった。

 

体験したことなかったから知らないけど、そんな状況を私は知っている、いや心の何処かでずっと否定してたのかもしれない。理解してたけど誤魔化そうとしてたんだ…。

 

初めて出会ったあの夢に覚めたとき、穂乃果は同じ胸の痛みを感じてた。だけど、優しさからお兄ちゃんって言葉で誤魔化したんだ。

 

私は多分あの時からずっと好きだったんだ…。

 

 

 

「穂乃果?」

 

心配そうに見てる夢斗君。穂乃果を心配してくれる嬉しさとそんな顔をさせちゃった申し訳なさがごちゃ混ぜになってる。意識しだしてしまうとこの気持ちが溢れてきてしまう…。

 

整った顔だち、男の子にしては少し長い前髪はサンタ帽からはみ出していて、綺麗な黒い瞳は何でも飲み込んじゃいそうなのに、暖かさも感じる。気付けば彼に目を離せなくなってしまっている私。

 

「…サンタさんなら私の夢、叶えてくれる?」

「ああ、俺はサンタであると同時に夢人だからな。その夢を叶える為のお手伝いを全力でさせてもらうさ」

「…私、欲しい者が在るんだ。」

「おう、教えてくれ。無理じゃない範囲なら全然構わない。さぁ言ってみよう!」

 

私は言いたい。でも、本当に言ってしまって良いのかと思っている私もいて、本当の気持ちを気付いた今なら分かる。たぶんμ’sの皆も好きなんだ…。

だけど、この気持ちに嘘は付きたくない。夢斗君は言った。後悔するのは後回しで良いって…なら、言っても良いかな?こんなに穂乃果を変えたのは夢斗君だもん

 

「私が欲しいのは…」

 

思わず目が泳いでしまう。一斉一代の大切なものだから、そんな単純なものでもないんだもん…。でも…

 

「………。」

「あの、さ。穂乃果はクリスマスって何の日か知ってるか?」

 

話し出せなかった私にそうたずねた夢斗君は雪の降る空を見上げて、まるで空を通して違う所を見ているような表情でポツリポツリ言葉を紡いでいく。

 

「キリストさんの誕生日?」

「ああ、そうだ。そのキリストさんは人でありながら神様と言われた人物なんだ。彼は自分を犠牲にしてまで他者に手を差し伸べて誰もかもを救った。それで殺されようと…」

「………。」

「彼は十字架に張り付けられながら火炙りにされ、その一生を閉じた。彼は何一つ間違えた事は言ってなかったのにな…。彼の考えは当時の国の在り方を否定するものだったから欲望のある奴の邪魔でしかなかったんだ。」

「そんなに危険な人だったの?」

 

いつの間にか引き込まれるように夢中になってた私はそう尋ねた。キリストって人は好い人のようにかんじたのに…

 

「誰も成し遂げられない希望と夢、平等をこの人は吟ったんだ。誰もが傷付かなくていい世界を作りたくて、誰もを救いたくて…」

「それなのに殺されっちゃった…」

「そう。…だけどこの人は殺された後に一度生き返ったって言う話がある。

まぁ、何が言いたいかって言うとその奇跡の力を借りて今の俺がここにいるってこと。つまり俺はクリスマスが過ぎちゃえばここに要られないってことだ。…だから言いたいことがあるなら早く言ってほしい。本当の伝えたい言葉があるなら特に…な。」

 

悲しそうな言葉。でも、全てが悲しみから来るものじゃなくて誇らしさも混じった言葉だって気付いた。

打ち明けてくれた夢斗君は辛かったと思う。でも、嘘を付けば楽だったのに付きたくなくて穂乃果に教えてくれた。きっとそれは彼の誠実さからくるもので私の為に出来る事がソレだったからなんじゃないかな…。

その気持ちを知った私は決心する。

 

「うん…穂乃果の言葉で、気持ちを…想いを全て言うよ。後悔したくないから…目の前の事から目を反らしちゃ駄目だよね!!」

「それでこそ穂乃果だよ。」

 

また私の頭を撫でてくれた夢斗君。暖かくて心がポカポカする。そして本当に大切なものの存在も分かった気がした。

 

 

「私、高坂 穂乃果は馬鹿でおっちょこちょいでドジで間抜けで大事な時に失敗ばかりしちゃうような子だけど貴方に言いたいことがあります。」

「…そう自分を卑下すること無いんじゃねぇか?

誰かを引っ張る力がある。一生懸命な所がある。思いやる事が出来る。

穂乃果の良いところはいっぱい知ってるし、自信持って良いだろ。」

 

間違ってる事はしっかり正してくれるその忠実な所も私は嬉しいけどそうじゃないんだよ。今の穂乃果には足りない所だらけなんだ。一人じゃ出来ないことを皆で補ってきたから出来たの。だから、その評価は少し違うんだよ。

 

「うん、でもそれって私だけの力じゃないんだよ?それが出来るようになったのはある人のおかげなんだよ。切っ掛けをくれたその人に出会えなかったら私は迷いを捨てられなかった!だから、私はまだまだ半人前なの。」

「そんなこと言ったら人間なんて誰しも半人前だろ。何時だか言ったあの言葉、人は支え合って生きてるっていうのがその答えだろ…」

「ううん。そうじゃないよ。…私が言いたいのは、一人前になるために人はパートナーを探すっていう事なんだよ?だから穂乃果の今欲しい者は…」

 

思案顔で噛み砕きながらその意味を少しずつ理解してその意味をしっかりと捕らえてくれる物分かりの良さって大切だけど、夢斗君も案外抜けてるトコがあるしたぶん言わなきゃ気付いてくれないよね?

 

「人生のパートナー…か。俺が探しても意味ないんじゃないか?」

「探すんじゃないよ。もう見付けてる。その大切な人との運命の出会いは終わってて、後はその人の返事だけ。」

 

ほら、穂乃果の思った通りだ。そうやって考えの中に自分を入れない所が夢斗君だよね。だから穂乃果の本当の気持ちに気付けたんだから想った通りに今日の今、この一瞬の気持ちと思いを込めて伝えるね?

 

「ねぇ、夢斗君。私は貴方に救われたんだよ。今日だって…何時だって君は遅れてきて…でも私の心に刻み込んでいく。それが穂乃果のヒーローで、王子様。それは夢斗君なんだよ!!ちっぽけな私が一人前の穂乃果として振る舞えたのは全部貴方が影で支えてくれたから。私が人として生きられるのは夢斗君が居たからなんだよ!!だから…」

 

 

「………。」

 

 

 

そのあとの会話は続く事は無かった。

夢斗君の澄んだ瞳にはただ私だけが写り込んでいた。息が掛かるようなそんな距離にいて、そして穂乃果の唇には温かな優しいお日様のような心地良い感触だけが残っている。そして喉まで出かけていた言葉は塞がれた口からそのまま出てくるは無かったから。

 

驚いたまま固まってしまったけど、私は穂乃果はすっごく嬉しかった。話して良かった…。

拒絶されなくて。受け入れて貰えて……。これから始まる事を考えたら色んな気持ちでいっぱいになって、それでそれで…

 

夢なら絶対に覚めないで欲しいって思ったんだよ。

私は照れ臭くて目を閉じる。想いで胸がいっぱいな今は本当に幸せ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…っあ!!」

「穂乃果、すまない」

 

離れた唇に冷たい空気が晒される。名残惜しさから思わず声が出てしまった。

だけど次の一言が夢斗君の口から出た瞬間に私は涙が溢れ出した。何を言われたのか分からなくてもう一度彼を見ると申し訳無さそうな顔をする夢斗君。その瞬間に分かってしまった…。

 

…え?何をイワレタノ?すまない?

それってつまり…

 

 

キスされたけどそれは私に対する最後の思い出だったっていうことなの?

 

 

そう気付いた私はここに居られなかった。居たくなかった。

誰も…居ないところに…、夢斗君に会わない所に行きたい…よぉ…

 

 

 

 

そう思った私は走って、兎に角走ってどこか遠くに行きたかった…。走って走って忘れようとしたけどそれでも口から漏れる声はきれた息と夢斗君の名前。悲しいよ、苦しいよ…。辛い…そんなの嫌だよぉ!

 

 

私は脇目もふらずに考えもなしに駆け出していた。

目的地なんてない。兎に角今は忘れられたらどうだっていい。涙と一緒に…この心にある想いも洗い流せれば良かったのに…。走って走って走って…無我夢中で走っていた。

 

 

そこからは意識を失うように何が合ったのかなんて覚えてなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

重い瞼を持ち上げ、始めに目に入ったのは天井の板と開いた窓から差し込む光だけだった。

そして朝、目が覚めたのは畳の上の布団の中だった。

 

「ここは…?それに私何してたんだっけ…?」

 

知らない所じゃないけど、なんでここにいるのか分からなかった…。海未ちゃんのお家、海未ちゃんの部屋。

だけどその部屋の住人は何故か不在…。

 

「…あ、穂乃果起きたんですね」

「海未ちゃん…」

 

静かにドアを半分程開くとひょっこりと覗き込むように海未ちゃんが顔を出した。

少しずつ頭が覚醒していく感覚が分かった。ボーッとしていた頭は切り替わり、海未ちゃんが隣に来たときには完全に目が覚めていた。そして足に痛みが走り、筋肉痛で昨日の事を思い出した。

 

「穂乃果…もう大丈夫何ですか…?」

「え?何が?私はいつも元気だよ」

 

笑う。だけど海未ちゃんはそんな私を見て悲痛に顔を歪ました。

 

「穂乃果…今だけは笑わないでいいんですよ…。辛いんですよね…。私は何があったのか知りませんけどそれでも私は…私達は何があっても味方なんですから。」

「海未、ちゃん…」

 

その優しい言葉は荒れた私の心にスッと染み込んでいった。我慢していた思いも感情も…全てが塞き止められてたダムは決壊するように溢れ出す。

もう何があったのかを思い出していた。昨日の夜に走った後気付くと海未ちゃんの家の前にいて偶々いた海未ちゃんに保護された。そして意気消沈する私の様子を見て、何も聞かずに通してくれてこうなった…。

 

「…私、私…」

「ええ、今は好きなだけ泣いて下さい。ここには私と穂乃果しか居ないんですから…。」

「あのね…私、頑張ったよ!だけど、だけど…ふぇぇえーん」

 

優しく背中に手を回して背中を擦ってくれた海未ちゃんが受け止めてくれるって分かった私は全てを吐き出すように泣いた。時間も忘れて、何もかもを忘れるように…。

止まらない涙をもう我慢しようとは思わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間にしてお昼になった位の事。

私は泣きつかれて寝てしまい起こされ、昼食を海未ちゃんと海未ちゃんのお母さん、お父さんと一緒にいただいた。最初は帰ろうとしたんだけどあの厳格なイメージがある海未ちゃんのお父さんに引き止められた。

どうやらお母さんとお父さんは海未ちゃんに泣き付いていた所を心配になって様子を見に来た際に目撃してしまった…と告白されて私はどうしたらいいのか分からなくなっちゃったけど、それでも私達に出来ることをさせてほしいと言われたのをトドメにお言葉に甘えることにしたのだ。

 

その時に変な事を言われた。

 

 

「世界はまるで海のようで過酷な荒波が吹き荒れている。それでもその荒波に負けない強い心を持つことで次に進む事が出来るんだよ。海は夢と同じで優しい。それ故に残酷で厳しいんだ…。進む力が出たのなら私達は娘の友人として嬉しく思う。

…それにまだ結論付けるのは総計なんじゃないかな?彼は誠実で責任感のある強い男だよ。」

 

 

優しげに、そして懐かしむように言った海未ちゃんのお父さんはそれ以上語ってくれなかったけど全て見えてたのかもしれない。私の悲しみの理由も、夢斗君という人物も…。

 

玄関先まで着いてきてくれた海未ちゃん達三人は私を笑って見送ってくれた。

 

「もう…大丈夫みたいですね。何か在ったときは又家に来てください。いつでも力になりますよ。」

「ありがとう海未ちゃん!!」

「彼に宜しくね。また家に来てほしいって伝えてくれる?」

「再戦を申し込みたいって言えばきっと伝わるはずだ…。そして海未が言ったようにいつでも力を貸そう。娘を宜しく頼むよ」

 

「色々お世話になりました…。それとありがとうございました!」

 

沢山迷惑をかけたのに笑って送り出してくれることに感謝して私はお礼を言うとそのまま一度お家に帰ろうとおもい、手を振りながら海未ちゃん家を後にした。

 

 

 

 

 

「……アレ?私、夢斗君のこと一切口にしてないよね…?じゃあなんで別れ際彼っていったんだろう…うーん…。」

 

 

ふと気付いた事は謎だらけで、頭を回転させて考えてみたけど答えは結局出ないままだった。でも、比較的に落ち着いたみたいで心にゆとりが持てていた。

 

あの時は夢斗君の話を最後まで聞いてないもんね!!それに穂乃果だって海未ちゃんのお父さんが言ったように夢斗君は誠実な人だって分かってるんだから、何か意味があっての言葉なんだって思う…。そりゃあ怖いよ…。

だって告白して、それですまないって謝られたんだよ。どう考えてもそれって拒否だよね…。

 

「あーもう!!こんなんじゃ駄目だぁ…。海未ちゃん達に励まされて出てきたんだからネガティブはダメだよね!」

 

ファイト、そう自分に言い聞かせて歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 




はい、二話しゅーりょー。

お前、穂乃果おしだろ?と聞かれたら、えみつんが好きなんですと答えましょう!
そしてなんやかんやで、海未ちゃんの中の人みもりんが出てるブシロード系統の番組を勧められました。

うん。おもれぇっす。


まだ終わってない!なので、お楽しみに!


そして、クリスマスはまだまだ終わらない!

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